
特定技能外国人を受け入れるには|企業の条件・人数枠・流れ・費用を1ページで確認【2026】
⚡ 結論|受け入れられるかどうかは「会社の条件・人数の上限・支援の担い手」で決まります
特定技能外国人を受け入れるには、条件15項目の点検 → 人数の確認 → 支援の担い手を決めてから申請。海外から呼ぶなら入社の約6か月前、国内で採用するなら約3か月前に動き出します
受け入れ企業(法律上は「特定技能所属機関」)がやることは6つです。①自社の業務が対象分野に当たるか、②会社としての基準を満たすか、③採用する本人が条件を満たすか、④人数の上限にかからないか、⑤支援(義務的支援10項目)を自社で行うか登録支援機関に委託するか、⑥海外から呼ぶか国内で採用するかに応じた申請です。審査にかかる日数は、2026年7月に許可された特定技能1号の平均で、海外から呼ぶ在留資格認定証明書が64.1日、国内在住者の在留資格変更が59.5日(外食業分野を除く)。この記事では、出入国在留管理庁の運用要領(令和8年8月版)をもとに、自社で判定できるチェック表、2つの採用ルート別の逆算スケジュール、2026年10月1日受付分からの手数料改定を反映した費用の内訳までを1ページにまとめました。
あわせて読みたい:特定技能という制度そのもの(1号と2号の違い、対象分野、技能実習・育成就労との違い)は特定技能制度とは?受け入れ企業の完全ガイドで解説しています。本記事は「受け入れるために会社が何をするか」に絞った実務編です。
📑 記事の早見表(読みたい場所へ飛べます)
- ▸ 1. 特定技能外国人を受け入れるには|会社がやることは6つ
- ▸ 2. 特定技能の受け入れ企業の条件|15項目の自社判定チェック表
- ▸ 3. 特定技能の受け入れ条件(本人側)|採用前に確かめる7点
- ▸ 4. 特定技能の受け入れ人数|会社の人数枠と分野ごとの上限
- ▸ 5. 支援は自社か登録支援機関か|全部委託・一部委託と判断の3つの問い
- ▸ 6. 特定技能の受け入れの流れ|海外から・国内から、2つの逆算スケジュール
- ▸ 7. 申請前にやることと分野別の上乗せ要件|協議会・協力確認書
- ▸ 8. 特定技能の受け入れ費用|初期・毎月・更新時の内訳と概算
- ▸ 9. 受け入れ後に続く義務|面談・届出・更新の年間の流れ
- ▸ 10. よくある質問
- ▸ 11. まとめ
- ▸ 12. 公式情報源リスト(お気に入り登録推奨)
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1. 特定技能外国人を受け入れるには|会社がやることは6つ
特定技能は、人手不足が認められた分野で、試験などで技能と日本語を確かめた外国人を直接雇用する仕組みです。技能実習と違って監理団体はなく、受け入れ企業が自ら採用し、雇用契約を結び、支援の計画を立てて出入国在留管理庁に申請します。つまり「誰かに任せれば済む」部分は思ったより少なく、会社として判断しなければならないことが6つあります。
| 順番 | 会社がやること | 判断の基準 | この記事の章 |
|---|---|---|---|
| ① | 任せたい仕事が対象分野かを確かめる | 19分野の「業務区分」に当たるか。分野名だけでなく、実際の作業内容で判断する | 本章 |
| ② | 会社としての基準を満たすか点検する | 雇用契約・会社自体・支援体制・支援計画の4つの基準。15項目で判定できる | 2章 |
| ③ | 採用する本人が条件を満たすか確かめる | 18歳以上、技能試験と日本語試験の合格(または技能実習2号の良好修了)、1号の通算在留5年まで など | 3章 |
| ④ | 人数の上限にかからないか確かめる | 介護・建設の会社ごとの人数枠、分野全体の受入れ見込数(上限)、外食業の一時停止 | 4章 |
| ⑤ | 支援の担い手を決める | 自社で行う/登録支援機関に全部または一部を委託する | 5章 |
| ⑥ | 採用ルートに合った申請を行う | 海外から呼ぶ=在留資格認定証明書交付申請/国内在住者を採用=在留資格変更許可申請 | 6〜7章 |
①の対象分野は、2026年8月の運用要領で特定技能1号が19分野(介護、ビルクリーニング、リネンサプライ、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、自動車運送業、鉄道、物流倉庫、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業、資源循環)です。このうちリネンサプライ・物流倉庫・資源循環は2026年1月に追加された分野で、物流倉庫と資源循環は「準備が整い次第、運用開始を予定」とされています(2026年9月時点)。分野ごとの業務区分の早見表は特定技能の分野一覧【2026】全19分野と新分野3つで確認できます。そもそも特定技能で採るべきか、技人国や育成就労が合うのかで迷う場合は、外国人労働者の受け入れ方|5つのルートを3つの質問で判定を先にご覧ください。
📌 公式情報源|出入国在留管理庁「受入れ機関の方」/特定技能外国人受入れに関する運用要領(令和8年8月・PDF)/外国人労働者に関する制度概要(令和8年9月29日更新・PDF)(2026年9月時点)
2. 特定技能の受け入れ企業の条件|15項目の自社判定チェック表
出入国在留管理庁は、受け入れ企業が満たすべき基準を「外国人と結ぶ雇用契約が適切」「受け入れ機関自体が適切」「外国人を支援する体制がある」「支援の計画が適切」の4つに整理しています。細かな基準は運用要領の第5章に並んでいますが、申請前に会社として確かめるべきものを15項目にまとめると次のとおりです。1つでも満たさない項目があると、その時点で受け入れはできません。印刷して社内で確認する前提で、右の欄に「□」を付けています。
特定技能 受け入れ企業の条件チェック表(15項目)
| 区分 | # | 確認すること(運用要領の基準の要点) | 自社 |
|---|---|---|---|
| 雇用契約 | 1 | 従事させる業務が、その分野の業務区分に当たる(分野別の運用要領別冊で確認) | □ |
| 2 | フルタイムで雇い、所定労働時間が自社の通常の労働者と同等(原則として週5日以上かつ年間217日以上、かつ週30時間以上) | □ | |
| 3 | 報酬額が、同じ業務に就く日本人と同等以上。外国人であることを理由に、報酬・教育訓練・福利厚生施設の利用などで差をつけない | □ | |
| 4 | 本人が一時帰国を希望したときは、必要な休暇を取らせる | □ | |
| 5 | 契約終了後に本人が帰国の旅費を負担できないときは会社が負担する。本人の健康状況や生活状況を把握する措置をとる | □ | |
| 会社自体 | 6 | 労働・社会保険・税の法令を守っている(労働保険料、健康保険・厚生年金保険料、国税・住民税に未納がない) | □ |
| 7 | 雇用契約を結ぶ日の前1年以内とその後に、同じ種類の業務に就くフルタイムの労働者を非自発的に離職させていない(1人でも該当すると不可) | □ | |
| 8 | 同じく前1年以内とその後に、会社の責めに帰すべき事由で外国人(技能実習生を含む)の行方不明者を出していない | □ | |
| 9 | 欠格事由に当たらない(出入国・労働関係の法令違反による刑罰、5年以内の出入国・労働関係の不正行為、技能実習の認定取消し、暴力団関係、役員の適格性 など) | □ | |
| 10 | 本人や家族から保証金を取ったり、違約金を定める契約を結んだりしていない(送り出し側で取られていないことも確認して契約する) | □ | |
| 11 | 義務的支援にかかる費用を、直接にも間接にも本人に負担させない | □ | |
| 12 | 労災保険の保険関係の成立を届け出ている。報酬は本人名義の預貯金口座への振込み(または実際の支払額を確認できる方法)で支払う | □ | |
| 13 | 雇用契約を続けて守れる財政的な基盤がある(直近の期末で債務超過なら、中小企業診断士・公認会計士などの評価書類が必要) | □ | |
| 運用・支援 | 14 | 活動状況の文書(管理簿など)を作って事業所に置き、契約終了日から1年以上保管する。自治体の共生施策への協力要請に応じる(申請前に市区町村へ協力確認書を提出) | □ |
| 15 | 支援体制がある(登録支援機関へ全部委託する、または自社支援の要件を満たす)。あわせて分野ごとの上乗せ基準(協議会への加入など)を満たす | □ |
つまずきやすいのは7番・6番・3番
7番の「非自発的離職」は、人員整理のための希望退職の募集や退職勧奨、賃金の引き下げ・遅配・過度な残業・採用条件との食い違いなど労働条件の重大な問題を理由とした離職、故意の排斥や嫌がらせなど就業環境の問題による離職、本人の責めによらない有期契約の雇止めなどが該当します。対象は同じ種類の業務に就いていたフルタイムの従業員で、パート・アルバイトは含みません。天候不順や自然災害、感染症の影響で経営努力を尽くしても雇用の維持が難しかった場合は除かれます。判断に迷うときは、運用要領も「まずは地方出入国在留管理局に相談」としています。
リウス(インドネシア出身・ジンザイネシア)
6番の社会保険料は、健康保険・厚生年金保険の適用事業所なら、申請月の前々月までの24か月分すべての保険料領収証書の写し(または社会保険料納入状況照会回答票)で確認されます。分割納付の猶予を受けている場合は、猶予の許可通知書などで説明します。3番の報酬は「特定技能外国人の報酬に関する説明書(参考様式第1-4号)」で、比べる日本人の業務と報酬を示します。同じ業務の日本人がいない場合でも、賃金規程や近い職務の従業員との比較で説明できるよう準備しておきます。業種ごとの給与の決め方は、介護なら特定技能 介護の給与相場と決め方が参考になります。
✅ 書類の省略ができる会社・できない会社
会社の適格性に関する書類(登記事項証明書、役員の住民票、社会保険料・税の納付資料など)は、同じ年度内にすでに特定技能外国人を受け入れているか、過去3年間に指導勧告書の交付や改善命令を受けておらず、在留申請をオンライン、届出を電子届出で行い、かつ一定の実績がある会社(上場企業、源泉徴収税額が1,000万円以上の団体・個人、特定技能所属機関として3年間継続して受け入れ実績があり過去3年間債務超過のない法人 など)は、申請時の提出を省略できます。初めて受け入れる会社は省略できない前提で、納付証明などを早めにそろえてください。なお、オンライン申請の利用者登録には時間がかかるため、運用要領は期限の3か月前までの申請を求めています。
📌 公式情報源|特定技能外国人受入れに関する運用要領 第2章第3節・第5章(令和8年8月・PDF)/出入国在留管理庁「雇用における注意点」/「特定技能」に係る提出書類一覧表(2026年9月時点)
3. 特定技能の受け入れ条件(本人側)|採用前に確かめる7点
会社が基準を満たしていても、採用する本人が条件を満たさなければ許可は出ません。面接の前に、履歴書と証明書で次の7点を確かめておくと、内定後に「試験の区分が違った」「通算の在留期間が足りない」と分かって止まる事態を防げます。
| 条件 | 内容 | 会社が確かめる方法 |
|---|---|---|
| 年齢 | 18歳以上 | 旅券・在留カード |
| 技能 | 分野・業務区分に対応する技能試験に合格。または技能実習2号を良好に修了(職種・作業と分野の対応関係による) | 合格証明書の区分が、任せる業務の区分と一致しているか |
| 日本語 | 国際交流基金日本語基礎テスト、または日本語能力試験N4以上 など。介護は別に介護日本語評価試験、自動車運送業(タクシー・バス)・鉄道(運輸係員)も別の要件がある | 合格証明書(技能実習2号の良好修了者は免除) |
| 通算在留期間 | 特定技能1号は通算で上限5年(妊娠・出産・育児などやむを得ない事情で働けなかった期間は除く。相当の理由があれば6年まで) | 他社で1号として働いていた人は、これまでの在留期間を必ず確認 |
| 健康 | 健康状態が良好であること。健康診断は在留申請の前に受診する | 健康診断個人票 |
| 保証金・費用 | 保証金を取られていない、違約金を定める契約を結んでいない。本人が負担する費用がある場合は、その内容を十分に理解している | 送り出し機関・紹介会社との契約内容を確認 |
| 本国の手続 | 国籍国によっては、本国の法令で定める送出手続が必要(二国間の協力覚書による) | 出入国在留管理庁「特定技能に関する各国別情報」 |
運用要領は、試験の合格前に内定を出すことは禁止されていないとしつつ、「必要な試験に合格しなければ受け入れは認められない」と明記しています。合格見込みの段階で採用を決める場合は、試験日程と合格発表日を逆算スケジュールに入れてください。インドネシアから採用する場合の本国側の流れはインドネシア人材は誰が・どうやって連れてくる?送り出しの仕組みにまとめています。面接で見るべき点は特定技能の面接|質問25例・評価5軸をご覧ください。
⚠️ 技能実習生を特定技能で雇い続ける場合の注意
技能実習生は、実習計画が修了した後は働けません。在留資格変更の申請中でも同じです。出入国在留管理庁は、変更の処理に1〜2か月程度かかることから、就労開始予定日の2か月以上前に申請するよう求めています。間に合わない場合の「特定活動(特定技能1号への移行準備)」という選択肢も含め、介護の技能実習から特定技能への移行手続きで予定表の作り方を解説しています。
📌 公式情報源|外国人労働者に関する制度概要「就労開始までの流れ」(PDF)/特定技能に関する各国別情報/技能実習生が「特定技能」に変更申請を行った後、稼働ができなくなるケース(PDF)(2026年9月時点)
4. 特定技能の受け入れ人数|会社の人数枠と、分野ごとの上限
「何人まで受け入れられるか」には2つの段階があります。1つは会社(事業所)ごとの人数枠、もう1つは分野全体の上限です。技能実習と違い、特定技能は原則として会社ごとの人数枠がありません。ただし介護と建設は例外で、また分野全体の上限に達すると新しい受け入れが止まります。
4-1. 会社ごとの人数枠は原則なし|介護と建設だけ上限がある
| 分野 | 人数枠 | 数え方の注意 |
|---|---|---|
| 介護 | 事業所ごとに、1号特定技能外国人の数が、その事業所の日本人等の常勤介護職員の総数を超えないこと | 「日本人等」には介護福祉士国家試験に合格したEPA介護福祉士、在留資格「介護」、永住者など身分に基づく在留資格の人が入る。技能実習生・EPA介護福祉士候補者・留学生は入らない。介護施設の事務職員や看護業務を行う看護師も数えない |
| 建設 | 1号特定技能外国人の総数が、常勤の職員(1号特定技能外国人と技能実習生を除く)の総数を超えないこと | 2026年6月23日公布の告示改正(2027年4月1日施行)で、常勤職員の数から除く対象が「1号特定技能外国人・海外の事業所に所属する常勤職員・育成就労外国人」に改められる(ただし書きの例外あり) |
| 上記以外の17分野 | 会社ごとの人数枠はない | ただし分野全体の上限(4-2)と、2027年4月からの支援担当者1人あたりの上限(4-4)がある |
介護の人数枠は法人全体ではなく事業所単位で数えます。具体的な数え方と、在留資格「介護」に移った職員が分母に入る仕組みは特定技能 介護の人数枠と上限|事業所単位の数え方、建設の受入計画と人数枠は建設業の外国人材 採用完全ガイドで詳しく扱っています。
4-2. 分野ごとの上限(受入れ見込数)と、いまの埋まり具合
国は分野ごとに「受入れ見込数」を決めており、出入国在留管理庁の制度説明資料はこれを受入れの上限と位置づけています。現在の見込数は2026年1月23日の閣議決定で、全分野あわせて805,700人(2029年3月末まで)。2026年6月末時点の在留者数(速報値)は425,961人で、全体の充足率は52.9%です。
| 分野 | 受入れ見込数(上限) | 在留者数(2026年6月末) | 充足率 |
|---|---|---|---|
| 外食業 | 50,000人 | 49,060人 | 98.1% |
| 飲食料品製造業 | 133,500人 | 100,769人 | 75.5% |
| 建設 | 76,000人 | 52,132人 | 68.6% |
| 介護 | 126,900人 | 79,884人 | 63.0% |
| 農業 | 73,300人 | 44,050人 | 60.1% |
| 航空 | 4,900人 | 2,803人 | 57.2% |
| 自動車整備 | 9,400人 | 5,235人 | 55.7% |
| 造船・舶用工業 | 23,400人 | 11,641人 | 49.7% |
| 漁業 | 14,800人 | 4,912人 | 33.2% |
| ビルクリーニング | 32,200人 | 10,171人 | 31.6% |
| 工業製品製造業 | 199,500人 | 62,033人 | 31.1% |
| 宿泊 | 14,800人 | 2,556人 | 17.3% |
| 自動車運送業 | 22,100人 | 558人 | 2.5% |
| 鉄道 | 2,900人 | 64人 | 2.2% |
| 林業 | 900人 | 19人 | 2.1% |
| 木材産業 | 4,500人 | 74人 | 1.6% |
| 物流倉庫(2026年1月追加) | 11,400人 | - | - |
| リネンサプライ(2026年1月追加) | 4,300人 | - | - |
| 資源循環(2026年1月追加) | 900人 | - | - |
| 合計 | 805,700人 | 425,961人 | 52.9% |
※充足率の高い順に並べ替えています。在留者数は速報値。「-」は出入国在留管理庁の資料で数値の記載がない分野です。出典:出入国在留管理庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年6月末時点・速報値)」(2026年9月4日更新)。
この表から読み取れるのは、分野によって「急ぐべき度合い」がまったく違うということです。外食業はすでに上限に達しており、飲食料品製造業も4分の3を超えています。一方で宿泊や自動車運送業は余裕があります。上限に近い分野の会社は、採用の意思決定を後ろにずらすほど選択肢が狭まる可能性がある点を、社内の検討で共有しておくとよいでしょう。
4-3. 外食業は2026年4月13日から新規の受け入れを一時停止
外食業分野の在留者数は2026年2月末時点で約4万6千人(速報値)となり、上限の5万人を超える見込みとなったため、農林水産大臣の要請を受けて2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付を一時停止しています。同日以降に受理した海外からの呼び寄せ(認定証明書の申請)は不交付、特定技能1号(外食業)への在留資格変更も原則不許可です。ただし、すでに外食業の特定技能1号で在留している人の転職などに伴う申請は通常どおり審査され、在留期間の更新も通常どおりです。2026年9月10日掲載の審査状況では、認定証明書は受付日が2026年1月31日までの申請を順次交付している段階です。外食業の会社がいま取れる選択肢は外食企業必読|特定技能の受入上限と育成就労での採用突破口で整理しています。
4-4. 2027年4月からは「支援担当者1人あたり50人未満」も実質の上限に
会社ごとの人数枠がない分野でも、支援の体制による上限があります。2027年4月1日施行の省令改正で、支援担当者1人が支援できる1号特定技能外国人は50人未満になります。自社で支援する会社が50人以上を雇うなら、支援担当者を2人以上置く必要があります。登録支援機関に委託している場合は、委託先が支援担当者1人あたり50人未満・10機関未満を守る必要があり、これは委託先選びの判断軸になります(詳しくは次章)。
📌 公式情報源|特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年6月末時点・速報値・PDF)/介護分野の運用要領別冊(PDF)/建設分野に特有の事情に鑑みて定める基準の改正/外食業分野における受入れ上限の運用について/外食業分野の在留諸申請の審査状況(2026年9月時点)
5. 支援は自社か登録支援機関か|全部委託・一部委託と判断の3つの問い
特定技能1号の人を受け入れる会社は、1号特定技能外国人支援計画を作り、在留申請のときに提出し、計画どおりに支援しなければなりません。支援の中身は「義務的支援10項目」と呼ばれ、①事前ガイダンス、②出入国時の送迎、③住居の確保と生活に必要な契約の支援、④生活オリエンテーション、⑤公的手続への同行、⑥日本語学習の機会の提供、⑦相談・苦情への対応、⑧日本人との交流の促進、⑨会社の都合で契約を解除する場合の転職支援、⑩3か月に1回以上の定期面談と行政機関への通報、です(特定技能2号は支援の対象外)。
📘 委託のルール(出入国在留管理庁の説明をそのまま)
- 受入れ機関は、登録支援機関に支援計画の全部又は一部を委託することもできる。
- 登録支援機関に支援計画の全部の実施を委託した場合は、受入れ機関が満たすべき支援体制の基準を満たしたものとみなされる。
- 登録支援機関は、委託を受けた支援業務の実施をさらに委託することはできない(通訳人など履行を補助する範囲の活用は可能)。
つまり「一部だけ委託する」こともできますが、その場合は「みなし」が働かないため、会社自身が支援体制の基準を満たす必要があります。3つの形を比べると次のとおりです。
| 支援の形 | 会社に求められること | 向いている会社 |
|---|---|---|
| 自社で支援 | 次のいずれかを満たす:過去2年間に就労系の在留資格の外国人(中長期在留者)を受け入れ・管理した実績がある/役職員に過去2年間の生活相談業務の経験者がいる/これらと同程度に支援できると認められる。そのうえで支援責任者と、事業所ごとに1名以上の支援担当者を選任し、本人が十分に理解できる言語で支援できる体制、定期面談、記録の保管、中立性を確保する | 外国人雇用の実績があり、母国語で相談に乗れる職員がいる会社 |
| 一部を委託 | 委託しない部分は自社で実施。支援体制の基準は自社で満たす必要がある(みなしは働かない) | 自社支援の要件を満たしたうえで、空港送迎など一部だけ外に出したい会社 |
| 全部を登録支援機関に委託 | 支援体制の基準を満たしたものとみなされる。支援委託契約を結び、支援計画に委託先を記載する。委託費は月額(8章) | 初めて外国人を雇う会社、母国語対応の職員がいない会社 |
自社支援か委託かを決める3つの問い
- 過去2年間に、就労系の在留資格の外国人を受け入れた実績、または生活相談の経験がある役職員がいるか。どちらもなければ、自社支援の要件を満たすのは難しく、全部委託が現実的です。
- 本人が十分に理解できる言語で、夜間や休日の相談にも応じられるか。相談・苦情への対応は義務的支援の⑦です。インドネシア語などで応じられる職員がいなければ、委託先の対応言語を確認します。
- 3か月に1回以上の定期面談と記録、届出を回す常勤の担当者を置けるか。2027年4月からは支援責任者・支援担当者を常勤の役職員から選び、支援業務はその2者に限られます。
リウス
委託先を選ぶときは「担当者1人あたり何社・何人か」を聞く
2027年4月1日から、登録支援機関には支援担当者1人あたり1号特定技能外国人50人未満・特定技能所属機関10機関未満、支援責任者・支援担当者を事務所ごとに常勤の役職員から選任、支援業務をその2者に限定、支援責任者の養成講習(当分の間は未修了でも差し支えない)という要件がかかります。受け入れ企業にとって大事なのは、採用した人が困ったときに、同じ担当者にすぐ相談できる状態が続くかです。委託先を比べるときは「いまの担当者1人あたりの受け持ちは何社・何人か」「その担当者は常勤か」を必ず聞いてください。質問の言い方は登録支援機関の体制要件が2027年4月から厳格化、委託先の選び方と費用の全体像は登録支援機関とは?選び方・費用・一覧、3社を同じ質問で比べるための記入シートは登録支援機関の選び方|契約前に確認すべき10項目にまとめています。
📌 公式情報源|出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」/1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について(令和9年4月1日施行)/運用要領 第5章第2節第2(中長期在留者の受入れ実績等)(2026年9月時点)
チェック表で「□」が残った項目、自社支援にするか委託にするか——判断に迷う段階でご相談いただけます
当社は登録支援機関(24登-011066)として、インドネシア人材に特化して支援を行っています。受け入れ条件の点検、人数枠の数え方、入社希望日から逆算した段取りまで、30分で一緒に整理します。
💬 30分の無料相談を予約する6. 特定技能の受け入れの流れ|海外から呼ぶ場合・国内で採用する場合の逆算スケジュール
受け入れの流れは、採用する人がいま海外にいるか、日本にいるかで大きく変わります。申請の種類、申請する人、手数料、審査の日数がすべて違うため、まず自社がどちらのルートかを決めてから逆算します。
| 項目 | 海外から呼ぶ | 国内在住者を採用する |
|---|---|---|
| 主な対象者 | 海外で試験に合格した人、帰国した技能実習2号修了者 | 試験に合格した留学生、技能実習2号修了者、他社で働く特定技能の人(転職) |
| 申請の種類 | 在留資格認定証明書交付申請 →(交付後)本人が在外公館で査証を申請 → 入国 | 在留資格変更許可申請(転職も変更申請が必要) |
| 申請する人 | 受け入れ企業の職員が代理人として申請(登録支援機関は取次が可能)。会社の本店所在地を管轄する入管へ | 本人申請が原則(受け入れ企業・登録支援機関は承認を受けて取次が可能)。本人の住居地を管轄する入管へ |
| 国に払う手数料 | かからない | 許可時に必要。2026年10月1日受付分から許可期間で変わり、窓口で1年33,000円・3年64,000円など(8章) |
| 審査の日数 | 標準処理期間1〜3か月。2026年7月許可分の平均64.1日 | 標準処理期間1〜2か月。2026年7月許可分の平均59.5日(告知まで) |
| 入社までの目安 | 約6か月(採用・書類準備・審査・査証・渡航) | 約3か月。申請中は新しい職場で働けない |
※審査日数は出入国在留管理庁「在留審査処理期間(令和8年7月許可分)」の特定技能1号の平均。外食業分野の申請を除いて算出されています。「入社までの目安」は、この平均審査日数に採用・書類準備・査証・渡航の期間を足して当社が見積もったもので、試験の日程や繁忙期によって前後します。
6-1. 海外から呼ぶ場合|入社希望日の約6か月前から動く
🗓 海外から呼ぶ場合の逆算スケジュール
6〜4か月前
自社判定・委託先決定・協議会
4〜3か月前
面接・雇用契約・申請書類
3〜1か月前
認定証明書の審査
1か月前〜入社
査証・入国・生活の立ち上げ
← 入社希望日から逆算 →
| 時期 | やること | ねらい・ポイント |
|---|---|---|
| 6〜4か月前 | ① 2章の15項目で自社判定 ② 人数枠・分野の上限を確認 ③ 支援の形を決め、委託するなら登録支援機関を選定 ④ 協議会への加入手続き ⑤ 求人条件(業務・給与・住居)を決め、紹介会社・送り出し機関と連携 ⑥ オンライン申請の利用者登録 | 協議会の入会や国ごとの送出手続は日数が読みにくい。ここを先に動かす |
| 4〜3か月前 | ① 面接・内定 ② 雇用契約の締結(本人が十分に理解できる言語の雇用条件書) ③ 事前ガイダンス(対面またはテレビ電話等) ④ 健康診断 ⑤ 支援計画の作成・支援委託契約 ⑥ 市区町村へ協力確認書を提出 ⑦ 申請書類の作成 | 事前ガイダンスと健康診断は申請の前に済ませる必要がある |
| 3〜1か月前 | ① 在留資格認定証明書交付申請(窓口またはオンライン) ② 追加書類の求めに対応 ③ 住居の確保、空港送迎・生活オリエンテーションの準備 | 平均64.1日。追加資料を求められると延びる |
| 1か月前〜入社 | ① 交付された認定証明書を本人に送付 ② 本人が在外公館で査証を申請・受領 ③ 入国・空港送迎 ④ 生活オリエンテーション、住民登録・口座開設・携帯電話の契約の支援 ⑤ 就労開始 | 入国直後は住居・口座・役所の手続きが重なる。支援の実施日を先に決めておく |
6-2. 国内在住者を採用する場合|入社希望日の約3か月前から動く
🗓 国内在住者を採用する場合の逆算スケジュール
3か月前
判定・面接・雇用契約
2か月前まで
在留資格変更の申請
許可〜入社
在留カード受領・就労開始
← 入社希望日から逆算 →
| 時期 | やること | ねらい・ポイント |
|---|---|---|
| 3か月前 | ① 15項目の自社判定・人数枠の確認 ② 本人の在留カード・試験合格証・通算在留期間を確認 ③ 面接・内定・雇用契約 ④ 事前ガイダンス・健康診断 ⑤ 協議会加入・協力確認書 ⑥ 支援計画・支援委託契約 | 転職者は前の会社での通算在留期間と、在留期限を必ず確認する |
| 2か月前まで | ① 在留資格変更許可申請(本人の住居地を管轄する入管、またはオンライン) ② 追加書類への対応 | 平均59.5日。申請中は変更予定の職場で働けない。技能実習からの移行は就労開始予定日の2か月以上前に申請 |
| 許可〜入社 | ① 新しい在留カードと指定書を受け取る ② 許可の手数料を納付 ③ 生活オリエンテーション ④ 就労開始・ハローワークへの外国人雇用状況の届出 | 引っ越しを伴う場合は住居と役所手続きの支援も同時に |
🔁 逆算のコツ|入社希望日から「申請の締切」を先に決める
- 海外から呼ぶなら、認定証明書の申請は入社希望日の3か月前まで。その前に書類をそろえるため、委託先と協議会の手続きは6か月前に着手する。
- 国内在住者なら、在留資格変更の申請は入社希望日の2か月前まで。面接と雇用契約はその1か月前に終える。
- 出入国在留管理庁は、例年4月の就職時期に向けて就労資格の審査期間が長くなる傾向があると注記しています。4月入社は1か月早めに動くのが安全です。
リウス
📌 公式情報源|出入国在留管理庁「受入れ機関の方|雇用までの流れ」/在留資格認定証明書交付申請(手数料・標準処理期間)/在留審査処理期間/令和8年7月許可分(PDF)(2026年9月時点)
7. 申請前にやることと分野別の上乗せ要件|協議会・協力確認書・事前ガイダンス
7-1. どの分野でも申請の前に済ませること
| やること | いつまでに | 中身 |
|---|---|---|
| 分野別協議会への加入 | 在留申請の前(分野の運用要領別冊・所管省庁で確認) | 受け入れる全ての会社に加入が求められる。介護分野は2024年6月15日以降、初めての受け入れでも申請時に構成員であることの証明書が必要 |
| 協力確認書の提出 | 初めて受け入れる場合、雇用契約の締結後・申請の前 | 働く事業所の所在地と本人の住居地の市区町村へ(同じなら1通)。2025年4月1日から。同じ事業所で次の人を受け入れるときは再提出不要 |
| 事前ガイダンス | 雇用契約の締結後・申請の前 | 労働条件・活動内容・入国手続・保証金徴収の有無などを、対面またはテレビ電話等で説明(義務的支援①) |
| 健康診断 | 申請の前 | 申請書類として健康診断個人票を提出する |
| 支援計画・支援委託契約 | 申請時に提出 | 支援計画には支援責任者・担当者と、委託する場合は登録支援機関を記載する |
7-2. 分野別の上乗せ要件|当社が多く相談を受ける分野
| 分野(所管) | 主な上乗せ要件・いまの状況 | 詳しい記事 |
|---|---|---|
| 介護(厚生労働省) | 申請前に協議会へ加入し、構成員の証明書と「業務を行わせる事業所の概要書(分野参考様式第1-2号)」を提出。事業所単位の人数枠。本人は介護技能評価試験と介護日本語評価試験。訪問系サービスは2025年4月21日から要件付きで従事可能 | 介護分野 特定技能協議会の加入と概要書/訪問介護は外国人でもできる? |
| 外食業(農林水産省) | 協議会への加入。2026年4月13日から認定証明書の交付を一時停止(4-3参照)。外食業の特定技能1号で在留する人の転職は通常審査 | 外食業 特定技能協議会の加入ガイド |
| 宿泊(観光庁) | 協議会への加入。本人は宿泊分野の特定技能評価試験。受入れ見込数に対する充足率は17.3%(2026年6月末) | 宿泊分野 特定技能協議会の加入ガイド |
| 建設(国土交通省) | 申請前に建設特定技能受入計画の認定。登録法人(建設技能人材機構)への加入、建設キャリアアップシステムへの登録、人数枠 | 建設技能人材機構(JAC)とは |
| 物流倉庫(国土交通省) | 2026年1月に追加。2026年9月18日に特定技能の運用要領別冊が公表された一方、特定技能1号評価試験の開始時期は未定、分野別協議会は設置に向けて調整中(国土交通省・2026年9月時点) | 特定技能「物流倉庫」の受入手続き |
| 工業製品製造業(経済産業省) | 協議会に加え、分野所管省庁の登録を受けた法人への加入が必要 | 工業製品製造業の外国人材 採用完全ガイド |
なお、特定技能は直接雇用が原則で、派遣が認められているのは農業と漁業だけです。自社の業種で派遣が使えるかは特定技能は派遣できる?全分野○×早見表で確認できます。
📌 公式情報源|特定技能制度における地域の共生施策に関する連携(協力確認書)/分野別所管省庁のお問合せ先・ウェブサイト/厚生労働省 介護分野/国土交通省 物流倉庫分野(2026年9月時点)
8. 特定技能の受け入れ費用|初期・毎月・更新時の内訳と概算
費用は「国に払うもの」と「民間に払うもの」に分けると見通しが立ちます。国に払う手数料は少額ですが、2026年10月1日受付分から在留期間によって変わるようになりました。民間に払う費用は採用ルートと委託の範囲で大きく変わります。1人あたりの目安は次のとおりです。
| 費用項目 | タイミング | 概算(1人あたり) | 補足 |
|---|---|---|---|
| 人材紹介料 | 初期 | 10万〜80万円(多くは20万〜60万円) | 国内在住者の採用は低め、海外からは高めになりやすい。直接応募なら発生しない |
| 送り出し機関の費用 | 初期(海外) | 国・機関で幅が大きい(業界各社の公表で0〜70万円程度) | 国内在住者の採用では発生しない。内訳の見方は送り出し機関の費用・手数料相場 |
| 在留申請の書類作成(行政書士に委託する場合) | 初期・更新時 | 5万〜20万円程度 | 自社で作成すれば発生しない。登録支援機関は有償で作成できない(改正行政書士法・2026年1月1日施行) |
| 在留資格認定証明書の交付申請 | 初期(海外) | 手数料なし | 出入国在留管理庁「手数料はかかりません」 |
| 在留資格変更の許可手数料 | 初期(国内) | 窓口10,000〜75,000円 | 許可される在留期間で決まる(下の表)。9月30日までの受付分は窓口6,000円 |
| 渡航費 | 初期(海外) | 4万〜15万円 | 出発地・時期で変わる |
| 住居の初期費用 | 初期 | 20万〜50万円(30万円前後が中心) | 敷金・礼金・家具家電など。住居の確保は義務的支援③ |
| 健康診断 | 初期 | 5,000〜1万円程度 | 申請の前に受診 |
| 支援委託費 | 毎月 | 1.5万〜4万円(平均約28,386円) | 最も多いのは月2.0万〜2.5万円の帯で、約9割が月3万円以下。当社は月2.5万円 |
| 在留期間更新の許可手数料 | 更新時 | 窓口10,000〜75,000円 | 1号の在留期間は3年を超えない範囲で個別に決まる |
| 分野の会費など | 分野による | 分野ごとに異なる | 建設は建設技能人材機構の会費・受入負担金などがかかる |
一度きりの費用を合計すると、多くのケースで海外から呼ぶ場合は1人あたり約50万〜100万円、国内在住者の採用は約30万〜60万円が目安です。紹介料と住居の条件で上下します。これに毎月の支援委託費と給与が加わります。業種別の相場と見積りの妥当性の確かめ方は特定技能の費用はいくら?初期費用・ランニングコスト・業種別相場で詳しく扱っています。
在留資格の変更・更新の手数料(2026年10月1日受付分から・確定)
| 許可される在留期間 | 窓口 | オンライン |
|---|---|---|
| 3月以下 | 10,000円 | 10,000円 |
| 3月超6月以下 | 18,000円 | 15,000円 |
| 6月超1年未満 | 25,000円 | 21,000円 |
| 1年 | 33,000円 | 27,000円 |
| 1年超3年未満 | 48,000円 | 42,000円 |
| 3年以上5年未満 | 64,000円 | 56,000円 |
| 5年以上 | 75,000円 | 65,000円 |
※オンライン申請は収入印紙が使えず、コンビニ決済または銀行決済のみ。別に決済手数料(330円または550円)がかかります。2026年9月30日までに受付した申請は、許可が10月以降でも改定前の額(窓口6,000円・オンライン5,500円)です。詳しくは在留資格の更新・変更手数料【2026年10月1日〜】新額の早見表。
🚫 本人に負担させてはいけない費用
義務的支援にかかる費用は、直接にも間接にも本人に負担させてはいけません(チェック表の11番)。支援委託費を給与から差し引いたり、「手数料」などの名目で本人から回収したりする形は基準に反します。
費用は「働いてもらえる年数」で割って考える
特定技能1号は通算で最長5年働いてもらえる在留資格です。たとえば一度きりの費用が70万円なら、5年(60か月)で割ると月あたり約1.2万円になります。さらに分野の2号の試験に合格し(分野によっては実務経験も必要)特定技能2号に移れば、在留期間の更新に上限がなくなります(介護は2号がなく、在留資格「介護」への移行が道になります)。費用は「採用の経費」ではなく、何年戦力として働いてもらえるかで回収する投資として社内で説明すると、判断がぶれにくくなります。1号の在留期間の数え方は特定技能の在留期間は何年?、長く働いてもらう設計は育成就労から特定技能へのキャリアパス設計をご覧ください。
📊 業界相場ソース|人材紹介料・送り出し機関費用・書類作成の委託費・住居・渡航費は、業界各社の公表値(SMILEVISA/キャリアリンクファクトリー/Jinzai Plus)と当社の公開料金を突き合わせたレンジです。支援委託費の平均約28,386円・約9割が月3万円以下は、出入国在留管理庁の調査として業界各社が公表している数値です。手数料は出入国在留管理庁の公表額(いずれも2026年9月時点)。
📌 公式情報源|改正入管法施行令について(手数料の改定)/オンライン申請における手数料額及び納付方法/手数料改定ポスター(PDF)/日本行政書士会連合会「行政書士法の改正の趣旨等について」(2026年9月時点)
9. 受け入れ後に続く義務|面談・届出・更新の年間の流れ
許可が出て働き始めた後も、会社の義務は続きます。届出を怠ったり虚偽の届出をしたりすると、指導や罰則の対象になり、受け入れそのものができなくなることもあります。1年の流れで並べると次のとおりです。
| いつ | やること | 期限・注意 |
|---|---|---|
| 雇い入れたとき | ハローワークへ外国人雇用状況の届出 | 入管ではなくハローワークへ。様式・期限の解説 |
| 3か月に1回以上 | 支援責任者等による本人・上司との定期面談(義務的支援⑩) | 労働基準法違反などがあれば行政機関へ通報 |
| 変更が起きたとき | 随時届出(雇用契約の変更・終了・新規締結、支援計画の変更、支援委託契約の締結・変更・終了、受け入れ困難、基準不適合など) | 事由の発生から14日以内。届出者は受け入れ企業 |
| 毎年4月1日〜5月31日 | 定期届出(前年4月1日〜3月31日の受け入れ・活動・支援の実施状況) | 2025年4月の改正で四半期ごとから年1回に変わり、2026年から毎年この時期に提出。全部委託の場合は会社と登録支援機関の連名。定期届出の解説 |
| 在留期限の3か月前から | 在留期間更新許可申請 | 2026年7月許可分の平均41.0日。手数料は許可期間別 |
| 通算5年が近づいたら | 特定技能2号への移行、介護なら在留資格「介護」への移行を検討 | 試験・資格の準備には年単位の時間がかかる。介護の5年後の道 |
特定技能の人は、同じ分野の中で転職ができます。受け入れた後に選ばれ続ける会社であるために何ができるかは、特定技能の転職 完全ガイド|「選ばれる会社」になる方法でまとめています。
📌 公式情報源|特定技能所属機関・登録支援機関による届出/厚生労働省「外国人雇用状況の届出」/外国人労働者に関する制度概要「届出・報告について」(PDF)(2026年9月時点)
10. よくある質問
各項目をタップすると回答が開きます。回答はすべて出入国在留管理庁・厚生労働省・国土交通省・日本行政書士会連合会の公表内容に基づいています(2026年9月時点)。
Q. 特定技能外国人は1社で何人まで受け入れられますか?
Q. 外国人を雇ったことがない会社でも受け入れられますか?
Q. 支援は一部だけ登録支援機関に委託することもできますか?
Q. 受け入れまでに何か月かかりますか?
Q. 1年以内に従業員に退職勧奨をしたことがあります。受け入れはできませんか?
Q. パートやアルバイトとして雇うことはできますか?
Q. 在留資格の申請書類は、登録支援機関に作ってもらえますか?
Q. 外食業では、いまは特定技能の受け入れができないのですか?
Q. 協議会にはいつ加入すればいいですか?
Q. 在留資格の変更や更新の手数料はいくらですか?
受け入れにいくらかかるかは、人数と採用ルートを入れると見えてきます
当社は登録支援機関(24登-011066)として、インドネシア人材に特化して支援を行っています。費用試算シートでは、業種と採用ルート(海外・国内)ごとに、初期費用と毎月の費用を人数で計算できます。チェック表で迷った項目や、入社希望日から逆算した段取りは、30分の無料相談で一緒に整理します。
無料・オンライン可・しつこい営業は一切ありません/インドネシア人材に特化・定着に自信
11. まとめ|「条件・人数・支援の担い手」を決めてから、入社日で逆算する
✅ この記事の要点
- 受け入れ企業の基準は雇用契約・会社自体・支援体制・支援計画の4つ。15項目のチェック表で1つでも欠けると受け入れられない。
- つまずきやすいのは1年以内の非自発的離職(1人でも不可)、社会保険料24か月分の納付、報酬の日本人同等以上。
- 会社ごとの人数枠は原則なし。介護(事業所単位)と建設だけ上限がある。分野全体の上限は805,700人で、外食業は2026年4月13日から新規受け入れを一時停止。
- 支援は全部または一部を登録支援機関に委託できる。全部委託なら支援体制の基準を満たしたとみなされる。
- 委託先は2027年4月からの支援担当者1人あたり50人未満・10機関未満を基準に、担当者の受け持ち数を聞いて選ぶ。
- 海外から呼ぶなら約6か月前、国内在住者なら約3か月前に着手。申請の締切から逆算する。
- 協議会への加入、協力確認書、事前ガイダンス、健康診断は申請の前。
- 手数料は2026年10月1日受付分から在留期間別(窓口10,000〜75,000円)。認定証明書の交付申請は無料。
特定技能の受け入れは、書類の数こそ多いものの、順番さえ間違えなければ中小企業でも十分に進められます。大切なのは、条件を満たしているかを先に確かめ、人数の上限と支援の担い手を決めてから、入社してほしい日に向けて逆算することです。そのうえで、採用した本人が困ったときにすぐ相談できる体制を用意しておくことが、5年、さらにその先まで働いてもらえるかどうかを分けます。業種ごとの受け入れの進め方は、介護なら特定技能 介護の受け入れ完全ガイド、外食なら外食業・飲食店 × インドネシア人材 採用完全ガイドもあわせてご覧ください。
12. 公式情報源リスト(お気に入り登録推奨)
| 機関 | 資料 | 確認できること |
|---|---|---|
| 出入国在留管理庁 | 特定技能制度(トップ・更新情報) | 運用要領・分野別要領別冊・統計の更新日 |
| 出入国在留管理庁 | 特定技能外国人受入れに関する運用要領(令和8年8月・PDF) | 受け入れ企業の基準・確認書類・書類省略の条件・在留期間 |
| 出入国在留管理庁 | 受入れ機関の方/雇用における注意点 | 雇用までの流れ(国内・海外)・受け入れ機関の基準と義務 |
| 出入国在留管理庁 | 外国人労働者に関する制度概要(令和8年9月29日更新・PDF) | 対象19分野・本人の要件・在留者数・届出の一覧 |
| 出入国在留管理庁 | 特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数(令和8年6月末・PDF) | 分野別の上限・在留者数・充足率 |
| 出入国在留管理庁 | 1号特定技能外国人支援・登録支援機関について/支援体制の要件改正(令和9年4月1日施行) | 義務的支援10項目・全部又は一部の委託・みなし規定・50人未満/10機関未満 |
| 出入国在留管理庁 | 外食業分野における受入れ上限の運用について/外食業分野の審査状況 | 2026年4月13日からの一時停止と例外・交付の進み具合 |
| 出入国在留管理庁 | 在留審査処理期間/在留資格認定証明書交付申請 | 月ごとの平均審査日数・標準処理期間・手数料なし |
| 出入国在留管理庁 | 改正入管法施行令について/オンライン申請の手数料額・納付方法 | 2026年10月1日受付分からの在留期間別の手数料 |
| 出入国在留管理庁 | 地域の共生施策に関する連携(協力確認書)/所属機関・登録支援機関による届出 | 協力確認書の提出時期・様式/随時届出・定期届出 |
| 出入国在留管理庁 | 介護分野の運用要領別冊(PDF)/建設分野の基準の改正 | 介護の人数枠・協議会の加入時期/建設の人数枠(2027年4月改正) |
| 国土交通省 | 物流倉庫分野 | 試験の開始時期・協議会の設置状況 |
| 厚生労働省 | 外国人雇用状況の届出 | 雇入れ・離職時のハローワークへの届出 |
| 日本行政書士会連合会 | 行政書士法第19条第1項及び第23条の3の改正の趣旨等について | 2026年1月1日施行・名目を問わない報酬の扱い |
※本記事は2026年9月時点の公表内容に基づきます。運用要領・分野別の要領別冊・受入れ見込数・審査状況は随時更新されるため、申請の前に必ず上記の公式情報で最新の内容をご確認ください。費用は採用ルート・地域・委託の範囲で変わる目安です。本記事の内容は法的助言を構成するものではありません。
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この記事が「受け入れるために会社がやること」だとすれば、こちらは制度そのものの全体像。1号と2号の違い、技能実習・育成就労・技人国との違いをまとめています。
義務的支援10項目・選び方・費用相場・登録簿の探し方 登録支援機関の体制要件が2027年4月から厳格化
1人あたり50人未満・10機関未満と、委託先に聞く7つの質問 特定技能の費用はいくら?初期費用・ランニングコスト・業種別相場
項目別の内訳と見積りの確かめ方 特定技能の分野一覧【2026】全19分野と新分野3つ
自社の業務が対象か確かめる早見表 特定技能 介護の人数枠と上限
事業所単位の数え方と「日本人等」に入る職員 【外食企業必読】特定技能の受入上限と育成就労での採用突破口
一時停止中に外食業の会社が取れる選択肢 特定技能の在留期間は何年?1号は通算5年・2号は上限なし
数え方・6年特例・更新の段取り 特定技能の定期届出は2026年4月から年1回
対象期間・提出期限5月31日・よくある誤り 在留資格の更新・変更手数料【2026年10月1日〜】新額の早見表
在留期間別の新額と受け入れ企業の対応
この記事を書いた人
ジンザイネシア編集部株式会社ジンザイネシアの編集部です。登録支援機関(24登-011066)・有料職業紹介事業(01-ユ-300820)として、インドネシア人材の採用・受け入れ・定着を支援している立場から、特定技能・育成就労の制度と受け入れ実務を、出入国在留管理庁・厚生労働省などの一次情報にもとづいて解説しています。

この記事を監修した人
吉田 卓司株式会社ジンザイネシア代表取締役。 2000年にオイシックス・ラ・大地(東証プライム市場・3182)を共同創業し、2007年に五反田電子商事(現GDX)を創業。2012年にシンガポールへ移住し、2015年にはインドネシアでBeautynesiaを創業のうえ現地財閥法人へ売却。 10年以上のインドネシア在住経験と、日本インドネシア国交55周年の大相撲巡業主催(2013年・1万人以上集客)など現地での実績を基盤に、2023年に株式会社ジンザイネシアを創業。 本コラムでは、特定技能・育成就労に関する制度実務とインドネシア人材の採用・教育・定着支援の知見を、登録支援機関の立場から監修します。
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