
特定技能の義務的支援10項目|支援計画書の書き方・委託した場合の範囲と申請書類は誰が作るか【2026】
⚡ 結論|義務的支援は「受け入れ企業の義務」です。委託しても自社に残るものがあります
10項目はすべて実施が必要。登録支援機関に全部委託しても、支援計画の作成・届出・費用負担は受け入れ企業に残ります
特定技能1号の外国人を雇う会社は、出入国在留管理庁が定める義務的支援10項目を支援計画に書き、そのとおりに実施しなければなりません。支援の実施は登録支援機関に全部または一部を委託できますが、支援計画書(参考様式第1-17号)を作るのも、入管への届出を出すのも、支援の費用を負担するのも受け入れ企業です。さらに2026年1月1日施行の改正行政書士法で、在留申請の書類を報酬を得て作成できるのは行政書士・弁護士であることが明確になりました。登録支援機関ができるのは、承認を受けた職員による「提出の取次」までです。この記事では、10項目を「いつ・誰が・何を・どう記録するか」まで分解し、支援計画書の欄ごとの書き方、委託した場合の範囲、申請書類の依頼先までを、受け入れ企業の点検表として整理します。
あわせて読みたい:登録支援機関そのものの役割・選び方・費用相場は登録支援機関とは?委託前に知るべき選び方・費用・一覧で解説しています。本記事はそのうち「義務的支援の中身」と「支援計画書」「書類作成の線引き」を深掘りしたものです。
📑 記事の早見表(読みたい場所へ飛べます)
- ▸ 1. 義務的支援とは|対象は特定技能1号・任意的支援との違い
- ▸ 2. 義務的支援10項目の早見表|いつ・誰が・何を・どう記録するか
- ▸ 3. 支援内容①〜⑤|入国前から入国直後まで
- ▸ 4. 支援内容⑥〜⑩|就労中から離職時まで
- ▸ 5. 特定技能の支援計画書の書き方|参考様式第1-17号の記入例
- ▸ 6. 登録支援機関に委託した場合の範囲|受け入れ企業に残る責任
- ▸ 7. 申請書類は誰が作るか|行政書士法改正と登録支援機関・行政書士費用
- ▸ 8. 義務的支援を怠るとどうなるか|5年の基準と届出
- ▸ 9. 委託先に確認する10の質問
- ▸ 10. よくある質問
- ▸ 11. まとめ
- ▸ 12. 公式情報源リスト(お気に入り登録推奨)
1. 特定技能の義務的支援とは|対象は1号のみ、10項目は「全部」実施
義務的支援の根拠は法律です。出入国管理及び難民認定法(入管法)第2条の5第6項は、特定技能1号の外国人と雇用契約を結ぼうとする会社に、職業生活上・日常生活上・社会生活上の支援の実施に関する計画(1号特定技能外国人支援計画)の作成を義務づけています。さらに第19条の22で、受け入れ企業はその計画に基づいて支援を行わなければならないこと、そして支援の全部または一部を他の者に委託できることが定められています。支援計画に書くべき内容は「特定技能雇用契約及び1号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(以下、特定技能基準省令)第3条に列挙されており、これを出入国在留管理庁が「義務的支援10項目」として整理しています。
押さえておくべき前提は4つです。
📐 義務的支援の4つの前提(1号特定技能外国人支援に関する運用要領より)
- 対象は特定技能1号だけ。特定技能2号には支援計画の作成義務がありません。
- 義務的支援はその全部を行う必要がある。1つでも欠けると「支援計画を適正に実施していない」扱いになります。ただし、技能実習2号から同じ会社で特定技能1号に移る場合など、客観的に見て明らかに不要な支援(すでに日本にいる人の入国時の送迎など)は除かれます。
- 任意的支援も、支援計画に書いたら義務になる。「やれたらやる」程度のことは書かないのが原則です。
- 義務的支援にかかる費用は、本人に直接・間接に負担させてはいけない。送迎の交通費、家賃債務保証業者の保証料、日本語教室の案内や手続きの補助にかかる費用などは受け入れ企業(または委託先)が負担します。
義務的支援と任意的支援の違い
| 項目 | 義務的支援 | 任意的支援 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 必ず行わなければならない支援。支援計画にすべて記載する | 加えて行うことが望ましい支援。計画に書いた場合は実施義務が生じる |
| 運用要領が挙げる例 | 事前ガイダンス/出入国時の送迎/住居確保・生活に必要な契約/生活オリエンテーション/公的手続への同行/日本語学習の機会/相談・苦情対応/日本人との交流促進/転職支援(会社都合の場合)/定期面談・行政機関への通報 | 入国時の気候・服装・持参品の情報提供/渡航費や当面の生活費の貸付け/契約の変更・解約時の補助/日本語教室の月謝や教材費の補助/受験支援/行事参加のための有給休暇や勤務時間の配慮/相談窓口一覧の事前配布 |
| 費用 | 本人に負担させてはいけない | 実施するか、費用をどこまで持つかは会社が決める(計画に書いた範囲は実施義務) |
| 委託 | 登録支援機関に全部または一部を委託可能(定期面談は例外あり・後述) | 同様に委託可能。委託契約の範囲に入っているかを確認する |
📌 公式情報源|出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」/1号特定技能外国人支援に関する運用要領(PDF・令和7年4月1日一部改正)(2026年9月時点)
2. 義務的支援10項目の早見表|いつ・誰が・何を・どう記録するか
「10項目の名前」を並べただけの一覧は多いのですが、実務で困るのは「いつまでに」「どこまでやれば足りるか」「何を残せば実施した証拠になるか」です。運用要領と参考様式から、その3点を1枚にまとめました。「誰が」は、自社で支援する場合は自社の支援責任者・支援担当者、全部委託の場合は登録支援機関の支援担当者です。
| 項目 | いつ | 最低限やること(運用要領の目安) | 残す記録 |
|---|---|---|---|
| ① 事前ガイダンス | 雇用契約後、在留資格の申請の前 | 労働条件・活動内容・入国手続・保証金の禁止など10事項を、対面かテレビ電話で。3時間程度が目安 | 事前ガイダンスの確認書(参考様式第5-9号)に本人署名 |
| ② 出入国する際の送迎 | 入国時・雇用終了後の出国時 | 入国時は空港⇔事業所か住居。出国時は保安検査場の前まで同行し入場を確認 | 支援の実施に関する管理簿(実施日・担当者) |
| ③ 住居確保・生活に必要な契約支援 | 入国前後・転居が必要になったとき | 住居は3方式のいずれか。居室は1人あたり7.5㎡以上。銀行口座・携帯電話・電気ガス水道の契約を補助 | 支援計画書Ⅳ-3に住居の概要・居住費と算定根拠を記載 |
| ④ 生活オリエンテーション | 入国後(在留資格変更後)遅滞なく | 生活一般・届出手続・相談先・医療・防災防犯・法的保護の6分野。8時間以上が目安 | 生活オリエンテーションの確認書(参考様式第5-8号)に本人署名 |
| ⑤ 公的手続等への同行 | 住居地の届出・社会保険・税などの手続時 | 必要に応じて窓口に同行し、書類作成を補助 | 支援の実施に関する管理簿 |
| ⑥ 日本語学習の機会の提供 | 入国後・本人の希望に応じて継続的に | 日本語教室の案内/教材・オンライン講座の情報提供/日本語教員との契約のいずれか | 支援の実施に関する管理簿 |
| ⑦ 相談・苦情への対応 | 雇用期間中いつでも(離職決定後も契約中は継続) | 本人が理解できる言語で遅滞なく対応。勤務日に週3日以上・休日に1日以上、夜間などにも対応 | 相談記録書(参考様式第5-4号) |
| ⑧ 日本人との交流促進 | 年間を通じて(季節の行事など) | 地域の交流の場・自治会・行事の案内と参加手続の補助、必要に応じ同行 | 支援の実施に関する管理簿 |
| ⑨ 転職支援(人員整理等の場合) | 会社都合で雇用契約を解除するとき | 次の受入先探しの支援(4方法のいずれか)+求職活動のための有給休暇+離職時の行政手続の情報提供 | 支援計画の実施困難に係る届出書(参考様式第3-7号)等に内容を記載 |
| ⑩ 定期的な面談・行政機関への通報 | 3か月に1回以上 | 本人と、その監督をする立場にある人(直属の上司など)のそれぞれと面談。法令違反を知ったら労働基準監督署・地方出入国在留管理局へ通報 | 定期面談報告書(参考様式第5-5号=本人用、第5-6号=監督者用) |
リウス(インドネシア出身・ジンザイネシア)
📌 公式情報源|出入国在留管理庁「義務的支援10項目」/1号特定技能外国人支援に関する運用要領(PDF)/特定技能関係の申請・届出様式一覧(参考様式第5-4号〜第5-9号)(2026年9月時点)
3. 支援内容①〜⑤|入国前から入国直後まで
前半の5項目は、雇用契約の直後から入国後の最初の数週間に集中します。在留資格の申請や入国の日程とぶつかるため、支援計画を作る段階で「誰がいつやるか」を日付まで決めておくことが大切です。
① 事前ガイダンス|申請の前に、3時間程度・対面かテレビ電話で
雇用契約を結んだ後、在留資格認定証明書の交付申請(海外から呼ぶ場合)または在留資格の変更申請(国内にいる人の場合)の前に行います。運用要領は、労働条件を本人が契約前に把握できるよう、雇用契約の締結時以前に行うのが望ましいとしています。伝えなければならないのは次の10事項で、支援計画書の様式にもa〜jとして並んでいます。
- 従事する業務の内容、報酬の額その他の労働条件(危険・有害な業務に就く見込みがあれば安全衛生の事項も)
- 日本で行うことができる活動の内容/入国に当たっての手続
- 保証金の徴収や違約金を定める契約が禁止されていること(現にしていない・将来もしないことの確認)
- 母国の機関に費用を払っている場合は、額と内訳を理解して合意していること
- 支援の費用を本人に負担させないこと
- 入国時の送迎・住居の確保の内容(社宅なら広さと本人負担額)・相談窓口の体制・支援担当者の氏名と連絡先
方法は対面かテレビ電話(ビデオ通話)で、本人確認をしたうえで行います。書類の郵送やメールの送信だけでは認められません。時間は、事項を十分に理解するには3時間程度が必要と考えられるとされ、技能実習生を同じ会社で引き続き特定技能として雇う場合でも1時間に満たないときは適切に行ったとはいえないと明記されています。終わったら事前ガイダンスの確認書(参考様式第5-9号)に本人の署名をもらいます。転職で別の会社の特定技能1号に移る場合も、移った先で改めて実施が必要です。
② 出入国する際の送迎|出国時は保安検査場の前まで
入国時は、上陸手続をする空港(港)と事業所または住居の間を送迎します。出国時は空港まで送るだけでなく、保安検査場の前まで同行し、入場したことを確認する必要があります。一時帰国の際の出入国は対象外です。また、技能実習などから特定技能に変わる人がすでに日本にいる場合、入国時の送迎は対象になりません(支援計画書では「無」とし、理由を書きます)。
送迎は公共交通機関でもかまいません。注意したいのは、委託を受けた登録支援機関が社用車などで送迎する場合です。運用要領は、生活オリエンテーションなどと一体で行う運送を除き、道路運送法上の許可がなければ違反となる可能性が高いため公共交通機関を使うよう求めています。送迎にかかる交通費・燃料代・通行料・駐車料金は、義務的支援の費用として受け入れ企業側が負担します。
③ 住居確保・生活に必要な契約支援|7.5㎡と「保証料は会社負担」
住居の支援は、本人の希望に基づいて次の3方式のいずれかで行います。
| 方式 | 会社がやること | お金のルール |
|---|---|---|
| (a) 本人が借りる | 不動産会社・物件の情報提供、必要に応じ同行。連帯保証人が必要で適当な人がいなければ、会社が連帯保証人になるか、家賃債務保証業者を確保して会社が緊急連絡先になる | 敷金・礼金は原則本人負担(会社の任意負担は可)。保証業者の保証料は会社側が負担 |
| (b) 会社が借りて提供 | 会社が賃借人となり、本人の合意のもとで住居として提供 | 本人から取れるのは借上げ費用(管理費・共益費を含む)÷入居人数以内。利益を得てはいけない |
| (c) 自社所有の社宅 | 本人の合意のもとで提供 | 建設・改築費(土地代を除く)、耐用年数、入居人数などから算出した合理的な額 |
居室の広さは1人あたり7.5㎡以上(ルームシェアなら居室全体÷人数で判定)。ロフトは居室に含まれません。技能実習から同じ会社で特定技能に移り、すでにある社宅に住み続けることを希望する場合は例外がありますが、その場合でも寝室は1人あたり4.5㎡以上が必要です。住居は同じ業務をする日本人と同等の扱いにする必要があり、日本人に社宅を出しているなら同様に提供します。あわせて、銀行口座の開設・携帯電話の契約・電気ガス水道の契約について、必要な書類の案内と窓口の案内、必要に応じた同行を行います。
④ 生活オリエンテーション|入国後遅滞なく、8時間以上
入国後(国内で在留資格を変えた人は変更後)、遅滞なく実施します。伝える内容は特定技能基準省令で6分野に決まっています。
金融機関・医療機関の使い方、交通ルール、交通機関、ゴミの出し方など生活ルール、買い物、災害情報の入手方法、違法となる行為の例、出産・子育ての制度
所属機関・住居地の届出、社会保険と税(未納があると在留申請が不許可になりうること)、マイナンバー、自転車の防犯登録など
支援担当者の氏名・電話・メール、地方出入国在留管理局・労働基準監督署・ハローワーク・法務局・警察・市区町村・法テラス・大使館
通訳を置いている病院などの名称・所在地・連絡先、民間医療保険の案内
地震・台風・火災への備え、110番・119番・118番、避難場所、緊急速報メールの受信設定
入管法令・労働関係法令の知識、違反があったときの相談先、年金の受給資格と脱退一時金
時間の目安は少なくとも8時間以上です。技能実習を良好に修了した人や留学生を同じ会社で引き続き雇う場合で生活環境に変化がなくても、4時間に満たないときは適切に行ったとはいえないとされています。テレビ電話やDVD等の動画視聴で行うこともできますが、質問に答えられる体制が必要です。出入国在留管理庁は17言語の生活オリエンテーション動画と「外国人生活支援ポータルサイト」を公開しているので、教材として使えます。終わったら生活オリエンテーションの確認書(参考様式第5-8号)に署名をもらって記録します。
⑤ 公的手続等への同行|特に国民健康保険・国民年金
④で説明した届出や手続を本人が行うときに、必要に応じて窓口へ同行し、書類作成の補助をします。運用要領は、国民健康保険と国民年金は本人が自分で手続する必要があるため、同行するのが望ましいとしています。支援計画書の様式では、この項目は④の生活オリエンテーション欄の中(Ⅳ-4アb)に含まれています。
📌 公式情報源|1号特定技能外国人支援に関する運用要領(第2の(1)〜(4))/外国人生活支援ポータルサイト/生活オリエンテーション動画(17言語)(2026年9月時点)
4. 支援内容⑥〜⑩|就労中から離職時まで
後半の5項目は、雇用が続くかぎり回り続ける支援です。委託先の「質」の差が最も出るのもここです。
⑥ 日本語学習の機会の提供|3つの方法から本人の希望で
本人の希望に基づき、(a) 地域の日本語教室や認定日本語教育機関の入学案内と手続の補助、(b) 自主学習用の教材やオンライン講座の情報提供と利用手続の補助、(c) 本人と合意のうえ会社が登録日本語教員等と契約して講習の機会を提供する、のいずれかを行います。案内・情報提供・手続補助にかかる費用は受け入れ企業側の負担で、本人に過度な学習費用が生じないよう求められています。月謝や教材費まで会社が持つのは任意的支援です。社内での教え方の工夫は外国人介護スタッフの教育に使える無料テキスト・教材まとめも参考になります。
⑦ 相談・苦情への対応|週3勤務日以上・休日1日以上・夜間も
職場や生活の相談・苦情を受けたら、遅滞なく、本人が十分に理解できる言語で対応し、必要な助言・指導を行います。内容によっては地方出入国在留管理局や労働基準監督署などを案内し、同行して手続を補助します。運用要領が求める対応の時間帯は、勤務日のうち週3日以上、休日に1日以上、相談しやすい就業時間外(夜間など)にも対応できることです。委託する場合でも、相談の時間帯は本人の勤務時間に合わせて設定しなければなりません。
翻訳アプリや同僚の通訳は応急的には認められますが、プライバシーと正確さの観点から、詳しい聞き取りは通訳を確保して行う必要があります。対応した内容は相談記録書(参考様式第5-4号)に残し、行政機関に相談・通報したものは支援計画の実施困難に係る届出書(第3-7号)または特異事案報告書(第4-3号)に記載します。通院・入院に同行する場合の支援担当者の交通費や日当も、本人ではなく受け入れ企業側が負担します。
⑧ 日本人との交流促進|地域の行事と自治会の案内
必要に応じて、自治体やボランティア団体が主催する地域住民との交流の場、地域の自治会、祭りなどの行事を案内し、参加の手続を補助します。必要に応じて同行し、行事の注意事項ややり方を説明します。運用要領は、季節の行事などをとらえて年間を通じて行うことが望ましいとしています。行事に参加しやすいよう有給休暇や勤務時間に配慮するのは任意的支援です。
⑨ 転職支援(人員整理等の場合)|会社都合で解除するときだけ、でも中身は重い
人員整理や倒産など、本人の責めによらない事情で会社が雇用契約を解除する場合に必要になる支援です。次の4つのうちいずれかを行い、加えて2つを必ず行います。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| いずれか1つ以上 | ① 業界団体や関連企業を通じて次の受入先の情報を入手・提供 ② ハローワークや職業紹介事業者を案内し、必要に応じ同行 ③ 希望条件・技能・日本語力を踏まえた推薦状の作成 ④ 職業紹介事業の許可等があれば紹介あっせん |
| 必ず行う | 求職活動のための有給休暇の付与/離職時に必要な行政手続(国民健康保険・国民年金など)の情報提供 |
| 自社支援の会社の備え | 倒産などで転職支援ができなくなる見込みに備え、代わりに支援する者(登録支援機関・関連企業など)を確保しておく |
支援は可能なかぎり次の受入先が決まるまで続けます。本人の自己都合による転職の場合の手続は特定技能の転職 完全ガイドで整理しています。
⑩ 定期的な面談・行政機関への通報|3か月に1回以上、本人と上司の両方と
支援責任者または支援担当者が、本人と、その監督をする立場にある人(同じ部署で指揮命令権を持つ直属の上司など)のそれぞれと、3か月に1回以上面談します。派遣形態で受け入れている場合は、派遣先の監督者と面談します(派遣が認められる分野は特定技能は派遣できる?全分野の早見表を参照)。面談で長時間労働や賃金不払いなど労働法令違反を知ったら労働基準監督署などへ、資格外活動や旅券・在留カードの取り上げなど入管法令違反を知ったら地方出入国在留管理局へ通報します。記録は定期面談報告書(第5-5号・第5-6号)です。
🖥 オンライン面談の条件(2025年4月1日の運用改正で実施可能に)
- 面談を受ける本人と監督者が同意していること(本人の同意は支援計画書Ⅳ-9欄と末尾の署名欄で確認)。表情を見ながら話せるシステムであること
- 同意がない、または対面を希望されたときは対面で行う
- 面談の様子を録画し、雇用契約の終了日から1年以上保管。地方出入国在留管理局から求められたら閲覧に応じる
- 待遇などに問題が疑われる場合や、第三者の介入が疑われる場合は、改めて対面で行う
- 望ましい運用として、受け入れ後最初の面談と担当者が替わった後の最初の面談は対面、オンラインを使う場合も年1回以上は対面
なお、2026年4月から入管への定期届出は年1回になりましたが、面談の頻度は3か月に1回以上のままです。届出の回数と支援の頻度は別物なので混同しないでください(詳しくは特定技能の定期届出は2026年4月から年1回)。
📌 公式情報源|1号特定技能外国人支援に関する運用要領(第2の(5)〜(9))/出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」/令和7年4月1日施行の省令改正について(オンライン面談・定期届出の見直し)(2026年9月時点)
5. 特定技能の支援計画書の書き方|1号特定技能外国人支援計画書(参考様式第1-17号)の記入例
支援計画は、在留資格認定証明書の交付申請・在留資格変更・在留期間更新の申請のときに提出する書類です。様式は出入国在留管理庁の参考様式第1-17号「1号特定技能外国人支援計画書」(Excel)で、公式の記載例が「全部委託」「自社支援」「複数人」の3種類公開されています。記入例を探している方は、まずこの公式記載例を開いてください(リンクは本章末尾)。
誰が作るのか|作成は受け入れ企業、委託先は「補助」まで
運用要領は、登録支援機関に支援の全部を委託する場合でも支援計画の作成は受け入れ企業が行うとし、登録支援機関が必要に応じて作成を補助することは差し支えないとしています。様式の末尾にも「作成責任者の氏名」を受け入れ企業側で書く欄があります。さらに特定技能基準省令第3条第2項により、支援計画は日本語と、本人が十分に理解できる言語の両方で作成し、写しを本人に交付しなければなりません。本人には内容を説明し、理解したことについて署名をもらいます。翻訳の様式は出入国在留管理庁のサイトに複数言語で掲載されています。
様式の構成|Ⅰ〜Ⅴ欄と、10項目の対応
| 欄 | 書く内容 | 全部委託/自社支援での違い |
|---|---|---|
| Ⅰ 支援対象者 | 氏名・性別・生年月日・国籍 | 共通。支援内容が同じなら複数人を任意の名簿で添付できる(同時申請に限る) |
| Ⅱ 特定技能所属機関 | 名称・住所・支援を行う事務所・支援責任者・支援体制の概要(支援人数・支援担当者数・中立性) | 「4 支援業務を行う体制の概要」は自社支援の場合のみ記入 |
| Ⅲ 登録支援機関 | 登録番号・登録年月日・名称・住所・代表者・支援を行う事務所・支援責任者・支援人数・支援担当者数 | 全部委託の場合のみ記入。登録簿の登録事項と一致させる |
| Ⅳ 支援内容(1〜9) | 1事前ガイダンス/2出入国時の送迎/3住居確保・生活に必要な契約/4生活オリエンテーション(公的手続の同行を含む)/5日本語学習/6相談・苦情対応/7日本人との交流促進/8会社都合の離職時の転職支援/9定期面談・通報 | 10項目のうち「公的手続等への同行」が4の中に入るため、様式上は9欄。欄ごとに実施予定・担当者・実施方法を書く |
| Ⅴ 共生施策関係 | 事業所の所在地と住居地の市区町村名、共生施策を確認した日と方法(ホームページ等) | 共通(2025年4月の省令改正で追加) |
| 末尾 署名欄 | 受け入れ企業の名称と作成責任者の氏名、翻訳した言語、本人の署名と署名日、定期面談をオンラインか対面のどちらで希望するか | 共通。作成責任者は受け入れ企業側 |
記入で迷いやすい10か所(公式記載例の注意書きより)
| 箇所 | 書き方の要点 |
|---|---|
| ① 実施予定「有・無」 | 「有」なら実施時期を簡潔に(例:入国日、在留資格変更許可後すみやかに)。「無」なら実施しない理由を括弧内に書く(例:すでに日本に在留しているため入国時の送迎は無) |
| ② 委託の有無 | 自社で行う場合、登録支援機関に全部委託する場合は「無」。登録支援機関は再委託ができないため、全部委託の計画書ではすべて「無」になる |
| ③ 支援担当者 | 支援項目ごとに担当者の氏名と役職を書く。9(定期面談)は支援責任者または支援担当者に限られる |
| ④ 実施方法 | 1事前ガイダンスは「対面」か「テレビ電話装置」。4生活オリエンテーションは動画視聴等も可だが「質問に応じる体制あり」が前提 |
| ⑤ 実施言語・通訳者 | 1・4・6・9で実施言語を書く。支援担当者以外が通訳する場合は通訳者の所属と氏名まで |
| ⑥ 実施予定時間 | 1と4に合計時間を書く。目安(3時間程度・8時間以上)を下回る計画は理由を説明できるようにしておく |
| ⑦ 住居の概要(3アd) | 居室の広さ(1人7.5㎡以上)、居住費を取るか、月額、自己所有か借上げか、その額が適正である説明(借上げなら賃料÷入居人数) |
| ⑧ 相談の対応時間(6イ) | 曜日ごとの時間帯と方法(面談・電話・メール)、緊急時の連絡方法。本人の勤務時間外にも受けられる設定にする |
| ⑨ 定期面談(9) | 実施月(例:1・4・7・10月)と、対面かオンラインか。オンラインを選ぶ場合も「同意がない・対面希望の場合は対面」と明記される |
| ⑩ 自由記入欄 | 任意的支援や、市区町村の共生施策を踏まえた支援(例:市の日本語教室を案内)を書く欄。書いたことは義務になるので実施できることだけを書く |
リウス
支援計画の内容を変えたとき(支援責任者・担当者の交代、委託先の変更、自社支援への切り替えなど)は、事由が生じた日から14日以内に支援計画変更に係る届出書(参考様式第3-2号)を受け入れ企業が出します。なお、既存の支援計画の定期面談をオンラインに切り替えるだけなら変更の届出は不要ですが、同意を確認した書面は保存が必要です。
📌 公式情報源|出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(参考様式第1-17号・第3-2号)/公式記載例:全部委託・自社支援・複数人(PDF)/特定技能外国人受入れに関する運用要領(令和8年8月・第6章)/地域の共生施策に関する連携(2026年9月時点)
6. 登録支援機関に委託した場合の範囲|義務的支援の全部委託・一部委託と、受け入れ企業に残る責任
入管法第19条の22第2項は、支援の全部または一部を委託できると定めています。「登録支援機関には全部しか頼めない」という説明を見かけることがありますが、正確ではありません。一方で、登録支援機関として登録を受けるためには支援計画の全部を実施できる体制が必要で、一部の支援だけを行う機関としては登録できません。つまり「頼む側は全部でも一部でもよい」「頼まれる登録支援機関は全部できる体制を持っている」という関係です。違いは次のとおりです。
| 項目 | 自社支援 | 一部委託 | 全部委託(登録支援機関) |
|---|---|---|---|
| 支援体制の基準 | 自社が満たす(過去2年間の中長期在留者の受入れ実績、または生活相談業務の経験者から支援責任者・担当者を選任 など) | 自社が満たす | 満たしたものとみなされる。ただし委託先の体制に実効性がないと認められると受入れが認められない場合がある |
| 定期面談 | 自社の支援責任者・担当者 | 第三者への委託は不可。専門家や通訳を補助として同席させることは可 | 登録支援機関の支援責任者・担当者 |
| 支援計画書 | Ⅱ-4(体制の概要)を記入 | 委託の範囲を明示し、委託先の氏名・住所・契約内容を記載 | Ⅲ(登録支援機関の登録事項と契約内容)を記入 |
| 再委託 | - | - | 登録支援機関は支援の実施そのものを他へ委託できない。通訳やタクシーの利用など補助者への依頼は可 |
全部委託しても受け入れ企業に残る7つのこと
- 支援計画の作成と、本人への交付・説明・署名(委託先は補助まで)
- 義務的支援の費用負担。支援委託費を含め、本人の給与から直接・間接に差し引くことはできない
- 入管への届出。随時届出(事由から14日以内)も定期届出(年1回・5月31日まで)も受け入れ企業が出す。登録支援機関は代わりに届出できない
- 市区町村への協力確認書の提出。記載するのは受け入れ企業の名称・担当者連絡先で、登録支援機関のものではない
- 雇用主としての義務。報酬・労働時間・社会保険など雇用契約と労働法令の順守は委託の対象外
- 委託先を選んだ責任。委託先の体制から実効性ある支援ができないと認められると、受入れ自体が認められない場合がある
- 記録の控えを持つこと。定期届出では登録支援機関の支援実施状況を取りまとめて出すため、面談報告書などの写しを受け取れる契約にしておく
委託の費用について、出入国在留管理庁が有識者会議(令和4年12月)に示した資料では、特定技能外国人1人あたりの月額支援委託料の平均は28,386円(暫定値)で、約9割が月30,000円以下でした。運用要領は、登録支援機関に全部委託する契約では費用の額と内訳を明示するよう求め、複数の登録支援機関から見積りを取って支援内容を確認するよう勧めています。費用の全体像は特定技能の費用はいくら?初期費用・ランニングコスト・業種別相場にまとめています。
また、2027年4月1日からは支援体制の要件が省令で厳しくなり、支援担当者1人あたり1号特定技能外国人50人未満・受け入れ企業10機関未満などが求められます。委託先が「義務的支援を回せる人数」を持っているかは、この数字で確認できます。詳しくは登録支援機関の体制要件が2027年4月から厳格化で解説しています。
📌 公式情報源|特定技能外国人受入れに関する運用要領(第5章第2節第2・第6章)/1号特定技能外国人支援・登録支援機関について/協力確認書の提出/技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議(第1回)資料3(支援委託料の平均28,386円・暫定値)/支援体制に係る要件の改正(令和9年4月1日施行)(2026年9月時点)
「うちの委託契約、どこまでが委託先で、どこからが自社か」を一緒に整理します
当社は登録支援機関(24登-011066)として、インドネシア人材の義務的支援を行っています。支援計画書の記入内容、委託の範囲、届出の担当の切り分けなど、他社に委託中の企業からのご相談も承っています。
7. 申請書類は誰が作るか|行政書士法改正と登録支援機関・行政書士の役割
在留資格の申請書類(在留資格認定証明書の交付申請、在留資格の変更、在留期間の更新)の作成は、義務的支援10項目には含まれていません。ここを「支援の一部」だと思い込んで、月額の支援委託費に書類作成を含めている契約が見直しの対象になっています。
行政書士法改正(2026年1月1日施行)で何が明確になったか
行政書士法の一部を改正する法律(令和7年法律第65号・2025年6月13日公布)により、行政書士でない者の業務を制限する第19条第1項に「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が加わりました。日本行政書士会連合会は、会費・手数料・コンサルタント料・商品代金などどんな名目でも、対価を受け取って業として官公署に出す書類を作れば違反になることが明確化されたと説明しています。総務省によると、違反した行為者には1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、さらに両罰規定でその法人にも罰金が科されます。
出入国在留管理庁も、在留申請オンラインシステムの案内で、弁護士・行政書士以外の人が業として手数料を得るなどして自ら申請情報を入力すると弁護士法違反または行政書士法違反となることがある、と注意を呼びかけています。そのうえで、弁護士・行政書士以外の利用者は、申請人や所属機関の職員と一緒に入力するなど法違反にならないよう求めています。
登録支援機関と行政書士の役割分担|行為別に誰ができるか
| 行為 | 受け入れ企業(自社の職員) | 登録支援機関 | 行政書士・弁護士 |
|---|---|---|---|
| 在留申請書類の作成 | ✅ 自社で作成できる | ❌ 報酬を得て作成はできない。支援委託費に含める形も、名目を変えても同じ | ✅ 報酬を得て作成できる |
| 申請の提出(取次) | ✅ 在留資格認定証明書の申請は代理人として提出できる。変更・更新は、職員が申請等取次者の承認を受ければ本人に代わって提出(取次)できる。所属機関の職員はオンライン申請も利用できる | ✅ 地方出入国在留管理局長の承認を受けた職員が、支援の全部の委託を受けている外国人について取次できる | ✅ 届出済みの行政書士等は取次できる |
| 入管への届出 | ✅ 届出者本人 | ❌ 受け入れ企業の届出を代わりに出すことはできない(支援実施状況を企業に渡すのは可) | 届出書を報酬を得て作成できる |
| 義務的支援(⑤公的手続への同行など) | ✅ 自社支援の場合 | ✅ 委託の範囲で実施。住居地の届出や社会保険・税の手続など、本人が行う手続の同行・補助が中心 | -(支援の受託には登録支援機関としての登録が必要) |
つまり、合法な組み合わせは(1) 自社で書類を作り、自社で申請する、(2) 支援は登録支援機関に委託し、書類は自社で作る、(3) 支援は登録支援機関に委託し、書類は行政書士に別途依頼するの3つです。(3)の場合は、行政書士との契約・請求が登録支援機関の支援委託費と分かれているかを確認してください。個別のケースで判断に迷う場合は、行政書士や所轄の地方出入国在留管理局に確認するのが確実です。
リウス
特定技能の行政書士費用の目安
行政書士に書類作成を頼む場合の報酬は事務所ごとに自由に決められます。全国の傾向は、日本行政書士会連合会が行政書士法に基づき実施している報酬額統計調査で確認できます。特定技能は添付書類が多いため、就労資格全般より高めに設定する事務所もあります。
| 申請 | 日行連 令和7年度報酬額統計(就労資格・税込) | 特定技能に絞った業界の目安(行政書士事務所の例) |
|---|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請(海外から呼ぶ) | 平均120,174円/最頻値110,000円 | 12万〜20万円 |
| 在留資格変更許可申請(国内で切り替える) | 平均103,167円/最頻値110,000円 | 9万〜15万円 |
| 在留期間更新許可申請 | 平均56,204円/最頻値55,000円 | 6万〜10万円 |
これとは別に、国に納める手数料がかかります。在留資格の変更・在留期間の更新の手数料は2026年10月1日受付分から、許可される在留期間に応じて改定(確定)され、窓口で10,000円〜75,000円(たとえば1年の許可なら33,000円)になります。特定技能1号は在留期間が個別に指定されるため、更新のたびに金額を確認してください。詳しくは在留資格の更新・変更手数料が2026年10月1日から改定、更新の段取りは特定技能の在留期間は何年?更新の段取りをご覧ください。
📌 公式情報源|日本行政書士会連合会「行政書士法第19条第1項及び第23条の3の改正の趣旨等について」/総務省「行政書士制度」/出入国在留管理庁「所属機関・公益法人・登録支援機関の職員の方」(オンライン申請の注意)/申請等取次申出/オンライン申請の手数料額・納付方法(2026年9月時点)
📊 業界相場ソース|日本行政書士会連合会「報酬額の統計」(令和7年度調査・令和8年1月実施)/MIRAI行政書士事務所「特定技能の行政書士費用相場」(行政書士事務所の例)
8. 義務的支援を怠るとどうなるか|「5年」の基準と届出
義務的支援を怠った場合の影響は、罰金よりも「次に受け入れられなくなる」ことです。特定技能基準省令第2条第2項第5号は、受け入れ企業の基準として、雇用契約の締結の日前5年以内またはその締結の日以後に、支援計画に基づく支援を怠ったことがないことを求めています。支援を怠った会社は、支援を適正に行う体制が十分とはいえないため、この基準を満たさなくなります。
| 起きること | 根拠・公表内容 |
|---|---|
| 支援を怠った事実が、その後5年の受入れに影響 | 特定技能基準省令第2条第2項第5号(契約締結前5年以内・締結後に支援を怠ったことがないこと) |
| 届出が適正でないと受け入れられなくなる | 出入国在留管理庁「特定技能所属機関からの届出が適正に履行されていない場合、特定技能外国人を受け入れることができなくなる」 |
| 委託先の登録が取り消されることがある | 受け入れ企業から登録支援機関の支援状況が提出されない場合(同上) |
| 支援の記録がないと「実施した」と示せない | 支援の状況に係る文書を作成し、雇用契約の終了日から1年以上備えて置くことが基準(自社支援の場合) |
全部委託している場合でも、これらの影響を受けるのは受け入れ企業です。委託先の面談が3か月に1回行われていない、相談窓口が機能していない、といった状態に気づいたら、放置せずに委託先へ確認してください。委託先の見直しを検討する場合の判断軸は登録支援機関の選び方|契約前に確認すべき10項目チェックリスト、業種別には特定技能 介護の登録支援機関の選び方や物流倉庫に強い登録支援機関・監理支援機関の選び方で整理しています。
📌 公式情報源|特定技能外国人受入れに関する運用要領(令和8年8月)第5章第2節第2(支援実施義務の不履行・文書の備置き)/特定技能所属機関・登録支援機関による届出(2026年9月時点)
9. 委託先に確認する10の質問|登録支援機関の支援内容を点検する
ここまでの内容を、委託先(または候補先)への質問に置き換えました。契約前の比較にも、委託中の点検にもそのまま使えます。複数社を比べるときは、同じ質問を同じ順番で聞いて回答を並べると差がはっきりします。
| 質問 | なぜ聞くか | 安心できる回答 |
|---|---|---|
| ①「事前ガイダンスと生活オリエンテーションは何時間、何語で、どの方法で行いますか」 | 3時間程度・8時間以上の目安と、対面かテレビ電話か | 時間・言語・通訳者まで即答し、確認書(第5-9号・第5-8号)の写しを渡せる |
| ②「支援計画書の作成は、どこまで手伝っていただけますか」 | 作成者は受け入れ企業。委託先は補助 | 作成責任は企業側と説明したうえで、欄ごとの記入を補助し、訳文も用意する |
| ③「相談は何曜日の何時まで、何語で受けていただけますか。緊急時は?」 | 週3勤務日以上・休日1日以上・夜間対応 | 本人のシフトに合わせた時間帯と、緊急連絡先を具体的に示せる |
| ④「定期面談は誰が、いつ、対面かオンラインか。報告書はもらえますか」 | 3か月に1回以上・本人と監督者の両方 | 実施月と担当者名を示し、第5-5号・第5-6号の写しを毎回共有する |
| ⑤「送迎は何で行いますか」 | 車両送迎には道路運送法の論点がある | 公共交通機関か、許可の有無を説明できる。出国時は保安検査場まで同行 |
| ⑥「住居の保証はどうされますか」 | 連帯保証か保証業者+緊急連絡先。保証料は本人負担不可 | 方式と費用負担を明確にし、7.5㎡以上を確認している |
| ⑦「在留申請の書類は、どなたが作成されますか」 | 改正行政書士法(2026年1月施行) | 「作成は貴社か行政書士。当社は承認を受けた職員が取次のみ」と明確に答える |
| ⑧「支援委託費の内訳を出していただけますか。追加料金になるのは何ですか」 | 全部委託の契約では費用の額と内訳の明示が求められる | 月額と別料金の項目(通院同行・転居時の支援など)が書面で分かれている |
| ⑨「届出に必要な支援実施状況は、いつまでに何をいただけますか」 | 届出は受け入れ企業が出す | 定期届出(5月31日まで)に間に合う日程で資料を渡す約束がある |
| ⑩「担当者1人あたり、何社・何名を受け持っていますか」 | 2027年4月から1人50人未満・10機関未満 | 実数を即答し、基準内に収まっている |
回答を書き込んで3社を並べられる記入シートは、この記事の資料(登録支援機関 選定チェックリスト)に入っています。そもそも人材紹介会社・派遣会社・登録支援機関の役割の違いから整理したい場合は外国人材紹介会社の選び方|紹介・派遣・登録支援機関の違いを先にどうぞ。
10. よくある質問
各項目をタップすると回答が開きます。回答はすべて出入国在留管理庁・総務省・日本行政書士会連合会の公表内容に基づいています(2026年9月時点)。
Q. 義務的支援10項目とは何ですか?
Q. 特定技能2号の外国人にも義務的支援は必要ですか?
Q. 技能実習生を同じ会社で特定技能に切り替える場合も、10項目すべて必要ですか?
Q. 支援計画書は登録支援機関が作ってくれますか?
Q. 登録支援機関に支援の一部だけを委託できますか?
Q. 支援委託費を本人の給与から差し引いてもよいですか?
Q. 在留期間更新の書類作成を登録支援機関にお願いしてもよいですか?
Q. 定期面談はオンラインでもよいですか?
Q. 定期届出が年1回になったので、定期面談も年1回でよいですか?
Q. 任意的支援を支援計画書に書いてもよいですか?
義務的支援が「計画どおり回っているか」は、10の質問と記録の写しで確かめられます
当社は登録支援機関(24登-011066)として、インドネシア人材に特化した義務的支援を行っています。これから委託先を選ぶ企業には比較の観点の整理から、委託中の企業には支援計画書・委託範囲・届出の担当の切り分けまでお手伝いできます。
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11. まとめ|「任せたつもり」をなくす
✅ この記事の要点
- 義務的支援は特定技能1号の受け入れ企業の義務。10項目すべてを支援計画に書いて実施する(明らかに不要なものは理由を書いて「無」)。
- 目安は事前ガイダンス3時間程度(1時間未満は不可)、生活オリエンテーション8時間以上(4時間未満は不可)、居室7.5㎡以上、相談週3勤務日以上+休日1日以上、定期面談3か月に1回以上。
- 支援計画書は参考様式第1-17号。作成は受け入れ企業、日本語と本人の言語で作成し、交付して署名をもらう。
- 支援は全部でも一部でも委託できる。全部委託なら体制基準はみなし適合、一部委託なら自社が基準を満たし、定期面談は第三者に委託できない。
- 全部委託でも、計画の作成・費用負担・届出・協力確認書・雇用主の義務・委託先を選んだ責任・記録の控えは受け入れ企業に残る。
- 在留申請書類を報酬を得て作れるのは行政書士・弁護士。登録支援機関は承認を受けた職員の取次まで。支援委託費に含める形も不可。
- 支援を怠ると、その後5年の受け入れに影響する。委託先には10の質問で実施状況を確かめる。
義務的支援の10項目は、受け入れ企業から見れば「やることリスト」ですが、働く本人から見れば「日本で困ったときに頼れる約束」です。委託先に任せている会社ほど、何がどこまで約束されているのかを自社で把握しておくことが、本人の安心と、次の受け入れを守ることにつながります。制度全体の流れは特定技能制度とは?受け入れ企業の完全ガイド、介護分野で在留申請の前に必要な協議会の手続は介護分野 特定技能協議会の加入と概要書、ハローワークへの届出はハローワークへの外国人雇用状況の届出をあわせてご確認ください。
12. 公式情報源リスト(お気に入り登録推奨)
| 機関 | 資料 | 確認できること |
|---|---|---|
| 出入国在留管理庁 | 1号特定技能外国人支援・登録支援機関について | 義務的支援10項目・支援計画の主な記載事項・全部委託のみなし・再委託の禁止 |
| 出入国在留管理庁 | 1号特定技能外国人支援に関する運用要領(PDF) | 各支援の義務的・任意的の区分、時間の目安、住居の基準、オンライン面談の条件、記録の様式 |
| 出入国在留管理庁 | 特定技能運用要領(要領本体・要領別冊) | 支援体制の基準・5年の基準・文書の備置き・支援計画の記載事項(最新の改正履歴) |
| 出入国在留管理庁 | 特定技能関係の申請・届出様式一覧 | 参考様式第1-17号(支援計画書)と記載例3種、第3-2号、第5-4〜5-9号 |
| 出入国在留管理庁 | 特定技能所属機関・登録支援機関による届出 | 定期届出(年1回)・随時届出(14日以内)・登録支援機関は届出できない旨 |
| 出入国在留管理庁 | 特定技能制度における地域の共生施策に関する連携 | 協力確認書の提出時期・提出先、支援計画での共生施策の確認 |
| 出入国在留管理庁 | 所属機関・公益法人・登録支援機関の職員の方(在留申請オンラインシステム)/申請等取次申出 | 登録支援機関の職員が取次・オンライン申請できる条件、行政書士法違反の注意喚起 |
| 出入国在留管理庁 | 1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について(令和9年4月1日施行) | 支援担当者1人あたり50人未満・10機関未満などの改正点 |
| 出入国在留管理庁 | 在留申請のオンライン手続の手数料額・納付方法/改正入管法施行令について | 2026年10月1日受付分からの手数料(在留期間別) |
| 総務省 | 行政書士制度 | 改正行政書士法(令和7年法律第65号・2026年1月1日施行)の概要・業務の制限と罰則 |
| 日本行政書士会連合会 | 行政書士法第19条第1項及び第23条の3の改正の趣旨等について/報酬額の統計 | 名目を問わない報酬の扱い・両罰規定/在留申請の報酬の全国平均(令和7年度調査) |
※本記事は2026年9月時点の公表内容に基づきます。運用要領や参考様式は改正されることがあるため、申請・届出の前に必ず上記の公式情報で最新版をご確認ください。費用の金額は事務所・機関・受け入れ人数により変動する目安です。本記事の内容は法的助言を構成するものではありません。
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この記事が「義務的支援の中身」だとすれば、こちらは委託先そのものの全体像。選び方7軸・費用相場・登録簿の探し方をまとめています。
3社を同じ質問で比べるための記入シート付き 登録支援機関の体制要件が2027年4月から厳格化
支援担当者1人あたり50人未満・10機関未満の正しい読み方と委託先への7つの質問 特定技能の定期届出は2026年4月から年1回
対象期間・提出期限5月31日・登録支援機関は代行不可 特定技能 介護の登録支援機関の選び方
介護施設が確認すべき10項目と費用相場 在留資格の更新・変更手数料が2026年10月1日から改定
在留期間別の新額と受け入れ企業の対応 特定技能の費用はいくら?初期費用・ランニングコスト・業種別相場
年間総額で比較するための内訳表 特定技能制度とは?受け入れ企業の完全ガイド
対象分野・条件・費用・流れの全体像
この記事を書いた人
ジンザイネシア編集部株式会社ジンザイネシアの編集部です。登録支援機関(24登-011066)・有料職業紹介事業(01-ユ-300820)として、インドネシア人材の採用・受け入れ・定着を支援している立場から、特定技能・育成就労の制度と受け入れ実務を、出入国在留管理庁・厚生労働省などの一次情報にもとづいて解説しています。

この記事を監修した人
吉田 卓司株式会社ジンザイネシア代表取締役。 2000年にオイシックス・ラ・大地(東証プライム市場・3182)を共同創業し、2007年に五反田電子商事(現GDX)を創業。2012年にシンガポールへ移住し、2015年にはインドネシアでBeautynesiaを創業のうえ現地財閥法人へ売却。 10年以上のインドネシア在住経験と、日本インドネシア国交55周年の大相撲巡業主催(2013年・1万人以上集客)など現地での実績を基盤に、2023年に株式会社ジンザイネシアを創業。 本コラムでは、特定技能・育成就労に関する制度実務とインドネシア人材の採用・教育・定着支援の知見を、登録支援機関の立場から監修します。
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