特定技能制度とは?受け入れ企業の完全ガイド|対象分野・条件・費用・流れ【2026年最新】
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特定技能制度とは?受け入れ企業の完全ガイド|対象分野・条件・費用・流れ【2026年最新】

結論|特定技能を3行で理解する

特定技能とは、人手不足が深刻な分野で、一定の技能と日本語力を持つ外国人材を受け入れられる在留資格です(2019年4月創設)。学歴は不問で、試験に合格すれば未経験の若手も即戦力として直接雇用でき、介護・外食・宿泊・物流倉庫など現場系の業種と特に相性が良いのが特徴です。

この記事でわかること(受け入れ企業の経営者・人事の方へ)

  • 特定技能1号・2号の違いと、自社が使えるか
  • 受け入れ企業が満たすべき条件・外国人本人の要件
  • 採用から就労までの流れ(逆算スケジュール)と費用の目安
  • 受け入れ人数の上限・2026年の外食一時停止・2027年4月の制度改正

※本記事は2026年6月時点の公的情報をもとに整理しています。制度は政省令で随時更新されるため、最新は出入国在留管理庁の公式ページで必ずご確認ください。

特定技能とは?わかりやすく解説

特定技能は、国内人材の確保が難しい産業分野で、外国人材を「即戦力」として受け入れるために2019年4月に創設された在留資格です。それまでの「技能実習」が国際貢献(技能移転)を建前としていたのに対し、特定技能は「人手不足の解消」を正面から目的に掲げているのが大きな違いです。

ポイントは3つです。①学歴は問われない(試験で技能と日本語を確認する)/②人手不足が認められた分野でのみ受け入れ可能/③単純労働も含む現場業務に従事できる。この3点により、大学卒・実務経験10年などのハードルがある「技人国(技術・人文知識・国際業務)」では採れなかった現場人材を、適法に直接雇用できます。

特定技能には在留資格として「1号」と「2号」の2段階があり、企業がまず関わるのはほとんどが1号です。次章で違いを整理します。

特定技能1号と2号の違い

1号は「相当程度の知識・経験を要する技能」、2号は「熟練した技能」を持つ人材が対象です。1号は在留に上限(通算5年)があり家族を呼べませんが、2号は更新の上限がなく家族帯同も可能で、長期戦力化・永住への道につながります。

項目特定技能1号特定技能2号
技能水準相当程度(試験で確認)熟練(より高度な試験+実務)
在留期間通算5年が上限更新の上限なし(実質的に長期就労可)
家族帯同不可可(配偶者・子)
日本語要件N4/JFT-Basic(A2相当)以上が目安分野により設定(1号より高い場合あり)
企業の支援必須(自社実施 or 登録支援機関に委託)不要
永住への道原則つながりにくい在留年数の要件等を満たせば道がある

1号で5年働いた人材が、分野の2号評価試験に合格して1号→2号へ移行すれば、長く働き続けてもらえます。採用時から「5年で終わり」ではなく「2号まで見据えた育成」を設計すると定着が安定します。詳しくは育成就労から特定技能へのキャリアパス設計もご参照ください。

対象分野(19分野)と自社が対象か

特定技能1号で受け入れができるのは、人手不足が認められた分野に限られます。2024年以降に分野の統合・追加が行われ、2026年時点ではおおむね19分野が対象です(物流倉庫・リネンサプライ・資源循環・鉄道などが新たに加わりました)。

特定技能1号の対象分野(2026年時点・おおむね19分野)
介護/ビルクリーニング/工業製品製造業/建設/造船・舶用工業/自動車整備/航空/宿泊/自動車運送業/鉄道/農業/漁業/飲食料品製造業/外食業/林業/木材産業/物流倉庫リネンサプライ資源循環

※分野の数え方・統合状況は改正により変わります。最新の対象分野・各分野の業務区分は公式で必ずご確認ください(2026年6月時点)。新分野の詳細・追加の経緯は特定技能19分野 完全一覧で解説しています。

「自社の業種・仕事が対象になるか」は、分野の中の「業務区分」まで確認が必要です。判定に迷う場合は対象分野の早見表で30秒で確認できます。

受け入れ企業が満たすべき条件

特定技能の外国人を雇う企業(=受入れ機関)には、本人の要件とは別に、企業側の基準があります。主なものは次のとおりです。

条件内容
労働関係法令の遵守過去に重大な法令違反・不正がないこと。社会保険・労働保険への適正加入
報酬は日本人と同等以上同じ仕事の日本人と同等以上の報酬。外国人だからと低く設定するのは不可
直接雇用が原則原則フルタイムの直接雇用。派遣は農業・漁業のみ例外的に可特定技能の派遣の可否
支援体制の確保1号には生活・職場の支援が必須。自社実施が難しければ登録支援機関に委託
分野別協議会への加入各分野の協議会への加入が必須。分野によっては在留申請の「前」に入会が必要(例:介護

⚠️ つまずきやすいのが「協議会の加入タイミング」

介護など一部の分野は、在留申請のに協議会へ入会していないと申請が進みません。入会証明書の発行に2週間程度かかることもあるため、採用スケジュールに必ず織り込んでください。

外国人本人の要件(試験・日本語)

本人側は、①18歳以上で健康であること ②技能試験に合格 ③日本語試験に合格が基本です。技能実習2号を良好に修了した人は、試験が免除されて特定技能1号へ移行できます。

  • 技能試験:分野ごとの「特定技能評価試験」。現場で必要な知識・技能を確認します。
  • 日本語試験:「日本語能力試験(JLPT)N4以上」または「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic/A2相当)」。介護分野はこれに加え介護日本語評価試験があります。
  • 技能実習からの移行:技能実習2号を良好に修了していれば、同じ業務区分では試験免除で1号に移行できます。

面接で「試験に合格=即戦力」とは限らない点を見極めるコツは、外国人材の面接 完全ガイド(質問50例・評価基準)で解説しています。

受け入れの流れ(逆算スケジュール)

海外から新たに採用する場合、求人から就労開始まで、おおむね4〜8か月を見込みます。入社希望日から逆算して着手するのが失敗しないコツです。

① 準備・募集

分野確認・協議会・求人

② 選考・面接

送り出し機関と連携

③ 在留資格申請

審査1〜3か月

④ 入国・就労開始

入国後の生活支援

時期やることねらい
①準備自社分野の確認/協議会加入/求人条件の整理/支援委託先(登録支援機関)の選定要件の取りこぼし防止
②選考送り出し機関・人材紹介と連携/オンライン面接/内定・雇用契約定着する人材の見極め
③申請在留資格認定証明書の交付申請/必要書類の作成(書類作成は行政書士へ)審査に1〜3か月かかる前提で逆算
④入国ビザ発給・入国/住居・銀行・役所手続きの支援/就労開始早期離職を防ぐ生活立ち上げ

誰がどうやって人材を連れてくるのか(送り出しの仕組み)はこちらの記事で、送り出し機関の選び方はインドネシア送り出し機関 一覧・比較で詳しく解説しています。

「自社の分野・人数で、何から始めればいい?」

特定技能の受け入れは分野ごとに要件が異なります。御社のケースに合わせて、30分のオンライン無料相談でお答えします(無料・しつこい営業はしません)。

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受け入れ人数の上限・外食の一時停止

特定技能には、分野ごとに「受入れ見込数(上限)」が設定されています。これは国が分野別運用方針で定めるもので、上限に達した分野は新規の受け入れが止まることがあります。

実際に外食業分野は、2026年4月13日以降に受理した申請が原則不許可(新規受け入れの一時停止)となりました。受入れ上限(5万人)に対し、2026年2月末時点で約4万6千人と上限到達が見込まれたためです(2026年6月時点)。飲食料品製造・農業・漁業なども上限に近づいているとされ、受け入れを検討中の企業は早めの着手が重要です。

外食業での受け入れ突破口と育成就労ルートは外食企業必読の記事で整理しています。

費用の目安(初期・月額の内訳)

特定技能の受け入れには、初期費用(採用〜入社まで)と、月額の継続費用がかかります。金額は採用方法(海外採用か国内在住者か)や支援の委託範囲で変わります。代表的な内訳と目安は次のとおりです(2026年6月時点・業界相場)。

費用項目区分目安(1人あたり)
在留資格申請の委託初期約12〜20万円
渡航費(海外採用)初期約5〜15万円
住居の初期整備初期約30〜35万円
支援委託費(登録支援機関)月額月1.5〜3万円(平均約2.8万円/当社は2.5万円)

初期費用は1人あたりおおむね30〜60万円台+月額の支援委託費、というのが一つの目安です。項目別の詳しい内訳・業種別の相場・見積りの妥当性チェックは特定技能の費用 完全ガイド(試算シート付き)をご覧ください。

📊 業界相場ソース:出入国在留管理庁(支援委託費の調査)/厚労省・OTIT(監理費等)/業界各社の公開料金(2026年6月時点)。⚠️ 在留資格の更新・変更手数料は、現行6,000円(オンライン5,500円)から、2026年度以降に3〜4万円規模へ引き上げが予定されています(政府方針段階)。

支援は自社?登録支援機関に委託?

特定技能1号には、外国人が安定して働き生活できるよう10項目の支援(事前ガイダンス・住居確保・生活オリエンテーション・相談対応・日本語学習機会の提供など)が義務づけられています。これを自社で行うか、登録支援機関に委託するかを選びます。

多くの中小企業は登録支援機関に委託します。委託先は「どこでも同じ」ではなく、緊急時の対応スピード・母国語対応・定着支援の手厚さで差が出ます。選び方は登録支援機関とは?選び方・費用・一覧と、契約前の10項目チェックリストを活用してください。

📝 業者選定で必ず確認したいこと

2027年4月以降、登録支援機関には支援担当者1人あたり外国人50名以下・所属機関10社以下・常勤・2年以上の生活相談経験といった体制要件が課されます。「担当1人で何名を支援するか」は、自社の人材が継続して安定したサポートを受けられるか=定着率に直結する観点です。

技能実習・育成就労・技人国との違い

外国人材の受け入れには、特定技能のほかに「技能実習(2027年に育成就労へ移行)」「技人国(技術・人文知識・国際業務)」があります。どの制度を使うべきかは、仕事の内容と求める人材で決まります

制度向いているケース
特定技能即戦力を直接雇用したい。試験合格者・技能実習修了者を採りたい(現場業務)
育成就労(2027年4月〜)未経験から自社で育てたい。3年で特定技能の水準まで育成(技能実習の後継)
技人国大卒等の専門人材を通訳・事務・技術職で。単純労働は原則不可

3制度の詳しい比較は育成就労 vs 技能実習 vs 特定技能 完全比較、特定技能と技人国の使い分けは特定技能と技人国の違いで解説しています。

業種別の受け入れガイド

分野ごとに、対象業務・協議会・採用のコツが異なります。自社の業種のガイドからお読みください。

特定技能で受け入れるメリットと注意点

特定技能は「人手不足をすぐ埋められる」一方で、受け入れには準備と運用の手間もかかります。導入を判断するうえで、メリットと注意点を整理しておきましょう。

メリット注意点(事前に対策)
即戦力を直接雇用できる(試験合格者・技能実習修了者)求人〜就労まで数か月かかる。逆算して早めに着手
学歴不問。現場の若手を安定的に確保できる日本語・生活の支援が必須。委託費など継続コストがかかる
技能実習からの移行で試験免除・スムーズに採用できる本人の意思で転職が可能。定着支援が重要
2号へ移行すれば長期戦力・幹部候補にもなる分野の上限到達で新規受入が止まることがある(例:外食)

「外国人だから不安」という漠然とした懸念は、制度の仕組みと支援体制で多くが解消できます。特にインドネシア人材は親日的で定着しやすい傾向があり、当社の支援実績でも離職率は低水準です。インドネシア人材を選ぶ理由は採用のメリット・デメリットで詳しく解説しています。

国内在住者の採用と、海外からの採用の違い

特定技能の採用には、すでに日本にいる人材を採る「国内採用」と、海外から呼び寄せる「海外採用」の2ルートがあります。それぞれ向き・不向きがあります。

ルート特徴向いているケース
国内採用在留資格の変更手続きで比較的早く就労開始。渡航費が不要早く配属したい/日本語・日本生活に慣れた人材がほしい
海外採用送り出し機関と連携。母集団が大きく、自社の条件に合う人材を選びやすい複数名をまとめて採りたい/長期で育てたい

海外採用では、現地の送り出し機関の質が定着を大きく左右します。失敗しない選び方はインドネシア送り出し機関 一覧・比較を、人材紹介会社の比較は人材紹介会社 比較・選び方をご覧ください。なお、外国人の雇用に使える助成金は助成金・補助金 完全ガイドで確認できます。

2027年4月の制度改正で変わること

2027年4月は、外国人材の受け入れにとって大きな節目です。技能実習が廃止され「育成就労」が始まるのと同時に、特定技能まわりの要件も厳格化されます。受け入れを検討中なら、いまのうちに次の3点を押さえてください。

  • 登録支援機関の体制要件が厳格化:支援担当者1人あたり外国人50名以下・所属機関10社以下・常勤・2年以上の生活相談経験。委託先選びの判断軸が変わります。
  • 在留手続きの手数料が引き上げ予定:更新・変更は現行6,000円(オンライン5,500円)から、2026年度以降に3〜4万円規模へ引き上げが予定されています(政府方針段階)。
  • 技能実習→育成就労へ:未経験人材の入り口は育成就労になります。育成就労で育て、特定技能へつなぐ設計が標準になります(育成就労制度とは)。

📌 公式情報源:出入国在留管理庁手数料の改定(2026年6月時点)

よくある質問

各項目をタップで開閉できます。回答はすべて2026年6月時点の公的情報にもとづきます。

Q. 特定技能と技能実習はどう違いますか?
技能実習は「技能移転(国際貢献)」が建前で、特定技能は「人手不足の解消」を目的とした即戦力の受け入れです。特定技能は学歴不問・試験合格で直接雇用でき、転職も可能です。なお技能実習は2027年4月に「育成就労」へ移行します。
Q. 特定技能で受け入れられる人数に上限はありますか?
分野ごとに国が「受入れ見込数(上限)」を設定しています。介護や建設など一部の分野には、企業単位での人数枠の考え方もあります。外食業は上限到達により2026年4月13日以降の新規申請が原則不許可となりました(2026年6月時点)。
Q. 受け入れまでどのくらいの期間がかかりますか?
海外から新規採用する場合、求人から就労開始までおおむね4〜8か月が目安です。在留資格の審査だけで1〜3か月かかるため、入社希望日から逆算して、協議会加入や書類準備を早めに進めてください。
Q. 支援は必ず登録支援機関に委託しないといけませんか?
いいえ。1号の支援は自社で実施することもできますが、体制(中立な支援責任者・母国語対応など)の要件を満たす必要があります。社内で難しい場合に登録支援機関へ委託するのが一般的です。2号には支援義務はありません。
Q. 特定技能は派遣で受け入れできますか?
原則は直接雇用(フルタイム)です。派遣が認められているのは農業・漁業の2分野のみで、季節性などの事情がある特例です。それ以外の分野は派遣では受け入れできません。
Q. 特定技能1号の5年が終わったらどうなりますか?
1号は通算5年が上限です。分野の特定技能2号評価試験に合格して2号へ移行すれば、在留更新の上限がなくなり長期就労が可能になります。採用時から2号を見据えた育成を設計すると定着が安定します。

まとめ|まずは自社の分野と人数で「始め方」を確認

特定技能は、学歴不問・試験合格で現場の即戦力を直接雇用できる制度です。成功の鍵は、①自社分野と業務区分の確認、②協議会など要件の取りこぼし防止、③在留審査を見込んだ逆算スケジュール、④信頼できる登録支援機関・送り出し機関の選定の4点。2026年は外食の一時停止、2027年4月は制度改正と、動きの速い分野です。検討中なら早めの着手をおすすめします。

特定技能の受け入れ、何から始めるか迷っていませんか?

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特定技能制度(総合)出入国在留管理庁 特定技能制度
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※本記事は2026年6月時点の情報です。制度は随時改正されるため、申請前に必ず公式情報をご確認ください。著者・監修:株式会社ジンザイネシア(登録支援機関 24登-007405)。

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西澤 志門

この記事を書いた人

西澤 志門

株式会社ジンザイネシア取締役。特定技能・育成就労の制度実務と、インドネシア人材の採用・教育・定着支援を専門とする。 登録支援機関として介護・外食・宿泊分野を中心に50社以上を支援。 一般社団法人Nocoders Japan協会理事として、AI・DXによる業務改革も推進。 本コラムでは、受入企業が「本当に知りたい」制度の実務と現場のリアルを発信します。


吉田 卓司

この記事を監修した人

吉田 卓司

株式会社ジンザイネシア代表取締役。 2000年にオイシックス・ラ・大地(東証プライム市場・3182)を共同創業し、2007年に五反田電子商事(現GDX)を創業。2012年にシンガポールへ移住し、2015年にはインドネシアでBeautynesiaを創業のうえ現地財閥法人へ売却。 10年以上のインドネシア在住経験と、日本インドネシア国交55周年の大相撲巡業主催(2013年・1万人以上集客)など現地での実績を基盤に、2023年に株式会社ジンザイネシアを創業。 本コラムでは、特定技能・育成就労に関する制度実務とインドネシア人材の採用・教育・定着支援の知見を、登録支援機関の立場から監修します。

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