登録支援機関の体制要件が2027年4月から厳格化|1人あたり50人未満・10機関未満と、いま委託先を見直すべきか
費用・業者選定

登録支援機関の体制要件が2027年4月から厳格化|1人あたり50人未満・10機関未満と、いま委託先を見直すべきか

⚡ 結論|2027年4月1日から、支援体制の要件が法令で決まります

上限は「50名以下・10社以下」ではなく支援担当者1人あたり50人未満・10機関未満。まず今の委託先に実数を聞くところから

出入国在留管理庁は、1号特定技能外国人への支援体制に関する省令改正(令和9年=2027年4月1日施行)の内容を公表しています。改正点は5つで、うち受け入れ企業に直接ひびくのは「支援責任者・支援担当者を事業所ごとに常勤の役職員から選任」「支援業務をその2者に限定」「支援責任者に養成講習」「登録支援機関1人あたり10機関未満」「支援担当者1人あたり50人未満」の5点です。ただし養成講習は当分の間、未修了でも差し支えないとされ、既存の登録支援機関が新要件で審査されるのは原則として次回の登録更新のとき。つまり「今すぐ全社が切り替え」ではありません。この記事では、数字の正確な読み方、自社に効く改正はどれか、今の委託先に聞くべき7つの質問、切り替える場合の段取りと費用までを、受け入れ企業の判断材料として整理します。

あわせて読みたい:登録支援機関そのものの役割・義務的支援10項目・費用相場・一覧の探し方は登録支援機関とは?委託前に知るべき選び方・費用・一覧で解説しています。本記事はそのうち「2027年4月の体制要件」だけを深掘りしたものです。

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1. 2027年4月に変わる5点|入管庁が公表している内容

根拠になっているのは、「出入国管理及び難民認定法施行規則」「特定技能雇用契約及び1号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」の改正です。出入国在留管理庁は改正内容を公式ページとリーフレットで公表しており、施行日は令和9年(2027年)4月1日です。業界の噂話ではなく、すでに条文が決まっている変更だという点をまず押さえてください。

# 改正の内容 受け入れ企業にとっての意味
支援責任者と支援担当者を、支援を行う事業所(登録支援機関の場合は支援業務を行う事務所)ごとに、それぞれ常勤の役員または職員の中から1名以上選任する(支援責任者が支援担当者を兼ねることは可) 非常勤・名義だけの担当者では通らなくなる。自社で支援している会社も対象。
支援業務に従事できる者を支援責任者・支援担当者に限定する 「現場の主任が空いた時間に面談」という運用ができなくなる。誰がやるかを決めておく必要がある。
支援責任者に養成講習(入管法や労働関係法令等)の受講を義務づける ただし当分の間は未修了でも差し支えないと明記されている(後述)。
登録支援機関が支援業務の委託を受けられる特定技能所属機関(=受け入れ企業)の数は、支援担当者1人あたり10機関未満 登録支援機関だけの基準。自社支援には適用されない。委託先の抱え込みに上限がかかる。
支援担当者が支援できる1号特定技能外国人の数は、支援担当者1人あたり50人未満 自社支援・委託の両方に効く。自社で50人以上を雇うなら担当者が2人以上必要になる。
リウス

リウス(インドネシア出身・ジンザイネシア)

💡 かんたんに言うと、「支援する人はきちんと決めて、その人が抱えすぎないようにする」という改正です。支援責任者は支援計画の全体に責任を持つ人、支援担当者は実際に面談や相談対応をする人です。小さい会社では同じ人が両方を兼ねてもかまいません。

2.「50人・10社」の正しい読み方|「以下」ではなく「未満」です

ここが最も間違えられているところです。「支援担当者1人あたり50名以下・10社以下」と書かれた解説を見かけますが、入管庁の公表文は「未満」です。1人あたりちょうど50人・ちょうど10社は認められません。条文の考え方は次のとおりです。

📐 条文の考え方(入管庁の公表文をかみくだいたもの)

支援担当者の数が、
委託を受けている受け入れ企業の数 ÷ 10超えていて、かつ
支援している1号特定技能外国人の数 ÷ 50超えていること

どちらか一方ではなく、両方を同時に満たす人数を置く必要があります。支援責任者が支援担当者を兼ねることは認められています。

状況 計算 必要な支援担当者数
25社から委託を受けている(入管庁の例) 25 ÷ 10 = 2.5 →これを超える人数 3人
1号特定技能外国人120人を支援(入管庁の例) 120 ÷ 50 = 2.4 →これを超える人数 3人
30社・100人を支援 30÷10=3 を超える/100÷50=2 を超える 4人(社数の側が厳しい)
自社で50人の特定技能外国人を雇い、自社支援 50 ÷ 50 = 1 →これを超える人数 2人(1人では不可)

裏返して言えば、支援担当者が1人なら支援できるのは49人まで、2人なら99人まで、3人なら149人までという数え方になります。入管庁のリーフレットも「支援担当者が2人の場合、特定技能外国人を100人未満まで雇用することができる」「3人の場合は150人未満まで」と図で示しています。委託先に人数を聞いたときに、この数え方で自分でも検算できるようにしておくと、説明の正確さがそのまま相手の理解度を測るものさしになります。

リウス

リウス

⚠️ 「50名以下・10社以下まで大丈夫です」と説明する会社があったら、その時点で条文を読めていない可能性があります。正しくは50人未満・10機関未満。1人の数字の違いですが、ちょうど50人を任せていると基準を満たさなくなります。

3. 誰にどの改正が効くか|「業者だけの話」ではありません

よくある誤解が「これは登録支援機関の話だから、うちは委託しているので関係ない」というものです。実際には、自社で支援を行っている会社にも4つの改正が効きます。逆に、登録支援機関にだけかかるのは④(1人あたり10機関未満)だけです。自社がどちらに当てはまるかで、確認すべき場所が変わります。

改正点 自社で支援している会社 登録支援機関に委託している会社
① 事業所ごとに常勤の支援責任者・担当者を選任 ✅ 直接かかる
複数拠点なら拠点ごとに必要
△ 委託先が満たす
委託先の体制を確認する
② 支援業務を支援責任者・担当者に限定 ✅ 直接かかる
現場任せの面談は不可に
△ 委託先が満たす
③ 支援責任者の養成講習 ✅ 直接かかる
当分の間は猶予あり
△ 委託先が満たす
④ 1人あたり10機関未満 - 対象外 🔴 ここが一番影響する
抱え込みが多い委託先ほど再編
⑤ 1人あたり50人未満 ✅ 直接かかる
50人以上なら担当者2人以上
△ 委託先が満たす

なお、支援計画の全部を登録支援機関に委託した場合は、受け入れ企業が満たすべき支援体制の基準を満たしたものとみなされます。一部だけを委託する形にしていると、残りは自社で基準を満たす必要があるため、①②③⑤が自社にもかかります。自社の契約が「全部委託」なのか「一部委託」なのかは、支援委託契約書の記載で確認してください。

📌 公式情報源|出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」(義務的支援10項目・全部委託のみなし規定・再委託の禁止/2026年9月時点)

4. 養成講習の義務化と「当分の間」の猶予|あおられて慌てないために

改正点③は、支援責任者に対して支援能力向上のための養成講習(入管法や労働関係法令等)の受講を義務づけるものです。ここだけを取り上げて「講習を受けていない機関は2027年4月に登録が消える」と説明されることがありますが、これは正確ではありません。入管庁は公式ページに次の注記を付けています。

⚠️ 入管庁の注記(原文)

「令和9年4月1日以降であっても、当分の間は、講習を修了していなくても差し支えありません。」

つまり、施行日をもって講習未修了が即アウトになるわけではありません。ここで大切なのは、「講習が義務化されるので今すぐ弊社に乗り換えないと受け入れが止まります」といった説明は、公表内容を正確に反映していないということです。制度変更を根拠に強い不安をあおってくる相手は、その時点で情報の扱い方に注意が必要な相手だと考えてよいでしょう。逆に、養成講習の受講計画を「いつ・誰が受ける予定か」まで具体的に答えられる委託先は、制度を自分で読んでいる証拠になります。

5. 経過措置|今の委託先が新要件で審査されるのは「次の登録更新」のとき

登録支援機関の登録は5年間有効で、更新を受けなければ効力を失います。更新申請の受付期間は有効期間満了日の6か月前の月の初日から、4か月前の月の月末までと決まっています。ここに2027年4月1日の施行日が重なるため、入管庁は次の3つの取り扱いを示しています。

ケース どの要件で審査されるか 受け入れ企業から見た意味
施行日前に新規の登録申請をした場合 施行日前の(現在の)要件で可否を判断 2027年3月までに新しく登録された機関は、新要件の審査を受けていない可能性がある
その後の登録更新申請 施行日後の(新しい)要件を満たさなければ更新不可 委託先が新要件でふるいにかけられるのは「次の更新」。その時期を聞いておく
施行日前に登録済みで、令和9年(2027年)7月31日までに登録期間が満了する場合 施行日前に更新申請をしたときに限り、施行日前の要件で更新できる この枠に入る機関は、次の更新(さらに5年後)まで新要件の審査が先送りになる

ここから導かれる実務上の結論はシンプルです。「2027年4月に一斉に淘汰が起きる」わけではなく、登録の更新時期が来た機関から順番に新要件で審査されていくということ。したがって受け入れ企業がまず知るべきなのは、今の委託先の登録有効期間がいつ満了するかです。これは出入国在留管理庁が公開している登録支援機関登録簿(Excel)で確認できます。登録簿には登録番号・名称・所在地・対応言語などが載っており、2026年9月10日現在で11,594件が登録されています。

🔎 登録簿で自社の委託先を確認する手順(5分)

  1. 出入国在留管理庁の「登録支援機関登録簿」ページを開き、Excelをダウンロードする
  2. 契約書に書かれている登録番号(例:24登-〇〇〇〇〇〇)で検索する
  3. 名称・所在地が契約書と一致しているかを確認する(登録後に抹消された機関は登録簿に載りません)
  4. 登録年月日から5年後が、次の更新のおおよその目安になる

📌 公式情報源|出入国在留管理庁「登録支援機関登録簿」(2026年9月10日現在 11,594件)/登録支援機関の登録更新申請(更新手数料11,100円・新規登録28,400円)

今の委託先の体制、聞いてみたけれど答えが要領を得ない——という段階でご相談いただけます

当社は登録支援機関(24登-011066)として、インドネシア人材に特化して支援を行っています。他社に委託中の企業からの「この回答は大丈夫か」というご相談も承っています。

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6. 今の委託先に確認する7つの質問|そのまま使える言い方つき

体制の話は、聞きにくいと感じる方が多いところです。ただ、これは値切り交渉ではなく「2027年以降も同じ担当者に見てもらえるか」を確かめる質問であり、受け入れ企業として当然の確認事項です。定期面談の場や契約更新の打ち合わせで、次のように切り出せば角が立ちません。

質問(そのまま使える言い方) なぜ聞くのか 安心できる回答 要注意な回答
①「2027年4月の改正に備えて伺いたいのですが、担当の方は今、何社・何名を受け持たれていますか」 ④⑤の基準に直結する核心の数字 具体的な社数と人数を即答し、1人あたり10機関未満・50人未満に収まっている 「そこは非公開です」「たくさんいます」と数字を出さない
②「その担当の方は常勤の職員さんですか」 ①の改正で常勤が必須になる 常勤である/常勤化の時期が具体的 業務委託の外部スタッフに任せている
③「弊社を担当していただく事務所はどちらですか。その事務所には支援責任者と支援担当者が選任されていますか」 選任は事務所ごとに必要 担当事務所名と選任者名を答えられる 「本社で一括管理しています」だけで拠点の体制を説明できない
④「面談や相談対応は、選任された支援担当者の方が直接されていますか」 ②の改正で支援業務が支援責任者等に限定される 担当者本人が実施。記録も担当者名で残っている 通訳の外注先や提携先が面談している
⑤「支援責任者の方の養成講習は、いつ受講される予定ですか」 ③の改正。制度を自分で読んでいるかが分かる 「当分の間は猶予があるが、〇年〇月ごろに受講予定」と正確 「講習は必須なので他社は全滅します」と不安をあおる
⑥「御社の登録の有効期間はいつまでですか。次の更新はいつですか」 新要件で審査されるタイミングが分かる 年月を即答し、更新に向けた体制計画も説明できる 「更新は事務方に任せているので分かりません」
⑦「体制を強化されるとのことですが、支援委託費の改定予定はありますか」 人員増は費用に反映されうる 改定の有無と時期を事前に開示する その場では「上げません」と言い、施行直前に一方的に通知

この7問は、契約前の比較にもそのまま使えます。複数社を比べる場合は、同じ質問を同じ順番で聞いて回答を並べるのが最も差が出ます。比較用の記入シートは登録支援機関の選び方|契約前に確認すべき10項目チェックリストにまとめています。

リウス

リウス

💬 ①の数字を聞くのは失礼ではありません。働いている本人にとって「相談できる人が変わらないこと」はとても大切です。聞きにくいときは「2027年の改正に備えて社内で確認しておきたくて」と前置きするだけで、ぐっと話しやすくなります。判断に迷ったら無料相談でも一緒に見ます。

7. 混同注意|育成就労の監理支援機関は、数字がまったく違います

2027年4月1日は、育成就労制度の施行日でもあります。このため「2027年4月から体制要件が厳しくなる」という話をするときに、特定技能の登録支援機関と、育成就労の監理支援機関(現在の監理団体にあたる組織)の数字を取り違えた説明が非常に多く出回っています。この2つは別の制度で、別の要件です。

項目 特定技能:登録支援機関 育成就労:監理支援機関
1人あたりの受け持ち企業数 10機関未満(支援担当者1人あたり) 8者未満(1人あたり)
1人あたりの受け持ち外国人数 50人未満(支援担当者1人あたり) 40人未満(1人あたり)
常勤の人数 事業所ごとに支援責任者・支援担当者を常勤の役職員から1名以上(兼務可) 常勤の役職員2人以上
外部監査 規定なし 外部監査人の設置が必要
対象の在留資格 特定技能1号(2号は支援計画の対象外) 育成就労(2027年4月1日施行)

見分け方は単純で、「50・10」と言っていれば特定技能、「40・8」と言っていれば育成就労です。特定技能の話をしているのに「1人あたり40人まで」と言われたら、資料を混ぜて読んでいる可能性があります。育成就労の監理支援機関の選び方は育成就労の監理団体(新・監理支援機関)の選び方で、制度の全体像は育成就労制度とは?完全ガイドで整理しています。

8. 切り替えるべきか|判断の4基準

7つの質問への回答が出そろったら、次の4基準で判断します。数字が基準内に収まっているかどうかだけで決めないことが大切です。今ぎりぎり収まっていても、受託を増やし続ける方針なら次の更新時に危うくなりますし、逆に今わずかに超えていても、増員計画が具体的なら問題にならない場合があります。

基準 見るポイント 判断
基準1:実数を答えられるか 担当者1人あたりの受託社数・支援人数を即答できるか 答えられない=自社の体制を把握していない。最も危険な兆候
基準2:次の更新までの計画 増員・常勤化・講習受講を、いつまでに誰がやるか 「これから考える」なら、次の更新時に登録が続かない可能性を見込む
基準3:今の支援の質 3か月に1回以上の定期面談が実施され記録が残っているか/本人が理解できる言語で相談できるか/届出に必要な書類が期限までに届くか ここが崩れているなら、体制要件を待たずに切り替えを検討する理由になる
基準4:費用改定の説明 増員に伴う値上げの有無・時期・幅を事前に説明するか 事前に開示する会社は信頼できる。直前通知は関係の質を示す

🔴 早めに切り替えを検討したいケース

  • 担当者1人あたりの社数・人数を開示しない
  • 定期面談が実施されていない、記録がない
  • 定期届出に必要な支援実施状況が期限までに出てこない
  • 担当者が頻繁に変わり、引き継ぎがされていない
  • 働いている本人が相談先を分かっていない

🟢 様子を見てよいケース

  • 実数を即答でき、基準内に収まっている
  • 基準をわずかに超えるが、増員の時期と人数が具体的
  • 養成講習の猶予を正しく説明できる
  • 面談・相談・届出が滞りなく回っている
  • 費用改定の可能性を先に伝えてくれている

なお、定期届出が適正に履行されていないと特定技能外国人を受け入れられなくなると入管庁は明記しています。また、受け入れ企業から登録支援機関の支援実施状況が提出されない場合、その登録支援機関の登録が取り消されることがあるとも書かれています。届出は自社のリスクに直結するため、基準3は形式的な確認ではありません。届出のルールは2026年4月1日から大きく変わっており、詳細は特定技能の定期届出は2026年4月から年1回にで解説しています。

📌 公式情報源|出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(定期届出の対象期間4月1日〜翌年3月31日・提出期限は翌年5月31日/2026年9月時点)

9. 切り替えの段取りと費用|在留期間の更新から逆算する

委託先を変える場合、手続きを行うのは受け入れ企業です。入管庁は「外国人への支援実施のために登録支援機関と委託契約を締結していても、登録支援機関が届出を行うことはできません」と明記しています。新しい委託先が代わりに出してくれると思い込んでいると、届出漏れになります。

🗓 切り替えの逆算スケジュール(在留期間の更新がある場合)

更新の5〜6か月前

現委託先に7つの質問

更新の4か月前

新委託先を3社比較・決定

更新の3か月前

契約・支援計画の作り直し・届出

更新の2〜1か月前

在留期間更新の申請・本人への説明

※在留期間の更新は満了の3か月前から申請できます。支援計画を作り直してから申請したいので、新しい委託先は更新の4か月前には決めておくのが安全です。

やること 中身 注意点
支援計画の作り直し 義務的支援10項目を、新しい委託先の体制で実施できる形に組み直す 全部委託なら受け入れ企業の支援体制基準を満たしたとみなされる。一部委託にすると自社にも要件がかかる
支援計画変更の届出 委託する登録支援機関を変更したとき/自社支援に切り替えたとき(参考様式第3-2号) 届出は受け入れ企業が行う。事由が生じた日から14日以内
支援委託契約の届出 契約の締結・変更・終了(参考様式第3-3-1号/第3-3-2号) 旧契約の終了と新契約の締結の両方が必要になる
記録の引き継ぎ 支援計画書・定期面談報告書・生活オリエンテーションの実施記録・住居の契約関係・相談履歴 引き継ぎ書類は旧委託先が持っている。契約終了前に返却を求める。契約書の終了条項を先に確認する
本人への説明 相談窓口・担当者・連絡先が変わることを、本人が理解できる言語で伝える ここを飛ばすと「誰に相談していいか分からない」期間が生まれ、離職の引き金になる

切り替えにかかる費用の目安

費用項目 タイミング 概算の目安
支援委託費(月額) 毎月・1人あたり 1.5万〜3万円が中心帯(出入国在留管理庁の調査による平均は約28,386円/9割程度が月3万円以下)
切り替え時の初期費用 契約時に1回 支援計画の作り直し・引き継ぎ面談の実費として請求される場合がある。無料〜数万円程度。見積りの段階で有無を必ず確認する
在留期間更新の手数料 更新のたび 2026年10月1日受付分から在留期間別に改定。窓口10,000〜75,000円(後述)
申請書類の作成費 更新のたび 2026年1月の行政書士法改正により、報酬を得て書類を作成できるのは行政書士に限られる。月額に含まれているのか別途かを確認(後述)
二重払いの可能性 切り替え月 旧契約の解約予告期間(1〜3か月前通知が多い)と新契約の開始月が重なると、1〜2か月分が重複する。解約予告期間を先に読む

費用は「月額の安さ」ではなく、年間の総額+切り替えの手間+定着率で比べてください。月額が3千円安くても、1人辞めて採用をやり直せばその差は簡単に消えます。費用の全体像は特定技能の費用はいくら?初期費用・ランニングコスト・業種別相場にまとめています。

📌 公式情報源|出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(随時届出の種類と参考様式/登録支援機関は届出を行えない旨)/📊 支援委託費の相場は出入国在留管理庁の支援委託費に関する調査(平均約28,386円)および業界各社の公開料金に基づく目安(2026年9月時点)

10. 同時に進む2つの制度変更|見積りに反映されているか確認する

2027年4月の体制要件だけを見ていると、直近で効いてくる2つの変更を見落とします。どちらも委託先の見積りと業務範囲に直結します。

① 行政書士法の改正(2026年1月1日施行)|書類を「作る」のは行政書士

行政書士法の一部を改正する法律(令和7年法律第65号・2025年6月13日公布)により、業務制限の規定に「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が加えられました。日本行政書士会連合会は、会費・手数料・コンサルタント料・商品代金などどのような名目であっても、対価を受け取って業として官公署に提出する書類を作成することは違反にあたることが明確化されたものだと説明しています。さらに両罰規定が加わり、違反した本人だけでなく所属する法人にも100万円以下の罰金が科されることとなりました。

受け入れ企業にとっての意味:月額の支援委託費に「在留期間更新の書類作成」が含まれている契約は、内容を確認する必要があります。書類を入管に提出(取次)することと、書類を作成することは別の行為です。委託先に「更新書類はどなたが作成されますか。提携の行政書士の方ですか」と一度聞いておくと、後のトラブルを防げます。

② 在留資格の手数料改定(2026年10月1日受付分から)|更新のたびの費用が上がる

在留資格変更・在留期間更新の手数料が、許可される在留期間の区分ごとに改定されます。2026年9月30日受付分までは窓口6,000円/オンライン5,500円でしたが、10月1日受付分からは窓口で10,000円〜75,000円(オンラインは10,000円〜65,000円+決済手数料)となります。たとえば1年の許可なら窓口33,000円、3年以上5年未満なら64,000円です。

受け入れ企業にとっての意味:特定技能1号は在留期間が個別に指定されるため、更新のたびに数万円単位の費用が発生します。年間予算に織り込んでおきましょう。詳しくは在留資格の更新・変更手数料が2026年10月1日から改定で解説しています。

11. よくある質問

各項目をタップすると回答が開きます。回答はすべて出入国在留管理庁・厚生労働省・日本行政書士会連合会の公表内容に基づいています(2026年9月時点)。

Q. 上限は「50名以下」ですか、「50人未満」ですか?
出入国在留管理庁の公表文は「支援担当者1人当たり50人未満」です。「50名以下」と書かれた解説がありますが正確ではありません。条文の考え方は「支援担当者の数が、支援している1号特定技能外国人の数を50で割った数を超えていること」で、ちょうど50人を1人で担当することは認められません。受け持ち企業数も同様に「10機関未満」です。
Q. 2027年4月1日になったら、要件を満たさない登録支援機関はすぐ登録が消えるのですか?
一斉に消えるわけではありません。登録は5年間有効で、新しい要件が適用されるのは登録更新の審査のときです。さらに、施行日前に登録を受けていて令和9年7月31日までに登録期間が満了する機関は、施行日前に更新申請をしたときに限り、施行日前の要件で更新を受けられます。つまり、更新時期が来た機関から順に新要件で審査されていく形になります。今の委託先の登録有効期間を確認するのが先決です。
Q. 自社で支援している場合も関係ありますか?
関係します。5つの改正のうち、①事業所ごとに常勤の支援責任者・支援担当者を選任、②支援業務を支援責任者・支援担当者に限定、③支援責任者の養成講習、⑤1人あたり50人未満、の4つは自社支援にも適用されます。登録支援機関だけに適用されるのは④(1人あたり10機関未満)です。複数拠点で受け入れている場合は、拠点ごとに常勤の選任者が必要になる点にご注意ください。
Q. 支援責任者と支援担当者は別の人でなければいけませんか?
兼務が認められています。入管庁の公表文にも「支援責任者が支援担当者を兼務することは可」と明記されています。ただし、それぞれ常勤の役員または職員である必要があり、支援を行う事業所ごとに1名以上の選任が求められます。
Q. 養成講習を受けていない支援責任者がいる機関は避けるべきですか?
現時点でそれだけを理由に避ける必要はありません。入管庁は「令和9年4月1日以降であっても、当分の間は、講習を修了していなくても差し支えありません」と明記しています。むしろ確認したいのは、この猶予を正しく説明できるかどうかです。「講習が必須なので他社は受け入れが止まる」といった説明をする相手には注意してください。
Q. 委託先を変えると、働いている本人の在留資格に影響しますか?
在留資格そのものが変わるわけではありません。ただし支援計画を作り直し、支援計画変更の届出と支援委託契約に関する届出(いずれも受け入れ企業が事由の発生から14日以内に提出)が必要になります。次の在留期間更新の審査では新しい支援計画が確認されるため、更新の4か月前には新しい委託先を決め、余裕をもって支援計画を整えておくのが安全です。
Q. 届出は新しい登録支援機関が代わりに出してくれますか?
出せません。入管庁は「外国人への支援実施のために登録支援機関と委託契約を締結していても、登録支援機関が届出を行うことはできません」と明記しています。随時届出も定期届出も、届出者は受け入れ企業です。届出が適正に履行されていないと特定技能外国人を受け入れられなくなるため、社内で担当者を決めて期限管理をしてください。
Q. 育成就労の監理支援機関も「50人・10社」ですか?
違います。育成就労の監理支援機関は、常勤の役職員2人以上、1人あたり受入機関8者未満・育成就労外国人40人未満、外部監査人の設置が求められます。特定技能の登録支援機関(10機関未満・50人未満)とは別の数字です。制度をまたいで数字を取り違えている説明は珍しくないので、「いま特定技能の話をしていますか、育成就労の話ですか」と確認するとよいでしょう。
Q. 体制強化を理由に値上げされたら、応じるべきですか?
金額だけで判断せず、内訳と相場で見てください。月額の支援委託費は1人あたり1.5万〜3万円が中心帯で、出入国在留管理庁の調査による平均は約28,386円です(2026年9月時点の目安)。増員によって担当者1人あたりの受け持ちが減り、面談や相談対応の質が上がるのであれば、値上げには合理性があります。逆に、体制は変わらないのに改正を理由に値上げだけを通知してくる場合は、他社の見積りと並べて比較する機会にしてください。
Q. 登録支援機関が支援を別の会社に再委託することはできますか?
できません。出入国在留管理庁は「登録支援機関は、委託を受けた支援業務の実施を更に委託することはできません」と明記しています。2027年4月からは支援業務に従事できる者が支援責任者・支援担当者に限定されるため、この点はさらに厳格になります。面談や相談対応を外部の提携先が行っている場合は、実際に誰が実施しているのかを確認してください。

「今の委託先で2027年以降も大丈夫か」は、7つの質問で確かめられます

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12. まとめ|慌てて乗り換えるのではなく、数字を聞いてから決める

✅ この記事の要点

  • 2027年4月1日施行の省令改正で、支援体制の要件が5点変わる(常勤選任・業務の限定・養成講習・10機関未満・50人未満)。
  • 上限は「以下」ではなく「未満」。担当者1人なら支援できるのは49人まで、受け持てるのは9社まで。
  • ④以外の4点は自社支援の会社にもかかる。全部委託なら受け入れ企業の支援体制基準は満たしたものとみなされる。
  • 養成講習は当分の間、未修了でも差し支えない。これを理由に乗り換えをあおる説明には注意。
  • 既存の登録支援機関が新要件で審査されるのは次の登録更新のとき。まず委託先の登録有効期間を確認する。
  • 確認は7つの質問で足りる。最重要は「担当者1人あたり何社・何名か」。
  • 切り替えるなら在留期間更新の4か月前までに新委託先を決め、届出(受け入れ企業が14日以内)と記録の引き継ぎを行う。
  • 育成就労の監理支援機関は8者未満・40人未満・常勤2人以上・外部監査人。数字を混同しない。

今回の改正は、支援を「担当者が抱え込みすぎない形」に整えるためのものです。受け入れ企業にとっての本当の価値は、法令を満たすこと自体ではなく、採用した本人が困ったときに、同じ担当者にすぐ相談できる状態が続くことにあります。担当者1人あたりの受け持ち数を聞くという行為は、そのまま「自社の人材が安定したサポートを受け続けられるか」を確かめる行為です。数字を聞き、答えを並べ、必要なら動く。この順番で進めてください。

業種別・地域別の委託先の選び方は、介護の登録支援機関の選び方物流倉庫に強い登録支援機関・監理支援機関の選び方、および東京版大阪版愛知・名古屋版福岡版北海道版の各記事で、地域の登録簿の使い方まで整理しています。

13. 公式情報源リスト(お気に入り登録推奨)

機関 資料 確認できること
出入国在留管理庁 1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について(令和9年4月1日施行) 改正5点の原文・経過措置・養成講習の猶予に関する注記
出入国在留管理庁 1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の主な改正点(PDF) 10機関未満・50人未満の計算例と体制イメージ図
出入国在留管理庁 1号特定技能外国人支援・登録支援機関について 義務的支援10項目・全部委託のみなし規定・再委託の禁止・登録の有効期間5年・登録手数料
出入国在留管理庁 登録支援機関登録簿 全登録機関の一覧(2026年9月10日現在11,594件)・登録番号・所在地・対応言語
出入国在留管理庁 登録支援機関の登録更新申請 更新申請の受付期間・必要書類・手数料
出入国在留管理庁 特定技能所属機関・登録支援機関による届出 委託先変更時の随時届出の様式・定期届出の対象期間と期限
出入国在留管理庁 特定技能運用要領・分野別運用要領 登録支援機関の基準・義務・支援計画の詳細な解釈
出入国在留管理庁 在留申請のオンライン手続の手数料額・納付方法改正入管法施行令について 2026年10月1日受付分からの手数料改定(在留期間別)
出入国在留管理庁 令和6年入管法等改正法について 2027年4月施行の法改正の全体像・育成就労への移行
厚生労働省 育成就労制度の概要(PDF) 監理支援機関の体制要件(常勤2人以上・8者未満・40人未満・外部監査人)
日本行政書士会連合会 行政書士法第19条第1項及び第23条の3の改正の趣旨等について 2026年1月1日施行の改正内容・名目を問わない報酬の扱い・両罰規定
総務省 行政書士制度 行政書士法の所管情報・改正法の公布通知

※本記事は2026年9月時点の公表内容に基づきます。2027年4月1日施行に向けて運用要領や関連書式が更新される可能性があるため、最終的な判断の前に必ず上記の公式情報をご確認ください。費用の金額は機関・支援内容・受け入れ人数により変動する目安です。本記事の内容は法的助言を構成するものではありません。

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登録支援機関とは?特定技能の受入企業が委託前に知るべき選び方・費用・一覧【2026年版】

この記事が「2027年の体制要件」だとすれば、こちらは登録支援機関そのものの全体像。義務的支援10項目・選び方7軸・費用相場・登録簿の探し方をまとめています。

登録支援機関の選び方|契約前に確認すべき10項目チェックリスト
3社を同じ質問で比べるための記入シート付き
特定技能 介護の登録支援機関の選び方
介護施設が確認すべき10項目と費用相場
物流倉庫に強い登録支援機関・監理支援機関の選び方
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特定技能の定期届出は2026年4月から年1回
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在留資格の更新・変更手数料が2026年10月1日から改定
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西澤 志門

この記事を書いた人

西澤 志門

株式会社ジンザイネシア取締役。特定技能・育成就労の制度実務と、インドネシア人材の採用・教育・定着支援を専門とする。 登録支援機関として介護・外食・宿泊分野を中心に50社以上を支援。 一般社団法人Nocoders Japan協会理事として、AI・DXによる業務改革も推進。 本コラムでは、受入企業が「本当に知りたい」制度の実務と現場のリアルを発信します。


吉田 卓司

この記事を監修した人

吉田 卓司

株式会社ジンザイネシア代表取締役。 2000年にオイシックス・ラ・大地(東証プライム市場・3182)を共同創業し、2007年に五反田電子商事(現GDX)を創業。2012年にシンガポールへ移住し、2015年にはインドネシアでBeautynesiaを創業のうえ現地財閥法人へ売却。 10年以上のインドネシア在住経験と、日本インドネシア国交55周年の大相撲巡業主催(2013年・1万人以上集客)など現地での実績を基盤に、2023年に株式会社ジンザイネシアを創業。 本コラムでは、特定技能・育成就労に関する制度実務とインドネシア人材の採用・教育・定着支援の知見を、登録支援機関の立場から監修します。

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