外国人雇用管理主任者とは|資格の中身・取り方と、国の指針で選任が求められる「雇用労務責任者」との違い【2026】
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外国人雇用管理主任者とは|資格の中身・取り方と、国の指針で選任が求められる「雇用労務責任者」との違い【2026】

⚡ 結論|資格は任意。国の指針が求めているのは「雇用労務責任者」の選任です

外国人雇用管理主任者は2019年10月に始まった民間資格。取らなくても違法にはなりません

試験と講習を運用しているのは外国人雇用支援センターで、法律に根拠のある国家資格ではありません。一方、厚生労働省の「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」は、外国人労働者を常時10人以上雇用する事業主に、人事課長等を「雇用労務責任者」として選任することを求めています。この雇用労務責任者に資格は要りません。そして資格や責任者の有無にかかわらず、在留カードでの就労可否の確認、ハローワークへの外国人雇用状況の届出(怠ると30万円以下の罰金)、労働条件の書面での明示は、外国人を1人でも雇うすべての事業主にかかる義務です。この記事では、資格の中身と費用、似た名前の資格との違い、雇用労務責任者の役割、会社として外せない実務を、公的機関と認定団体の公表内容だけで整理します。

あわせて読みたい:外国人を雇い入れたとき・辞めたときにハローワークへ出す届出の様式と期限はハローワークへの外国人雇用状況の届出|様式・期限・オンライン申請で詳しく解説しています。

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1. 外国人雇用管理主任者とは|どこが認定している資格か

外国人雇用管理主任者は、公式サイトの説明によると「外国人雇用についての専門的知識を身につけ、外国人雇用に関するトータル的なサポートができる人材の育成を目的として設立された資格」です。同じページに「2019年10月から開始された民間資格」と明記されています。特定技能の制度が始まった2019年4月の半年後にできた資格で、在留資格・入管法・労務管理・助成金までを1冊分の知識として学ぶ内容になっています。

検索すると「国家資格」と書いた解説も見かけますが、認定団体自身が民間資格と明記しています。また公式サイトには「資格がなくても業務はできますが、『外国人雇用管理主任者』と名乗るためには資格取得と登録が必要です」とあります。つまりこの資格は、特定の業務を資格者だけに認める「独占業務」を持つものではなく、外国人雇用の知識を学んだことを示すものです。

項目 公式サイトの記載(2026年9月時点)
資格の種類 民間資格(2019年10月開始)。国家資格ではない
試験運用団体 外国人雇用支援センター(センターのサイトの表記:主催 一般社団法人日本職業教育振興会/運営者 株式会社東京リーガルマインド)
受験資格 学歴・年齢・実務経験の制限なし。誰でも受験できる
名乗るための条件 試験合格(または認定講習の修了)+行動準則の承認+センターへの登録(認定証を発行)
想定している受験者 外国人雇用を検討する企業の経営者・人事責任者、現場で受け入れるマネージャー、人材サービス会社・監理団体・登録支援機関の担当者、社会保険労務士・行政書士など
リウス

リウス(インドネシア出身・ジンザイネシア)

💡 かんたんに言うと、「外国人を雇うときのルールを勉強しました」と示せる民間の検定です。会社の義務を代わりに果たしてくれるものではありません。会社の義務は、資格があってもなくても同じです。

📌 公式情報源|外国人雇用管理主任者 公式サイト「資格概要」/外国人雇用支援センター(主催・運営者の表記)(2026年9月30日確認)

2. 資格の中身と取り方|一般受験と認定講習、かかる費用の合計

取り方は2通りです。全国のテストセンターでパソコンを使って受ける一般受験と、インターネットで講義動画を見て修了テストに合格する認定講習です。認定講習を受けた人は一般試験が免除されます。どちらの場合も、名乗るには合格後に登録が必要です。

項目 一般受験 認定講習
受け方 全国のCBTテストセンターで随時受験(日程を自分で選ぶ) 専用サイトで講義動画を視聴し、修了認定テストを受ける
形式・分量 四肢択一・50問・60分 講義約5時間(在留資格編 約2.5時間/労務管理編 約2時間/演習30問)
合格の基準 70%以上の正解で合格。試験終了後すぐに合否判定 修了認定テストに合格。受講期間(180日間)内なら何度でも受験可
受験料・受講料 8,500円(税込) 28,000円(税込)
登録料 11,000円(税込・有効期間3年) 11,000円(税込・有効期間3年)
初回の合計 19,500円(1回で合格した場合) 39,000円
合格後の流れ 試験実施日の翌月末以降に合格証書と登録案内が届く→登録→約3週間で認定証 修了申請の翌月末までに合格証書と登録案内が届く→登録→認定証(カード)

出題範囲は、公式サイトで次の8つが示されています。

  1. 外国人雇用の基礎知識(外国人労働者とは・社会的背景)
  2. 在留資格の基礎知識
  3. 出入国管理及び難民認定法(入管法)
  4. 特定技能の在留資格と特定技能外国人
  5. 受け入れ企業・登録支援機関の役割
  6. 外国人労働者の採用計画(費用・研修・社内理解)
  7. 労務管理のルール(労働基準法・労働保険・社会保険)
  8. 外国人雇用に対する助成金の活用

よく調べられている「合格率」は、公式サイトには掲載されていません(2026年9月30日確認)。難しさを測る手がかりは、受験資格の制限がないこと、合格基準が70%であること、認定講習の講義時間が約5時間と公表されていることの3点です。学習には公式サイトで案内されている指定参考図書や無料の学習用資料・動画が使えます。

⚠️ 登録料と更新について、ほかの解説と数字が違う点

  • 登録料を「10,000円」と書いている解説がありますが、2026年9月30日時点の公式サイトは11,000円(税込)です。
  • 有効期間は3年で、3年ごとに更新が必要です。満了のおおよそ45日前に更新の案内が郵送され、更新時には行動準則をあらためて承認します。
  • 更新にかかる費用の金額は、公式サイトの資格概要・一般受験・認定講習・Q&Aの各ページには記載がありませんでした。更新の案内資料で確認してください。

📌 公式情報源|外国人雇用管理主任者「一般受験制度」/「認定講習会制度」/「資格に関するQ&A」(2026年9月30日確認。金額は税込)

3. 名前が似た資格・講習との違い|4つを並べて整理

「外国人雇用管理主任者」「外国人雇用管理士」「外国人雇用労務士」は、名前がよく似ていますが、それぞれ別の団体が実施している別の資格です。さらに厚生労働省の委託事業として、無料の「外国人労働者雇用労務責任者講習」があります。4つを同じ観点で並べます。

名称 実施団体 受け方・形式 費用(税込) 位置づけ
外国人雇用管理主任者 外国人雇用支援センター CBTで随時(50問・60分)または動画の認定講習 受験8,500円/講習28,000円+登録11,000円(3年) 民間資格
外国人雇用管理士® 一般社団法人東京都外国人就労認定機構 年1回・会場受験(2026年は9月26日)。マークシート50問・2時間 受験9,900円+登録講習39,800円(有効2年・更新19,800円) 民間団体の資格試験
外国人雇用労務士® 一般社団法人全国外国人雇用推進機構 自宅等でオンライン受験。四肢択一80問・120分(第9回は2026年11月29日) 受験8,900円+登録講習(公式サイトの受験概要に5,000円と掲載)。有効2年 民間団体の資格試験
外国人労働者雇用労務責任者講習 厚生労働省の委託事業 オンライン・受講時間約3時間30分。確認テスト後に受講証明書 無料 資格ではなく講習

3つの民間資格は、どれも法律で「この資格者を置かなければならない」と定められたものではありません。違いは実施団体・受け方・費用・更新の周期です。受けたい時期に受けられるか(随時か、年1回・年数回の試験日か)、会場かオンラインか、更新にいくらかかるかで選ぶのが現実的です。

一方、4つ目の厚生労働省の講習は、次章で説明する雇用労務責任者として選任された人・選任予定の人を主な受講対象にしたもので、外国人労働者が常時10人に満たない事業所の人も受講できます。講義は「外国人雇用のルール(在留管理制度と外国人雇用状況届出)」「労働関係法令・社会保険関係法令」「異文化理解とコミュニケーション配慮」などで構成されています。まず費用をかけずに体系的に学びたいなら、この講習が最初の選択肢になります。

4. 国の指針が求める「雇用労務責任者」とは|常時10人以上で選任

「法律で決まった担当者を置く必要があるのか」という疑問の答えは、この雇用労務責任者です。根拠は、労働施策総合推進法の第7条(外国人の雇用管理の改善に努める事業主の責務)と、第8条にもとづいて厚生労働大臣が定めた「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(外国人雇用管理指針)です。指針の第六は次のとおりです。

📜 指針 第六「外国人労働者の雇用労務責任者の選任」(原文)

「事業主は、外国人労働者を常時十人以上雇用するときは、この指針の第四に定める事項等を管理させるため、人事課長等を雇用労務責任者(外国人労働者の雇用管理に関する責任者をいう。)として選任すること。」

よくある疑問 指針・法律の本文から言えること
10人に誰を数えるか 指針の第三で「外国人」は日本国籍を持たない人(特別永住者と在留資格「外交」「公用」の人を除く)、「外国人労働者」はその外国人の労働者と定義され、技能実習生も含むと明記。つまり特定技能・技能実習・技術・人文知識・国際業務だけでなく、永住者・定住者や、資格外活動許可で働く留学生なども外国人労働者にあたります。パート・アルバイトの扱いなど細かな数え方は指針に書かれていないため、迷うときは管轄の労働局・ハローワークに確認してください
誰を選ぶか・資格は要るか 指針は「人事課長等」とだけ定めています。民間資格の取得は要件ではありません。外国人雇用管理主任者の公式Q&Aも、雇用労務責任者の選任に同資格は必須ではないと説明しています
選任を届け出るか 指針の本文に、選任を行政へ届け出る定めはありません(2026年9月30日時点の指針本文で確認)
選任しないと罰則があるか 労働施策総合推進法で罰金が定められているのは届出義務違反など(第40条)で、指針の選任規定そのものに罰則の定めはありません。ただし同法第33条により、厚生労働大臣は事業主に助言・指導・勧告ができます
10人未満ならどうするか 指針上の選任の対象ではありません。ただし次に示す「指針の第四」の内容は人数にかかわらず事業主が講ずべき措置なので、誰が管理するかを社内で決めておくことをおすすめします

雇用労務責任者が管理する「指針の第四」の中身

雇用労務責任者に管理させる「第四に定める事項」は、次の7分野です。資格試験の出題範囲と重なる部分も多く、この表が「社内で何を管理すればよいか」の答えになります。

指針 第四の分野 指針の主な内容 社内で決めておくこと
一 募集・採用の適正化 業務内容・賃金・労働時間などを書面で明示し、母国語や平易な日本語など本人が理解できる方法で伝える。違約金・保証金を取る業者からあっせんを受けない。在留資格上その業務に就けるかを確認し、就けない人は採用しない 求人条件の書き方、紹介会社の許可の確認方法、在留カード確認の担当者
二 適正な労働条件の確保 国籍を理由とした差別の禁止、労働条件通知書の交付、税金・保険料・控除の説明、最低賃金以上・全額払い、旅券や在留カードを会社で保管しない 労働条件通知書の多言語版、給与明細の説明方法、寮費などの控除額の決め方
三 安全衛生の確保 母国語や視聴覚教材を使った安全衛生教育、労働災害防止のための日本語や合図の習得、図解などで分かる標識・掲示、健康診断とその目的の説明 入社時の安全教育の教材と実施者、危険な作業の合図の決め方
四 労働・社会保険の適用等 雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金の適用手続きと制度の周知、離職時の手続き、帰国時の脱退一時金の説明 入社・退社時の手続きの担当、帰国者への説明手順
五 人事管理・教育訓練・福利厚生 社内規程の多言語化、評価・賃金決定・配置のルールを明確にして透明性を保つ、日本語学習や生活の支援、苦情・相談の窓口、在留期間の更新手続きへの勤務時間の配慮、一時帰国の休暇への配慮 評価基準の説明方法、相談窓口と対応言語
六 解雇等の予防・再就職の援助 安易な解雇・雇止めをしない、会社都合の離職では在留資格に応じた再就職を援助、妊娠・出産を理由とする不利益取扱いの禁止 契約更新の判断基準、離職時のハローワークとの連携
七 派遣・請負の留意事項 派遣では就業条件の明示と派遣先への通知、請負では注文主の事業所内で自社が進行管理を行い、雇用労務責任者等に人事管理・生活支援を行わせる 派遣・請負で外国人が働く場合の現場責任者

この7分野のうち、採用の入り口でつまずきやすい点は別の記事で詳しく扱っています。違約金を取る業者や許可のない業者を避ける方法は外国人材紹介会社の選び方|違法業者の見抜き方、国籍などを理由にした差別的な選考を避ける方法は外国人面接でしてはいけないNG質問、母国語や図解を使った安全教育の進め方は外国人材の安全教育・労災対策ガイド(物流倉庫)を参考にしてください。

5. 3つの「責任者」を混同しない|雇用労務責任者・主任者・特定技能の支援責任者

外国人雇用では、似た名前の役割がもう1つ出てきます。特定技能の受け入れで選ぶ支援責任者・支援担当者です。この3つは根拠も対象も違うので、1つを満たしても残りを満たしたことにはなりません。

比べる点 雇用労務責任者 外国人雇用管理主任者 特定技能の支援責任者・支援担当者
何か 社内の役割 民間資格 特定技能の受け入れ基準で求められる役割
根拠 厚生労働省の外国人雇用管理指針(第六) 外国人雇用支援センターの資格制度 入管法と特定技能の基準を定める省令
対象 外国人労働者を常時10人以上雇用する事業主 取りたい人(任意) 1号特定技能外国人を受け入れ、自社で支援する企業(支援を全部委託するなら登録支援機関の側で選任)
なる人の条件 人事課長等。資格要件なし 試験合格または講習修了+登録 2027年4月1日からは事業所ごとに常勤の役職員から選任。支援責任者に養成講習(当分の間は未修了でも可)
満たさない場合 罰則の定めはないが、行政の助言・指導の対象になり得る 会社としての不利益はない 受け入れ機関の基準を満たさず、特定技能外国人を受け入れられない

特定技能の支援体制は2027年4月1日から要件が変わり、登録支援機関の支援担当者1人あたり1号特定技能外国人50人未満・受け入れ企業10機関未満という基準も加わります。詳しくは登録支援機関の体制要件が2027年4月から厳格化で整理しています。

リウス

リウス

💡 覚え方は「役割は雇用労務責任者、資格は主任者、特定技能のサポートは支援責任者」です。名前に「責任者」「主任者」とつくので、同じものだと思われやすいところです。

6. 資格がなくても必ずやる6つの実務|外国人を1人でも雇う会社の義務

ここからが本題です。外国人雇用で会社が問われるのは、資格の有無ではなく次の実務ができているかです。人数に関係なく、1人目の採用からかかります。

実務 いつ 根拠 怠った場合
① 在留カードで就労できるか確認 内定を出す前 入管法第73条の2/指針 第四 一2 不法就労助長罪:3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(併科あり)
② 労働条件を書面で、理解できる方法で明示 労働契約を結ぶとき 労働基準法第15条/指針 第四 二2 30万円以下の罰金(労働基準法第120条)
③ 外国人雇用状況の届出 雇い入れたとき・辞めたとき 労働施策総合推進法第28条 30万円以下の罰金(同法第40条)
④ 労働・社会保険の適用 雇い入れたとき 各保険法/指針 第四 四 国籍に関係なく日本人と同じ基準で適用。未加入は各法律の問題になる
⑤ 旅券・在留カードを預からない 雇用している間ずっと 指針 第四 二7 在留カードは本人が常に携帯する義務がある(入管法第23条)
⑥ 在留期間の管理と更新 満了日の3か月前から 入管法(在留期間の更新) 期限が切れると就労できず、そのまま働かせると①の問題になる

① 在留カードの確認|見る場所と、2026年6月からの新しいカード

出入国在留管理庁の事業主向け資料が示す確認の基本は次のとおりです。

  • 表面の「就労制限の有無」:「就労不可」なら原則雇えません(裏面の資格外活動許可を確認)。「在留資格に基づく就労活動のみ可」などの場合は、任せたい業務がその在留資格の範囲に入るかを確認します
  • 裏面の「資格外活動許可欄」:留学生などは許可があれば原則週28時間以内で働けます
  • 在留期間の満了日:期限内かどうか
  • 指定書:特定技能は特定産業分野、特定活動は指定された活動が指定書に書かれています

偽造カード対策として、出入国在留管理庁は在留カード等読取アプリケーションを無料で配布しています(Windows・Mac・Android・iOS。パソコンではICカードリーダーが必要)。ICチップの情報を読み取って券面と見比べられ、2025年11月14日からはアプリから在留カード番号の失効情報照会もできるようになりました。利用時は本人の同意を得てカードの提示を受けます。厚生労働省が公表している最新の指針も、在留カードで確認する場合は本人の同意を得たうえでこのアプリでICチップの情報と券面を照合することが適切だとしています。

リウス

リウス

⚠️ 2026年6月14日から新しい様式の在留カード(マイナンバーカードと一体の「特定在留カード」も)が交付されています。新しいカードの表面には満了日は書かれていますが、「在留期間(何年か)」「許可の種類」「許可年月日」「交付年月日」は書かれていません。これらはICチップに入っていて、2026年8月19日以降のバージョンの読取アプリで表示できます。古いアプリのままの会社は更新してください。

② 労働条件の明示|書面+本人が理解できる言葉で

労働基準法で、賃金・労働時間などの労働条件は書面で明示する義務があります。指針はさらに、母国語や平易な日本語など本人が理解できる方法で明示するよう求め、賃金から差し引く税金・社会保険料・寮費などの控除も説明して、手取り額が分かるようにすることを求めています。厚生労働省は外国人労働者向けモデル労働条件通知書をインドネシア語を含む複数の言語で公開しているほか、労働・社会保険の用語約420語を多言語で調べられる雇用管理に役立つ多言語用語集も用意しています。

③ 外国人雇用状況の届出|雇用保険に入るかで様式と期限が違う

区分 出すもの 期限
雇用保険の被保険者になる人 雇用保険の資格取得届(様式第2号)・資格喪失届(様式第4号)を出せば届出をしたことになる 雇入れ:翌月10日まで/離職:翌日から起算して10日以内
雇用保険の被保険者にならない人 外国人雇用状況届出書(様式第3号)。2027年4月1日からは新しい様式に切り替わる 雇入れ・離職とも翌月末日まで

対象外は特別永住者と在留資格「外交」「公用」の人だけです。中長期在留者は在留カード番号の記載も必要です。記入例やオンライン届出の手順はハローワークへの外国人雇用状況の届出にまとめています。

④⑤⑥ 保険・カードの扱い・在留期間の管理

④ 労働・社会保険は国籍に関係なく日本人と同じ基準で適用されます。指針は、雇入れ時に制度と給付の請求方法を本人が理解できる方法で周知すること、公的年金の被保険者期間が一定以上ある人が帰国するときは脱退一時金を請求できる旨を説明することも求めています。⑤ 在留カードは本人が常に持ち歩く義務があるため、「なくさないように会社で預かる」は行いません。⑥ 在留期間の更新申請は、6か月以上の在留期間を持つ人なら満了日のおおむね3か月前からできます。在留資格の変更・更新の手数料は2026年10月1日受付分から許可される在留期間ごとの額に改定され、たとえば1年の許可なら窓口33,000円、3年以上5年未満なら64,000円です(手数料改定の詳細)。特定技能の在留期間の数え方は特定技能の在留期間は何年?で解説しています。

あわせて、技術・人文知識・国際業務や特定技能などで働く本人には、勤務先の変更などがあったとき14日以内に出入国在留管理庁へ届け出る義務があります(入管法第19条の16)。これは本人の届出ですが、出入国在留管理庁は事業主向けの資料で、本人に必要性を案内するよう呼びかけています。応募書類の段階での確認方法は外国人材の履歴書・職務経歴書の見方も参考にしてください。

6つの実務のうち、いちばん事故が起きやすいのは①の在留カード確認です

在留カードの5点確認、在留資格と任せたい業務が合っているかの判定、内定までの流れを、候補者を並べて記入できるシートにまとめました。社内の確認手順をそろえるところから始められます。

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7. 不法就労助長罪|「知らなかった」では済まない理由と2027年4月の厳罰化

在留カードの確認がなぜ最優先なのかは、入管法第73条の2を読むと分かります。事業活動に関して外国人に不法就労活動をさせた人は、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方が科されます。

ポイント 条文・公表資料の内容
知らなかった場合 在留資格の範囲外の活動であること、資格外活動の許可を受けていないこと等を知らないことを理由に処罰を免れることはできない。ただし過失がないときはこの限りでない(第73条の2第2項)。在留カードを確認していないなどの過失があれば処罰の対象になる
会社も罰せられるか 従業者が業務に関して行った場合、行為者のほか法人にも罰金刑が科される(両罰規定・第76条の2)
2027年4月1日から 令和6年の入管法等改正(法律第60号)で、5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金(併科あり)に引き上げ。同法の施行日は一部の規定を除き令和9年(2027年)4月1日

不法就労になるのは大きく分けて、①不法滞在の人や退去強制が決まった人が働く、②働くことが認められていない在留資格の人が許可なく働く、③認められた範囲を超えて働く(留学生が週28時間を超える、在留資格で認められていない業務に就くなど)の3つです。③は悪意がなくても起こるため、確認した日・確認した人・確認した項目を社内の記録として残し、在留期間の更新や業務内容の変更のたびに確認し直す運用にしておくことが、「過失がない」と言える状態への近道です。業務と在留資格の組み合わせは技人国ビザの要件や特定技能と技人国の違いで整理しています。

8. 特定技能で受け入れる場合に追加でかかる義務

外国人雇用管理指針の第七は、特定技能の人については第四〜第六に加えて、特定技能の雇用契約や受け入れ機関の基準に留意し、1号特定技能外国人支援と必要な届出を適切に行うことを求めています。6つの実務に上乗せされるのは次の4つです。

追加の義務 中身 注意点
支援計画と義務的支援 事前ガイダンス、出入国時の送迎、住居確保・生活に必要な契約の支援、生活オリエンテーション、公的手続きへの同行、日本語学習の機会の提供、相談・苦情への対応、日本人との交流促進、転職支援(会社都合の場合)、定期的な面談と行政機関への通報の10項目 全部を登録支援機関に委託できる。全部委託なら支援体制の基準を満たしたものとみなされる
随時届出 雇用契約・支援計画・支援委託契約の変更、受け入れが難しくなった場合など 事由が生じた日から14日以内。登録支援機関は代わりに届け出られない
定期届出 2026年4月1日から年1回。対象期間は4月1日〜翌年3月31日 提出期限は翌年5月31日(詳しい手順)
分野ごとの協議会 受け入れ分野の協議会への加入と協力 加入のタイミングは分野で異なる(介護は在留諸申請の前)

なお、2026年1月1日施行の改正行政書士法により、報酬を得て在留申請の書類を作成できるのは行政書士に限られることが明確になりました。登録支援機関ができるのは書類の提出(取次)までで、支援委託費に含める形でも有償での作成はできません。制度の全体像は特定技能制度とは?受け入れ企業の完全ガイド、委託先の選び方は登録支援機関とは?選び方・費用・一覧を参照してください。

9. 資格は取るべきか|状況別の判断と、社内体制を作る順番

結論として、資格の取得は「義務を果たしたあと」に考えるものです。厚生労働省の統計では、外国人を雇用する事業所は2025年10月末時点で371,215所(外国人労働者は2,571,037人)で、そのうち30人未満の事業所が63.1%を占めます。人事専任者がいない会社が多い中で、限られた時間をどこに使うかの目安を状況別に示します。

自社の状況 まずやること 民間資格の位置づけ
これから初めて雇う 6つの実務の担当と手順を決める。在留資格の選び方から整理する 急がなくてよい。無料の厚労省講習が先
数名を雇用中(10人未満) 届出の漏れと在留期限の点検。満了日の一覧表を作る 担当者の学び直しとして選択肢
常時10人以上 雇用労務責任者を選任し、指針 第四の7分野を点検する 責任者の知識づくりの手段の1つ(必須ではない)
特定技能で受け入れる(予定) 支援を自社でやるか委託するかを決め、届出の担当を置く 資格より、支援体制と委託先の確認が先
複数拠点・派遣や請負で働く 拠点ごとの管理者を決め、派遣・請負の留意事項を確認する 拠点の管理者の教育に使うかを検討

外国人雇用の管理を回す1年の流れ

🗓 採用から更新までの時間の流れ(在留期間の満了日から逆算)

内定を出す前

在留カード確認・記録

入社月

労働条件の書面・保険加入・安全教育

入社の翌月

10日または月末までに届出

満了日の3か月前〜

更新申請・再確認

※特定技能の人がいる会社は、これに加えて毎年5月31日までの定期届出と、変更があったときの14日以内の随時届出が入ります。

時期 やること ねらい・ポイント
内定を出す前 ①在留カードの表裏と満了日を確認 ②読取アプリで券面と照合、失効照会 ③任せる業務が在留資格の範囲か確認 ④確認日・確認者を記録 不法就労助長罪の「過失」をなくす一番の手段
入社月 ①労働条件通知書を多言語版や平易な日本語で交付・説明 ②労働・社会保険の加入 ③母国語等での安全衛生教育 ④就業規則・相談窓口の説明 本人が職場のルールと手取り額を最初に理解できるようにする
入社の翌月 ①外国人雇用状況の届出(雇用保険あり=翌月10日まで/なし=翌月末日まで) ②勤務先変更の届出が必要な人に本人の届出(14日以内)を案内 届出漏れは30万円以下の罰金の対象
満了日の3か月前〜 ①更新申請の準備と申請 ②新しいカードで再確認 ③手数料(2026年10月1日受付分から在留期間別)を予算化 期限切れの就労を防ぐ

💡 逆算のコツ

全員の在留期間の満了日を1枚の一覧表にし、満了日の4か月前に担当者へ知らせる仕組みを作っておくと、更新の準備に1か月の余裕ができます。退職時の届出(雇用保険ありは翌日から10日以内)も一覧表の同じ行で管理すると漏れません。

リウス

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10. よくある質問

各項目をタップすると回答が開きます。回答はすべて厚生労働省・出入国在留管理庁の公表内容と、各資格の実施団体の公式サイトに基づいています(2026年9月30日確認)。

Q. 外国人雇用管理主任者は国家資格ですか?
国家資格ではありません。公式サイトに「2019年10月から開始された民間資格」と明記されています。試験と講習は外国人雇用支援センターが運用しており、資格がなくても業務はできますが、「外国人雇用管理主任者」と名乗るには資格取得と登録が必要です。
Q. 外国人を雇うのに、この資格を持つ人は必要ですか?
必要ありません。取らなくても違法にはなりません。法令と国の指針で事業主に求められているのは、在留カードによる就労可否の確認、外国人雇用状況の届出、労働条件の書面での明示などの実務と、外国人労働者を常時10人以上雇用する場合の雇用労務責任者の選任です。
Q. 雇用労務責任者は何人から選任が必要ですか?
厚生労働省の外国人雇用管理指針の第六で、外国人労働者を常時10人以上雇用するときに、人事課長等を雇用労務責任者として選任することとされています。数える対象は、特別永住者と在留資格「外交」「公用」の人を除く外国人の労働者で、技能実習生も含まれます。細かな数え方に迷うときは管轄の労働局・ハローワークに確認してください。
Q. 雇用労務責任者を選任しないと罰則はありますか?届出は必要ですか?
指針の選任規定そのものに罰則の定めはなく、指針の本文に選任を行政へ届け出る定めもありません(2026年9月30日時点)。ただし労働施策総合推進法第33条により、厚生労働大臣は事業主に助言・指導・勧告ができます。なお外国人雇用状況の届出を怠った場合は、同法第40条により30万円以下の罰金の対象です。
Q. 外国人雇用管理主任者の合格率や難易度は?
合格率は公式サイトに掲載されていません。一般受験は四肢択一50問・60分で70%以上の正解で合格、受験資格の制限はありません。認定講習は約5時間の講義動画を見て修了認定テストに合格する方式で、180日間の受講期間内なら何度でも受けられます。
Q. 費用はいくらかかりますか?更新料は?
一般受験は受験料8,500円+登録料11,000円で合計19,500円、認定講習は受講料28,000円+登録料11,000円で合計39,000円です(いずれも税込)。登録の有効期間は3年で、満了のおおよそ45日前に更新の案内が郵送されます。更新にかかる金額は公式サイトの各ページに記載がなかったため、案内資料で確認してください。
Q. 外国人雇用管理士や外国人雇用労務士とは何が違いますか?
実施団体が別の、別の資格です。外国人雇用管理士®は一般社団法人東京都外国人就労認定機構が年1回実施(マークシート50問・2時間、受験料9,900円)、外国人雇用労務士®は一般社団法人全国外国人雇用推進機構がオンラインで実施(80問・120分、受験料8,900円)しています。いずれも法律で設置が義務づけられた資格ではありません。
Q. 無料で学べる方法はありますか?
厚生労働省の委託事業「外国人労働者雇用労務責任者講習」が無料・オンラインで開催されています。受講時間は約3時間30分で、確認テストと受講後アンケートを終えると受講証明書をダウンロードできます。雇用労務責任者に選任された人・予定の人のほか、事業主や人事労務担当者も対象で、外国人労働者が常時10人に満たない事業所の人も受講できます。2026年は10〜12月の日程も公表されています。
Q. 新しい在留カードに「在留期間」が書かれていません。どう確認しますか?
2026年6月14日以降に交付される新様式の在留カードと特定在留カードは、表面に在留期間の満了日は記載されていますが、「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」「交付年月日」は記載されていません。出入国在留管理庁の在留カード等読取アプリケーションの2026年8月19日以降のバージョンで、在留期間・許可の種類・許可年月日を表示できます。
Q. 登録支援機関に委託していれば、届出は任せられますか?
任せられません。ハローワークへの外国人雇用状況の届出は事業主の義務です。特定技能の随時届出・定期届出も、出入国在留管理庁は「登録支援機関と委託契約を締結していても、登録支援機関が届出を行うことはできません」と明記しています。社内で担当者と期限を決めて管理してください。

資格より先に、自社の確認手順を点検しませんか

当社は登録支援機関(24登-011066)として、インドネシア人材の採用から入社後の支援までを行っています。在留カードの確認手順づくり、在留資格の選び方、特定技能の支援を自社で行うか委託するかの判断まで、受け入れ企業の立場で一緒に整理します。まだ採用を決めていない段階のご相談も歓迎です。

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11. まとめ|「資格」と「役割」と「義務」を分けて考える

✅ この記事の要点

  • 外国人雇用管理主任者は2019年10月開始の民間資格。取らなくても違法にはならない。
  • 取り方は一般受験(50問・60分・70%以上、8,500円)と認定講習(約5時間、28,000円)。登録料11,000円・有効3年。
  • 外国人雇用管理士®・外国人雇用労務士®は別団体の別資格。厚労省の雇用労務責任者講習は無料の講習。
  • 国の指針が求めるのは、外国人労働者を常時10人以上雇う事業主による雇用労務責任者(人事課長等)の選任。資格要件はない。
  • 人数や資格に関係なく、在留カード確認・労働条件の書面明示・外国人雇用状況の届出・保険の適用・カードを預からない・在留期間の管理の6つは必須。
  • 不法就労助長罪は「知らなかった」では免れない。2027年4月1日から5年以下・500万円以下に引き上げ。
  • 特定技能は支援計画・随時届出(14日以内)・定期届出(毎年5月31日まで)が加わる。届出は登録支援機関に任せられない。

資格を取ること自体は、担当者の学びとして意味があります。ただし会社として問われるのは、採用した本人が就労できる状態を確認し、ルールを本人が分かる言葉で伝え、期限どおりに届け出て、在留期間が切れないように管理することです。この順番で体制を整えれば、資格の有無に関係なく、外国人材が安心して長く働ける職場の土台ができます。受け入れのルート全体を見直したい方は外国人労働者の受け入れ方|5つのルート、採用時に使える助成金は外国人の雇用・採用に使える助成金・補助金 完全ガイド、職場のコミュニケーションはインドネシア人と働く|文化・宗教・コミュニケーションの基礎もあわせてご覧ください。

12. 公式情報源リスト(お気に入り登録推奨)

機関 資料 確認できること
厚生労働省 外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針(PDF) 雇用労務責任者の選任(第六)・事業主が講ずべき措置(第四)・届出(第五)・在留資格別の措置(第七)
厚生労働省 外国人労働者雇用労務責任者講習(オンライン講習サイト) 無料講習の内容・日程・申込方法
厚生労働省 外国人雇用状況の届出について 届出の様式・期限・2027年4月1日からの新様式・罰則
厚生労働省 外国人労働者向けモデル労働条件通知書(インドネシア語)/雇用管理に役立つ多言語用語集 労働条件を本人が理解できる言語で示すための公式の書式と用語
厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点) 外国人労働者2,571,037人・雇用事業所371,215所・30人未満の事業所が63.1%
出入国在留管理庁 在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ/新様式の在留カードに係る在留期間の確認方法 アプリの入手先・利用環境・新様式カードで券面にない項目の確認方法
出入国在留管理庁 令和6年入管法等改正について 2027年4月1日施行の改正(育成就労・不法就労助長罪の厳罰化)と2026年6月14日施行の在留カード関連の改正
出入国在留管理庁 特定技能所属機関・登録支援機関による届出 特定技能の随時届出・定期届出の様式と期限
e-Gov法令検索 出入国管理及び難民認定法/労働施策総合推進法 不法就労助長罪(第73条の2)・両罰規定・届出義務(第28条)と罰則(第40条)の原文
外国人雇用支援センター 外国人雇用管理主任者 公式サイト/資格に関するQ&A 資格の位置づけ・試験と講習の形式・費用・登録と更新
各資格の実施団体 外国人雇用管理士®試験 試験要項/外国人雇用労務士 受験概要 似た名前の資格の試験日程・形式・費用・有効期間

※本記事は2026年9月30日時点の公表内容に基づきます。資格の費用・試験形式は各実施団体の判断で変わる場合があり、指針や入管法関係の規定も2027年4月1日の施行に向けて改正が続いています。最終的な判断の前に、必ず上記の公式情報をご確認ください。本記事は特定の資格の受験を勧めるものではなく、法的助言を構成するものでもありません。

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ジンザイネシア編集部

株式会社ジンザイネシアの編集部です。登録支援機関(24登-011066)・有料職業紹介事業(01-ユ-300820)として、インドネシア人材の採用・受け入れ・定着を支援している立場から、特定技能・育成就労の制度と受け入れ実務を、出入国在留管理庁・厚生労働省などの一次情報にもとづいて解説しています。


吉田 卓司

この記事を監修した人

吉田 卓司

株式会社ジンザイネシア代表取締役。 2000年にオイシックス・ラ・大地(東証プライム市場・3182)を共同創業し、2007年に五反田電子商事(現GDX)を創業。2012年にシンガポールへ移住し、2015年にはインドネシアでBeautynesiaを創業のうえ現地財閥法人へ売却。 10年以上のインドネシア在住経験と、日本インドネシア国交55周年の大相撲巡業主催(2013年・1万人以上集客)など現地での実績を基盤に、2023年に株式会社ジンザイネシアを創業。 本コラムでは、特定技能・育成就労に関する制度実務とインドネシア人材の採用・教育・定着支援の知見を、登録支援機関の立場から監修します。

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