「気をつけすぎなくて、よかった」──北海道のうに専門店が語る、インドネシア人材受け入れ“本音”のリアル【株式会社世壱屋様】
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「気をつけすぎなくて、よかった」──北海道のうに専門店が語る、インドネシア人材受け入れ“本音”のリアル【株式会社世壱屋様】

「気をつけなきゃと思っていたことも、そこまで気をつけなくていい」──外国人材を受け入れて約1年、率直にそう語ってくれたのは、北海道・余市発のうに専門店 世壱屋(よいちや)の店舗事業部を率いる早川様です。インバウンドのお客様が急増するなかで英語対応できる接客人材を求め、インドネシア人材の受け入れに踏み切りました。

今回は、受け入れ前に抱いていた不安と「受け入れてみての現実」、宗教・生活・体調への配慮、そしてこれから受け入れる企業へのアドバイスまでを、飾らない言葉で伺いました。(取材日:2026年7月22日/オンライン・約35分/聞き手:ジンザイネシア取締役 西澤)

取材先プロフィール

会社名株式会社世壱屋(よいちや)
事業内容うに専門店「世壱屋」の飲食店運営。名物の「5大うに食べ比べ丼」をはじめとしてうに丼・海鮮料理を提供。北海道・余市発の海鮮飲食(公式サイトより・2026年7月時点)
所在地本社:北海道札幌市中央区南5条西1丁目1-12 ヒカリビル9F/店舗:余市・小樽・函館・札幌で計6店舗を展開(公式サイトより・2026年7月時点)
外国人材の受け入れ状況店舗事業部でインドネシア人材を中心に7名。2025年7月に2名の受け入れから開始し、約1年で店舗の接客・ホールを担う戦力に
お話を伺った方店舗事業部 部長 早川 様(店舗展開・現場マネジメントを担当)
公式サイトhttps://yoichiya.info/

💬 この記事のハイライト(早川様の言葉から)

  • 気をつけなきゃと思っていたことも、そこまで気をつけなくていい」のが受け入れてみての現実
  • 外国人としてではなく、一人の人間として接する」だけで、日本人と変わらない働きをしてくれる
  • 入社1年で半期表彰の上位に入り、店長候補として昇格査定に進む人材も。「間違いなく会社のプラスになった」

※本記事は取材時の発言をもとに、意味を変えない範囲で言い回しを整理して掲載しています。外国人スタッフの個人が特定される情報は掲載していません。内容は取材時点(2026年7月時点)のものです。

うに専門店として、北海道で6店舗──会社紹介と受け入れ状況

ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤まずは御社の事業内容と、早川様のお立場・普段のお仕事を教えていただけますか。
株式会社世壱屋 早川様
株式会社世壱屋 早川様株式会社世壱屋の店舗事業部の部長をしております、早川と申します。私が担当しているのは店舗事業ということで、うに専門店「世壱屋」の店舗展開をメインでやっています。余市・小樽・函館・札幌と、北海道内で店舗を構えている、うにの専門店です。
ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤現在は、インドネシア人材を含めて何名くらいの外国人材が働いていらっしゃいますか。いつ頃から受け入れを始められたのかも、あわせて伺えれば。
株式会社世壱屋 早川様
早川様店舗事業部としては、現状7名の受け入れをしています。ちょうど去年の7月、今ごろですね、まず2名を受け入れたのが最初のきっかけで、そこから増えていきました。今では各店舗の接客やホールを任せられる存在になっています。

▶ 外食業での特定技能受け入れの制度・全体像は 外食業×インドネシア人材の完全ガイド、北海道での外国人採用の全体像は 北海道の外国人材受け入れガイド をご覧ください。

インバウンド急増で、英語で接客できる人材を──採用のきっかけ

ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤採用を考え始めたきっかけや、現場で実際にどんなことが起きていたのか、教えていただけますか。
株式会社世壱屋 早川様
早川様弊社の店舗は、やっぱりインバウンドのお客様が非常に多いんです。1年前は日本人スタッフだけで、どこの店舗も、お客様と会話のコミュニケーションが取れないような状態が多くありました。そこで英語を話せるスタッフを採用したいとなったときに、どういう人材を採っていけばいいのか、という課題があって。
株式会社世壱屋 早川様
早川様ちょうどそのとき、うちの経営者と御社の社長がたまたまお知り合いで、「インドネシアのスタッフがいいよ」ということで面接をしてみたんです。実際に会って話してみて、これはいいなと。そこから採用に至った、という経緯ですね。

語学より、文化・宗教・生活面──受け入れ前の不安

ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤初めてインドネシア人材を受け入れる際、正直なところ、どんな不安や懸念がありましたか。社内でどんな声が上がったかも、言える範囲で教えていただけると。
株式会社世壱屋 早川様
早川様一番はやっぱり、語学よりも文化の違いや、宗教上のことでした。あとは、基本的には一人で日本に来るわけですから、どれぐらいフォローしてあげればいいのか。私生活、プライベートな時間をどこまで見てあげたらいいのか。買い物に連れて行ってあげた方がいいのか、とか。そのあたりが一番、当初は懸念されていたところですね。
ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤他社様だと「そもそも日本語レベルはどうなんだろう」と、言語の壁に不安を抱かれる企業様も多いのですが、御社の場合はそこよりも、生活・文化面の方だったんですね。
株式会社世壱屋 早川様
早川様そうですね。日本語力や英語力については、面接のときに、自己紹介以外の会話を英語や日本語で話してもらう中で、ある程度は把握できていました。だから語学力よりも、初めてだった分、生活のスタイルの方が不安な部分はありましたね。

▶ インドネシア人材の国民性・仕事観の背景は インドネシア人の国民性と仕事観 で解説しています。

表情の明るさと、やる気──面接での手応え

ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤面接での「手応えが良かった」というのは、具体的にどういったポイントで感じられたのですか。
株式会社世壱屋 早川様
早川様英語力を一番求めていたところではあるんですが、面接のときに表情がとても明るかったんです。緊張もあったと思うんですけど、それでもやる気がすごくあるなと感じました。私たちが求めているところにうまくマッチした、というのが正直なところです。
ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤結論としては人にもよりますが、明るさや仕事への前向きさは、確かにインドネシアの傾向としてよく感じるところです。面接でそれがしっかり出ていたんですね。

「人による」のは日本人と同じ──入社後の現実

ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤実際に約1年、一緒に働いてみて、性格や仕事への向き合い方に、どんな特徴を感じられていますか。
株式会社世壱屋 早川様
早川様まず、日本人と一緒で、人それぞれです。そのうえで、これがたまたまなのか、男女差なのかは分からないんですけど、今のところの傾向で言うと、男性の方が向上心が高いかなと。女性は、仕事はしっかりやりますし、覚えるのも早い、語学もすぐ身につける。ただ「上にいきたい」というより、今与えられたことを着実にやっていきたい、という考えを持っている印象です。あくまで現状の話ですけどね。
株式会社世壱屋 早川様
早川様日本語がまだ少し苦手な方も中にはいます。それでも、コミュニケーションをすごく取ろうとする姿勢が、全員にあるんです。そこに関しては、純粋にすごいなと思いますね。
「日本語がまだ苦手な方もいますけど、それでもコミュニケーションをすごく取ろうとする姿勢が、やっぱり全員あるんです。そこはもう、純粋にすごいなと思いますね」— 株式会社世壱屋 早川様

▶ 採用段階で「定着する人材」を見極めるポイントは 面接で分かる定着のサイン で詳しく解説しています。

配置を変えたら、本人が活きた──「教える側」の学び

ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤人材の配置や、会社としての向き合い方で、工夫されたり、学びになったことはありますか。
株式会社世壱屋 早川様
早川様ひとつ学びになったのは、能力の高い人材が先に入ると、既存のスタッフの目線が上がってしまうことがある、ということです。「前のスタッフは最初からできていたよ」というように、あとから入った人材につい強く当たってしまう場面があったんですね。これは受け入れ側、教える側の課題だなと感じました。
株式会社世壱屋 早川様
早川様そこで、配置する店舗を変えて、少し環境を変えてあげたんです。そうしたら今度はそれがうまくはまって、本人も楽しんで働いてくれるようになりました。実際に私が見に行っても、以前より表情も良くなって、やれることも増えていた。だからやっぱり、教える側・環境の問題なんだな、というのは大きな気づきでしたね。
ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤人材の配置や、会社としてどう向き合うかをきちんと設計できている会社様ほど、人材が力を発揮しやすくなる。まさにそれを実践されているなと、伺っていて感じました。

「特別なことは、ほぼしていない」──宗教・生活・体調への配慮

ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤宗教や食事、礼拝、断食など、会社として配慮されていることや、工夫されていることはありますか。
株式会社世壱屋 早川様
早川様正直、特別なことは、ほぼしていないんです。食べ物でいうと、豚肉はみんな避けますね、やっぱり。ただ、宗教にどこまで準ずるかは人によって差があって。お酒も、少しなら飲みますという方もいれば、飲まない方もいます。礼拝も、決まった時間というより、仕事に支障のないようにやってくれていて、する方もいれば、しない方もいる、という状態です。
株式会社世壱屋 早川様
早川様希望があれば、こちらも全然協力します。ただ、今のところ大きな希望も出てこないので、特に何もしていないというのが現実ですね。それから、生活面でひとつ気づいたのは、私が最初「いろいろ連れて行ってあげないとダメだろうな」と思っていたんですが、実際は最初にちょっと案内したくらいで、あとは休みの日に自分でどんどん動いているんです。小樽に住んでいて札幌に行ってきました、とか。いい意味で、こちらが思っているより構わなくていいんだな、と。
株式会社世壱屋 早川様
早川様逆に気をつけてあげなきゃいけないのは、体調の部分ですね。北海道の冬は乾燥します。日本人からするとそこまで気にならない程度でも、暖かい国から来ている方たちにとっては、鼻血が出るくらいの環境の変化だったりする。最初の冬に体調を崩しやすい、というのは実際にありました。ここは、次から来る方にはもう少し気を使ってあげたいなと思っています。

▶ 飲食店でのムスリム人材の雇用実務・食事や礼拝への配慮は 飲食店のムスリム人材雇用ガイド にまとめています。

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「間違いなく会社のプラス」──受け入れの成果

ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤いろいろな試行錯誤を経て、改めて「受け入れてよかった」と感じられること、想定外だったけれど結果的に良かったことはありますか。
株式会社世壱屋 早川様
早川様受け入れて、間違いなく会社にとってプラスになりました。弊社は半年に1回、表彰の機会があるんですが、この6月の半期報告会で、個人成績で上位に入り、外国人スタッフとして初めて表彰されたスタッフが出ました。それをきっかけに、今は店長を目指して昇格査定に進んでいる人材もいます。順調にいけば、来期からは正式に店長という肩書きで、もちろん給料も上がって、やってもらえるんじゃないかなと。
「受け入れて、間違いなく会社にとってプラスになりました。入社して1年ほどで、店長を目指して昇格査定に進んでいる人材も出てきています」— 株式会社世壱屋 早川様
ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤現場のスタッフの皆さんも、次の受け入れに前向きだと伺いました。
株式会社世壱屋 早川様
早川様抵抗はまったくないです。むしろ、先に来てくれているスタッフがすごく頑張ってくれているので、そこに仲間が増えることに、現場も何の抵抗もない。今は繁忙期で人手がカツカツなこともあって、「早く来てほしい」という声が強くて。だから、次に来てくれる方たちは、本当にヒーローのように迎えられるんじゃないかなと思います。

「外国人としてではなく、一人の人間として」──これから受け入れる企業へ

ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤最後に、これから外国人材の採用を検討されている企業様へ、早川様からアドバイスを一言いただけますか。
株式会社世壱屋 早川様
早川様今、日本にインバウンドのお客様がこれだけ多い中で、業種にもよるとは思いますが、少しでも英語や他の国の言葉を必要としているのであれば、インドネシアの人材は、どこの会社でもいい方向に進むんじゃないかと思います。
「気をつけなきゃいけないと思っていたことも、そこまで気をつけなくていい、というのが受け入れてみての現実です。外国人としてというよりも、一人の人間として接してあげれば、日本人と変わらない働きをしてくれます」— 株式会社世壱屋 早川様
株式会社世壱屋 早川様
早川様多少の文化の違いや、宗教上のことはあるので、そこだけ配慮してあげれば、特段、日本人と変わりません。むしろ正直、今の日本人よりやる気があるし、責任感もあるんじゃないかなと思うくらいで。理解さえしてくれれば、任せられる仕事がどんどん増えていく。そういう可能性を感じています。
ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤以前インタビューさせていただいた企業様も、まったく同じことをおっしゃっていました。国籍が違うだけで、同じ一人の人間。安い労働力ではなく、対等な会社のメンバーとして一緒に頑張れるかどうかで、外国人材の活躍のレベルが全然変わってくる。それを実践されているのが世壱屋様だと感じました。本日は貴重なお時間を、ありがとうございました。

まとめ|世壱屋様の事例から学べる3つのこと

  1. 不安の中心は「語学」より「生活・文化・宗教」──語学は面接である程度見極められる。むしろ、一人で来日する人材の生活面をどこまでフォローするかが当初の懸念だったが、実際は「構いすぎなくてよかった」。休日は自分で行動でき、必要なのは体調(北海道の冬の乾燥)への配慮など、最低限のサポートだった。
  2. 成果が出るかは「教える側」で決まる──能力差・個人差・男女差はあるが、それは日本人と同じ「人による」の範囲。先に入った人材と比べて後発に厳しく当たってしまう空気が生まれても、配置・環境を調整すれば本人が活きる。定着は受け入れ側のマネジメント次第。
  3. 「一人の人間として接する」だけで、戦力になる──多少の文化・宗教配慮をすれば、あとは日本人と変わらない。入社1年で半期表彰の上位入賞、店長候補としての昇格査定へ。「気をつけすぎなくてよかった」というのが、受け入れてみての現実。

取材協力

うに専門店 世壱屋(株式会社世壱屋)

北海道・余市発のうに専門店。名物の「5大うに食べ比べ丼」をはじめとしてうに丼・海鮮料理を、余市・小樽・函館・札幌の計6店舗で提供。国内・インバウンド双方のお客様を迎え、店舗事業部ではインドネシア人材が接客・ホールの戦力として活躍している。

公式サイトはこちら(yoichiya.info)

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ジンザイネシアは、インドネシア人材の採用から入社後の定着支援まで一貫して伴走します。
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西澤 志門

この記事を書いた人

西澤 志門

株式会社ジンザイネシア取締役。特定技能・育成就労の制度実務と、インドネシア人材の採用・教育・定着支援を専門とする。 登録支援機関として介護・外食・宿泊分野を中心に50社以上を支援。 一般社団法人Nocoders Japan協会理事として、AI・DXによる業務改革も推進。 本コラムでは、受入企業が「本当に知りたい」制度の実務と現場のリアルを発信します。


吉田 卓司

この記事を監修した人

吉田 卓司

株式会社ジンザイネシア代表取締役。 2000年にオイシックス・ラ・大地(東証プライム市場・3182)を共同創業し、2007年に五反田電子商事(現GDX)を創業。2012年にシンガポールへ移住し、2015年にはインドネシアでBeautynesiaを創業のうえ現地財閥法人へ売却。 10年以上のインドネシア在住経験と、日本インドネシア国交55周年の大相撲巡業主催(2013年・1万人以上集客)など現地での実績を基盤に、2023年に株式会社ジンザイネシアを創業。 本コラムでは、特定技能・育成就労に関する制度実務とインドネシア人材の採用・教育・定着支援の知見を、登録支援機関の立場から監修します。

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