特定技能ドライバー完全ガイド|外国人トラック運転手の雇い方・免許・費用【自動車運送業】
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特定技能ドライバー完全ガイド|外国人トラック運転手の雇い方・免許・費用【自動車運送業】

結論|3行で理解する

外国人をドライバーとして雇うことは法律上できます。ただし本当の壁は在留資格ではなく日本の運転免許です。

自動車運送業は2024年3月29日の閣議決定で特定技能の対象に加わり、トラック・タクシー・バスの3区分で受け入れができます。一方、母国の免許を日本の免許に切り替える手続き(外免切替)は2025年10月1日から大きく厳しくなり、入国してから実際に配車に乗せるまで数か月の助走期間が要ります。その期間に使える在留資格も国が用意しています。この記事では、制度の中身・免許の壁・試験と日本語・会社側の要件・費用・逆算した日程までを、国土交通省と出入国在留管理庁の一次情報をもとに、運送会社の経営者目線でまとめます。

外国人ドライバーは雇える?制度の全体像と2024年問題という背景

結論から言うと、外国人を事業用自動車の運転者として雇うことはできます。自動車運送業は2024年3月29日の閣議決定で在留資格「特定技能1号」の対象分野に追加され、トラック・タクシー・バスの3区分で受け入れが認められました。その後2026年1月23日に分野別の運用方針が新しく閣議決定され、旧方針(2024年3月29日決定分)は廃止されています。現在の受け入れ条件は、この新しい方針が基準です。

まず、制度の骨格を一枚で押さえてください。

項目内容(2026年8月時点)
特定技能への追加2024年3月29日 閣議決定(分野別運用方針は2026年1月23日に改めて閣議決定・旧方針は廃止)
在留資格特定技能1号(通算5年)。特定技能2号での受け入れはできません
業務区分トラック運転者/タクシー運転者/バス運転者 の3区分
受け入れ見込数2万2,100人(2024年度〜2028年度の5年間)。※旧方針の最大2万4,500人から見直し
雇用形態直接雇用に限る(派遣は不可)
所管国土交通省 物流・自動車局
育成就労での受け入れ対象外(自動車運送業と航空は特定技能のみ・2026年1月23日閣議決定)

とくに見落とされがちなのが「受け入れ見込数が上限として運用される」点です。自動車運送業の枠は5年間で2万2,100人。外食業のように枠が埋まると新規の在留資格認定証明書の交付が一時停止される仕組み(在留資格認定証明書の交付停止措置)が制度に組み込まれています。実際に外食業では上限に近づいたため新規受け入れが止まった経緯があり、詳しくは受入上限と一時停止の実例で解説しています。「いずれ考える」ではなく、枠のあるうちに動くかどうかが分かれ目になります。

なぜいま国が外国人ドライバーを認めたのか=2024年問題

不足の規模そのもの(有効求人倍率2.49倍・平均年齢51.5歳など公表データ)と、外国人材以外の打ち手との比較は、トラックドライバー不足の実態と原因【2026年最新データ】で解説しています。本記事は「どう雇うか」に絞ります。

背景にあるのは、2024年4月から適用された運転者の時間外労働の上限規制です。自動車運転の業務は、原則で月45時間・年360時間、臨時的で特別な事情がある場合でも年960時間が上限になりました。あわせて「改善基準告示」も見直され、トラック運転者の年間拘束時間は3,516時間から3,300時間へ短縮されています(2022年12月改正・2024年4月適用)。守れない事業者は行政処分の対象です。

つまり、これまで「1人あたりの走行距離」で埋めてきた分を、今後は頭数で埋めるしかない構造になりました。国土交通省の試算では、対策を打たなければ輸送能力は2024年に約14%、2030年に約34%不足するおそれがあるとされています。分野別運用方針も、5年間で28万8,000人程度の人手不足を見込み、生産性向上で14万3,000人程度、国内人材の確保で12万3,000人程度を埋めてもなお足りない分として、外国人2万2,100人という数字を置いています。

3つの区分(トラック・タクシー・バス)と任せられる業務

自動車運送業分野の業務区分は3つで、区分ごとに必要な免許・試験・日本語の水準が違います。ここを混同したまま募集を始めると、あとで「その人はうちの車に乗れない」という事態になります。

区分従事する業務必要な運転免許日本語の水準
トラック運転者事業用トラックの運転と、運転に付随する業務(運行前後の点検、乗務記録の作成、荷崩れを起こさない積み付け 等)第一種運転免許A2.2相当以上(=日本語能力試験N4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト合格)
タクシー運転者事業用タクシーの運転と付随業務(運行前後の点検、乗務記録の作成、乗客対応 等)第二種運転免許+新任運転者研修の修了原則B1相当以上(=日本語能力試験N3以上)。一定の措置を講じればA2.2相当も可
バス運転者事業用バスの運転と付随業務(運行前後の点検、乗務記録の作成、乗客対応 等)第二種運転免許+新任運転者研修の修了原則B1相当以上(=日本語能力試験N3以上)。一定の措置を講じればA2.2相当も可

運送会社の実務でよく聞かれるのが「運転以外の作業をさせてよいか」です。分野別運用方針は、その業務に従事する日本人が通常行う関連業務には付随的に従事して差し支えないとしています。例として挙がっているのは車両の清掃、運行前後の準備・片付けなど、試験で専門性を確認していない作業です。逆に言えば、運転をほとんどさせず倉庫内作業ばかりを任せるといった運用は制度の趣旨から外れます。倉庫側の人手が欲しい場合は、2027年4月開始予定の特定技能「物流倉庫」という別の分野が用意されているので、そちらとの組み合わせで設計してください。

リウス

リウス(インドネシア出身・ジンザイネシア)

💡 かんたんに言うと、「第一種免許」は荷物を運ぶための免許、「第二種免許」はお客さまを乗せてお金をいただくための免許です。タクシーとバスは第二種が必要なので、外国人にとってはトラックよりもハードルが一段上がります。まずトラックから、という会社が多いのはこのためです。

外国人トラックドライバーに必要な運転免許|第一種免許と車両の大きさの関係

「第一種運転免許があればよい」と書かれていますが、第一種免許は1種類ではありません。自社の車両に乗せられるかは、免許の種類で決まります。ここが採用計画の出発点です。

免許の種類おおよその運転できる車両外免切替で取る場合の受験資格
普通免許軽貨物・小型バン等18歳以上
準中型免許2t〜3tクラスの小型トラック18歳以上
中型免許4tクラスの中型トラック20歳以上かつ準中型・普通・大型特殊のいずれかの免許を受けていた期間が通算2年以上(海外での運転経歴を含む)
大型免許10tクラスの大型トラック21歳以上かつ中型・準中型・普通・大型特殊のいずれかの免許を受けていた期間が通算3年以上(海外での運転経歴を含む)
第二種免許タクシー・バス(旅客運送)21歳以上かつ普通免許等の保有期間が通算3年以上。特別な教習(受験資格特例教習)を修了すれば19歳以上・通算1年以上でも受験可能

実務上のポイントは「海外での運転経歴が年数に算入される」ことです。母国で長くトラックに乗っていた人材であれば、来日直後から大型・中型の受験資格を満たす可能性があります。逆に、母国での免許取得が最近であれば、日本で年数を積むまで大型には手が届きません。採用の面接では、免許の取得年月日を必ず書類で確認してください(免許証に取得日の記載がない国もあり、その場合は運転免許経歴証明書などが必要になります)。

面接で経験・事故歴をどう確かめるかは、特定技能の面接|質問25例と評価5軸外国人材の履歴書・職務経歴書の見方が参考になります。フォークリフト作業も任せたい場合はフォークリフト作業×外国人材の採用ガイドもあわせてご覧ください。

⏱ 「うちの車に乗せられる人材か」を先に見極めます

母国の免許の種類・取得年月日・運転経歴から、日本でどの免許まで取れるかは事前に判断できます。採用してから「大型が取れない」と分かる事故を防ぐため、候補者選定の段階からご相談ください。登録支援機関(24登-011066)として手続き一式を支援します。

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最大の壁=外免切替と2025年10月の厳格化

この記事でいちばんお伝えしたいのがここです。特定技能の要件をすべて満たしていても、日本の運転免許がなければ1メートルも走れません。そして母国の免許を日本の免許に切り替える手続き(外免切替)は、2025年10月1日から明確に厳しくなりました。ここを甘く見積もった受け入れ計画は、ほぼ確実に遅れます。

2025年10月1日 前後の比較

項目改正前2025年10月1日以降
知識の確認10問程度(イラスト中心の2択)50問に大幅増。正答率90%以上が必要(=45問正解)
技能の確認基本的な走行の確認横断歩道での対応、右左折の合図と安全確認、踏切通過などの課題が追加。評価も厳格化
住所の確認旅券やホテルの所在地でも可の運用があった住民票の写しが原則必須。短期滞在(観光目的等)での申請は事実上できなくなった
滞在要件外国で免許を取得したあと、その国に通算3か月以上滞在していたことが必要(改正前後で共通)

もうひとつ、採用の国選びに直結する重要な点があります。知識確認・技能確認が免除される国・地域(おおむね29か国・地域)に、インドネシア・ベトナム・フィリピン・ミャンマーは含まれていません。つまり、日本の運送業が主に採用しているアジアの国からの人材は、原則としてこの厳しくなった確認を受けて合格する必要があります。「母国で10年トラックに乗っていたから大丈夫」は通用しません。日本の交通ルール(歩行者優先、踏切での一時停止と窓を開けての確認、標識の意味)を学び直す前提で計画してください。

リウス

リウス

⚠️ 私の国では、踏切で毎回止まる習慣はありません。日本の技能確認では、踏切で必ず一時停止して、窓を開けて音を確かめる動作まで見られます。「運転が上手いこと」と「日本の確認手順どおりに動くこと」は別物です。ここを最初に説明しておかないと、本人が何度も落ちて自信をなくしてしまいます。

外免切替に必要な主な書類

都道府県によって追加書類が求められることがありますが、共通して必要になるのは次のとおりです。会社側が用意を手伝える部分も多いので、早めにチェックしてください。

書類注意点
住民票の写し本籍(外国籍の場合は国籍等)が記載されたもの。コピー不可。入国後の住民登録が前提になります
有効な外国の運転免許証取得日(初回)が記載されていない場合は、運転免許経歴証明書などで取得日を証明する必要があります
免許証の日本語翻訳文作成者が限定されています(発給した国の行政庁・領事機関、日本自動車連盟〔JAF〕、ジップラス株式会社 等)。自社や本人による翻訳は不可
滞在期間を証明する書類免許取得後にその国に通算3か月以上いたことを示す旅券等。記録が足りない場合は出入国記録証明書などが必要
身分証明書・申請用写真・手数料在留カード等。写真は縦3cm×横2.4cm、申請前6か月以内の撮影
⚠️ 古い旅券は絶対に捨てさせないでください。滞在期間が1年を超えていることが確認できると初心運転者標識(初心者マーク)の表示義務が免除されるなどの取り扱いがあります。採用が決まった時点で「昔のパスポート・古い免許証も持ってきてください」と伝えるだけで、後の手続きが大きく楽になります。
📌 公式情報源:警察庁「外国の運転免許をお持ちの方」(受験資格・必要書類・翻訳文の作成者)。手続きの細部は都道府県ごとに異なるため、必ず管轄の運転免許センターにご確認ください(2026年8月時点)

自動車運送業分野の評価試験と日本語の水準|合格の目安と受験の段取り

本人側にはもう2つ、合格が必要なものがあります。分野の技能を測る「自動車運送業分野特定技能1号評価試験」と、日本語の試験です。

技能評価試験のしくみ

項目内容
実施主体一般財団法人 日本海事協会
実施方式コンピュータを使う方式(CBT)と、会場で行う筆記方式の2通り。国内と海外で実施
受験資格試験日に満17歳以上で、かつ日本または外国で取得した有効な運転免許を保有していること(=母国の免許があれば来日前に受験できます)
出題範囲トラック=運行業務/荷役業務/安全衛生  タクシー・バス=運行業務/接遇業務/安全衛生
問題数・時間学科30問(○×式)+実技20問(図やイラストで判断させる三肢択一)=合計80分(全区分共通)
合格基準学科・実技それぞれ正答率60%以上
難易度の設計実務経験2年程度の人が、事前準備なしで受けて7割程度が合格する水準と定められています
合格証明書有効期限は受験日から10年。雇用契約が決まった後、受け入れ企業が発行申請を行います
受験料の目安国内5,000円/海外37米ドル、合格証明書の発行手数料14,000円(いずれも税抜・2026年8月時点の公表値。最新は試験ポータルで必ずご確認ください)

試験は日本語で行われます(必要に応じてふりがなが付きます)。ただし、タクシー・バスの試験のうち第二種運転免許の学科試験に準拠した内容については、試験を実施する国の現地語が併記されます。制度全体の立ち上がりを示す数字として、この試験は2025年12月末時点で受験者5,550人・合格者4,022人(速報値)に達しており、国内と海外14か国で実施されています。

日本語の水準は区分で違う

日本語は、区分によって求められる水準がはっきり分かれます。

区分求められる水準確認できる試験・特例
トラック日本語教育の参照枠 A2.2相当以上国際交流基金日本語基礎テスト、または日本語能力試験N4以上。※技能実習2号を良好に修了した人は、職種・作業の種類にかかわらず日本語試験が免除されます
タクシー原則 B1相当以上(=N3以上)日本語能力試験N3以上。A2.2相当で運転させる場合は、①B1相当以上に向けた日本語学習の計画を会社が作る ②乗客対応の指導を受けた自社の社員を意思疎通の補助として同乗させる——の両方が必要
バス原則 B1相当以上(=N3以上)同上。離島・半島振興対策実施地域では、自治体との取り組みを記した文書の受領や、緊急時に連絡できる通信環境の整備を条件に、同乗に代えられる扱いがあります

ここは制度が動いた部分です。2026年1月23日の新しい方針で、日本語の水準が「日本語教育の参照枠」の表記に整理され、タクシー・バスについて会社が措置を講じることを条件にA2.2相当まで引き下げられる道が明文化されました。旅客部門で採用の間口を広げたい会社にとっては、実質的な緩和です。ただし「同乗者を用意する」「学習計画を作る」というコストは会社側が負います。日本語レベルごとに任せられる仕事の違いは、介護分野の例ですがN4・N3・N2で任せられる業務の違いが具体的で参考になります。

免許を取るあいだに使える在留資格「特定活動(特定自動車運送業準備)」

ここまで読んで「免許がないと特定技能1号になれない、でも免許は日本に来ないと取れない」という矛盾に気づいた方は鋭いです。国はこの問題に対して、免許を取るための在留資格を用意しています。特定活動告示55号「特定自動車運送業準備」です。

項目内容
対象運転免許の取得と新任運転者研修の修了以外の要件(技能評価試験・日本語試験など)を満たした人
できる活動運転免許取得の手続き(自動車教習所への通学を含む)、新任運転者研修の受講(タクシー・バスのみ)、受け入れ企業での車両の清掃といった関連作業
在留期間トラック=6か月/タクシー・バス=1年。更新はできません
雇用契約受け入れ機関との雇用契約のもとで在留します(=会社が雇い、給与を払いながら免許を取らせる形)
通算期間この在留期間は特定技能1号の通算5年に含まれません(=5年をまるまる乗務に使えます)
その後期間中に免許取得(+旅客は研修修了)ができたら、速やかに特定技能1号への在留資格変更許可申請を行います

経営判断として重要なのは、この期間は「乗せられないのに給料が発生する期間」だという点です。トラックなら最長6か月。この助走をどう短くするかが、投資回収のスピードを決めます。短縮の鍵は、①来日前に技能評価試験と日本語試験を終わらせておく ②母国の免許の種類・取得年月日を事前に確認して外免切替の見通しを立てる ③入国後すぐ住民登録して住民票を取れる段取りを組む——の3点です。逆に、この6か月を使い切っても免許が取れなければ更新できず、計画は振り出しに戻ります。

受け入れ企業側の要件|事業許可・認証・新任運転者研修・協議会

本人の要件が整っても、会社側が条件を満たしていなければ受け入れはできません。自動車運送業は他の分野より会社側の上乗せ条件が多い分野です。ひとつずつ確認してください。

要件内容
① 事業の許可道路運送法に規定する自動車運送事業(第二種貨物利用運送事業を含む)を経営していること
② 事業所の業種就労する事業所が、日本標準産業分類の中分類43 道路旅客運送業または中分類44 道路貨物運送業を行っていること
③ 認証・認定日本海事協会が実施する運転者職場環境良好度認証制度(通称:働きやすい職場認証制度)の認証を受けていること。トラック運送業の場合は、全国貨物自動車運送適正化事業実施機関が認定する安全性優良事業所(Gマーク)でも可
④ 協議会への加入国土交通省が設置する自動車運送業分野特定技能協議会の構成員になり、協議会に必要な協力を行うこと
⑤ 調査への協力国土交通省またはその委託を受けた者が行う調査・指導に協力すること
⑥ 新任運転者研修タクシー・バスの会社は、受け入れ予定の外国人に新任運転者研修を実施すること(業界団体が定めた効果測定の基準に達する必要があります)
⑦ 支援の委託先登録支援機関に支援計画の実施を委託する場合、その登録支援機関も協議会の構成員であり、国土交通省・協議会に協力する機関であること
⑧ 雇用形態直接雇用に限る(派遣は不可)

③の認証は「取ってから採る」もの=いちばん時間がかかります

見落とされがちですが、実務上の着手点はここです。働きやすい職場認証制度の「一つ星」は、トラック・バスで25項目、タクシーで27項目の認証項目が設定され、そのすべてを満たす必要があります。登録証書の有効期間は2年。申請料は電子申請3万円・紙の申請5万円で、営業所1か所につき3千円が加算されます(2026年度の案内による。年度ごとに改定されるため最新の申請案内書をご確認ください)。認証は申請してすぐ出るものではないため、採用活動より先に着手するのが定石です。トラック運送業でGマーク(安全性優良事業所)をすでに持っている会社は、この要件を満たしているのでここは省けます。

④協議会は「在留申請の前に」入っておく

自動車運送業分野特定技能協議会は2025年1月17日に加入受付を開始しています。受け入れ事業者と登録支援機関では提出する様式が異なり、届出内容の確認には1か月程度かかる見込みとされています。確認・受理が済むと「構成員資格証明書」が交付され、これが在留資格の申請に必要になります。運営事務局はPwCコンサルティング合同会社に委託されています。介護分野で「協議会加入が在留申請の前提になっている」実例は介護分野 特定技能協議会の加入と入会証明書の取り方で詳しく書いています。1か月かかるものを最後に回さない——これが手続きを止めないコツです。

リウス

リウス

💬 認証の取得、協議会の加入、免許の段取り——順番を間違えると、人は決まっているのに乗せられない期間だけが伸びます。どこから手をつけるべきかは会社ごとに違うので、迷ったら30分の無料相談で現状をお聞かせください。私も外国人として日本で働く一人として、本人がつまずく場所もお伝えできます。

費用と、配車に乗せられるまでの日程の目安

ここでは「いくらかかって、いつ走れるようになるか」を数字で示します。まず日程から見てください。運送業は免許という他分野にない工程が挟まるため、全体の期間は他業種より長くなります。

受け入れの逆算スケジュール(4つの段階)

第1段階

▲6〜▲4か月

社内の受け入れ体制をつくる

第2段階

▲4〜▲1か月

採用・契約・在留資格の申請

第3段階

入国〜+6か月

免許取得(ここが最大の山)

第4段階

+1〜2か月

資格変更・社内教育・単独乗務へ

← 単独で配車に乗せたい日から、おおむね10〜14か月を逆算 →

時期やることねらい・落とし穴
▲6〜▲4か月①働きやすい職場認証(またはGマーク)の状況を確認し、未取得なら申請 ②協議会の加入準備 ③支援を自社でやるか登録支援機関に委託するか決める ④受け入れ後の宿舎・通勤手段を確保認証は取得までに時間がかかる。ここを飛ばすと後工程が全部止まる
▲4〜▲1か月①候補者の選考・面接(免許の種類と取得年月日、運転経歴、事故歴を確認)②技能評価試験・日本語試験の合格を確認 ③雇用契約 ④協議会への加入届出 ⑤「特定活動(特定自動車運送業準備)」の在留資格認定証明書を申請協議会の確認に約1か月。免許が取れる見込みかの判定を面接段階で必ず行う
入国〜+6か月
(旅客は+1年)
①入国・住民登録(住民票が外免切替に必須)②外免切替の申請・知識確認・技能確認、または教習所へ通学 ③タクシー・バスは新任運転者研修 ④生活の立ち上げ支援・日本語学習知識確認は50問・正答率90%以上。1回で受かる前提で組まない。再受験の日程まで見込む
+1〜2か月①特定技能1号への在留資格変更許可申請 ②初任運転者に対する社内教育・添乗研修 ③配車ルートに慣れる期間を経て単独乗務へ変更許可が下りるまでは乗務させられない。審査期間を織り込む
⚠️ 逆算のコツ:「乗せたい月」から10〜14か月を引いた月が着手期限です。来春の増車に合わせたいなら、今が動き出す時期。認証取得と協議会加入は人材が決まる前から進められるので、先に片づけておくと全体が2〜3か月縮みます。

費用の内訳(1人あたり・目安)

費用項目タイミング目安の金額補足
人材紹介手数料初期20〜60万円業界相場。海外からの採用か国内在住者かで変動
技能評価試験の受験料初期国内5,000円/海外37米ドル別途、合格証明書の発行手数料14,000円(受け入れ企業が申請)
外免切替の手数料初期おおむね1〜2万円申請・確認の手数料と車両使用料等。都道府県で異なる。不合格なら都度追加
教習所で新規取得する場合初期20〜35万円(普通免許の目安)準中型・中型・大型・第二種は保有免許により異なる。外免切替が使えない場合の代替ルート
在留資格の申請(官費)初期認定証明書=無料/変更・更新=6,000円(オンライン5,500円)2025年4月1日改定済。。2026年10月1日受付分からは許可される在留期間で変わり、1年許可で窓口33,000円・5年以上で75,000円(確定)されており要注意
書類作成の委託(任意)初期8〜20万円在留申請の書類作成は行政書士の業務。登録支援機関は有償で作成できません(後述)
渡航費初期5〜15万円海外から呼び寄せる場合
住居の初期費用初期30〜35万円敷金・礼金・家具家電。社宅があれば圧縮できます
働きやすい職場認証の申請料初期(会社単位)電子3万円/紙5万円+営業所1か所3千円一つ星・有効期間2年。Gマーク保有のトラック事業者は不要
支援委託費月額1.5〜3万円/人業界平均は約28,386円(出入国在留管理庁の支援委託費調査)。当社は2.5万円
給与月額日本人と同等以上法令上の要件。免許取得中の準備期間も雇用契約に基づき支払います
⚠️ 在留資格の手数料は2026年10月1日受付分から改定されます(確定)。変更・更新の手数料は許可される在留期間で変わり、窓口で1年許可33,000円・5年以上75,000円(オンラインは27,000円・65,000円+決済手数料)、永住許可は200,000円。2026年9月30日までに受付した申請は改定前の額(窓口6,000円・オンライン5,500円)です。出典:出入国在留管理庁(2026年9月時点)
📊 業界相場ソース:出入国在留管理庁(支援委託費の調査)/出入国在留管理庁「手数料の改定」働きやすい職場認証制度(申請料)/人材紹介・教習費用は業界各社の公開料金の中央値レンジ(2026年8月時点)

コストとして見ると重く感じますが、特定技能1号は通算5年働けます。初期費用を60か月で割ると、月あたりの負担は小さくなります。それより効くのは「免許が取れなかった」ときの損失です。準備期間の給与と初期費用がまるごと回収できなくなるため、候補者を決める前に免許取得の見込みを立てることが最大のコスト対策になります。費用の考え方全般は特定技能の費用はいくら?初期費用・運用コスト、使える支援制度は外国人の雇用・採用に使える助成金・補助金もご覧ください。

育成就労では自動車運送業は対象外|今後の見通し

「2027年4月から始まる育成就労なら、未経験の外国人を運転者として育てられるのでは」というご相談をよくいただきます。結論は、できません。

2026年1月23日に閣議決定された分野別運用方針では、特定産業分野(特定技能の対象)が19分野、育成就労産業分野が17分野と整理され、自動車運送業分野と航空分野は特定産業分野のみとされました。つまり、この2分野は特定技能でしか受け入れられません。運転免許の取得や道路交通法の理解が前提になる仕事の性質上、3年で未経験から育てる育成就労の枠組みにはなじまないという整理です。

制度自動車運送業での可否補足
特定技能1号○ 受け入れ可通算5年。試験合格者を直接雇用で受け入れる
特定技能2号✕ 不可運用要領で「自動車運送業分野では特定技能2号での受入れを行うことはできません」と明記
育成就労(2027年4月施行)✕ 対象外育成就労産業分野17分野に含まれない(航空も同様)
技術・人文知識・国際業務✕ 運転業務は不可運転そのものは専門職の業務にあたらないため。配車管理・貿易事務などの職種であれば別途検討可

この「特定技能1号だけ・通算5年・2号なし」という設計は、5年後をどうするかを最初に考えておく必要があることを意味します。永住や定住の在留資格を持つ人材の中途採用、日本人の若手採用と組み合わせるなど、運転者の年齢構成を長い目で設計してください。制度の全体像は特定技能制度とは?受け入れ企業の完全ガイド、育成就労との違いは育成就労 vs 技能実習 vs 特定技能の完全比較、対象分野の一覧は特定技能の分野一覧【全19分野】育成就労の対象分野 一覧で確認できます。技術・人文知識・国際業務との線引きは特定技能と技人国の違い完全ガイドが詳しいです。

失敗しやすい5つの落とし穴

✕ 外免切替を「手続きだけ」と考える:2025年10月以降、知識確認は50問・正答率90%以上。母国での運転歴が長い人ほど「日本式の確認手順」でつまずきます。免許センターの予約が取りにくい地域もあり、1回で受かる前提の日程は必ず崩れます。再受験2回分の日数と費用を最初から見込んでください。

✕ 認証・協議会を後回しにする:働きやすい職場認証(またはGマーク)は受け入れの前提条件、協議会加入の確認には約1か月。人が決まってから慌てても間に合いません。人材が決まる前に動ける工程なので先に済ませます。

✕ 派遣で入れようとする:自動車運送業分野は直接雇用に限られます。「まず派遣で試したい」はできません。分野ごとの可否は特定技能は派遣できる?全分野○×早見表をご覧ください。

✕ 在留申請の書類作成を登録支援機関に任せきりにする:2025年6月成立・2026年1月1日施行の改正行政書士法により、登録支援機関は書類の提出(取次)はできても、在留申請の書類作成を有償で行うことはできません(支援委託費に含める形も不可)。書類作成は行政書士へ。違反には罰則があります。業者選定の観点は登録支援機関とは?選び方・費用契約前に確認すべき10項目で解説しています。

✕ 支援体制の人数を確認せずに委託先を決める:2027年4月施行で登録支援機関の体制要件が厳しくなり、支援担当者1人あたり支援対象者50人未満・所属機関10機関未満、常勤職員であること、支援責任者が養成講習を受講することが求められます。委託先に「担当者1人あたり何名・何社を担当していますか」と必ず聞いてください。自社のドライバーが安定した支援を受けられるかは、定着率に直結します。

もうひとつ、運送業ならではの視点として安全教育と労災があります。運転そのものだけでなく、荷役作業(フォークリフト、手積み手降ろし、荷崩れ)でのけがが起きやすい業種です。母国語ややさしい日本語を使った安全教育の進め方は物流の外国人材 安全教育・労災対策ガイドが具体的です。人手不足の構造そのものを整理したい場合は物流2024年問題と外国人材もあわせてどうぞ。

採用の入口では、インドネシア人材が運送業と相性がよい理由(若い労働人口、勤勉さ、家族を大切にする価値観と長期就労志向)も検討材料になります。国別の傾向はインドネシア人を採用するメリット・デメリット、送り出しの仕組みはインドネシア人材は誰が・どうやって連れてくる?で解説しています。受け入れ後に他社へ移られないための考え方は特定技能の転職 完全ガイドが参考になります。

よくある質問

外国人ドライバーの受け入れについて、運送会社から多い質問をまとめました。各項目をタップ/クリックで回答が開きます(回答は2026年8月時点の一次情報に基づきます。最新は公式情報でご確認ください)。

Q. 外国人をトラックドライバーとして雇うのは法律上問題ありませんか?
問題ありません。自動車運送業は2024年3月29日の閣議決定で在留資格「特定技能1号」の対象分野に追加されました。トラック運転者として働くには、自動車運送業分野特定技能1号評価試験(トラック)の合格、日本の第一種運転免許の保有、日本語の水準(国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験N4以上)の3つが必要です。会社側にも事業許可・認証・協議会加入などの条件があります。
Q. 入国してから実際に配車に乗せるまで、どのくらいかかりますか?
免許の取得状況によりますが、入国後おおむね3〜6か月が目安です。国は免許取得のための在留資格「特定活動(特定自動車運送業準備)」を用意しており、在留期間の上限はトラックで6か月、タクシー・バスで1年です(更新不可)。免許取得後に特定技能1号への在留資格変更許可を受け、社内の初任運転者教育・添乗研修を経て単独乗務になります。採用の準備期間を含めると、着手から単独乗務までおおむね10〜14か月を見込んでください。
Q. 免許を取っている間の給料は会社が払うのですか?
はい。「特定活動(特定自動車運送業準備)」は受け入れ機関との雇用契約のもとで在留する仕組みのため、この期間も雇用契約に基づいて給与が発生します。この間にできるのは、運転免許取得の手続き(自動車教習所への通学を含む)、タクシー・バスの新任運転者研修の受講、車両の清掃といった関連作業です。なお、この在留期間は特定技能1号の通算5年には算入されないため、免許取得後に5年をまるまる乗務に使えます。
Q. 母国の免許があれば、日本でもすぐ運転できますか?
できません。母国の免許を日本の免許に切り替える手続き(外免切替)が必要で、2025年10月1日から厳しくなりました。知識の確認は10問程度から50問へ増え、正答率90%以上が必要です。技能の確認にも横断歩道での対応や踏切通過などの課題が追加され、住民票の写しの提出も原則必須になりました。知識確認・技能確認が免除される国・地域におおむね29か国が指定されていますが、インドネシア・ベトナム・フィリピン・ミャンマーは含まれていません。
Q. 育成就労が始まれば、未経験の外国人を運転者として育てられますか?
できません。2026年1月23日の閣議決定で、特定産業分野が19分野、育成就労産業分野が17分野と整理され、自動車運送業分野と航空分野は特定産業分野のみとされました。運転免許の取得や道路交通法の理解が前提となる業務の性質から、育成就労の枠組みには含まれていません。自動車運送業で外国人を受け入れる道は、当面は特定技能1号のみです。
Q. 会社としてまず何から準備すればよいですか?
運転者職場環境良好度認証制度(働きやすい職場認証制度)の認証取得です。トラック運送業ですでにGマーク(安全性優良事業所)をお持ちであれば、その要件は満たしています。認証は「一つ星」でトラック・バス25項目、タクシー27項目のすべてを満たす必要があり、時間がかかるため人材が決まる前に着手してください。次に自動車運送業分野特定技能協議会への加入(2025年1月17日受付開始・確認に約1か月)、支援体制の決定(自社支援か登録支援機関への委託か)と続きます。
Q. 派遣や請負で外国人ドライバーを使うことはできますか?
できません。自動車運送業分野の特定技能外国人の雇用形態は直接雇用に限られています(分野別運用方針)。派遣が例外的に認められているのは農業・漁業などの一部分野のみです。「まず派遣で試してから直接雇用に切り替える」という進め方は取れないため、最初から直接雇用を前提に計画してください。
Q. 何人まで受け入れられますか?枠はありますか?
自社の受け入れ人数に一律の上限はありませんが、分野全体の受け入れ見込数として2024年度から2028年度までの5年間で2万2,100人が設定されています(2026年1月23日閣議決定。旧方針の最大2万4,500人から見直し)。この見込数を超えることが見込まれる場合、国土交通大臣は法務大臣に在留資格認定証明書の交付の一時停止を求めることになっており、実際に外食業では受け入れが一時停止された例があります。枠のあるうちに動くことが結果的に有利です。
Q. 5年経ったらどうなりますか?そのまま働き続けられますか?
自動車運送業分野では特定技能2号での受け入れができないため、特定技能1号の通算5年が上限です。5年後も同じ人に働いてもらう場合は、本人の状況に応じた他の在留資格の可能性を個別に検討することになります。制度上の見通しが立てにくい部分なので、5年を一区切りとして採用計画を組み、日本人の若手採用や定住・永住資格を持つ人材の採用と組み合わせて、運転者の年齢構成を設計するのが現実的です。

「免許が取れるか」を先に見極めれば、ドライバー採用は失敗しません

自動車運送業の受け入れは、認証取得・協議会加入・外免切替・在留資格の変更と、工程が長く分かれています。当社は登録支援機関(24登-011066)として、候補者の免許の見込み判定から入国後の生活支援まで一貫してお手伝いします。まずは自社の要件が揃っているかの確認からどうぞ。

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この記事が「どう雇うか」なら、こちらは「なぜ足りないのか・どう埋めるか」。公表データで自社の位置を確かめ、年齢構成から5年後の運転者数を出す手順まで解説しています。

📌 公式情報源(ブックマーク推奨)

情報源内容
国土交通省「自動車運送業分野における特定技能外国人の受入れ」分野の要件・協議会の加入様式・規約
分野別運用方針(2026年1月23日閣議決定・PDF)受け入れ見込数・業務区分・会社側の条件
運用要領 別冊「自動車運送業分野の基準について」(PDF)確認書類・免許の受験資格・特定技能2号の可否
特定技能1号評価試験 実施要領(PDF)出題範囲・問題数・合格基準・受験資格
出入国在留管理庁「自動車運送業分野」在留資格の要件・提出書類
出入国在留管理庁「特定活動(特定自動車運送業準備)」免許取得期間の在留資格・在留期間
警察庁「外国の運転免許をお持ちの方」外免切替の受験資格・必要書類
働きやすい職場認証制度(運転者職場環境良好度認証制度)認証項目・申請料・有効期間
日本海事協会 特定技能1号評価試験ポータル試験日程・受験申込・受験料
厚生労働省「トラック運転者の改善基準告示」拘束時間・休息期間の基準(2024年4月適用)
出入国在留管理庁「手数料の改定」在留資格の申請手数料と今後の改定
全日本トラック協会「外国人特定技能」受け入れ手引き・Q&A・多言語教材

本記事は2026年8月時点の閣議決定・公表情報にもとづきます。運転免許の手続きは都道府県により運用が異なり、試験・要件・手数料も改定されるため、最新は公式情報および管轄の運転免許センターでご確認ください。

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西澤 志門

この記事を書いた人

西澤 志門

株式会社ジンザイネシア取締役。特定技能・育成就労の制度実務と、インドネシア人材の採用・教育・定着支援を専門とする。 登録支援機関として介護・外食・宿泊分野を中心に50社以上を支援。 一般社団法人Nocoders Japan協会理事として、AI・DXによる業務改革も推進。 本コラムでは、受入企業が「本当に知りたい」制度の実務と現場のリアルを発信します。


吉田 卓司

この記事を監修した人

吉田 卓司

株式会社ジンザイネシア代表取締役。 2000年にオイシックス・ラ・大地(東証プライム市場・3182)を共同創業し、2007年に五反田電子商事(現GDX)を創業。2012年にシンガポールへ移住し、2015年にはインドネシアでBeautynesiaを創業のうえ現地財閥法人へ売却。 10年以上のインドネシア在住経験と、日本インドネシア国交55周年の大相撲巡業主催(2013年・1万人以上集客)など現地での実績を基盤に、2023年に株式会社ジンザイネシアを創業。 本コラムでは、特定技能・育成就労に関する制度実務とインドネシア人材の採用・教育・定着支援の知見を、登録支援機関の立場から監修します。

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