
特定技能「介護」に2号はない|1号の5年後も働いてもらう道・在留資格「介護」への移行・在留期間・家族帯同【2026】
結論|3行で理解する
介護分野に特定技能2号は設けられていません(2026年9月15日時点)。理由は「介護福祉士の資格を持つ人のための在留資格『介護』がすでにあるから」です。つまり介護で長く働いてもらう道は、在留資格「介護」への変更の一本道で、そこに乗せられるかどうかは1号の5年間に施設が何をしたかでほぼ決まります。
この記事は、特定技能「介護」の職員を受け入れている施設の経営者・事務長・人事の方に向けて、1号と2号の違い、なぜ介護だけ2号がないのか、在留資格「介護」の要件と家族帯同、5年後の4つの選択肢、1年目から5年目までに施設がやること、そして2026年から始まった「5年目に不合格でも最長1年延びる」延長措置までを、出入国在留管理庁・厚生労働省・社会福祉振興・試験センターの公式情報だけを根拠に整理したものです。
- 介護に特定技能2号はない|公式に掲載されている11分野
- 1号と2号の違いを、介護の場合で比較する
- なぜ介護だけ2号がないのか|国が示している理由
- 長く働ける道は在留資格「介護」|要件と、得られるもの
- 家族の帯同|特定技能1号は不可・在留資格「介護」は可
- 5年が近づいたときの4つの選択肢
- 1年目から5年目まで|施設がやることの年次計画表
- 介護福祉士国家試験の受験要件|実務経験3年+実務者研修
- 5年目に不合格でも最長1年延びる|2026年からの延長措置
- 試験の現在地|合格率とパート合格の導入
- EPAルートとの違い|同じ「介護福祉士」でも入口が違う
- 在留期間の更新と費用|2026年10月からの手数料改定
- よくある4つの誤解と、確認先
- よくある質問
介護に特定技能2号はない|公式に掲載されている11分野
まず事実から確認します。出入国在留管理庁が公開している「特定技能2号のジョブディスクリプション」のページに掲載されているのは、次の11分野です。ここに介護は入っていません。
| 区分 | 分野 |
|---|---|
| 特定技能2号がある分野(11分野) | ビルクリーニング/工業製品製造業/建設/造船・舶用工業/自動車整備/航空/宿泊/農業/漁業/飲食料品製造業/外食業 |
| 特定技能2号がない分野 | 介護(受け入れは特定技能1号のみ) |
つまり、他の分野では「1号で5年 → 2号へ変更 → 在留期間の更新に上限なし・家族帯同も可」という道がありますが、介護でその道をなぞろうとしても入口がありません。「そのうち介護にも2号ができるのを待とう」という計画は、現時点では根拠のない前提の上に立つことになります。
1号と2号の違いを、介護の場合で比較する
「特定技能 1号 2号 違い」は、介護の施設にとっては「自分たちに関係があるのは1号だけ」という結論に行き着きます。ただし違いを知っておくことには意味があります。2号に相当する条件が、介護では在留資格「介護」で実現されるからです。3つを並べて比較します。
| 特定技能1号(介護) | 特定技能2号(介護には無い) | 在留資格「介護」 | |
|---|---|---|---|
| 介護で使えるか | 使える | ✕ 分野が設定されていない | 使える |
| 1回の許可で決まる在留期間 | 法務大臣が個々に指定する期間(3年を超えない範囲) | 3年、2年、1年又は6月 | 5年、3年、1年又は3月 |
| 通算の上限 | 原則5年 | 上限なし | 上限なし(更新を続けられる) |
| 家族の帯同 | 不可 | 可(配偶者・子) | 可(配偶者・子) |
| 求められるもの | 介護技能評価試験・介護日本語評価試験・日本語(N4等)または技能実習2号の良好修了 | 分野ごとの2号評価試験と実務経験 | 介護福祉士の国家資格 |
| 施設側の支援 | 支援計画が必要(登録支援機関へ委託可) | 不要 | 不要 |
| 人数の数え方 | 事業所ごとの上限あり | — | 特定技能の人数枠の対象外 |
表の右端を見ると、在留資格「介護」は2号と同じ条件(上限なし・家族帯同可・支援計画不要)に加えて、1回の許可で最長5年という、むしろ有利な扱いになっていることが分かります。介護は「2号がない分野」ではなく、「2号の代わりに国家資格の在留資格が用意されている分野」と理解するのが正確です。
リウス(インドネシア出身・ジンザイネシア)
なお、人数の上限の数え方や、1号でどこまでの業務を任せられるかは特定技能 介護の人数枠と上限、受け入れ全体の流れは特定技能 介護の受け入れ完全ガイドで整理しています。
なぜ介護だけ2号がないのか|国が示している理由
「介護は人手不足なのに、なぜ長く働ける2号を作らないのか」という疑問はもっともです。これについては、出入国在留管理庁の介護分野のページに理由が明記されています。介護分野が特定技能2号の対象になっていないのは、「現行の専門的・技術的分野の在留資格『介護』があること」が理由とされています。
整理すると、こういう構造です。
| 分野 | 「熟練した技能」を証明する仕組み |
|---|---|
| 介護以外の11分野 | 国家資格がないため、分野ごとに特定技能2号の評価試験を新しく作った |
| 介護 | 介護福祉士という国家資格と、それに対応する在留資格「介護」がすでに存在するため、2号を新設する必要がない |
この違いは、施設の実務にそのまま影響します。他分野の2号は「分野の試験に受かればよい」のに対し、介護は年1回の国家試験に合格しなければならないということです。年1回しかチャンスがないという点が、後で説明する「年次計画表」がとりわけ重要になる理由です。
長く働ける道は在留資格「介護」|要件と、得られるもの
在留資格「介護」は、出入国在留管理庁の在留資格一覧表で「本邦の公私の機関との契約に基づいて介護福祉士の資格を有する者が介護又は介護の指導を行う業務に従事する活動」と定められています。条件を分解すると、次の3つです。
| 条件 | 中身と、施設側の実務 |
|---|---|
| ① 介護福祉士であること | 国家試験に合格し、登録まで済ませて介護福祉士登録証を受け取ることが必要。合格発表だけでは登録は完了しません |
| ② 施設との契約があること | 雇用契約が前提。在留資格変更許可申請では施設の資料も提出するため、施設側の協力が不可欠 |
| ③ 介護又は介護の指導の業務 | 現場の介護に加えて「介護の指導」も活動に含まれるため、後輩の指導役やリーダー職を任せられます |
在留資格「介護」に変わると、施設にとって具体的に何が変わるのか。特定技能1号との差を、施設の目線で整理します。
| 論点 | 特定技能1号のとき | 在留資格「介護」に変わると |
|---|---|---|
| いつまで働けるか | 通算5年まで | 更新の上限なし。1回の許可は最長5年 |
| 支援の義務 | 支援計画の作成と実施が必要(多くは登録支援機関へ委託) | 支援計画は不要。委託費もかからなくなる |
| 人数の枠 | 事業所ごとの上限に算入される | 特定技能の人数枠から外れるため、次の1号の受け入れ余地が生まれる |
| 任せられる役割 | 身体介護等とそれに付随する支援業務 | 介護の指導も含まれるため、育成・リーダー職を担える |
| 家族 | 呼べない | 配偶者・子を「家族滞在」で呼べる |
| 加算・配置基準 | — | 介護福祉士としての人員になる。サービス提供体制強化加算等の資格要件の判断材料になる |
とくに見落とされがちなのが「人数枠から外れる」という点です。特定技能1号の受け入れ人数は事業所ごとに上限がありますが、在留資格「介護」に移った人はその枠の外に出ます。1人を国家資格者に育てるたびに、次の1人を受け入れる余地が生まれるという関係になります。
家族の帯同|特定技能1号は不可・在留資格「介護」は可
「特定技能 介護 家族」は、本人から施設に最も多く寄せられる相談のひとつです。答えは在留資格一覧表を見れば明確に出ます。配偶者や子を呼び寄せるための在留資格は「家族滞在」ですが、その対象になるのは、扶養する人が次の在留資格を持っている場合に限られます。
| 本人の在留資格 | 家族滞在の対象か | 実務上の意味 |
|---|---|---|
| 特定技能1号(介護) | ✕ 対象外 | 配偶者・子を帯同できない。長期の別居が離職の理由になりやすい |
| 特定技能2号 | ○ 対象 | ただし介護分野に2号はないため、介護では使えない |
| 在留資格「介護」 | ○ 対象 | 配偶者・子を呼べる。生活基盤が日本に移り、長期定着につながる |
| 技能実習・育成就労 | ✕ 対象外 | 帯同不可。育成就労も家族帯同は認められていない |
なお「家族滞在」の在留期間は法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲)です。本人の在留期間に合わせて指定されるのが通常で、家族が働く場合は資格外活動許可が別途必要になります。
施設としてこの事実をどう扱うかは、採用面接と1年目の面談の質を左右します。「うちで介護福祉士を取れば、家族を呼べます」と最初に伝えられるかどうかは、5年後の定着に直結する情報です。面接での伝え方は介護施設の外国人面接|現場で必ず聞くべき25の質問と評価基準も参考にしてください。
リウス
5年が近づいたときの4つの選択肢
通算5年が見えてきたとき、施設が取りうる道は4つです。優先順位とともに整理します。
| 順 | 選択肢 | 条件と、現実的な難易度 |
|---|---|---|
| ① | 在留資格「介護」へ変更 | 本命。介護福祉士に合格・登録し、変更許可を受ける。上限なし・家族帯同可。準備は4年前から必要 |
| ② | 通算在留期間の延長(最長1年) | 次点。5年目の国家試験で一定の条件を満たした場合に、もう1年だけ受験の機会を確保できる(後述) |
| ③ | 他分野の特定技能2号へ移る | 制度上は不可能ではないが、移った先の分野の2号評価試験と実務経験が必要で、介護の実務経験は評価されない。施設にとっては人材の流出になる |
| ④ | 帰国 | ①②が間に合わなかった場合の結果。5年で採用・育成をやり直すことになる |
③について補足します。「介護で5年働いたのだから、他分野の2号に移れるのでは」という発想は自然ですが、特定技能2号は分野ごとの熟練した技能を評価する仕組みです。たとえば外食業の2号に移るには外食業の2号評価試験と実務経験が求められ、介護の経験はそこには効きません。現実には、施設にとっても本人にとっても①が唯一まともな選択肢だと考えてください。
通算5年の数え方そのもの(一時帰国は含まれるのか、産休・育休はどうなるのか)は特定技能の在留期間は何年?1号は通算5年・2号は上限なしで詳しく解説しています。自社の職員が「あと何年か」を正確に把握してから、この4択に進んでください。
1年目から5年目まで|施設がやることの年次計画表
ここがこの記事の中心です。介護福祉士の国家試験は年1回で、受験資格を得るには実務経験3年以上と実務者研修が必要です。逆算すると、受験できるのは早くても4年目の試験。つまり受験のチャンスは実質2回(4年目と5年目)しかありません。この前提を1年目に共有できているかどうかで、5年後の結果が変わります。
1年目
土台づくり
2年目
日本語を上げる
3年目
実務者研修
4年目
1回目の受験
5年目
最後の受験・変更
← 在留5年の満了日から逆算して設計する →
| 時期 | 施設がやること | ねらい |
|---|---|---|
| 1年目 | ① 入社時の面談で「5年で帰る前提ではない」「介護福祉士を取れば家族も呼べる」と本人に伝える ② 実務経験としてカウントされる職種・事業所での勤務であることを確認する ③ 入社日と在留期限を台帳に記録し、5年の満了日を確定させる | 目標を先に置く。ここを曖昧にすると3年目以降に本人の意欲が続かない |
| 2年目 | ① 日本語の学習を業務時間内に組み込む(記録の読み書き・申し送り) ② 国家試験の問題文を読める日本語力が必要であることを本人と共有する ③ 実務者研修の受講先(通学・通信)と費用、受講に必要な期間を下調べする | 試験は日本語の壁がそのまま点数に出る。2年目の積み上げが4年目に効く |
| 3年目 | ① 実務者研修を受講させる(スクーリングのためのシフト調整が必要) ② 費用負担の方針を決める(施設負担・貸付・本人負担の別) ③ 従業期間と従事日数が受験資格の基準を満たすかを試験センターの表で確認する | 4年目の受験に間に合わせる最終期限。ここを逃すと受験機会が1回に減る |
| 4年目 | ① 1回目の受験(受験申込は例年夏ごろに締め切られる) ② 試験対策の時間を勤務に組み込む。過去問と模擬試験の機会をつくる ③ 不合格だった場合に備え、翌年の学習計画を本人と一緒に作る | 1回目で受かれば余裕を持って変更申請できる。落ちても5年目の備えになる |
| 5年目 | ① 2回目(最後)の受験。前年にパート合格していても全パート受験する ② 合格発表の前から在留資格変更の書類を準備する ③ 条件を満たすなら延長措置の確認依頼書を期限内に提出する | 在留期限との勝負。合格発表から在留期限までが短いと手続きが間に合わない |
学習支援の具体策(実務者研修の費用、貸付制度、勤務配慮の設計)は外国人介護福祉士になるには|4つのルート・国家試験・合格率・企業ができる支援にまとめています。費用の一部に使える制度は介護施設の外国人受け入れに使える補助金・助成金と自治体支援・補助金 一覧で確認できます。
「うちの職員は、あと何年で、いつ受験できるのか」を1枚に
在留カードの写しと入社日をいただければ、通算の残り・実務者研修の着手期限・受験できる年・変更申請の時期を職員ごとに一覧にします。すでに支援機関に委託している場合の確認にも使えます。
介護福祉士国家試験の受験要件|実務経験3年+実務者研修
特定技能1号として働いている職員が通るのは、4つある資格取得ルートのうち「実務経験ルート」です。厚生労働省の資料では「3年以上の介護等の業務に関する実務経験及び実務者研修等における必要な知識及び技能の修得を経た後に、国家試験に合格する」と説明されています。
| 要件 | 中身と、確認の仕方 |
|---|---|
| 実務経験(従業期間) | 対象となる施設・職種での在職期間。産休・育休・病休も含まれる |
| 実務経験(従事日数) | 実際に介護等の業務に従事した日数。休暇・欠勤・出張・研修等は除かれる。従業期間と従事日数の両方が基準を満たす必要がある |
| 実務者研修 | 第29回試験から必須。介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修(3号研修を除く)の修了でも受験資格が認められる |
| 見込み受験 | 試験実施年度の3月31日までに基準を満たす見込みであれば「実務経験見込み」として受験できる |
実務のポイントは2つです。ひとつは従事日数が足りているかを施設が把握しておくこと。パート勤務や長期の休業があると、在職3年でも日数が届かないことがあります。もうひとつは「見込み受験」が使えること。3月31日までに基準を満たす見込みなら受験できるので、年度の切れ目で1年待つ必要はありません。具体的な日数の基準は、試験センターの従業期間計算表で職員ごとに確認してください。
リウス
5年目に不合格でも最長1年延びる|2026年からの延長措置
ここは、まだ知らない施設が多い制度です。第38回(令和8年実施)の介護福祉士国家試験から、介護分野の特定技能外国人について、通算5年を超えて最長1年間の在留期間延長ができる措置が始まりました。根拠は厚生労働省の令和8年1月21日付 社援発0121第10号通知です。
要件を整理します。通算5年に達する前の最終年度(5年目)の国家試験で、次の条件をすべて満たす場合が対象です。
| 要件 | 中身 |
|---|---|
| ① 全パートを受験 | 5年目の試験は、前年にパート合格していても全パートを受験する必要がある |
| ② 1パート以上合格 | その年の試験で、A・B・Cのいずれか1パート以上に合格していること |
| ③ 合格基準点の8割以上 | 総得点が合格基準点の8割以上。第38回は合格基準点64点の8割=52点以上 |
| ④ 本人の誓約 | 翌年度の国家試験に向けた学習意欲があり、翌年度も受験することを誓約する |
| ⑤ 施設が学習計画を作る | 施設が本人と一緒に学習計画(支援計画・講座や研修の受講予定を含む)を作成し、厚生労働省に提出する |
⑤が重要です。この措置は本人だけでは使えません。雇用している施設が学習計画を作り、確認依頼書をとりまとめて厚生労働省へ郵送する必要があります。登録支援機関に支援を委託している場合でも、確認依頼書の提出は施設側がとりまとめて行うことがQ&Aで示されています(学習計画の支援責任者欄は、委託先の登録支援機関の支援責任者を記載します)。
| 手続き | 内容 |
|---|---|
| 提出書類 | 確認依頼書(別紙様式1)/受験した年の「介護福祉士国家試験結果等について」の写し/在留カード(表面)の写し/学習計画(別紙様式2) |
| 提出先 | 厚生労働省 社会・援護局 福祉基盤課 福祉人材確保対策室 資格・試験係(郵送のみ。持ち込み・メール不可) |
| 期限 | 第38回(令和8年)の試験に係る申請期限は令和8年4月30日(木)消印有効 |
| その後 | 厚生労働省の結果確認を受けたうえで、地方出入国在留管理局へ在留期間更新の申請を行う |
① この措置は「特定技能1号」の在留申請だけが対象です。技能実習や、EPA介護福祉士候補者の「特定活動」には使えません。
② 試験の結果が出る前に在留期限を迎える場合は、いったん帰国が必要です(通算期間を超えて特定技能1号で在留することはできないため)。帰国後に要件を満たすことが分かった場合は、帰国日から1年以内の入国であれば対象になります。
③ 合格発表から在留期限までが短い人は、発表前から準備しておく必要があります。Q&Aでも「合格発表前に学習計画の策定をするなど、事前に書類の準備を」と示されています。
この措置は「もう1年だけ受験の機会を確保する」ためのものであり、使わずに済むのが理想です。4年目に1回目の受験を済ませておけば、5年目が実質2回目のチャンスになります。年次計画表を前倒しで回す価値は、ここにあります。
リウス
試験の現在地|合格率とパート合格の導入
直近の第38回(令和8年1月25日実施)の結果は、次のとおりです。数字は社会福祉振興・試験センターと厚生労働省の公表値です。
| 項目 | 第38回(令和8年1月25日実施・3月16日発表) |
|---|---|
| 受験者数 | 78,469人 |
| 合格者数 | 54,987人 |
| 合格率 | 70.1% |
| 合格基準点 | 64点 |
| EPA介護福祉士候補者 | 合格者380人(31.8%) |
| パート別合格者数 | Aパート3,935人/Bパート1,509人/Cパート6,181人(一部重複) |
第38回から導入されたのが「パート合格(合格パートの受験免除)」です。全パートの総得点で合格基準に届かなかった人でも、各パートの基準点以上を取り、そのパートを構成する科目群すべてで得点があれば、そのパートだけ合格となります。パート合格は翌年・翌々年まで有効で、再受験のときに全パートを受けるか、不合格のパートだけ受けるかを選べます。
試験の中身や外国人向けの配慮、学習の進め方は外国人介護福祉士になるには、入口の介護技能評価試験については介護技能評価試験とは?難易度・合格率・過去問対策で解説しています。
EPAルートとの違い|同じ「介護福祉士」でも入口が違う
介護福祉士を目指す外国人材には、特定技能とは別にEPA(経済連携協定)という枠組みがあります。ゴールは同じ在留資格「介護」ですが、入口も在留資格も違います。混同すると、使えない制度を前提に計画を立ててしまいます。
| 特定技能1号(介護) | EPA介護福祉士候補者 | |
|---|---|---|
| 在留資格 | 特定技能1号 | 特定活動 |
| 対象国 | 国を限定しない(インドネシアなど) | インドネシア・フィリピン・ベトナムの3か国 |
| 受け入れの窓口 | 人材紹介会社・登録支援機関などを通じて施設が直接雇用 | 国際厚生事業団(JICWELS)が唯一の受け入れ調整機関 |
| 滞在できる年数 | 通算5年(条件を満たせば最長1年の延長) | 上限4年(一定の条件を満たせば1年の滞在延長が可能) |
| 国家試験 | 実務経験3年+実務者研修を経て受験 | 候補者として就労・研修しながら受験(第37回から実技試験は廃止) |
| 合格後 | 在留資格「介護」へ変更 | 在留資格「介護」等へ変更 |
| 延長措置の対象 | 対象(前章の措置) | 対象外(前章の措置は特定技能1号の在留申請のみが対象) |
EPAは「最初から介護福祉士を目指す人を受け入れる枠組み」、特定技能は「まず現場の戦力として受け入れ、働きながら資格を目指してもらう枠組み」と整理すると分かりやすくなります。EPAの詳細はEPA介護福祉士候補者とは?受け入れの仕組み・特定技能との違いで解説しています。
なお、技能実習から特定技能へ移った職員の場合は、技能実習期間中の介護業務も実務経験として扱われるかどうかが受験時期を左右します。移行の実務は介護の技能実習から特定技能への移行手続き、2027年4月に始まる育成就労での扱いは育成就労 介護は使える?対象業務・人数枠・日本語要件で確認してください。
在留期間の更新と費用|2026年10月からの手数料改定
5年間のあいだ、職員は何度か在留期間の更新をします。ここで押さえておきたい実務が2つあります。
1つはタイミングです。在留期間が6か月以上ある人は、満了日の3か月前から更新申請ができます。標準処理期間は2週間から1か月です。施設としては、満了の4か月前には書類の準備に着手しておくと安全です。
もう1つは費用です。2026年10月1日の受付分から、在留期間の更新・変更の手数料が「許可される在留期間」によって変わります。従来の一律6,000円(オンライン5,500円)から、次のように改定されます。
| 許可される在留期間 | 窓口 | オンライン |
|---|---|---|
| 3月以下 | 10,000円 | 10,000円 |
| 6月超1年未満 | 25,000円 | 21,000円 |
| 1年 | 33,000円 | 27,000円 |
| 1年超3年未満 | 48,000円 | 42,000円 |
| 3年以上5年未満 | 64,000円 | 56,000円 |
| 5年以上 | 75,000円 | 65,000円 |
※オンライン申請には別途、決済手数料(330〜550円)がかかります。2026年9月30日までに受付された申請は、許可が10月以降になっても旧額です。
この改定は、在留資格「介護」への移行を「費用の面でも合理的な選択」にします。特定技能1号で1年ずつ更新を続けると更新のたびに手数料がかかりますが、在留資格「介護」は1回の許可で最長5年です。長期で見れば、手続きの回数も費用も減ります。改定の全体像は在留資格の更新・変更手数料が2026年10月1日から改定で解説しています。
よくある4つの誤解と、確認先
| よくある誤解 | 実際は |
|---|---|
| 「そのうち介護にも2号ができるはず。それまで待とう」 | 現時点で介護は2号の対象外で、その理由は「在留資格『介護』があるから」と国が説明しています。待つことに根拠はありません |
| 「合格すれば自動的に長く働ける」 | 合格 → 介護福祉士の登録 → 在留資格変更許可申請、の3段階が必要です。在留期限までに終わらせる必要があります |
| 「実務経験3年=在籍3年」 | 在職期間(従業期間)と、実際に介護に従事した日数(従事日数)の両方が基準を満たす必要があります |
| 「5年目に落ちても延長できるらしい」 | 条件付きです。全パート受験・1パート以上合格・合格基準点の8割以上に加え、施設が学習計画を作って厚生労働省へ期限内に郵送することが必要です |
いずれも、確認先は出入国在留管理庁・厚生労働省・社会福祉振興・試験センターの3つです。制度は改正されることがあるため、判断の前に必ず最新の公式ページを確認してください。この記事の末尾に、その一覧を置いています。
よくある質問
各項目をタップすると開きます。回答はすべて、出入国在留管理庁・厚生労働省・社会福祉振興・試験センターの公式情報に基づいています(2026年9月15日時点)。
Q. 介護分野に特定技能2号はありますか?
Q. 特定技能1号と2号の違いは、介護ではどこに出ますか?
Q. 特定技能「介護」で家族を呼べますか?
Q. 特定技能「介護」の在留期間は何年ですか?
Q. 5年目の国家試験に落ちたら、必ず帰国ですか?
Q. 5年目は、不合格のパートだけ受けてもいいですか?
Q. 介護福祉士の受験は、特定技能で働き始めて何年目からできますか?
Q. 在留資格「介護」になると、人数の枠はどうなりますか?
Q. 2027年4月からの育成就労になると、この流れは変わりますか?
まとめ|「2号を待つ」のではなく「4年目の受験に間に合わせる」
| 押さえること | 要点 |
|---|---|
| 2号の有無 | 介護に特定技能2号はない。2号があるのは11分野(2026年9月15日時点) |
| 長く働く道 | 介護福祉士に合格・登録し、在留資格「介護」へ変更する。更新の上限なし・家族帯同可 |
| 受験できる回数 | 実質2回(4年目・5年目)。4年目に受けるには3年目までに実務者研修が必要 |
| 実質の着手期限 | 2年目の終わりまでに実務者研修の受講先と費用負担を決める |
| 5年目の保険 | 全パート受験・1パート以上合格・8割以上なら最長1年の延長。施設の学習計画提出が必須 |
| 費用の見方 | 2026年10月1日受付分から手数料は在留期間別。長期の在留資格ほど手続き回数と費用が減る |
介護の外国人材の定着は、5年目に慌てて動いても間に合いません。入社1年目に「介護福祉士を取ればこうなる」と伝え、3年目までに実務者研修を終わらせる。この2つができている施設は、5年後に国家資格を持った職員が残ります。逆に、2号ができるのを待っているあいだに在留期限が来ると、採用と育成をもう一度やり直すことになります。
5年後に「国家資格を持った職員」を残すための計画を、一緒に作ります
在留カードの写しと入社日をいただければ、職員ごとに通算の残り・実務者研修の着手期限・受験できる年・在留資格変更の時期を一覧にします。延長措置の対象になりうる方がいる場合は、書類の準備手順もご案内します。インドネシア人材の採用をこれから検討される場合も、受け入れの全体像からご説明します。
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📌 公式情報源リスト(ブックマーク推奨)
| 内容 | リンク |
|---|---|
| 特定技能2号のジョブディスクリプション(掲載11分野・介護は無し) | 出入国在留管理庁 |
| 介護分野(2号の対象外である理由・業務区分・試験・協議会) | 出入国在留管理庁 |
| 在留資格一覧表(在留資格「介護」・特定技能・家族滞在の在留期間) | 出入国在留管理庁 |
| 通算在留期間(算入・不算入の考え方) | 出入国在留管理庁 |
| 在留期間更新許可申請(申請できる時期・標準処理期間) | 出入国在留管理庁 |
| 在留許可手数料の改定(2026年10月1日受付分から) | 出入国在留管理庁 |
| パート合格による介護分野の特定技能外国人の在留期間延長(通知・様式・Q&A) | 厚生労働省 |
| 第38回介護福祉士国家試験の合格発表(受験者数・合格率・EPA候補者) | 厚生労働省 |
| 受験資格(資格取得ルート図・実務経験+実務者研修・EPA) | 社会福祉振興・試験センター |
| 外国人介護人材の訪問系サービスへの従事(2025年4月解禁) | 厚生労働省 |
※本記事は2026年9月15日時点で上記の公式ページを確認して作成しています。特定技能の対象分野や在留資格の要件は改正されることがあります。申請や社内の意思決定の前に、必ず最新の公式情報をご確認ください。

この記事を書いた人
西澤 志門株式会社ジンザイネシア取締役。特定技能・育成就労の制度実務と、インドネシア人材の採用・教育・定着支援を専門とする。 登録支援機関として介護・外食・宿泊分野を中心に50社以上を支援。 一般社団法人Nocoders Japan協会理事として、AI・DXによる業務改革も推進。 本コラムでは、受入企業が「本当に知りたい」制度の実務と現場のリアルを発信します。

この記事を監修した人
吉田 卓司株式会社ジンザイネシア代表取締役。 2000年にオイシックス・ラ・大地(東証プライム市場・3182)を共同創業し、2007年に五反田電子商事(現GDX)を創業。2012年にシンガポールへ移住し、2015年にはインドネシアでBeautynesiaを創業のうえ現地財閥法人へ売却。 10年以上のインドネシア在住経験と、日本インドネシア国交55周年の大相撲巡業主催(2013年・1万人以上集客)など現地での実績を基盤に、2023年に株式会社ジンザイネシアを創業。 本コラムでは、特定技能・育成就労に関する制度実務とインドネシア人材の採用・教育・定着支援の知見を、登録支援機関の立場から監修します。
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