
特定技能 介護の登録支援機関の選び方|施設が確認すべき10項目と費用相場【2026】
結論|3行で理解する
登録支援機関は2026年8月10日時点で11,533件あり、登録の有無だけでは選べません。介護施設が見るべきは協議会の入会を在留の申請より前に段取りできるか・訪問系や夜勤の要件を理解しているか・2027年4月からの担当者上限に耐える体制かの3点です。
「3社から提案が来たが、料金の差が何の差なのか分からない」——この記事は、出入国在留管理庁・厚生労働省の一次情報をもとに、介護分野だけに必要な確認事項10項目・2027年4月に法定化される体制の基準・在留の申請書類を誰が作れるのか・月額の支援委託費の相場と内訳・3社の提案書を横並びで比べる見方・面談でそのまま使える質問までを、施設の判断軸で整理します。(2026年8月時点)
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登録支援機関は何をしてくれるのか|施設の作業がどこまで減るか
特定技能1号の外国人を受け入れる施設には、法律で10種類の支援を行う義務があります。この支援を自分たちで全部やるか、外部に委託するかを選べる仕組みで、委託先として国に登録されているのが登録支援機関です。
まず押さえていただきたいのは、「何を頼めて、何は施設に残るのか」です。ここが曖昧なまま契約すると、「やってくれると思っていた作業が自分たちに戻ってきた」という食い違いが起きます。実際、施設側からのご相談で最も多いのがこの行き違いです。
| # | 義務づけられた支援(10種類) | 委託した場合 | 介護施設で実際に起きること |
|---|---|---|---|
| 1 | 事前ガイダンス(契約内容・活動内容の説明) | ほぼ任せられる | 母国語で行う必要がある。インドネシア語の対応可否をここで確認する |
| 2 | 出入国する際の送迎 | 任せられる | 空港から施設・住居までの移動。地方は実費が別請求になることがある |
| 3 | 住居の確保・生活に必要な契約の支援 | △ 施設の関与が残る | 保証人・敷金・家具家電は施設負担が一般的。誰が保証人になるかを契約前に決める |
| 4 | 生活オリエンテーション(8時間以上) | 任せられる | ごみ出し・交通ルール・医療機関のかかり方など。記録の保存が必須 |
| 5 | 公的手続への同行 | 任せられる | 住民登録・年金・保険・銀行口座。平日日中に発生するため現場負担が大きい部分 |
| 6 | 日本語学習の機会の提供 | △ 内容に差が大きい | 「教材の案内」だけで済ませる機関と、介護の日本語まで教える機関で中身が全く違う |
| 7 | 相談・苦情への対応 | 任せられる | 母国語での対応が必須。夜間・休日にどこまで出るかが機関ごとに大きく違う |
| 8 | 日本人との交流の促進 | 任せられる | 地域行事の案内など。実施記録が必要 |
| 9 | 転職の支援(施設都合で辞めるとき) | 任せられる | 人員整理などで雇用を続けられないときに発動する |
| 10 | 定期的な面談・行政機関への通報 | △ 施設側の同席が要る | 3か月に1回以上、本人と監督者それぞれと面談。施設の管理者の時間が必ず取られる |
⚠️ 委託しても施設に必ず残るもの
支援を委託しても、雇用主としての責任は施設に残ります。具体的には、①日本人と同等以上の報酬を払っていることの説明、②労働時間・休憩・夜勤の管理、③受入れに関する各種の届出(雇用契約の変更・支援計画の変更・受入れ困難時など)、④介護報酬の配置基準の届出、⑤協議会の構成員としての義務です。「全部おまかせ」という提案には、この線引きの説明が必ず抜けています。
リウス(インドネシア出身・ジンザイネシア)
支援の中身そのもの(10種類の詳細や、自社で支援する場合の要件)は 登録支援機関とは?特定技能の受入企業が委託前に知るべき選び方・費用・一覧 で全業種向けに整理しています。本記事は介護分野に固有の論点に絞って進めます。
📌 公式情報源|出入国在留管理庁「特定技能制度」(義務的支援の内容・支援計画の基準)/厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」(2026年8月時点)
介護分野で確認すべき10項目(早見表)
全業種に共通する選び方の記事は数多くありますが、介護には介護だけの落とし穴があります。対象施設の判定、協議会の入会の順番、訪問系の取扱い、夜勤の配置、介護報酬の配置基準——これらを分かっていない機関に任せると、申請そのものが止まります。
下表は、提案を受けている機関を評価するときの10項目です。◎が付くものが多いほど、介護分野の実務を分かっている機関だと判断できます。3社の提案書を横に置いて、この表の順に聞いていってください。
| # | 確認すること | こう答えたら安心 | こう答えたら要注意 |
|---|---|---|---|
| 1 | 登録番号と有効期限 | 番号を即答し、登録簿で照合できる。更新期限も言える | 番号を出さない/「申請中」のまま契約を迫る |
| 2 | 介護分野での支援実績 | 施設種別ごとの受入実績と、継続している年数を具体的に言える | 「全分野対応」だけで、介護の話が出てこない |
| 3 | 自施設が対象施設かの判定 | 施設名を聞いてその場で対象・対象外を判定できる | 「たぶん大丈夫」「後で確認します」で進めようとする |
| 4 | 協議会の入会の段取り | 「在留の申請より前に入会」と即答し、逆算した予定を示せる | 「受入れ後4か月以内」と答える(廃止済みの古い運用) |
| 5 | 在留の申請書類を誰が作るか | 提携する行政書士の名前を出し、費用の内訳を分けて示せる | 「支援費に含めて当社が全部作ります」と言う(2026年1月から不可) |
| 6 | 訪問系サービスの可否 | 2025年4月21日の解禁と適合確認書の手続きを説明できる | 「訪問介護は外国人は対象外です」と断言する(誤り) |
| 7 | 配置基準への算入時期 | 特定技能は就労と同時に算入できると説明できる | 技能実習と混同し「6か月は数えられない」と言う |
| 8 | 支援担当者1人あたりの受持数 | 現在の人数と、2027年4月の上限(50人未満・10機関未満)への対応方針を示せる | 人数を答えない/「AIで効率化するので上限は問題ない」と言う |
| 9 | 母国語対応と連絡の速さ | 本人の母国語の担当者が常勤で在籍。返信の目安時間を数字で言える | 「翻訳ツールで対応」/夜間休日の体制を説明できない |
| 10 | 料金に含まれるもの・別料金 | 月額に含む項目と実費項目を一覧で書面提示できる | 「月◯万円」だけで内訳がない/契約後に追加請求の話が出る |
ここから、特に判断を誤りやすい項目4・5・6・8を、一次情報を示しながら詳しく見ていきます。
登録の有無と、介護での実績の見方|11,533件から絞る
登録支援機関は、出入国在留管理庁が公表する登録支援機関登録簿に掲載されています。2026年8月10日時点で11,533件が登録されており、名簿はExcelで誰でも入手できます。逆に言えば、「登録されている」ことは何の差別化にもなりません。1万件を超える中から選ぶ作業だと考えてください。
登録簿でまず確認する3つの欄
| 見る欄 | 何が分かるか | 施設としての判断 |
|---|---|---|
| 登録番号・登録年月日 | 登録が有効か。いつから活動しているか | 登録は5年ごとの更新制。更新期限が近い機関は、更新の見込みを必ず聞く |
| 対応可能言語 | どの国の人材を支援できるか | 採用したい国の言語が入っているか。インドネシア語は対応機関が限られる |
| 支援業務を行う事務所の所在地 | 実際に動く拠点がどこか | 本社が遠くても近くに支援拠点があるか。面談は3か月に1回以上発生する |
⚠️ 登録簿には「介護の実績」は載っていません
登録簿から分かるのは番号・言語・所在地までです。介護分野で何件支援しているかは、名簿からは一切分かりません。 そのため、実績は面談で直接確認するしかありません。聞き方は「介護の実績はありますか」ではなく、「特別養護老人ホームで、現在何名を継続して支援していますか。いちばん長い施設で何年目ですか」と、施設種別・人数・年数の3点で聞いてください。答えられない機関は、介護の経験が浅いと判断して差し支えありません。
📌 公式情報源|出入国在留管理庁「登録支援機関登録簿」(2026年8月10日現在 11,533件登録)/同「登録支援機関登録(更新)申請」(登録の要件・更新)(2026年8月時点)
2027年4月から変わる体制の基準|1人あたり50人未満・10機関未満
これはいま契約する施設が最も見落としやすい論点です。2027年4月から、登録支援機関の体制に法律上の基準が課されます。いま契約しようとしている機関が、その基準に耐えられる体制かどうかを、契約前に確認しておく必要があります。
| 2027年4月からの基準 | 内容 | 施設にとって何が変わるか |
|---|---|---|
| 支援担当者1人あたりの人数 | 支援する外国人 50人未満 | いま1人で80名見ている機関は、担当者を増やすか、受入先を減らす必要がある |
| 支援担当者1人あたりの施設数 | 所属機関 10機関未満 | 担当者が変わる可能性がある。引き継ぎの方法を契約前に確認する |
| 雇用形態 | 常勤の職員であること | 外部委託や兼業の担当者では基準を満たせなくなる |
| 経験 | 過去5年以内に2年以上の生活相談の実務 | 経験の浅い担当者だけの機関は、体制を組み直す必要がある |
⚠️ 数字を取り違えないでください
同じ2027年4月に、育成就労の監理支援機関にも体制の基準ができますが、数字が違います。監理支援機関は常勤2人以上・1人あたり受入機関8者未満/外国人40人未満・外部監査人の設置です。特定技能の登録支援機関(50人未満・10機関未満)と混同した説明をする担当者は、制度の理解が正確ではありません。これは面談での見極めにそのまま使えます。
リウス
育成就労の監理支援機関側の基準と選び方は 育成就労の監理団体(新監理支援機関)の選び方|認可基準と実績の見極め方 にまとめています。介護で育成就労も検討される場合は 育成就労は介護で使える?対象業務・人数枠・日本語要件と技能実習からの移行手順 もあわせてご覧ください。
📌 公式情報源|出入国在留管理庁「関係法令(令和6年入管法等改正法)」/厚生労働省「育成就労制度の概要」(体制要件・施行日。運用要領は整備が続いているため、契約前に最新の公表資料をご確認ください/2026年8月時点)
介護分野の協議会|入会と在留の申請の順番
介護分野で特定技能の外国人を受け入れる施設は、介護分野特定技能協議会への入会が必要です。そしてここが最大の落とし穴で、入会は在留の諸申請を行う「前」に済ませておく必要があります。協議会が発行する入会証明書が、在留申請の添付書類になるためです。
🔴 「受入れ後4か月以内に加入」は廃止された古いルールです
以前は「受入れ開始後4か月以内」でしたが、2024年6月15日施行の見直しで、在留諸申請の前に入会が必須になりました。それにもかかわらず、古い情報のまま「後から入ればいい」と案内する担当者が、いまだにいます。この1点だけで、その機関が最新の運用を追えているかが分かります。面談で必ず聞いてください。
| 順番 | やること | 間違えるとどうなるか |
|---|---|---|
| ① 先 | 介護分野特定技能協議会へ入会し、入会証明書を受け取る | — |
| ② 後 | 在留資格認定証明書の交付申請、または在留資格変更の許可申請 | 入会証明書がないと書類が揃わず、申請が受理されない・差し戻される。入社予定日が動く |
入会には施設側の情報登録と証明書の発行待ちが発生するため、採用の予定日から逆算して、余裕をもって着手する必要があります。良い支援機関は、初回の面談の時点でこの逆算の予定表を出してきます。手続きの詳細は 介護分野 特定技能協議会の加入と入会証明書の取り方|在留申請の前に必須・新様式 にまとめています。
📌 公式情報源|厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」>3.介護分野における特定技能協議会(協議会の概要・入会方法)(2026年8月時点)
在留の申請書類は誰が作るのか|2026年1月施行の線引き
「在留の申請はうちが全部やります」——この説明を受けたら、内容を分けて確認してください。2026年1月1日に施行された改正行政書士法により、登録支援機関が在留の申請書類の「作成」を有償で行うことはできなくなりました(支援委託費に含める形も同じ扱いです)。
| 行為 | 登録支援機関ができるか | 正しい進め方 |
|---|---|---|
| 申請書類の作成(有償) | ✕ できない | 行政書士(申請取次の資格を持つ者)が作成する。費用は別建てで見積もる |
| 申請書類の提出(取次) | ◯ できる | 届出済みの支援機関が入管へ提出することは可能 |
| 必要書類の案内・進捗の管理 | ◯ できる | 「何をいつまでに揃えるか」の管理は支援機関の役割 |
| 支援計画書の作成 | ◯ できる | 支援計画は支援機関の本来業務。在留の申請書類とは別 |
⚠️ 施設側にとってのリスク
罰則は1年以下の懲役または100万円以下の罰金で、対象は行為をした側です。ただし施設にとっては、その機関が制度の変更を追えていないという事実そのものがリスクです。申請を委ねている以上、届出漏れや期限管理の甘さも同時に疑うべきです。見積書で「在留申請費用」が支援委託費に溶け込んでいる場合は、必ず内訳を分けて出し直してもらってください。
📌 公式情報源|出入国在留管理庁「在留手続」(申請の種類・取次の取扱い)/同「手数料の改定」(2026年8月時点)
📥 3社の提案書を、同じ基準で並べて比べる
この記事の10項目をそのまま記入欄にした3社比較シートと、面談で聞く質問の一覧、費用の内訳を書き込める試算欄をまとめた「登録支援機関 選定チェックシート」を無料で配布しています。印刷して、そのまま商談の場でお使いいただけます。
訪問系・夜勤・配置基準を分かっているか|介護だけの論点
全業種を扱う支援機関と、介護を分かっている支援機関の差が最もはっきり出るのがこの3点です。面談でこの3つを聞けば、実力はほぼ判定できます。
① 訪問系サービス|2025年4月21日に解禁されています
かつて特定技能の外国人は訪問介護などの訪問系サービスに従事できませんでしたが、2025年(令和7年)4月21日の公布・施行で、要件を満たせば従事できるようになりました。事業者には適合確認書の発行に係る申請手続きと定期報告が求められます。
「訪問介護は外国人には無理です」と断言する担当者は、1年以上前の情報で止まっています。訪問系を持つ法人にとっては、使える打ち手を1つ失うことになります。
② 夜勤|入れられるが、体制の設計が要る
特定技能の外国人職員に夜勤を担当してもらうことはできます。ただし、利用者の安全と本人の不安の両面から、いきなり1人夜勤に入れるべきではありません。日本人職員との複数体制から始めて段階的に移行する設計が要ります。この設計を一緒に組めるかどうかが、支援機関の実力差です。夜勤の進め方は 外国人介護スタッフの指導方法|OJT・育成・定着のコツと多文化マネジメント で詳しく扱っています。
③ 介護報酬の配置基準|特定技能は就労と同時に算入できる
ここは経営に直結します。特定技能1号の外国人職員は、就労開始と同時に人員配置基準へ算入できます。 技能実習は原則として就労後6か月を経過してからという扱いがあるため、この2つを混同している担当者は、収支の見通しを誤らせます。
| 受け入れルート | 配置基準への算入 | 訪問系サービス |
|---|---|---|
| 特定技能1号 | 就労と同時に算入できる | 2025年4月21日以降、要件を満たせば従事できる |
| 技能実習(介護) | 原則6か月経過後(例外あり) | 要件付き。2025年の見直しの対象に含まれる |
| EPA介護福祉士候補者 | 就労開始から一定期間の扱いあり | 資格取得後は従事できる |
| 在留資格「介護」(介護福祉士) | 日本人と同じ扱い | 制限なく従事できる |
4つのルートの違いと、自施設にどれが合うかは 【保存版】外国人介護人材の受け入れ方|4つの在留資格ルート比較・費用・手順・体制づくり で比較しています。EPAの仕組みは EPA介護福祉士候補者とは?受け入れの仕組み・特定技能との違い をご覧ください。
📌 公式情報源|厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について」/出入国在留管理庁「特定技能制度の介護分野に特有の事情に鑑みて定める基準の改正について」(公布・施行 令和7年4月21日)(2026年8月時点)
月額の支援委託費の相場と、含まれるもの・含まれないもの
「3社で料金がばらばらで、何の差か分からない」——これは内訳の切り方が会社ごとに違うからです。相場を知ったうえで、同じ土俵に並べ直せば比較できます。
月額の支援委託費の相場
| 区分 | 金額(1人あたり月額) | 見方 |
|---|---|---|
| 業界の相場帯 | 1.5万〜3万円 | 最も多い価格帯は2.0万〜2.5万円 |
| 平均 | 約28,386円 | 出入国在留管理庁の支援委託費に関する調査による |
| 分布 | 約9割が月3万円以下 | 月4万円を超える提案は、理由の説明を求める |
| 当社(ジンザイネシア) | 2.5万円 | インドネシア語の常勤担当者による支援を含む |
月額に「含まれないことが多い」費用
見積書を比べるときは、月額そのものより、下の項目がどちら側に入っているかを見てください。ここがずれていると、月額が安く見えて総額は高くなります。
| 費用項目 | 目安 | 確認すること |
|---|---|---|
| 人材紹介手数料(初期) | 20万〜60万円/人 | 支援と紹介を同じ会社に頼むか、分けるか |
| 在留の申請(行政書士) | 12万〜20万円/件 | 2026年1月から支援費に含められない。別建てで見積もらせる |
| 渡航費 | 5万〜15万円/人 | どちらが負担するか。実費か定額か |
| 住居の初期費用 | 30万〜35万円/人 | 敷金・家具家電・保証会社。保証人を誰が立てるか |
| 在留手続の手数料 | 窓口6,000円/オンライン5,500円 | 2025年4月1日改定。。2026年10月1日受付分からは許可される在留期間で変わり、1年許可で窓口33,000円・5年以上で75,000円(確定)されている |
| 協議会の入会 | 無料(介護分野) | 代行の手数料を取る機関があるため、金額を確認する |
| 試験対策・日本語学習 | 機関により大きく異なる | 介護福祉士の受験対策まで含むか。含むなら価値は高い |
📊 業界相場ソース
月額の支援委託費は、出入国在留管理庁が公表する支援委託費に関する調査(平均約28,386円・約9割が月3万円以下)と、協同組合・人材会社・行政書士事務所の公開料金を突き合わせた値です。初期費用の各項目は、業界各社の公開料金から中央値とレンジを算出しています。金額は2026年8月時点。年度や制度改定で変わります。費用の全体像は 特定技能の費用はいくら?初期費用・ランニングコスト・業種別相場まとめ、介護に絞った試算は 特定技能介護のインドネシア人採用|費用・期間・流れ完全ガイド をご覧ください。
📌 公式情報源|出入国在留管理庁「手数料の改定」(2025年4月1日改定:変更・更新は窓口6,000円/オンライン5,500円。2026年10月1日受付分から在留期間別に改定(確定))(2026年8月時点)
提案書を3社横並びで比べるときの見どころ
3社の提案書が手元にあるとき、最初にやるべきは金額を見ることではありません。前提を揃えることです。前提が違う見積もりを金額だけで比べると、必ず判断を誤ります。
| 順 | 揃えること | 具体的にどうするか |
|---|---|---|
| 1 | 人数と期間を統一する | 「3名を5年」で全社に出し直させる。1人あたり・単年の見積もりは比較できない |
| 2 | 紹介と支援を分ける | 初期の紹介手数料と、月額の支援委託費を別の行にさせる |
| 3 | 申請費用を分ける | 行政書士費用が支援費に溶けていないか。溶けていたら制度上の問題 |
| 4 | 5年間の総額を出す | 初期+(月額×60か月)。月額の差1万円は5年で60万円になる |
| 5 | 辞めたときの扱いを聞く | 早期に退職した場合の返金・再紹介の条件を書面で確認する |
| 6 | 担当者を確認する | 提案に来た人が担当者か。違うなら実際の担当者に会う |
✅ 判断の目安
前提を揃えたうえで、5年総額の差が1割以内なら、金額では選ばないことをおすすめします。その場合の判断軸は、①介護分野の実績、②母国語での対応体制、③2027年4月の基準への備え、の3つです。途中で辞められたときの損失は、月額の差額を大きく上回ります。定着に関する論点は 外国人介護士の受け入れ デメリット・課題と対策|失敗しないための実務ポイント にまとめています。
面談で必ず聞く質問と、返答の要注意ポイント
そのまま読み上げて使える質問を10個並べます。大事なのは、答えの内容より「即答できるかどうか」です。介護分野を日常的に扱っている担当者なら、どれも考え込まずに答えられます。
| そのまま聞く質問 | 返答で見るところ |
|---|---|
| 「登録番号を教えてください」 | その場で言えるか。登録簿で照合して一致するか |
| 「特別養護老人ホームで、いま何名を継続支援していますか。いちばん長い施設で何年目ですか」 | 施設種別・人数・年数を具体的に言えるか。「たくさん」で濁さないか |
| 「うちは◯◯(施設名)ですが、特定技能の対象施設に当たりますか」 | その場で判定できるか。持ち帰るなら介護の経験が浅い |
| 「協議会の入会は、在留の申請の前ですか、後ですか」 | 「前」と即答するか。「後で大丈夫」は古い情報 |
| 「在留の申請書類は、どなたが作成されますか」 | 行政書士の名前と費用を分けて示せるか |
| 「訪問介護に入ってもらうことはできますか」 | 2025年4月の解禁と適合確認書を説明できるか。「対象外」は誤り |
| 「配置基準にはいつから数えられますか」 | 特定技能は就労と同時と答えるか。技能実習と混同しないか |
| 「支援担当者おひとりで、いま何名・何社を担当されていますか」 | 数字で答えるか。2027年4月の50人未満・10機関未満への対応方針を持っているか |
| 「夜間や休日に本人から連絡が来たら、どう対応されますか」 | 受付方法と返信の目安時間を数字で言えるか |
| 「今日ご提案いただいた方が、契約後の担当者になりますか」 | 違う場合、実際の担当者に契約前に会わせてもらう |
リウス
今の支援機関を変えたいとき|手順と届出
登録支援機関は、一度契約したら変えられないということはありません。「連絡が遅い」「母国語の対応がない」「料金の説明がない」と感じたら、別の機関へ変更できます。実際、施設からのご相談で多いのがこの乗り換えです。
✅ 変更を検討すべきか|5項目チェック
3つ以上当てはまるなら、他の機関の比較を始める時期です。
- □ 本人や現場が相談しても、返信に数日かかる
- □ 支援が日本語のみで、本人の母国語でのやりとりがない
- □ 月額が相場(1.5万〜3万円)より高いのに、内容の説明がない
- □ 定期の届出や支援の実施報告が滞り、入管対応を施設任せにされている
- □ 担当者が頻繁に変わり、本人の状況を把握できていない
手順は、①新しい機関を決める → ②支援計画を変更する → ③支援計画変更に係る届出を入管へ提出する → ④現行機関との契約を解除する、の順です。順番を逆にして先に解約すると、支援が途切れた期間が生じますので注意してください。切り替えの時期は、本人の在留期間の更新時期を避けるのが無難です。
なお、支援機関を変えることと、本人が別の施設へ移ること(転職)は別の話です。転職が起きる仕組みと施設側の備えは 特定技能の転職 完全ガイド|手続き・必要書類・企業のリスクと「選ばれる会社」になる方法 をご覧ください。
📌 公式情報源|出入国在留管理庁「届出手続」(支援計画変更に係る届出・受入れ困難に係る届出など)(2026年8月時点)
よくある質問
各項目をタップすると開きます。回答はすべて出入国在留管理庁・厚生労働省の一次情報に基づいています(2026年8月時点)。
Q. 登録支援機関に委託せず、施設が自分で支援することはできますか?
Q. 人材紹介と登録支援機関は、同じ会社に頼むべきですか?
Q. 協議会への入会は、登録支援機関が代行してくれますか?
Q. 訪問介護で特定技能の外国人に働いてもらうことはできますか?
Q. 支援委託費が月4万円と提案されました。高すぎませんか?
Q. 2027年4月から支援機関の体制が変わると聞きました。いま契約して大丈夫ですか?
Q. 技能実習生を受け入れている監理団体に、そのまま特定技能の支援も頼めますか?
Q. 宗教や食事への配慮まで相談できる支援機関を選ぶべきですか?
まとめ|介護施設が支援機関を選ぶときの3つの軸
登録支援機関は2026年8月10日時点で11,533件あり、「登録されている」ことは選定の材料になりません。介護施設が見るべき軸は3つです。
| 軸 | 確認すること | これが欠けると何が起きるか |
|---|---|---|
| 1 | 介護分野の実務を分かっているか | 対象施設の判定・協議会の順番・訪問系・配置基準。間違えると申請が止まり、入社予定日が動く |
| 2 | 本人の母国語で支えられるか | 相談対応と定期面談が形だけになる。不満が表に出ないまま退職につながる |
| 3 | 2027年4月の基準に耐える体制か | 担当者1人あたり50人未満・10機関未満。体制が足りないと担当交代が起き、支援の質が落ちる |
費用はこの3つを満たしたうえで比べるものです。月額の差1万円は5年で60万円ですが、1人が早期に辞めたときの損失はそれを上回ります。迷ったときは、安い方ではなく、介護を分かっている方を選んでください。
介護施設の外国人採用の全体像は 介護施設の外国人採用 完全ガイド|特定技能・育成就労・インドネシア人材の受け入れ・費用・定着、特定技能制度そのものは 特定技能制度とは?受け入れ企業の完全ガイド にまとめています。
📥 3社の提案を、同じ物差しで並べられる状態にする
本記事の10項目をそのまま記入欄にした3社比較シート、面談で聞く質問の一覧、5年総額の試算欄をまとめた「登録支援機関 選定チェックシート」を無料で配布しています。印刷して、理事長・施設長ご自身が10分で記入でき、そのまま施設内の検討にお使いいただけます。
無料・オンライン可・しつこい営業はいたしません。他社の提案書の見方だけのご相談でも構いません。
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公式情報源リスト(ブックマーク推奨)
| 情報源 | 確認できること |
|---|---|
| 出入国在留管理庁「登録支援機関登録簿」 | 登録番号・対応言語・事務所所在地(2026年8月10日現在 11,533件) |
| 同「登録支援機関登録(更新)申請」 | 登録の要件・提出書類・5年ごとの更新 |
| 同「特定技能制度」 | 義務的支援10種類・支援計画の基準・分野別運用方針 |
| 同「届出手続」 | 支援計画変更・受入れ困難時などの届出(乗り換え時に必要) |
| 同「介護分野に特有の事情に鑑みて定める基準の改正について」 | 訪問系サービスの解禁(公布・施行 令和7年4月21日) |
| 同「手数料の改定」 | 在留手続の手数料(2025年4月1日改定・今後の引き上げ方針) |
| 同「関係法令」 | 令和6年入管法等改正法(2027年4月施行の体制要件) |
| 厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」 | 対象施設・試験・協議会の入会方法・訪問系の適合確認書 |
| 同「外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について」 | 訪問系の要件・事業者の遵守事項・定期報告 |
| 同「外国人介護人材の受入れについて」 | 4つの受け入れルートの全体像・最新の統計 |
本記事の制度内容は2026年8月時点です。手数料・様式・協議会の運用・2027年4月施行の体制要件については、通知や運用要領で随時更新されます。契約や申請の前に、必ず最新の公式情報をご確認ください。

この記事を書いた人
西澤 志門株式会社ジンザイネシア取締役。特定技能・育成就労の制度実務と、インドネシア人材の採用・教育・定着支援を専門とする。 登録支援機関として介護・外食・宿泊分野を中心に50社以上を支援。 一般社団法人Nocoders Japan協会理事として、AI・DXによる業務改革も推進。 本コラムでは、受入企業が「本当に知りたい」制度の実務と現場のリアルを発信します。

この記事を監修した人
吉田 卓司株式会社ジンザイネシア代表取締役。 2000年にオイシックス・ラ・大地(東証プライム市場・3182)を共同創業し、2007年に五反田電子商事(現GDX)を創業。2012年にシンガポールへ移住し、2015年にはインドネシアでBeautynesiaを創業のうえ現地財閥法人へ売却。 10年以上のインドネシア在住経験と、日本インドネシア国交55周年の大相撲巡業主催(2013年・1万人以上集客)など現地での実績を基盤に、2023年に株式会社ジンザイネシアを創業。 本コラムでは、特定技能・育成就労に関する制度実務とインドネシア人材の採用・教育・定着支援の知見を、登録支援機関の立場から監修します。
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