特定技能 介護の人数枠と上限|事業所単位の数え方と「日本人等」に入る職員【2026】
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特定技能 介護の人数枠と上限|事業所単位の数え方と「日本人等」に入る職員【2026】

結論|3行で理解する

上限は事業所単位で、日本人等の常勤介護職員の総数です。法人単位ではありません。そして「日本人等」には永住者・定住者・日本人の配偶者等・特別永住者、在留資格「介護」、EPA介護福祉士も含まれます——ここを日本人だけで数えると、枠を過少に見積もります。

「うちは何人まで受け入れられるのか」——この記事は、法務省令と分野別運用方針の原文をもとに、分母に入る人・入らない人の線引き・事業所単位で数える理由・自法人の枠を出す手順・上限に達したときの選択肢・分野全体の受け入れ枠・2027年4月からの育成就労の扱いまでを、法人が自分で計算できる形にまとめます。(2026年8月時点)

まず結論|事業所単位・日本人等の常勤介護職員の総数

介護分野には、他の多くの分野にはない受け入れ人数の上限があります(人数の上限があるのは介護と建設の2分野です)。根拠は法務省令で、次のように定められています。

📖 省令の原文(介護分野に特有の事情に鑑みて定める基準)

一号特定技能外国人を受け入れる事業所において、一号特定技能外国人の数が、当該事業所の日本人等(…介護の在留資格、…EPAに基づく介護福祉士として従事する特定活動の在留資格又は別表第二の上欄の在留資格をもって在留する者及び…特別永住者を含む。)の常勤の介護職員の総数を超えないこと。

論点 答え よくある誤解
数える単位事業所単位「法人全体で数える」=誤り。事業所ごとに別々に計算する
分母になる人日本人「等」の常勤介護職員「日本人だけ」=誤り。永住者・定住者等の外国人職員も入る
雇用形態常勤のみ非常勤・パートは分母に入らない
職種介護職員のみ看護職員・相談員・事務・調理は介護職員ではない
上限の考え方総数を「超えない」こと同数までは可。1対1が上限のイメージ

✅ ひとことで言うと

その事業所に日本人等の常勤の介護職員が10人いれば、特定技能の外国人職員は10人まで受け入れられます。11人目からは、まず分母を増やす(日本人等の常勤介護職員を採用する)か、別の事業所で受け入れるか、別の在留資格を使うことになります。

「日本人等」とは誰か|省令の定義をそのまま読む

ここがこの記事で最もお伝えしたい点です。多くの解説記事は「日本人の常勤介護職員の総数まで」と書いていますが、省令の文言は「日本人で、かっこ書きに含まれる人が明記されています。日本人だけで数えると、枠を実際より少なく見積もります。

分母に入る人(日本人等) 在留資格 実務での見つけ方
日本人説明不要
介護福祉士の外国人職員在留資格「介護在留カードの在留資格欄が「介護」
EPAで介護福祉士になった職員特定活動(EPA介護福祉士)候補者ではなく、資格取得後の方が該当する
永住者永住者(別表第二)在留カードに「永住者」。就労制限なし
日本人の配偶者等日本人の配偶者等(別表第二)同上
永住者の配偶者等永住者の配偶者等(別表第二)同上
定住者定住者(別表第二)日系人の方などが該当。見落とされやすい
特別永住者特別永住者特別永住者証明書で確認

⚠️ 「うちに永住者や定住者の介護職員はいないはず」と決めつけないでください

在留資格は本人から申告されない限り、施設側が把握していないことがあります。就労制限のない在留資格(永住者・定住者・日本人の配偶者等)で働いている方は、面接時に在留カードを確認していても記録に残していないケースが少なくありません。人数枠を計算する前に、常勤の介護職員全員の在留資格をいちど棚卸ししてください。1人見つかれば、枠が1人分増えます。

リウス

リウス(インドネシア出身・ジンザイネシア)

💡 かんたんに言うと、「もう日本に生活の基盤がある人」は日本人と同じ側で数えるということです。永住者や定住者は働く仕事に制限がないので、日本人と同じ扱いになります。私のような特定技能の人は、数えられる側ではなく受け入れられる側です。

数に入れる人・入れない人(早見表)

職員名簿を横に置いて、上から順に判定してください。「常勤」かつ「介護職員」かつ「日本人等」の3つを同時に満たす人だけが分母に入ります。

その職員 分母に 理由
日本人の常勤介護職員◯ 入る基本形
永住者・定住者・日本人の配偶者等の常勤介護職員◯ 入る省令の「日本人等」に明記されている(別表第二)
在留資格「介護」の常勤職員(介護福祉士)◯ 入る同上
EPA介護福祉士(資格取得後)◯ 入る特定活動(EPA介護福祉士)として明記
特別永住者の常勤介護職員◯ 入る同上
特定技能1号の外国人職員✕ 入らない受け入れられる側。分子に数える
技能実習生✕ 入らない日本人等に含まれない
EPA介護福祉士候補者(資格取得前)✕ 入らない省令が挙げるのは介護福祉士として従事する特定活動。候補者は該当しない
留学生のアルバイト✕ 入らない常勤ではなく、日本人等にも当たらない
パート・非常勤の介護職員✕ 入らない日本人でも常勤でなければ分母に入らない
看護職員・機能訓練指導員✕ 入らない介護職員ではない
生活相談員・介護支援専門員△ 職務による介護職員として介護業務に従事しているかで判断。兼務は要確認
事務員・調理員・運転手✕ 入らない介護職員ではない
施設長(介護業務に従事しない)✕ 入らない管理者としての職務のみなら介護職員ではない

⚠️ 迷いやすい2つ

①「常勤」の判断——就業規則で定める常勤の所定労働時間を満たしているかで見ます。介護報酬の常勤換算とは考え方が異なりますので、常勤換算で「2.5人」のような小数を出すのではなく、常勤の実人数で数えるのが基本です。判断に迷う職員がいる場合は、申請前に協議会または地方出入国在留管理局へ確認してください。

②兼務している職員——生活相談員と介護職員を兼ねている、複数の事業所を兼務している、といったケースはどちらの事業所の介護職員として数えるのかが問題になります。二重に数えることはできません。

📌 公式情報源|出入国在留管理庁「介護分野に特有の事情に鑑みて定める基準」(「日本人等」に含まれる在留資格の範囲・常勤の介護職員の総数)/厚生労働省「介護分野の運用方針に係る運用要領」(PDF・令和7年4月21日一部改正)(従事業務の範囲)(2026年8月時点)

なぜ事業所単位なのか|法人全体で数えると起きる間違い

省令は「一号特定技能外国人を受け入れる事業所において」と書いています。つまり判定は事業所ごとです。複数の事業所を持つ法人では、ここを取り違えると計画が崩れます。

具体例で見る

特別養護老人ホーム1か所と通所介護2か所を運営する法人で、日本人等の常勤介護職員が次のように配置されているとします。

事業所 日本人等の常勤介護職員 その事業所の上限
特別養護老人ホームA28人28人まで
通所介護B6人6人まで
通所介護C4人4人まで
法人合計(参考)38人※合計38人を自由に配分することはできない

⚠️ 「法人で38人だから、通所介護Bに10人入れる」はできません

通所介護Bの上限はそのB事業所の6人です。法人合計の枠を融通することはできません。まとめて受け入れて夜勤体制を安定させたいという場合は、常勤介護職員の多い特別養護老人ホームAが受け入れ先になります。
なお、対象施設かどうかの判定も事業所単位です。自法人のどの事業所で受け入れられるかは 特定技能 介護の対象施設 完全一覧|デイサービス・有料老人ホーム・訪問系の線引き で確認できます。

📌 公式情報源|出入国在留管理庁「分野別運用方針」>別紙1 介護「事業所で受け入れることができる1号特定技能外国人は、事業所単位で、日本人等の常勤介護職員の総数を上限とすること」(2026年8月時点)

自法人の枠を出す手順(5ステップ・記入式)

職員名簿を用意して、事業所ごとに上から順に進めてください。10分で結論が出ます。

やること 具体的に
1受け入れる事業所を1つ決める法人単位ではない。まずその事業所が対象施設かも確認する
2その事業所の常勤職員だけを抜き出すパート・非常勤はここで除く。常勤換算の小数ではなく実人数で
3そこから介護職員だけを残す看護職員・相談員・事務・調理・運転手を除く。兼務者は職務内容で判断
4残った人の在留資格を確認するここが増える場面。永住者・定住者・日本人の配偶者等・特別永住者・在留資格「介護」・EPA介護福祉士は分母に入る
5その人数が上限。すでにいる特定技能の人数を引く上限 −(現在の特定技能1号の人数)= あと何人受け入れられるか

📝 記入欄(事業所ごとにコピーしてお使いください)

事業所名:__________ / 対象施設か:□はい □いいえ
① 常勤の職員         ___人
② うち介護職員        ___人
③ うち日本人         ___人
④ うち永住者・定住者・日本人の配偶者等・特別永住者 ___人
⑤ うち在留資格「介護」・EPA介護福祉士 ___人
⑥ 上限 = ③+④+⑤ = ___人
⑦ 現在の特定技能1号     ___人
⑧ あと受け入れられる人数 = ⑥ − ⑦ = ___人

規模別の目安|何人まで受け入れられるか

実際の職員構成は施設ごとに違いますが、おおよその感覚をつかむための目安を示します。あくまで参考であり、必ず前章の手順で自法人の実数を出してください。

事業所の例 日本人等の常勤介護職員 受け入れの目安
特別養護老人ホーム(定員80名)25〜35人程度25〜35人まで。夜勤体制を組むだけの人数を確保しやすい
介護老人保健施設(定員100名)30〜40人程度30〜40人まで。看護職員は分母に入らない点に注意
グループホーム(2ユニット18名)8〜12人程度8〜12人まで。ただし少人数の職場は指導体制の設計が先
通所介護(定員30名)4〜8人程度4〜8人まで。非常勤が多い事業所は枠が小さくなりやすい
小規模多機能型居宅介護6〜10人程度6〜10人まで。訪問部分には従事させられないためシフト設計が要る

✅ 「上限まで入れる」ことは目的ではありません

上限が28人だからといって、28人を受け入れるのが正解ではありません。指導できる人数、住居を用意できる人数、日本語の支援が届く人数が実際の制約になります。多くの施設はまず2〜4人から始めて、定着を確認しながら増やす進め方をとっています。2027年4月から始まる育成就労では、この考え方が「ケアの質の担保や適切な指導体制を確保できる人数にすること」として運用方針に明記されます(後述)。

📥 自法人の事業所ごとに、対象可否と人数枠をまとめて出す

介護施設が外国人材を受け入れるときの判断材料(対象施設・要件・費用・受け入れの流れ・定着まで)を1冊にまとめた資料を無料で配布しています。複数の事業所をお持ちの法人が、どこから何人で始めるかを決めるのにお使いいただけます。

上限に達したときの選択肢

枠がいっぱいになった場合でも、打ち手はあります。効果の出る順に並べます。

選択肢 内容・注意点
1在留資格の棚卸しをやり直すまずこれ。永住者・定住者の職員を日本人としてしか数えていないケースが多い。1人見つかれば枠が1人増える
2いまいる方に介護福祉士を取ってもらう在留資格「介護」へ変更すると分子から分母へ移る。1人で枠が実質2人分動く
3別の対象事業所で受け入れる法人内に枠の余っている事業所があれば、そちらで採用する
4日本人等の常勤介護職員を採用する分母が増えれば枠も増える。ただし採用できないから外国人材を検討している場合が多い
5人数枠のない在留資格を併用する在留資格「介護」(介護福祉士)は人数枠の対象外。留学生の受け入れから育てる選択肢もある
6非常勤を常勤に切り替える分母は常勤のみ。パートの方が常勤になれば枠が増える

✅ 2番がいちばん効きます

いま特定技能で働いている方が介護福祉士に合格して在留資格「介護」に変わると、その方は分子(受け入れた人数)から外れ、分母(日本人等の常勤介護職員)に移ります。つまり1人の資格取得で、枠が実質2人分動くことになります。しかも本人にとっては在留期間の更新に回数の制限がなくなり、家族も呼べます。資格取得の支援は、定着策であると同時に枠を増やす手段でもあります。取得ルートは 外国人介護福祉士になるには|4つのルート・国家試験・合格率・企業ができる支援 をご覧ください。

分野全体の受け入れ枠|16万700人の内訳

ここまでは事業所ごとの枠の話でした。これとは別に、介護分野全体で何人まで受け入れるかという国レベルの枠があります。混同されがちですが、性質が異なります。

区分 人数 期間・扱い
介護分野全体の受入れ見込数16万700人令和6年度〜令和10年度の5年間
うち1号特定技能外国人12万6,900人令和10年度末までの5年間の上限として運用
うち育成就労外国人3万3,800人令和9年度からの2年間(令和10年度末まで)の上限

この見込数は、令和10年度に25万9,300人程度の人手不足が見込まれる中、介護ロボットや情報通信技術の活用による生産性向上(5年間で2%程度=4万7,100人程度)と、処遇改善・高齢者や女性の就業促進による国内人材の確保(5万1,500人程度)を行ってもなお不足すると見込まれる分として算出されたものです。

⚠️ 分野全体の枠が埋まると、新規受入が止まることがあります

受入れ見込数を超えることが見込まれる場合、厚生労働大臣から法務大臣に対して、在留資格認定証明書の交付を一時的に停止する措置を求める仕組みがあります。実際に外食業では2026年4月13日から新規受入が一時停止されました。介護は上限12万6,900人に対してまだ余裕がありますが、「いつでも受け入れられる」前提で計画を後ろ倒しにするのは避けてください。外食で起きたことは 【外食企業必読】特定技能の受入上限と育成就労での採用突破口 にまとめています。

📌 公式情報源|出入国在留管理庁「分野別運用方針」>別紙1 介護(受入れ見込数16万700人/1号特定技能12万6,900人/育成就労3万3,800人・在留資格認定証明書の交付停止措置)(2026年8月時点)

2027年4月からの育成就労の人数枠|追加条件がある

2027年4月1日に育成就労制度が始まります。介護分野の運用方針には、育成就労の人数枠も定められており、特定技能と同じ「事業所単位・日本人等の常勤介護職員の総数を上限」に加えて、条件がもう1つ付いています。

制度 人数の上限 追加の条件
特定技能1号事業所単位・日本人等の常勤介護職員の総数
育成就労(2027年4月〜)同上かつ「ケアの質の担保や適切な指導体制を確保できる人数にすること」

この追加条件は、数の上限まで入れてよいわけではないことを明文化したものです。育成就労は未経験から育てる制度なので、指導する側の体制が問われます。実務としては、上限の数字より先に「何人までなら教えきれるか」を決めることになります。

✅ いま特定技能で始めておくと、この条件に強くなります

2027年を待つ必要はありません。特定技能で先に受け入れ、指導の仕組みと生活支援の型を作っておけば、育成就労が始まったときに「指導体制を確保できる」ことを実績で示せます。介護で育成就労をどう使えるかは 育成就労は介護で使える?対象業務・人数枠・日本語要件と技能実習からの移行手順、3制度の違いは 育成就労 vs 技能実習 vs 特定技能|3制度の違い完全比較 をご覧ください。

📌 公式情報源|出入国在留管理庁「分野別運用方針」>別紙1 介護「事業所で受け入れることができる育成就労外国人は、事業所単位で、日本人等の常勤介護職員の総数を上限とし、ケアの質の担保や適切な指導体制を確保できる人数にすること」/同「育成就労制度」(運用要領は整備が続いています/2026年8月時点)

数え方でつまずく場面と、申請が止まる原因

人数枠は、申請の段階で書類として証明することになります。数え方が実態と合っていないと、差し戻しや追加説明を求められ、入職予定が後ろにずれます。

つまずく場面 起きること・対処
法人全体の人数で申請してしまった事業所単位に数え直しを求められる。枠が足りず人数を減らすことになる場合がある
非常勤を含めて数えていた常勤のみに数え直し。職員名簿と勤務形態の資料の整合を求められる
看護職員・相談員を介護職員に含めていた職種の区分を求められる。職務分掌が曖昧な施設ほど時間がかかる
複数事業所を兼務する職員を二重に数えたどちらか一方でしか数えられない。勤務割で主たる所属を明確にしておく
受け入れ後に日本人職員が退職して枠を割った在留期間の更新時に問題になり得る。採用計画と一体で管理する
協議会への入会を後回しにした人数以前の問題として申請が受理されない。入会は在留諸申請の「前」
リウス

リウス

⚠️ いちばん影響が大きいのは「入職の日がずれること」です。私たちは日本に来る準備を何か月も前から始めています。数え方の確認は、候補者を決める前に済ませておいてください。

協議会の入会と概要書の書き方は 介護分野 特定技能協議会の加入と概要書(分野参考様式第1-2号)、受け入れ全体の手順は 特定技能介護のインドネシア人採用|費用・期間・流れ完全ガイド にまとめています。

📌 公式情報源|出入国在留管理庁「届出手続」(雇用契約・支援計画の変更に係る届出)/厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」>3.介護分野における特定技能協議会(在留諸申請の前に入会)(2026年8月時点)

よくある質問

各項目をタップすると開きます。回答はすべて法務省令・分野別運用方針などの一次情報に基づいています(2026年8月時点)。

Q. 結局、うちは何人まで受け入れられますか?
受け入れる事業所ごとに、日本人等の常勤介護職員の総数が上限です。法人全体ではありません。たとえばその事業所に日本人等の常勤介護職員が10人いれば、特定技能1号は10人まで受け入れられます。「日本人等」には日本人のほか、永住者・定住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・特別永住者、在留資格「介護」の方、EPAで介護福祉士になった方が含まれます。なお、この上限は介護と建設の2分野にのみ設けられているもので、他の多くの分野には人数の上限がありません。
Q. 「日本人等」に外国人職員が含まれるというのは本当ですか?
本当です。法務省令は「日本人」と書いたうえで、かっこ書きで在留資格「介護」、EPAに基づき介護福祉士として従事する特定活動、入管法別表第二の在留資格(永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者)をもって在留する者、および特別永住者を含むと明記しています。多くの解説記事が「日本人の常勤介護職員」とだけ書いていますが、それでは枠を実際より少なく見積もることになります。人数枠を出す前に、常勤の介護職員全員の在留資格を棚卸ししてください。
Q. いま雇っている技能実習生やEPA候補者は、数に入りますか?
入りません。技能実習生は「日本人等」に含まれていません。EPA介護福祉士候補者も、省令が挙げているのは「介護福祉士として従事する」特定活動ですので、資格取得前の候補者は分母に入りません(合格して介護福祉士になれば入ります)。特定技能1号の方は、そもそも受け入れられる側なので分子に数えます。技能実習から特定技能へ移る場合の手順は 介護の技能実習から特定技能への移行手続き をご覧ください。
Q. パートの介護職員は数に入りますか?常勤換算で計算するのですか?
パート・非常勤の方は分母に入りません。省令は「常勤の介護職員の総数」と定めています。また、介護報酬の人員配置基準で使う常勤換算とは考え方が異なりますので、「常勤換算2.5人」のような小数を出すのではなく、常勤の実人数で数えるのが基本です。就業規則で定める常勤の所定労働時間を満たしているかで判断してください。判断に迷う職員がいる場合は、申請前に協議会または管轄の地方出入国在留管理局へ確認されることをおすすめします。なお、パートの方が常勤になれば、その分だけ枠が増えます。
Q. 看護師や生活相談員は介護職員として数えられますか?
看護職員・機能訓練指導員・事務員・調理員・運転手は介護職員ではありませんので、分母に入りません。生活相談員や介護支援専門員については、その方が介護職員として介護業務に従事しているかで判断します。兼務している場合は職務分掌を確認してください。介護老人保健施設のように看護職員の比率が高い施設では、職員総数の感覚で数えると枠を多く見積もってしまうので注意が必要です。
Q. 上限に達しました。もう増やせませんか?
打ち手はあります。効果の大きい順に、①常勤介護職員の在留資格をもう一度棚卸しする(永住者・定住者を日本人としてしか数えていないことが多い) ②いま特定技能で働いている方に介護福祉士を取得してもらう——在留資格「介護」に変わると分子から外れて分母に移るため、1人で枠が実質2人分動きます ③法人内の別の対象事業所で受け入れる ④日本人等の常勤介護職員を採用する ⑤人数枠のない在留資格「介護」を併用する ⑥非常勤の方に常勤へ移っていただく、という順です。
Q. 受け入れた後に日本人職員が辞めて、枠を割ってしまったらどうなりますか?
すでに在留している方が直ちに働けなくなるわけではありませんが、在留期間の更新の際に問題になり得ます。人数枠は受け入れの時点だけでなく、受け入れを続ける条件でもあるためです。実務としては、上限ぎりぎりまで受け入れないことと、日本人等の常勤介護職員の採用計画と外国人材の受け入れ計画を一体で管理することが対策になります。退職が出た場合は、更新の時期が来る前に登録支援機関と行政書士へ共有してください。
Q. 2027年に育成就労が始まったら、人数枠は変わりますか?
介護分野の運用方針では、育成就労も「事業所単位で、日本人等の常勤介護職員の総数を上限」とされており、考え方は特定技能と同じです。ただし育成就労には「ケアの質の担保や適切な指導体制を確保できる人数にすること」という条件が追加されています。つまり数の上限まで入れてよいわけではなく、指導できる体制があることが求められます。また分野全体では、令和9年度からの2年間で育成就労外国人3万3,800人という受入れ見込数が定められています。運用要領の整備は続いていますので、最新の公表資料をご確認ください。

まとめ|3つ押さえれば計算できます

# 押さえること 間違えるとどうなるか
1数える単位は事業所法人合計で計画すると、申請時に人数を減らすことになる
2分母は日本人「等」の常勤介護職員日本人だけで数えると枠を少なく見積もり、採れる人数を逃す
3上限まで入れることが目的ではない指導が追いつかず早期離職。育成就労では体制の確保が条件に明記される

介護施設の外国人採用の全体像は 介護施設の外国人採用 完全ガイド、4つのルートの比較は 【保存版】外国人介護人材の受け入れ方|4つの在留資格ルート比較、給与の決め方は 特定技能 介護の給与相場と決め方、支援を任せる先の選び方は 特定技能 介護の登録支援機関の選び方 をご覧ください。

リウス

リウス

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あわせて読みたい

公式情報源リスト(ブックマーク推奨)

情報源 確認できること
出入国在留管理庁「介護分野に特有の事情に鑑みて定める基準」省令の原文。「日本人等」の定義と人数枠の条文
同「分野別運用方針」>別紙1 介護事業所単位の人数枠・受入れ見込数・育成就労の追加条件
同「特定技能制度」受入機関の基準・従事可能な業務・雇用形態(直接雇用に限る)
同「育成就労制度」2027年4月施行・運用要領の整備状況
厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」対象施設・試験・協議会・訪問系サービス
同「介護分野の運用方針に係る運用要領」(PDF)技能水準・日本語能力・従事業務の範囲(令和7年4月21日一部改正)
同「外国人介護人材の受入れについて」4つの受け入れルートの全体像・最新の統計

本記事の制度内容は2026年8月時点。受入れ見込数・運用要領・育成就労の取扱いは随時更新されます。申請の前に、必ず原典で最新の内容をご確認ください。個別の職員が分母に入るかの判断に迷う場合は、協議会または管轄の地方出入国在留管理局へご確認ください。

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西澤 志門

この記事を書いた人

西澤 志門

株式会社ジンザイネシア取締役。特定技能・育成就労の制度実務と、インドネシア人材の採用・教育・定着支援を専門とする。 登録支援機関として介護・外食・宿泊分野を中心に50社以上を支援。 一般社団法人Nocoders Japan協会理事として、AI・DXによる業務改革も推進。 本コラムでは、受入企業が「本当に知りたい」制度の実務と現場のリアルを発信します。


吉田 卓司

この記事を監修した人

吉田 卓司

株式会社ジンザイネシア代表取締役。 2000年にオイシックス・ラ・大地(東証プライム市場・3182)を共同創業し、2007年に五反田電子商事(現GDX)を創業。2012年にシンガポールへ移住し、2015年にはインドネシアでBeautynesiaを創業のうえ現地財閥法人へ売却。 10年以上のインドネシア在住経験と、日本インドネシア国交55周年の大相撲巡業主催(2013年・1万人以上集客)など現地での実績を基盤に、2023年に株式会社ジンザイネシアを創業。 本コラムでは、特定技能・育成就労に関する制度実務とインドネシア人材の採用・教育・定着支援の知見を、登録支援機関の立場から監修します。

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