外国人の雇用・採用に使える助成金・補助金 完全ガイド【2026年版】|種類・金額・申請の流れ・対象条件
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外国人の雇用・採用に使える助成金・補助金 完全ガイド【2026年版】|種類・金額・申請の流れ・対象条件

結論|3行で理解する

「外国人だから」もらえる助成金はほぼ1つ。実際は国籍を問わない雇用・育成の助成金を外国人雇用にも使うのが正解です。

外国人特化は「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」が代表で、それ以外はキャリアアップ助成金・人材開発支援助成金・特定求職者雇用開発助成金など、誰でも使える助成金が外国人雇用にも適用できます。本記事では、使える助成金の種類・金額・対象条件・申請の流れ・注意点を、厚生労働省の一次情報をもとに整理します(金額・要件は年度で変わるため必ず最新の公式情報をご確認ください/2026年6月時点)。

大前提|「外国人専用の助成金」は限定的です

外国人採用を検討する企業からよく聞かれるのが「外国人を雇うともらえる助成金はありますか?」です。結論は、外国人に特化した助成金は「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」が代表的な1つで、それ以外の多くは国籍を問わず使える雇用・育成系の助成金を外国人雇用にも適用する形になります。

つまり「外国人だから特別に多額がもらえる」わけではなく、「人を雇い、育て、定着させる取り組み」に対して国が支援するのが助成金の本質です。この前提を押さえると、自社で使える制度を正しく見つけられます。

📌 公式情報源:厚生労働省「事業主の方のための雇用関係助成金」(2026年6月時点)

「助成金」と「補助金」の違い|どちらを狙うべきか

混同されがちですが、助成金と補助金は財源・審査の有無・所管が異なります。外国人雇用では主に「助成金」を活用します。

項目助成金補助金
主な所管厚生労働省(雇用保険が財源)経済産業省・自治体 等
受給のしやすさ要件を満たせば原則受給公募・審査で採択(不採択あり)
目的雇用の維持・改善・人材育成設備投資・事業拡大・IT化 等
外国人雇用との関係就労環境整備・教育・正社員化に活用しやすい設備・DX等に絡む場合に間接的に活用

外国人の雇用・育成・定着に直接効くのは厚労省の「助成金」です。補助金は設備投資やDXなど別目的のものが多く、外国人雇用そのものを対象にはしません。まずは助成金から検討するのが定石です。

外国人雇用に使える主な助成金 一覧

外国人雇用で活用しやすい代表的な助成金を、目的別に整理しました(金額・要件は年度で変動するため、最新は厚労省・労働局でご確認ください)。

助成金目的・対象金額の目安
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)外国人特化。就業規則等の多言語化・相談体制整備など、外国人が働きやすい環境づくり1制度の導入につき一定額(上限あり)。離職率の目標達成で加算
キャリアアップ助成金(正社員化コース)有期雇用から正社員への転換(国籍不問)。特定技能の処遇改善とも親和性が高い中小企業で1人あたり最大80万円規模(2026年度)
人材開発支援助成金職業訓練(OFF-JT等)の経費・訓練中賃金を助成。リスキリングが重点(国籍不問)訓練経費の一定割合+賃金助成
特定求職者雇用開発助成金就職が特に困難な求職者をハローワーク等の紹介で継続雇用(国籍不問)対象者・期間に応じた額を分割支給
業務改善助成金事業場内最低賃金の引上げ+生産性向上の設備投資(国籍不問)引上げ額・人数に応じた額
自治体の補助金都道府県・市区町村独自の外国人雇用・定着・住居支援等地域により大きく異なる
⚠️ 助成金の金額・要件・コース構成は年度ごとに見直され、年度途中で変更・終了する場合もあります。本記事は制度の全体像を掴むためのもので、実際の申請時は必ず厚生労働省・各都道府県労働局の最新の公募要領でご確認ください(2026年6月時点)。

外国人特化|人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)

数ある助成金の中で「外国人雇用そのもの」を対象にした代表格がこのコースです。言語・文化・慣習の違いによる行き違いを防ぎ、外国人労働者の定着を促進する取り組みを支援します。

  • 対象の取り組み例:就業規則・労働条件通知書などの多言語化、苦情・相談体制の整備、一時帰国のための休暇制度、社内マニュアルの多言語・図解化 など
  • 金額:導入する制度に応じた額(上限あり)。さらに外国人労働者の離職率に関する目標を達成すると加算される設計です
  • ポイント:特定技能1号の「義務的支援」(生活オリエンテーション・相談対応等)と取り組みが重なる部分が多く、受け入れ体制づくりと助成金を同時に進められるのが利点です

キャリアアップ助成金(正社員化コース)|長期戦力化と相性◎

有期雇用の労働者を正社員に転換した企業を支援する助成金で、国籍を問わず外国人材も対象です。2026年度は中小企業が有期雇用から正社員へ転換した場合、1人あたり最大80万円規模の支給が可能とされています。

特定技能や育成就労で受け入れた人材を、将来的に正社員・無期雇用へと処遇改善していく流れは、定着率の向上=採用コストの抑制に直結します。助成金を活用しながらキャリアパスを設計すると、人材にとっても企業にとっても合理的です。育成就労から特定技能、さらに長期雇用へという道筋は育成就労→特定技能のキャリアパスもご参照ください。

人材開発支援助成金|教育・リスキリングの費用を助成

職業訓練(OFF-JT等)にかかる経費と訓練期間中の賃金を助成する制度で、こちらも国籍を問わず使えます。外国人材の日本語教育・技能研修・資格取得支援に活用でき、近年は「リスキリング(学び直し)」が重点に置かれています。

介護なら介護職員初任者研修や介護福祉士取得に向けた教育、製造・建設なら技能講習など、外国人材を育てる投資の一部を国が支える形です。教育の充実は定着とサービス品質の両方を高めます。

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特定技能・育成就労での使いどころ

制度別に、助成金が効きやすい場面を整理します。

場面相性のよい助成金
受け入れ環境の整備人材確保等支援助成金(外国人就労環境整備)=多言語化・相談体制。特定技能の義務的支援と重なる
教育・資格取得人材開発支援助成金=日本語・技能研修・資格取得
処遇改善・長期化キャリアアップ助成金=正社員化・無期転換
賃上げ+設備投資業務改善助成金

なお、在留資格の申請費用や人材紹介料そのものに直接出る助成金は基本的にありません。助成金はあくまで「環境整備・教育・処遇改善」への支援です。採用費用の全体像は特定技能の費用まとめ、育成就労の費用は育成就労の受入費用をご覧ください。

申請の流れ|「計画届→実施→支給申請」が基本

多くの雇用関係助成金は、取り組みを始める前に「計画届」を提出し、計画どおり実施した後に「支給申請」を行う2段階が基本です。順番を間違えると受給できません。

STEP1:使える助成金の特定(厚労省・労働局・社労士に相談)

STEP2計画届の提出(取り組み開始の前。ここが最重要)

STEP3:計画どおりに実施(研修・制度導入・正社員転換 等)

STEP4支給申請(実施後の所定期間内に申請)→ 審査 → 支給

⚠️ 「先に始めてしまう」と対象外になりがちです。多くの助成金は計画届の事前提出が要件で、着手後の遡及申請は認められません。採用・研修の計画段階で、助成金の利用可否を必ず確認してください。

申請に使う主な書類・窓口

雇用関係助成金の申請は、都道府県労働局・ハローワークが主な窓口です。必要書類は制度ごとに異なりますが、共通して求められるものを整理します。

区分主な書類・対応
計画段階計画届、訓練計画・正社員転換規定など(取り組み開始前に提出)
実施の証拠出勤簿・賃金台帳・雇用契約書・研修記録・就業規則 等
支給申請支給申請書、支給要件確認申立書、対象者の在留資格を確認できる書類 等
窓口都道府県労働局・ハローワーク(制度により異なる)

要件・様式が細かく、労働保険の適正加入なども前提になるため、社会保険労務士に依頼・相談する企業が多いのが実情です。当社では外国人採用の体制づくりとあわせ、活用できそうな助成金の見当付けや社労士連携をご支援できます。

申請の注意点|不支給・不正受給を避ける

① 事前の計画届を忘れない:最大の不支給理由。取り組み開始前に提出する
② 要件・期間の取り違え:対象者・雇用形態・賃金・在籍期間など細かい要件がある。コース要領を精読する
③ 労働関係法令の順守が前提:労働保険の未加入・重大な法令違反があると受給できない
④ 不正受給は重いペナルティ:返還・加算金・事業主名の公表・以後の不支給など。書類の改ざんは厳禁
⑤ 予算・募集期間に上限:年度予算に達すると締め切られる助成金もある。早めの準備を

要件が複雑なため、社会保険労務士など専門家との連携が確実です。当社でも外国人採用の体制づくりとあわせて、活用できそうな助成金の見当付けや専門家連携をご支援できます。

ケース別|自社で狙う助成金の組み合わせ

規模・採用方法によって、相性のよい助成金は変わります。代表的なパターンを示します。

状況狙いやすい組み合わせ
初めて外国人を受け入れる中小企業人材確保等支援助成金(外国人就労環境整備)で多言語化・相談体制を整え、教育に人材開発支援助成金
有期で雇った人材を正社員化したいキャリアアップ助成金(正社員化コース)。定着と処遇改善を同時に
最低賃金の引上げ+設備投資を行う業務改善助成金。生産性向上の設備投資とセットで
特定技能・育成就労で複数名を計画採用就労環境整備+教育+正社員化を段階的に。自治体補助も併用検討

複数の助成金は併用できる場合がありますが、同一の経費に重複して受給することはできません。組み合わせの可否は労働局・社労士に確認してください。

業種・自治体の上乗せ|介護・建設や地域独自の支援

国の助成金に加えて、業種や自治体独自の支援がある場合があります。

  • 介護:介護人材の確保・定着に関する自治体補助、資格取得支援など(介護の採用ガイド
  • 建設:建設キャリアアップや人材確保に関する支援
  • 地方自治体:外国人材の住居・定着・日本語学習への独自補助(特に人手不足が深刻な地域)。北海道で外国人材を採用するでは地域の支援にも触れています

地域の支援は公表情報が分散しがちです。本社・事業所のある自治体の産業・労働担当部署や、地域の商工会議所に確認すると見つけやすくなります。

よくある質問

各項目をタップ/クリックすると回答が開きます(回答は厚生労働省の一次情報に基づきます。金額・要件は年度で変わるため最新は公式でご確認ください)。

Q. 外国人を雇うと専用の助成金がもらえますか?
外国人特化の代表は「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」です。それ以外は、キャリアアップ助成金・人材開発支援助成金など国籍を問わない雇用・育成系の助成金を外国人雇用にも適用するのが一般的です。「外国人だから多額がもらえる」わけではありません。
Q. 在留資格の申請費用や人材紹介料に助成金は出ますか?
基本的に出ません。助成金は「就労環境の整備・教育・処遇改善」への支援で、在留申請の官費や人材紹介料そのものを補助する制度ではありません。採用費用の全体像は費用記事をご確認ください。
Q. 特定技能でも助成金は使えますか?
使えます。外国人就労環境整備の助成は特定技能1号の義務的支援と重なる取り組みが多く、教育には人材開発支援助成金、正社員化にはキャリアアップ助成金が相性良好です。在留資格は問わず、要件を満たせば対象になります。
Q. 申請で最も多い失敗は?
「取り組みを始める前の計画届を出さなかった」ことです。多くの雇用関係助成金は事前の計画届が要件で、着手後の遡及申請はできません。採用・研修の計画段階で利用可否を確認してください。
Q. 金額はいくらもらえますか?
制度・コース・企業規模で異なります。例えばキャリアアップ助成金の正社員化は中小企業で1人あたり最大80万円規模(2026年度)。金額・要件は年度で見直されるため、必ず厚労省・労働局の最新の公募要領でご確認ください。
Q. 申請は自社でできますか?専門家に頼むべき?
自社申請も可能ですが、要件・書類が複雑なため社会保険労務士との連携が確実です。当社では外国人採用の体制づくりとあわせ、使える助成金の見当付けや専門家連携をご支援できます。

まとめ|助成金は「環境整備・教育・処遇改善」への支援

外国人雇用に使える助成金は、外国人特化の「人材確保等支援助成金(外国人就労環境整備)」を軸に、キャリアアップ助成金・人材開発支援助成金など国籍を問わない制度を組み合わせるのが基本です。在留申請費用や紹介料そのものには出ませんが、受け入れ環境・教育・正社員化に活用すれば、定着率を高めながら実質コストを下げられます。最大の注意点は「取り組み前の計画届」。採用の計画段階から助成金を織り込むのが得策です。ジンザイネシアは外国人採用の体制づくりから、活用できる助成金の見当付け・専門家連携までご支援します。

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📌 公式情報源(ブックマーク推奨)

情報源内容
厚労省「事業主の方のための雇用関係助成金」助成金の全体像・各コース要領
厚労省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」外国人特化コースの要件・金額
出入国在留管理庁「特定技能」特定技能の制度・支援

助成金の金額・要件・コース構成は年度で変わります(年度途中の変更・終了あり)。本記事は2026年6月時点の整理で、申請時は必ず最新の公募要領・各都道府県労働局でご確認ください。

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西澤 志門

この記事を書いた人

西澤 志門

株式会社ジンザイネシア取締役。特定技能・育成就労の制度実務と、インドネシア人材の採用・教育・定着支援を専門とする。 登録支援機関として介護・外食・宿泊分野を中心に50社以上を支援。 一般社団法人Nocoders Japan協会理事として、AI・DXによる業務改革も推進。 本コラムでは、受入企業が「本当に知りたい」制度の実務と現場のリアルを発信します。


吉田 卓司

この記事を監修した人

吉田 卓司

株式会社ジンザイネシア代表取締役。 2000年にオイシックス・ラ・大地(東証プライム市場・3182)を共同創業し、2007年に五反田電子商事(現GDX)を創業。2012年にシンガポールへ移住し、2015年にはインドネシアでBeautynesiaを創業のうえ現地財閥法人へ売却。 10年以上のインドネシア在住経験と、日本インドネシア国交55周年の大相撲巡業主催(2013年・1万人以上集客)など現地での実績を基盤に、2023年に株式会社ジンザイネシアを創業。 本コラムでは、特定技能・育成就労に関する制度実務とインドネシア人材の採用・教育・定着支援の知見を、登録支援機関の立場から監修します。

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