
フォークリフト作業×外国人材の採用ガイド|資格要件・安全教育・面接質問
結論|3行で理解する
外国人材にフォークリフト作業を任せるには、日本の技能講習の修了が必須。母国の資格は使えません。
在留資格は、2027年4月開始の特定技能「物流倉庫」・育成就労、または永住・定住などの身分系で受け入れます(技術職向けの技人国では倉庫の現場作業は不可)。本記事では、任せられる在留資格・必要な資格(技能講習と特別教育の違い)・取得の費用と期間・外国人が受講するときの注意・安全教育・面接で確認すべきこと・受け入れの流れまで、出入国在留管理庁・厚生労働省・国土交通省の一次情報をもとに実務目線で解説します。
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外国人フォークリフト人材を採るメリット
物流の現場ではフォークリフト経験者が慢性的に不足しています。外国人材の活用には次のメリットがあります。
ポイントは、フォークリフトという「資格が必要な技能」を会社の支援で取得させ、できる仕事と処遇を広げていくこと。これが本人の定着と現場の生産性を同時に高めます。
フォークリフトを任せられる在留資格
フォークリフト作業そのものは「現場の作業」です。どの在留資格の外国人に任せられるかを、まず押さえましょう。
| 在留資格 | 倉庫でのフォークリフト作業 |
|---|---|
| 特定技能「物流倉庫」 | 可(2027年4月開始予定。対象業務に機械操作を含む) |
| 育成就労(物流倉庫) | 可(未経験から育成。2027年4月開始予定) |
| 身分系(永住・定住・日本人/永住者の配偶者 等) | 可(就労制限がなく、現場作業に従事できる) |
| 技人国(技術・人文知識・国際業務) | 不可(専門職向け。倉庫の現場作業は対象外) |
| 留学・家族滞在(資格外活動) | 許可の範囲でアルバイトとして可(週28時間以内 等の制限あり) |
つまり、フォークリフトを本格的に担う人材を採るなら、特定技能「物流倉庫」または育成就労が中心になります(身分系の人材を採れる場合は就労制限がなく柔軟です)。物流倉庫分野の全体像は物流倉庫の外国人材 採用完全ガイド、特定技能・育成就労の違いは育成就労と特定技能の違いをご覧ください。
資格は「日本の技能講習」修了が必須
在留資格とは別に、フォークリフトの運転には労働安全衛生法にもとづく日本の資格が必要です。ここが外国人材ならではの最重要ポイントです。
✕ 母国のフォークリフト資格は使えない:日本で改めて技能講習(または特別教育)を修了する必要があります
講習・教材は日本語:学科・実技とも日本語で行われます(一部の教習機関では母国語対応や、修了試験を母国語で受けられる配慮あり)
無資格運転は重大な法令違反:労災・行政処分のリスクがあり、絶対に避けます
外国人材を採用したら、業務でフォークリフトに乗せる前に必ず日本の講習を修了させる――この順番を守ることが、安全と法令順守の大前提です。
技能講習と特別教育の違い(1t以上/未満)
フォークリフトの資格は、運転する車両の最大荷重で2種類に分かれます。
| 区分 | フォークリフト運転技能講習 | 特別教育 |
|---|---|---|
| 運転できる範囲 | 最大荷重1t以上(実務でほぼ必須) | 最大荷重1t未満のみ |
| 内容 | 学科+実技。修了試験あり | 学科6時間+実技6時間。修了試験なし |
| 目安 | 大半の倉庫業務はこちら | 小型機・限定用途 |
倉庫で扱うフォークリフトは1t以上が一般的なので、実務では「フォークリフト運転技能講習」の修了を前提に考えるのが安全です。電動パレットトラック(最大荷重1t未満)など限定用途なら特別教育で足りる場合があり、業務設計の選択肢になります。
リーチ式・カウンター式の違い
倉庫で使うフォークリフトは主に2種類。どちらを任せるかで、求める経験や教育内容が変わります。
| 種類 | 特徴・使う場面 |
|---|---|
| リーチ式 | 立って運転。狭い通路・倉庫内のラック作業で多用。小回りが利く |
| カウンター式 | 座って運転。重い荷物・屋外や広い場所での荷役に強い |
技能講習はどちらも運転できる資格ですが、実際の操作感は異なります。面接や受け入れ後のOJTで、自社で使う機種の経験があるかを確認し、不足は実地教育で補いましょう。
技能講習の費用・期間・内容
フォークリフト運転技能講習の費用・期間は、本人がすでに持っている資格(普通自動車免許・特別教育の修了 等)によって変わります。保有資格があると学科・実技の一部が免除され、日数・費用が下がります。
| 保有資格 | 日数の目安 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 資格なし | 約5日(35時間) | 約4.5〜5万円 |
| 普通自動車免許あり | 約4日(31時間) | 約4〜4.5万円 |
| 特別教育修了+一定の実務経験 | 最短2〜3日(11時間〜) | 費用は下がる傾向 |
内容は学科(荷役・運転に関する知識、力学、法令 等)と実技(走行・荷役操作)で、最後に修了試験があります。外国人材は、日本人より学科に時間がかかることもあるため、講習前に専門用語の予習をしておくと合格率が上がります。
外国人が受講するときの注意(日本語)
技能講習は日本語で行われるため、外国人材にとっては日本語の壁が最初のハードルです。次の工夫で、確実な取得と安全を両立できます。
危険をともなう作業のため、「とりあえず受講させる」のではなく、本人が内容を理解して修了することを重視しましょう。会社としては、受講日の勤務調整・受講料の負担・教習所への送迎や予約サポートを行うとスムーズです。受講中も給与が発生する扱いにするか、事前に労務面の取り扱いを決めておくと、本人も安心して講習に集中できます。
安全教育(労災リスクを下げる)
フォークリフトは倉庫の労働災害で件数の多い作業の一つです。資格取得後も、現場での安全教育を継続することが欠かせません。
- やさしい日本語・母国語併用の手順書:操作手順・速度制限・歩行者通路を図解で明示
- 危険予知(KY)の習慣化:死角・人との接触・荷崩れなど、現場の危険を毎日共有
- 場内ルールの徹底:制限速度・一時停止・指差呼称・ヘルメット/シートベルト
- 定期的な再教育:ヒヤリハットを振り返り、再発防止につなげる
外国人材の場合、危険を知らせる掲示や合図が日本語だけだと伝わりきらないことがあります。ピクトグラム(絵記号)・色分け・母国語の補助表示を併用し、「止まれ」「歩行者注意」「最大荷重」などの重要表示は一目で分かるようにしておくと、事故の予防効果が高まります。朝礼でのKY活動も、やさしい日本語と実演を交えると理解が深まります。
安全はコストではなく、人材の定着と生産性を支える投資です。受け入れ体制づくりの全体像は特定技能「物流倉庫」の受入手続きもご覧ください。
育成就労で資格を取らせて戦力化
未経験者を採用してフォークリフト人材に育てたい場合は、育成就労が有力です。入社後にピッキング・検品・梱包などから始め、日本語と現場に慣れてから技能講習を受講・修了し、フォークリフト作業へ広げる――という段階的な育成ができます。
3年の育成を経て特定技能へ移行すれば、通算で長く活躍してもらえます。育成就労の要件は育成就労の受け入れ要件、育成就労×物流倉庫の全体像は育成就労×物流倉庫の受入ガイドをご覧ください。資格取得の費用を会社が負担し、できる作業と処遇を段階的に広げることが、本人のやる気と定着につながります。
とくにインドネシアの人材は若く学習意欲が高く、丁寧な指導と母国語サポートのもとで、フォークリフトのような技能を着実に習得していく傾向があります。
採用・受け入れの流れ(逆算スケジュール)
特定技能・育成就労での受け入れ開始は2027年4月予定。採用+資格取得+安全教育を見込み、逆算で進めます。
在留資格・要件確認
面接・受入準備
技能講習を受講
安全教育→実務
← フォークリフト実務の開始日から逆算 →
| 時期 | やること | ねらい |
|---|---|---|
| 採用前 | 在留資格・対象業務・協議会加入の確認、人材の資格保有・実務経験の確認 | 任せられる人材か見極める |
| 採用・入社 | 面接(→質問例)、受け入れ・生活支援の準備 | 安心して働ける土台づくり |
| 入社後すぐ | 技能講習(または特別教育)を受講・修了 | 乗務前に必ず資格取得 |
| 修了後 | 安全教育・OJT → フォークリフト実務へ | 安全に戦力化 |
面接で確認すべきこと・質問例
フォークリフト人材の面接では、技能・安全意識・日本語を多面的に見極めます。次の質問が有効です。
・日本のフォークリフト技能講習を修了していますか?(未修了なら入社後に取得)
・どんな倉庫・荷物で、何年くらい運転してきましたか?
・カウンター式・リーチ式、どちらの経験がありますか?
▼ 安全意識
・ヒヤリとした経験と、その後どう気をつけているか教えてください
・歩行者や他の作業者がいるとき、どんなことに注意しますか?
▼ 日本語・連携
・作業指示(数量・場所・出荷先)を復唱してもらう(理解度の確認)
・分からない指示があったとき、どうしますか?(報連相の姿勢)
よくある失敗・注意点
✕ 母国の資格で乗せてしまう:重大な法令違反。必ず日本の技能講習を修了してから運転させる
✕ 日本語の指示理解を確認しない:数量・場所・出荷先の取り違えや接触事故の原因に。実地で復唱確認を
✕ 講習を受けさせて終わり:資格取得後も安全教育・KY・再教育を継続しないと労災リスクが残る
✕ 技人国で現場作業をさせる:専門職向けの技人国では倉庫の現場作業は不可。在留資格を取り違えない
費用の目安(採用+資格取得)
フォークリフト人材の受け入れにかかる主な費用の目安です(採用そのものの費用は物流倉庫の受け入れ費用に準じます)。
| 費用項目 | 概算の目安 |
|---|---|
| フォークリフト技能講習(1人) | 約4〜5万円(保有資格で変動)+受講中の人件費 |
| 特別教育(1t未満のみ) | 技能講習より低額 |
| 採用(紹介・在留手続き 等) | 物流倉庫の受け入れ費用に準じる(→ピラー参照) |
資格取得は1人あたり数万円の投資ですが、フォークリフトに乗れる人材は現場での価値が高く、できる作業の幅が広がるため、十分に回収できる投資です。複数名をまとめて受講させると、教習所によっては割引が利くこともあります。なお、自治体や国の助成・支援制度を活用できる場合があるため、対象になるか最新の公募要領を確認するとよいでしょう。資格取得費用は会社が負担することが多く、定着支援にもつながります。物流倉庫の受け入れ費用全体は物流倉庫の外国人材 採用完全ガイド、長期戦力化の設計はキャリアパス設計をご覧ください。
採用後の定着・戦力化
資格を取って終わりではなく、長く安全に活躍してもらうための工夫が、結果的に採用コストの回収につながります。
長期の育成・処遇設計は育成就労から特定技能へのキャリアパス設計、支援体制づくりは登録支援機関の選び方もご覧ください。とくにインドネシア人材は学習意欲が高く、丁寧な指導のもとで資格取得・多能工化が進みやすい傾向があります。
よくある質問
外国人材のフォークリフト作業について、企業から多い質問をまとめました。各項目をタップ/クリックで回答が開きます(回答は2026年6月時点の公表情報・一次情報に基づきます)。
Q. 母国でフォークリフトに乗っていた人は、すぐ運転できますか?
Q. 技能講習は外国人でも受けられますか?日本語が不安です。
Q. どの在留資格で雇えますか?
Q. 入社してすぐフォークリフトに乗せても大丈夫ですか?
Q. 資格取得の費用は会社負担ですか?
Q. リーチ式とカウンター式、両方乗れる必要はありますか?
Q. 未経験の外国人をフォークリフト人材に育てられますか?
Q. 技能講習はどこで受けられますか?
まとめ|「資格 → 安全教育 → 実務」の順番を必ず守る
外国人材にフォークリフト作業を任せるには、①任せられる在留資格(特定技能「物流倉庫」・育成就労・身分系)で採用 → ②日本の技能講習を修了(母国資格は不可)→ ③安全教育・OJT → ④実務の順番が鉄則です。講習は日本語で行われるため、母国語対応の教習所選びや事前学習で確実に取得を。資格取得費用は会社負担が一般的で、定着支援にもなります。フォークリフト人材は物流の現場で特に需要が高く、2027年4月の制度開始後は受け入れ希望が集中する可能性があります。試験・採用ルートの確保や、教習所の予約・資格取得の段取りで先行できるよう、いまから準備を進めておくことをおすすめします。ジンザイネシアは特定技能・育成就労の両方に対応し、在留資格の確認から、フォークリフトの資格取得支援・安全体制づくり・インドネシア人材のご紹介・受け入れ後の定着まで、ワンストップで一貫して伴走します。まずは現状の整理から、お気軽にご相談ください。
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📌 公式情報源(ブックマーク推奨)
| 情報源 | 内容 |
|---|---|
| 厚生労働省(労働安全衛生・技能講習) | 資格・安全教育 |
| 出入国在留管理庁「特定技能」 | 在留資格・対象業務 |
| 国土交通省「物流倉庫分野の受入れ」 | 物流倉庫の制度 |
資格の費用・日数は教習機関・地域・保有資格で変動します。制度内容は2026年6月時点。最新は公式でご確認ください。

この記事を書いた人
西澤 志門株式会社ジンザイネシア取締役。特定技能・育成就労の制度実務と、インドネシア人材の採用・教育・定着支援を専門とする。 登録支援機関として介護・外食・宿泊分野を中心に50社以上を支援。 一般社団法人Nocoders Japan協会理事として、AI・DXによる業務改革も推進。 本コラムでは、受入企業が「本当に知りたい」制度の実務と現場のリアルを発信します。

この記事を監修した人
吉田 卓司株式会社ジンザイネシア代表取締役。 2000年にオイシックス・ラ・大地(東証プライム市場・3182)を共同創業し、2007年に五反田電子商事(現GDX)を創業。2012年にシンガポールへ移住し、2015年にはインドネシアでBeautynesiaを創業のうえ現地財閥法人へ売却。 10年以上のインドネシア在住経験と、日本インドネシア国交55周年の大相撲巡業主催(2013年・1万人以上集客)など現地での実績を基盤に、2023年に株式会社ジンザイネシアを創業。 本コラムでは、特定技能・育成就労に関する制度実務とインドネシア人材の採用・教育・定着支援の知見を、登録支援機関の立場から監修します。
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