
特定技能の自社支援とは|要件・登録支援機関への委託との比較と、変更・切り替えの手順【2026】
⚡ 結論|登録支援機関なしでも受け入れはできます。ただし「基準を満たせるか」が先です
自社支援は「受入れ実績」「中立な担当者」「本人が分かる言語」の3つがそろう会社の選択肢。委託先の変更・切り替えは、受け入れ企業が14日以内に届け出ます
特定技能1号の外国人を雇う会社は、支援計画に沿った支援を行う義務があります。支援は自社で行う(自社支援)ことも、登録支援機関に委託することもできます。自社支援には、過去2年間の外国人の受入れ実績(または生活相談の経験)、外国人を監督する立場にない支援責任者・支援担当者、本人が十分に理解できる言語での支援体制など、省令で決まった基準があります。さらに2027年4月1日からは、支援責任者・支援担当者を常勤の役職員から選ぶことなどが加わります。委託費は1人あたり月1.5万〜3万円が中心帯(出入国在留管理庁の調査で平均28,386円)ですが、自社支援にも人の時間という費用がかかります。この記事では、要件を自社で満たせるかの見極め方、費用と手間の比べ方、そして登録支援機関の変更・自社支援への切り替えで出す届出(様式番号つき)と段取りを、受け入れ企業の判断材料として整理します。
あわせて読みたい:2027年4月に変わる支援体制の要件(1人あたり50人未満・10機関未満、養成講習、経過措置)の詳細は登録支援機関の体制要件が2027年4月から厳格化|いま委託先を見直すべきかで解説しています。本記事は「自社でやるか、委託するか」と「変えるときの届出」に絞った記事です。
📑 記事の早見表(読みたい場所へ飛べます)
- ▸ 1. 特定技能の自社支援とは|登録支援機関なしで受け入れる仕組み
- ▸ 2. 特定技能 自社支援の要件|省令が定める7つの基準
- ▸ 3. 2027年4月から自社支援の会社にかかる4つの変更
- ▸ 4. 自社支援と登録支援機関への委託の比較|費用・手間・リスク
- ▸ 5. 自社支援が向く会社・向かない会社|中間の「一部委託」も
- ▸ 6. 登録支援機関の変更届出と、自社支援への切り替えの届出
- ▸ 7. 変更・切り替えの手順|在留期間の更新から逆算する7ステップ
- ▸ 8. 支援委託契約書と「支援委託契約に関する説明書」
- ▸ 9. 同時に押さえる3つの制度(行政書士法・手数料・定期届出)
- ▸ 10. よくある質問
- ▸ 11. まとめ
- ▸ 12. 公式情報源リスト(お気に入り登録推奨)
1. 特定技能の自社支援とは|「登録支援機関なし」で受け入れる仕組み
特定技能1号の外国人を雇う受け入れ企業(入管法上の「特定技能所属機関」)は、1号特定技能外国人支援計画を作り、その計画に沿って支援を行わなければなりません。出入国在留管理庁は「支援計画の実施は、受入れ機関が行うほか、登録支援機関に委託して実施することもできます」と説明しています。つまり登録支援機関への委託は義務ではなく、選択肢の一つです。自社で支援を行う形を、一般に「自社支援」「自社管理」と呼びます。
実際の支援のやり方は、次の3通りに分かれます。どれを選ぶかで、受け入れ企業に求められる基準と、出す届出が変わります。
| やり方 | 支援を実施する人 | 受け入れ企業に求められる支援体制の基準 | 支援委託契約の届出 | 年1回の定期届出(支援の実施状況) |
|---|---|---|---|---|
| 自社支援 | 自社の役職員から選んだ支援責任者・支援担当者 | 省令の基準をすべて自社で満たす(次章) | なし | 自社で作成して提出 |
| 全部委託 | 登録支援機関(1社のみ。複数社に分けて全部委託はできない) | 満たしたものとみなされる(入管法第2条の5第5項) | 許可を受けた後に契約を締結・変更・終了したとき、14日以内 | 登録支援機関の分を受け入れ企業が取りまとめて提出 |
| 一部委託 | 自社+委託先(登録支援機関、通訳・送迎の業者など) | 自社が基準を満たすことが前提。委託の範囲を支援計画に明示 | 届出の対象にならない(支援計画変更の届出で委託範囲を示す) | 自社で作成して提出 |
支援の中身は、どのやり方でも同じ義務的支援10項目です。①事前ガイダンス、②出入国する際の送迎、③住居確保・生活に必要な契約の支援、④生活オリエンテーション、⑤公的手続等への同行、⑥日本語学習の機会の提供、⑦相談・苦情への対応、⑧日本人との交流促進、⑨転職支援(受け入れ企業側の都合で雇用契約を解除する場合)、⑩定期的な面談・行政機関への通報。自社支援では、この10項目の実施と記録を自社で行います。なお、支援にかかる費用を外国人本人に負担させることはできません(直接・間接とも)。これは自社支援でも委託でも同じです。
また、支援計画を作る義務があるのは特定技能1号です。特定技能2号は支援計画の対象ではありません。「登録支援機関なしで受け入れたい」という相談は、多くの場合「1号の支援を自社で担えるか」という問いになります。特定技能制度の全体像は特定技能制度とは?受け入れ企業の完全ガイドを、登録支援機関そのものの役割は登録支援機関とは?委託前に知るべき選び方・費用・一覧をご覧ください。
📌 公式情報源|出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」(支援の実施主体・義務的支援10項目・全部委託のみなし・再委託の禁止)/特定技能運用要領(令和8年8月版)第6章第4節(全部委託は複数の登録支援機関に分けられない)(2026年9月時点)
2. 特定技能 自社支援の要件|省令が定める7つの基準
自社支援の会社が満たすべき基準は、「特定技能雇用契約及び1号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」第2条第2項に定められています。登録支援機関に全部を委託すればこの基準は満たしたものとみなされますが、自社で支援するなら次の7つをすべて満たす必要があります。
| # | 基準(省令第2条第2項) | かみくだくと |
|---|---|---|
| ① | 外国人の受入れ実績(または生活相談の経験)があり、支援責任者・支援担当者を選任している | 過去2年間に、就労できる在留資格の外国人を雇った(管理した)実績があるか、その生活相談を業務として行った役職員がいるか。支援担当者は外国人が働く事業所ごとに1名以上 |
| ② | 外国人が十分に理解できる言語で支援できる体制 | 母国語に限らないが、本人が内容を余すことなく理解できる言語。通訳は必要なときに手配できればよい |
| ③ | 支援の状況の文書を作成し、雇用契約終了日から1年以上保管 | 支援体制・支援対象者・各支援の実施記録などの管理簿。電子保存も可 |
| ④ | 支援責任者・支援担当者が中立な立場で、欠格事由に当たらない | 外国人を監督する立場にない人であること。代表取締役や、外国人の部署を監督する上司は就けない(詳しくは後述) |
| ⑤ | 過去5年以内に支援計画に基づく支援を怠ったことがない | 雇用契約の締結前5年以内と締結後が対象。一度怠ると、その後の自社支援に響く |
| ⑥ | 本人と監督者に定期的な面談ができる体制 | 3か月に1回以上、本人と、その監督をする立場の人(直属の上司など)のそれぞれと面談する |
| ⑦ | 分野ごとの上乗せ基準(該当する分野のみ) | 分野を所管する省庁の告示で定める基準。自社の分野の要領別冊で確認する |
基準①|「過去2年間の受入れ実績」は3つのうちどれかで満たす
最初の関門が基準①です。運用要領は、次のイ・ロ・ハのいずれかに当てはまればよいとしています。ここでいう「中長期在留者」は、報酬を受ける活動などができる就労系の在留資格で在留する人に限られます。留学生のアルバイトや、家族滞在の人は数えられません。
| 区分 | 条件 | 注意点 | 主な確認書類 |
|---|---|---|---|
| イ 受入れ実績 | 過去2年間に、就労系の在留資格の中長期在留者を1名以上受け入れ(管理し)、入管法・技能実習法・労働関係法令を守ってきた。役職員から支援責任者・支援担当者を選任 | 賃金の不払いや違約金契約があると「適正」と認められない。特定技能1号を雇用した実績も含まれる(委託で受け入れていた場合も雇用の実績になる) | 受け入れた中長期在留者リスト(参考様式第1-11-2号) |
| ロ 生活相談の経験 | 過去2年間に、就労系の在留資格の中長期在留者の生活相談業務に従事した役職員の中から、支援責任者・支援担当者を選任 | 業務として行ったことが必要。個人的な付き合いやボランティアの相談は実績にならない。求人を紹介しただけでも該当しない | 支援責任者・支援担当者の履歴書(第1-20号・第1-22号)、生活相談業務を行った中長期在留者リスト(第1-11-3号) |
| ハ 同程度と認められる | イ・ロに当たらなくても、同程度に支援業務を適正に実施できると出入国在留管理庁長官が認めるもの | 提出資料で個別に判断。日本人労働者等を適正に雇ってきた実績、労働基準監督署から是正勧告を受けていないことなどが求められる | 該当することの説明書と立証資料 |
なお、設立したばかりで在籍者が代表者本人だけの法人(個人事業主も同様)は、第三者の受入れ実績とは認められないと明記されています。外国人を初めて雇う会社は、イの実績がないため、ロの経験者がいるか、ハで個別に認められるかのどちらかになります。確実性を重視するなら、最初は登録支援機関に委託し、雇用の実績を積んでから自社支援を検討する、という順番も選べます。
リウス(インドネシア出身・ジンザイネシア)
基準④|中小企業の最大の壁は「中立な担当者」を置けるか
自社支援を検討する中小企業が最もつまずくのが、支援責任者・支援担当者の中立性です。運用要領は、支援責任者・支援担当者について「外国人と異なる部署の職員であるなど、当該外国人に対する指揮命令権を有しない者」としたうえで、形式上は別の部署でも、代表取締役や、外国人の所属部署を監督する長(例:製造課に所属しているなら製造部長)など、組織図の縦のラインにある人は適格性がないと明記しています。
つまり「社長が面倒を見るから自社支援で」という形はとれません。現場の上司が面談も兼ねる、という運用もできません。総務・人事・管理部門など、外国人の仕事に指示を出さない役職員を支援の担当として立てられるかどうかが、自社支援の現実的な分かれ目になります。従業員が少なく、全員が社長の直接の指揮下にある会社では、この基準を満たすのが難しい場合があります。
リウス
基準②③⑥|言語・記録・定期面談は「続けられるか」で考える
言語(基準②)は、本人の母国語でなくても、本人が内容を余すことなく理解できる言語であれば足ります。運用要領は「通訳人を特定技能所属機関の職員として雇い入れることまでは必要なく、必要なときに委託するなどして通訳人を確保できるものであれば足ります」としています。ただし、相談は突然来ます。夜間や休日の急な相談に、どの言語で・誰が・どれくらいの時間で応じるのかまで決めておかないと、体制があるとは言えません。
記録(基準③)は、支援実施体制の管理簿(支援を行う事務所、職員数、支援責任者・担当者の経歴、対応言語)、支援対象者の管理簿、そして事前ガイダンス・生活オリエンテーション・相談・定期面談などの実施記録を作り、雇用契約の終了日から1年以上保管するものです。事前ガイダンスの確認書(参考様式第5-9号)、生活オリエンテーションの確認書(第5-8号)、定期面談報告書(第5-5号・第5-6号)といった書式が用意されています。
定期面談(基準⑥)は、3か月に1回以上、本人と、本人を監督する立場の人(直属の上司や雇用先の代表者など)のそれぞれと行います。双方が同意していれば、互いの表情を確認しながら話せるオンライン面談も認められています。面談で労働関係法令違反などを知ったときは、関係行政機関への通報も支援の一部です。
✅ 自社支援ができるか|8問の自己点検(社内会議でそのまま使えます)
- □ 過去2年以内に、就労系の在留資格の外国人を1人以上雇い、賃金不払いなどなく適正に扱ってきた(特定技能1号の雇用を含む)
- □ または、過去2年以内に就労系の在留資格の外国人の生活相談を「業務として」行った役職員がいる
- □ 代表者・外国人の直属の上司・その部署の長以外に、支援を任せられる役職員がいる
- □ 外国人が働く事業所ごとに、支援担当者を置ける
- □ 本人が十分理解できる言語で、急な相談にも応じられる(通訳の手配先がある)
- □ 事前ガイダンス(3時間程度)と生活オリエンテーション(8時間以上)の時間を確保できる
- □ 3か月に1回以上、本人と監督者それぞれと面談し、記録を残せる
- □ 2027年4月以降、支援責任者・支援担当者を常勤の役職員にできる
目安:すべて□に印が付く→自社支援を具体的に検討できる/1〜2個付かない→一部委託や、委託を続けながら体制を整える/3個以上付かない→当面は全部委託が現実的。
📌 公式情報源|出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年8月・PDF)第5章第2節第2(支援体制の基準・中立性・言語・記録)/1号特定技能外国人支援に関する運用要領(PDF)(事前ガイダンス3時間程度・生活オリエンテーション8時間以上・定期面談3か月に1回以上)(2026年9月時点)
3. 2027年4月から自社支援の会社にかかる4つの変更
2027年4月1日に、出入国管理及び難民認定法施行規則と上記の省令の改正が施行されます。改正は登録支援機関だけの話ではありません。出入国在留管理庁のリーフレットは「自社支援の場合」と「登録支援機関に委託する場合」を並べて図示しており、自社支援の会社にも4つの改正がかかります。
| 改正点(2027年4月1日施行) | いまの扱い(運用要領) | 自社支援の会社がすること |
|---|---|---|
| 支援責任者・支援担当者を、支援を行う事業所ごとに常勤の役職員から1人ずつ以上選任(兼務可) | 支援責任者は常勤であることを問わない。支援担当者は常勤が「望まれる」 | 非常勤・パートの担当者を置いている場合は、常勤の役職員に切り替える計画を立てる |
| 支援業務に従事できるのは支援責任者・支援担当者に限定 | 従事者を限る規定はない(支援責任者が「支援担当者その他支援業務に従事する職員」を管理する役割) | 面談・相談を誰が行うかを固定する。手伝う人がいるなら担当者として選任する |
| 支援責任者に養成講習(入管法や労働関係法令等)の受講を義務付け | 規定なし | 当分の間は未修了でも差し支えないとされる。講習の案内が出たら受講計画を立てる |
| 支援担当者1人あたり、支援する1号特定技能外国人は50人未満 | 人数の上限の定めはない | 1人なら49人まで、2人なら99人まで。受け入れ計画に合わせて担当者を増やす |
もう一つの改正点である「支援担当者1人あたり10機関未満」は、登録支援機関だけにかかる基準です。自社支援の会社には関係しません。数字の正しい読み方(「以下」ではなく「未満」)、登録支援機関に対する経過措置、委託先に確認する質問は、2027年4月の体制要件の記事で詳しく扱っています。
⚠️ 自社支援の会社への経過措置は、公表ページに書かれていません
出入国在留管理庁の改正案内ページには、登録支援機関の登録・更新に関する経過措置は示されていますが、自社支援の受け入れ企業が、いつの申請・届出から新しい基準で確認されるのかは書かれていません(2026年9月時点)。2027年4月以降に在留期間の更新などを控えている会社は、施行日の時点で新基準を満たしておく前提で準備し、今後の運用要領の改正を確認してください。
📌 公式情報源|出入国在留管理庁「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について(令和9年4月1日施行)」/主な改正点(リーフレットPDF・自社支援の場合の体制図あり)(2026年9月時点)
4. 自社支援と登録支援機関への委託の比較|費用・手間・リスク
「委託費がもったいない」という理由だけで自社支援に切り替えると、あとで想定外の手間が出てきます。反対に、「面倒そうだから」と委託を続けて、自社で十分回せる体制があるのに費用を払い続けている会社もあります。まずは同じ物差しで並べてみましょう。
| 比べる点 | 自社支援 | 登録支援機関に全部委託 |
|---|---|---|
| お金 | 委託費はかからない。代わりに担当者の労働時間、通訳の手配費、送迎・同行の実費がかかる | 1人あたり月1.5万〜3万円が中心帯(平均28,386円)。送迎・通訳同行などを別料金にしている機関もある |
| 社内の手間 | 10項目の実施・記録・保管、年1回の定期届出(支援の実施状況を含む)まで自社 | 支援の実施と記録は委託先。入管への届出は受け入れ企業が行う(登録支援機関は代行できない) |
| 支援体制の基準 | 7つの基準をすべて自社で満たす。2027年4月から常勤化・養成講習・50人未満も | 満たしたものとみなされる。委託先が自らの登録基準を満たす |
| 相談の受け皿 | 監督の縦ラインの外にいる社内の担当者。本人との距離が近く、状況をつかみやすい | 社外の担当者。職場に言いにくい相談の受け皿になるが、職場の事情の把握には連携が必要 |
| うまくいかなかったとき | 支援を怠ると基準⑤により、以後5年間は自社支援の基準を満たせなくなる。基準不適合の届出が必要になる | 委託先の支援が滞れば、委託先の変更や自社支援への切り替えと、その届出が必要になる |
| あとから変えるとき | 委託に切り替えるなら契約締結と届出(14日以内) | 委託先の変更・自社支援への切り替えとも届出で可能。旧契約の解約条項しだい |
委託費の相場|出入国在留管理庁の調査では平均28,386円
登録支援機関に払う委託費には、法令上の上限はありません。ただし登録支援機関は、全部委託の契約を結ぶときに支援業務に要する費用の額と内訳を受け入れ企業に示すことが求められています(示さない者は登録を拒否される)。相場は、出入国在留管理庁が有識者会議(2022年)に示した集計が最も確かな公的データです。
| 1人あたり月額の支援委託料 | 外国人数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 10,000円以下 | 5,115人 | 7.3% |
| 10,000円超〜15,000円以下 | 6,665人 | 9.5% |
| 15,000円超〜20,000円以下 | 17,781人 | 25.3% |
| 20,000円超〜25,000円以下(最多) | 18,434人 | 26.2% |
| 25,000円超〜30,000円以下 | 14,322人 | 20.3% |
| 30,000円超 | 8,087人 | 11.5% |
※2022年9月末に在留する特定技能外国人のうち、直近の「特定技能1号」の許可に係る申請で登録支援機関に有償で委託するとされた70,404人を集計した暫定値。平均28,386円、30,000円以下が約9割。10,000円以下の行は「5,000円以下」と「5,000円超〜10,000円以下」を合算して表示しています。
年額にすると、平均額で機械的に計算しても1人あたり約34万円(28,386円×12か月=340,632円)、5人なら約170万円、10人なら約341万円になります。人数が増えるほど「自社でやれば浮くのでは」という発想が出てくるのは自然です。費用の全体像は特定技能の費用はいくら?初期費用・ランニングコスト・業種別相場で整理しています。
自社支援の費用は「人の時間」|公的な目安から見積もる
自社支援の費用は、請求書としては見えません。担当者の労働時間と、通訳・移動の実費です。次の表の「公的な目安」は出入国在留管理庁の運用要領に書かれているもので、右の欄に自社の数字を入れれば、委託費の年額と比べられます。
| 支援の項目 | 公的な目安・求められる内容 | 自社の見積り(記入欄) |
|---|---|---|
| 事前ガイダンス | 対面またはテレビ電話等で3時間程度が必要と考えられる(同じ会社で引き続き雇う場合でも1時間未満は適切とはいえない) | __時間 × 担当者の時間単価+通訳費 |
| 生活オリエンテーション | 8時間以上が必要と考えられる(同じ会社で引き続き雇う場合でも4時間未満は適切とはいえない) | __時間 × 時間単価+通訳費 |
| 定期面談 | 3か月に1回以上、本人と監督者それぞれ(年4回×2者)。報告書の作成 | 1回__時間 × 8回 × 人数 |
| 送迎・公的手続の同行 | 入国時・出国時の空港等との送迎、住居地・社会保障・税などの手続への同行、口座開設や携帯電話の契約の支援 | 移動時間+交通費 |
| 相談・苦情対応 | 本人が十分理解できる言語で随時。内容と対応の記録 | 月__件 × 対応時間+通訳費 |
| 記録・届出 | 管理簿の作成・1年以上の保管、年1回の定期届出(支援の実施状況を含む)、随時届出 | 年__時間 × 時間単価 |
| 養成講習(2027年4月〜) | 支援責任者が受講(当分の間は未修了でも差し支えない)。講習の時間・費用は改正案内ページに記載なし(2026年9月時点) | 公表後に記入 |
比べ方のコツは、「委託費の年額」と「自社支援の年間時間×時間単価+実費」を、同じ人数で並べることです。受け入れる人数が少ないうちは、事前ガイダンスや生活オリエンテーションのような「入社時に集中する負担」が重く、人数が増えると定期面談や相談対応のような「毎月続く負担」が重くなります。
受け入れ企業はどう感じているか|出入国在留管理庁の意識調査
出入国在留管理庁が2022年7月に行った意識調査(有識者会議の資料として公表)には、自社支援の会社と委託している会社、それぞれの声が載っています。
🏢 登録支援機関を利用していない企業(自社支援)
- 利用しない理由で最も多いのは「自社のみで十分対応可能な体制だから」75.6%
🤝 登録支援機関を利用している企業
- 「支援内容」に満足:67.0%
- 「料金設定」に満足:46.6%、不満:17.0%
受け入れ企業全体に「外部に委託せず自社だけで行うと大変な支援項目」を聞いた設問では、公的手続等への同行 61.1%、事前ガイダンス 57.3%、出入国の送迎 52.6%が上位で、「すべて負担はない」と答えたのは10.3%にとどまりました。つまり約9割の企業が、どこかの項目は自社だけでは大変だと感じています。受け入れで苦労する点としても「日本人と異なり支援を行わなければならないこと」が38.6%に上ります(同じ調査で最も多かった「3か月に1回の定期届出の負担」40.5%は当時の制度で、2026年4月からは年1回に変わっています)。
自社で十分回せている会社が一定数ある一方で、委託している会社の満足は支援内容より料金の方が低めです。「全部を自社で」か「全部を委託」かの二択ではなく、負担の重い項目だけを外に出すという考え方が出てくるのは、このためです(次章)。
📌 公式情報源|出入国在留管理庁「技能実習制度及び特定技能制度の現状について」(技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議 第1回資料・PDF)(支援委託料の集計=2022年9月末時点・暫定値/意識調査=2022年7月)/特定技能運用要領(支援委託費に法令上の上限はないが額と内訳の明示が必要)/📊 業界相場:月1.5万〜3万円が中心帯(2026年9月時点・各社公開料金による目安)
5. 自社支援が向く会社・向かない会社|中間の「一部委託」も
ここまでの基準と費用を踏まえると、向き・不向きは次のように整理できます。どちらが正しいということはありません。自社の体制と、受け入れる人数の見通しで決めてください。
🟢 自社支援が向きやすい会社
- 過去2年以内に就労系の在留資格の外国人を適正に雇ってきた
- 総務・人事など、外国人の仕事に指示を出さない常勤の役職員がいる
- 本人が理解できる言語で話せる職員、または通訳の手配先がある
- 同じ言語の人を複数名受け入れる予定で、支援の型を社内に作れる
- 受け入れる事業所が少なく、担当者が移動しやすい
🔴 委託を続けた方がよいことが多い会社
- 外国人を雇うのが初めて(受入れ実績がない)
- 従業員が少なく、全員が社長や現場責任者の直接の指揮下にある
- 拠点が複数あり、事業所ごとに担当者を置けない
- 本人の言語で急な相談に応じる手段がない
- 海外から採用し、事前ガイダンス・送迎・住居の手配が一度に重なる
🔀 中間の選択肢|「一部委託」でできること・できないこと
- 前提:自社が支援体制の基準を満たしていること。そのうえで、自社の責任のもとで支援の一部を複数の第三者に委託できる(運用要領)
- 例:送迎や公的手続の同行、生活オリエンテーションの一部、通訳を外部に頼む。委託の範囲は支援計画に明示する
- できないこと:出入国在留管理庁の随時届出Q&Aは「定期面談の実施を一部委託することはできません」としている
- 届出:一部委託の契約は支援委託契約の届出の対象にならない。ただし支援計画の「委託の有無」「担当者」が変わるため、支援計画変更の届出が必要
業種によっても事情は変わります。介護施設の委託先の選び方は特定技能 介護の登録支援機関の選び方、物流倉庫は物流倉庫に強い登録支援機関・監理支援機関の選び方で、業種特有の確認点を整理しています。
📌 公式情報源|特定技能運用要領(令和8年8月・PDF)第6章第4節(基準を満たす受け入れ企業は、自社の責任で複数の第三者に一部を委託できる)/随時届出Q&A(令和7年6月・PDF)Q3-8・Q4-1(定期面談は一部委託不可・一部委託契約は委託契約の届出の対象にならない)(2026年9月時点)
「うちは自社支援の基準を満たせるか」「委託先を変えるなら、どこから手を付けるか」を一緒に整理します
当社は登録支援機関(24登-011066)として、インドネシア人材に特化した支援を行っています。自社支援への切り替えを検討中の会社、他社に委託中の会社からのご相談も承っています。委託をおすすめすることが前提の相談ではありません。
💬 30分の無料相談を予約する6. 登録支援機関の変更届出と、自社支援への切り替えの届出
委託先を変えるのも、自社支援に切り替えるのも、在留資格の許可をやり直す手続きではありません。変更が起きた後に、受け入れ企業が地方出入国在留管理局に届け出る仕組みです。まず全体のルールを押さえてください。
📐 随時届出の5つのルール(入管庁の公表内容)
- 届け出るのは受け入れ企業。登録支援機関と委託契約を結んでいても、登録支援機関が届出を行うことはできない
- 期限は事由が生じた日から14日以内。郵送の場合は消印ではなく、14日以内に入管に届いている必要がある
- 先の日付では出せない。未来の日を事由発生日とする届出は受け付けられない(契約が切り替わってから出す)
- 遅れた場合も速やかに提出。遅延の理由を説明する文書を必ず添付する
- 届け出なかった・偽った場合、支援計画変更や支援委託契約の届出は10万円以下の過料の対象(入管法第77条の2)。一定期間、特定技能の雇用契約を結べなくなる場合もある
パターン別|どの届出が必要かの早見表
| やりたいこと | 支援計画変更に係る届出書(参考様式第3-2号) | 支援委託契約に係る届出書 | 主な添付書類 |
|---|---|---|---|
| A 委託先の登録支援機関を変える | 必要(支援計画書の「Ⅲ 登録支援機関」欄が変わる) | 第3-3-2号:A欄(旧契約の終了)とB欄(新契約の締結)を記入 | 支援計画書(第1-17号)、登録支援機関との支援委託契約に関する説明書(第1-25号) |
| B 委託をやめて自社支援に切り替える | 必要(「Ⅲ」欄を削除し「Ⅱ 特定技能所属機関」欄に記載) | 第3-3-2号:A欄(終了) | 支援計画書(第1-17号)、特定技能所属機関概要書(第1-11号) |
| C 自社支援から全部委託に切り替える | 必要(「Ⅱ」欄を削除し「Ⅲ」欄に記載) | 第3-3-2号:B欄(締結) | 支援計画書(第1-17号)、説明書(第1-25号) |
| D 全部委託を一部委託に変える | 必要(「Ⅳ 支援内容」の委託の有無・担当者が変わる) | 第3-3-2号:全部委託契約の終了 | 支援計画書(変更部分)。自社が基準を満たすことが前提 |
| E 委託料・契約期間など契約内容を変える | 支援内容が変わる場合のみ | 第3-3-1号(契約の変更)。期間は短縮・延長どちらでも対象 | 変更内容が分かる資料 |
| F 支援責任者・支援担当者が替わる | 必要(全部委託でも、委託先の担当者の変更は受け入れ企業が届け出る) | - | 支援計画書(変更箇所)。委託先の支援責任者の新任時は就任承諾書及び誓約書(第2-3号) |
見落とされやすいのがFです。全部委託している場合でも、委託先の登録支援機関で支援責任者や担当者が交代したら、受け入れ企業が支援計画変更の届出を出す必要があります。委託先には「担当者が替わるときは、すぐに知らせてください」と契約時に伝えておくと安全です。また、複数の外国人のうち1人だけが退職し、他の人の委託契約は続く場合は、支援委託契約の届出は不要とされています。
提出先と提出方法
提出先は、受け入れ企業の本店の所在地を管轄する地方出入国在留管理官署(空港支局を除く)です。方法は3つあります。①出入国在留管理庁電子届出システム(事前の利用者情報登録が必要。運用要領は、提出期限の3か月前には利用者登録を申請するよう案内している)、②窓口への持参、③郵送(身分を証する文書の写しを同封し、封筒の表に朱書きで「特定技能届出書在中」等と書く)です。参考様式は必ず使わなければならないものではありませんが、記載漏れを防ぐため、できる限り参考様式を使うよう案内されています。
📌 公式情報源|出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」/支援計画変更に係る届出(入管法第19条の18第1項第2号)/支援委託契約に係る届出(同第3号)/提出書類一覧表(支援計画変更・委託契約・基準不適合)PDF/随時届出Q&A(令和7年6月)PDF(2026年9月時点)
7. 変更・切り替えの手順|在留期間の更新から逆算する7ステップ
届出そのものは書類を整えれば出せますが、実際に時間がかかるのは旧契約の解約、新しい体制づくり、記録の引き継ぎです。在留期間の更新申請は、6か月以上の在留期間がある人なら満了の3か月前から受け付けられます。更新申請は新しい支援計画で出したいので、切り替えは更新申請の前に終えておくのが基本です。
🗓 切り替えの逆算スケジュール(在留期間の満了を起点に)
満了の6〜5か月前
解約条項の確認・自社支援の自己点検/新委託先の比較
満了の5〜4か月前
解約の申し入れ・担当者の選任/新契約の締結準備
切替日(満了の4か月前まで)
旧契約の終了日=新体制の開始日。記録の受け取り・本人への説明
切替日から14日以内
随時届出が入管に到達。その後に更新申請(満了の3か月前から)
※解約の予告期間は契約ごとに異なります。予告期間が長い契約なら、そのぶん前倒ししてください。
| ステップ | やること | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 1. 今の契約を読む | ①解約の予告期間 ②違約金・中途解約の条件 ③記録の引き渡し条項 ④全部委託か一部委託か、を確認する | 予告期間を過ぎてから動き出し、旧契約と新契約の費用が重なる |
| 2. 行き先を決める | 自社支援なら第2章の7基準と8問の自己点検。委託先を変えるなら候補を同じ質問で比較する | 費用だけで次の委託先を選び、対応言語や担当者1人あたりの受け持ちを確認しない |
| 3. 新しい体制を作る | 自社支援:支援責任者・事業所ごとの支援担当者を選任、通訳の手配先を確保。委託:新契約の内容と費用の内訳を確認 | 社長や直属の上司を支援責任者にしてしまう(中立性の基準を満たさない) |
| 4. 支援計画を作り直す | 支援計画書(参考様式第1-17号)の該当欄を新しい体制で書き直す。日本語と本人が理解できる言語で作り、写しを本人に渡す | 定期面談の時期や実施言語が変わるのに、計画書に反映していない |
| 5. 途切れなくつなぐ | 旧契約の終了日と新体制の開始日をそろえる。支援計画書・定期面談報告書・相談記録・生活オリエンテーションの確認書などを受け取る | 記録を受け取らないまま契約が終わり、次の定期届出で支援の実施状況を書けない |
| 6. 本人と監督者に説明 | 相談窓口・担当者・連絡先が変わることを、本人が十分理解できる言語で伝える。監督者にも面談の担当が替わることを伝える | 本人が「誰に相談すればよいか分からない」期間ができる |
| 7. 14日以内に届け出る | 第6章の早見表どおりに、支援計画変更と支援委託契約の届出を出す。控えを保管する | 新しい委託先が出してくれると思い込む(登録支援機関は届出を代行できない) |
💡 逆算のコツ
複数の外国人を雇っている場合、在留期間の満了日は人ごとに違います。一番早く満了する人の更新申請より前に切り替えを終える計画にすると、更新のたびに旧体制と新体制が混ざるのを避けられます。在留期間の数え方は特定技能の在留期間は何年?数え方・更新の段取りを参考にしてください。
リウス
📌 公式情報源|出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」(6か月以上の在留期間がある人は満了の3か月前から申請可)/随時届出Q&AQ3-6・Q4-3・Q4-4(自社支援への切り替え・委託先変更で必要な届出)(2026年9月時点)
8. 支援委託契約書と「登録支援機関との支援委託契約に関する説明書」
委託先を変えるときに出てくる2つの書類は、名前が似ていますが役割が違います。
| 書類 | 位置づけ | 使う場面 |
|---|---|---|
| 支援委託契約書(参考様式第5-10号) | 受け入れ企業と登録支援機関の間の契約そのもの。入管庁がWord様式と記載例を公開している。支援の状況に係る文書(委託契約に関する管理簿)として保管する | 契約の締結・更新時。各社独自の契約書を使う場合も、参考様式の項目と見比べる |
| 登録支援機関との支援委託契約に関する説明書(参考様式第1-25号) | 契約の内容を入管に示すための説明書。在留諸申請や届出の添付書類として使う | 全部委託で在留資格を申請するとき、委託先を変える・自社支援から委託に切り替えるときの届出 |
新しい委託先と契約するときは、次の項目を契約書で確認してください。どれも、あとで「言った・言わない」になりやすいところです。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 委託の範囲 | 義務的支援10項目の全部か一部か。全部委託なら、支援体制の基準は満たしたものとみなされる |
| 費用の額と内訳 | 月額に含まれるもの・別料金のもの(送迎・通訳同行・入国時の支援など)。登録支援機関には額と内訳を示す義務がある |
| 契約期間と更新 | 自動更新の有無。期間を変えたら支援委託契約の変更の届出(第3-3-1号)が必要 |
| 解約と引き継ぎ | 予告期間、違約金の有無、契約終了時に支援記録を受け入れ企業に渡すこと |
| 担当者と言語 | 支援責任者・支援担当者の氏名、対応言語、担当者が替わるときの連絡(受け入れ企業の届出が必要になるため) |
| 再委託の禁止 | 登録支援機関は受託した支援を更に委託できない(通訳の活用など補助の範囲は可)。実際に面談するのは誰か |
| 届出の資料提供 | 年1回の定期届出で受け入れ企業が提出する「支援実施状況」(参考様式第3-6号 別紙1)を、いつまでに渡してくれるか |
| 申請書類の作成 | 在留期間更新などの書類を誰が作るか。報酬を得て作成できるのは行政書士(次章) |
候補の比較には、登録支援機関の選び方|契約前に確認すべき10項目チェックリストが使えます。地域の登録支援機関を探すなら、東京版/大阪版/愛知・名古屋版/福岡版/北海道版で登録簿の使い方を解説しています。
📌 公式情報源|出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(支援委託契約書=参考様式第5-10号、説明書=第1-25号、支援計画書=第1-17号〔全部委託・自社支援の記載例あり〕)/特定技能運用要領(費用の額・内訳の明示、再委託の禁止)(2026年9月時点)
9. 同時に押さえる3つの制度|行政書士法・手数料・定期届出
① 行政書士法の改正(2026年1月1日施行)|書類を作る人と出す人は別
改正で、行政書士でない者が「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」官公署に出す書類を作ることが禁止だと明確になりました。登録支援機関は在留申請の書類を入管に提出(取次)することはできますが、報酬を得て書類を作成することはできません。支援委託費に含める形でも同じです。自社支援でも委託でも、申請書類の作成を社外に頼むなら、依頼先は行政書士です。委託先を選ぶときは「更新の書類はどなたが作りますか」と一度聞いておきましょう。
② 在留手続の手数料改定(2026年10月1日受付分から)
在留資格の変更・在留期間の更新の手数料は、2026年9月30日受付分までは窓口6,000円・オンライン5,500円ですが、10月1日受付分からは許可される在留期間の区分ごとに窓口10,000〜75,000円(オンラインは10,000〜65,000円+決済手数料)に改定されました。たとえば1年なら窓口33,000円です。支援の形に関係なくかかる費用なので、自社支援と委託の比較とは別に予算に入れてください。詳しくは在留資格の更新・変更手数料が2026年10月1日から改定で解説しています。
③ 定期届出は年1回(2026年4月から)|自社支援は「支援の実施状況」も自社で
定期届出は、4月1日〜翌年3月31日を対象に、翌年5月31日までに提出します。届出者は受け入れ企業です。全部委託している場合は、登録支援機関から支援実施状況の書類を受け取り、取りまとめて一緒に提出します。自社支援の場合は、自社の支援記録から実施状況を作ります。第2章の基準③の記録が、そのまま届出の材料になります。詳しくは特定技能の定期届出は2026年4月から年1回にをご覧ください。
このほか、外国人を雇い入れたとき・離職したときのハローワークへの届出は、支援の形に関係なく事業主の義務です(ハローワークへの外国人雇用状況の届出)。
📌 公式情報源|日本行政書士会連合会「行政書士法第19条第1項及び第23条の3の改正の趣旨等について」/総務省 行政書士制度/出入国在留管理庁「改正入管法施行令について」・オンライン申請の手数料額・納付方法/特定技能所属機関・登録支援機関による届出(定期届出の対象期間・提出期限)(2026年9月時点)
10. よくある質問
各項目をタップすると回答が開きます。回答はすべて出入国在留管理庁・日本行政書士会連合会の公表内容に基づいています(2026年9月時点)。
Q. 特定技能は登録支援機関なしで受け入れられますか?
Q. 外国人を雇うのが初めてでも自社支援できますか?
Q. 社長が支援責任者になることはできますか?
Q. 支援担当者はパートやアルバイトでもよいですか?
Q. 本人の母国語を話せる職員を雇わないといけませんか?
Q. 登録支援機関を変更すると、在留資格の手続きをやり直す必要がありますか?
Q. 自社支援にしたら、在留期間の更新申請は誰が出すのですか?
Q. 届出を新しい登録支援機関に出してもらうことはできますか?
Q. 14日を過ぎてしまいました。どうすればよいですか?
Q. 自社支援にしたあと、また委託に戻すことはできますか?
Q. 支援の一部だけを登録支援機関に頼むことはできますか?
自社でやるか、委託を続けるか、委託先を変えるか。判断の材料をそろえてから決めましょう
当社は登録支援機関(24登-011066)として、インドネシア人材に特化した支援を行っています。自社支援の基準を満たせるかの確認、今の委託先との契約内容の見直し、切り替えの段取りと届出の順番まで、受け入れ企業の立場で整理するお手伝いができます。他社に委託中のままのご相談も歓迎です。
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11. まとめ|費用だけでなく「基準」と「続けられるか」で決める
✅ この記事の要点
- 特定技能1号の支援は、自社支援・全部委託・一部委託のいずれかで行う。登録支援機関なしでも受け入れは可能。
- 自社支援には省令の7つの基準がある。特に「過去2年の受入れ実績(または生活相談の経験)」と「外国人を監督する立場にない担当者」が壁になりやすい。
- 社長や直属の上司は支援責任者・支援担当者になれない。
- 2027年4月からは、自社支援の会社にも常勤化・業務の限定・養成講習・担当者1人あたり50人未満がかかる。
- 委託費は1人あたり月1.5万〜3万円が中心帯(平均28,386円)。自社支援は担当者の時間と通訳・移動の実費で見積もって比べる。
- 委託先の変更・自社支援への切り替えは、受け入れ企業が14日以内に支援計画変更(第3-2号)と支援委託契約(第3-3-2号)の届出を出す。登録支援機関は代行できない。
- 切り替えは在留期間の更新申請より前に終える。解約条項・記録の引き継ぎ・本人への説明を忘れない。
自社支援にするか委託するかは、どちらが得かという話だけではありません。支援の目的は、働く本人が困ったときに相談でき、安心して働き続けられる状態を保つことです。その状態を自社の人と仕組みで保てるなら自社支援は合理的な選択ですし、保つのが難しいなら委託は必要な費用です。基準を満たせるかを確かめ、同じ人数で費用と時間を並べ、変えるなら更新から逆算して届出まで終える。この順番で進めてください。受け入れ企業としての全体の流れは特定技能制度の完全ガイドで確認できます。
12. 公式情報源リスト(お気に入り登録推奨)
| 機関 | 資料 | 確認できること |
|---|---|---|
| 出入国在留管理庁 | 1号特定技能外国人支援・登録支援機関について | 支援の実施主体・義務的支援10項目・全部委託のみなし・再委託の禁止 |
| 出入国在留管理庁 | 特定技能運用要領・各種様式(運用要領 令和8年8月版PDF/支援に関する運用要領PDF) | 自社支援の7基準・中立性・言語・記録・定期面談の頻度・ガイダンスの時間 |
| 出入国在留管理庁 | 支援体制に係る要件の改正について(令和9年4月1日施行)/主な改正点(PDF) | 常勤化・業務の限定・養成講習・50人未満/10機関未満、自社支援の体制図 |
| 出入国在留管理庁 | 特定技能所属機関・登録支援機関による届出 | 随時届出の種類・14日以内・登録支援機関は代行不可・定期届出の期限 |
| 出入国在留管理庁 | 支援計画変更に係る届出/支援委託契約に係る届出 | 根拠条文・届出事項・様式(第3-2号、第3-3-1号、第3-3-2号)・提出方法 |
| 出入国在留管理庁 | 提出書類一覧表(支援計画変更・委託契約・基準不適合)PDF/随時届出Q&A PDF | パターン別の添付書類・A欄/B欄の書き分け・一部委託の扱い・遅延時の理由書 |
| 出入国在留管理庁 | 特定技能関係の申請・届出様式一覧 | 支援委託契約書(第5-10号)・説明書(第1-25号)・支援計画書(第1-17号)ほか |
| 出入国在留管理庁 | 技能実習制度及び特定技能制度の現状について(有識者会議資料PDF) | 支援委託料の平均28,386円と分布(2022年9月末)・受け入れ企業の意識調査(2022年7月) |
| 出入国在留管理庁 | 在留期間更新許可申請/改正入管法施行令について | 更新申請の受付(満了の3か月前から)・2026年10月1日からの手数料 |
| 出入国在留管理庁 | 在留申請のオンライン手続 | 所属機関の職員・登録支援機関の職員などの利用対象と利用申出 |
| 日本行政書士会連合会 | 行政書士法第19条第1項及び第23条の3の改正の趣旨等について | 2026年1月1日施行の改正内容・名目を問わない報酬の扱い |
※本記事は2026年9月時点の公表内容に基づきます。2027年4月1日の改正施行に向けて運用要領や様式が更新される可能性があるため、届出や申請の前に必ず上記の公式情報をご確認ください。費用の金額は機関・支援内容・受け入れ人数により変動する目安です。本記事の内容は法的助言を構成するものではありません。
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この記事が「自社でやるか・変えるときの届出」だとすれば、こちらは委託先に今確認すべき7つの質問と、経過措置の読み方をまとめた記事です。
役割・義務的支援・費用相場・登録簿の探し方 登録支援機関の選び方|契約前に確認すべき10項目チェックリスト
委託先を変えるときの比較にも使える10項目 特定技能 介護の登録支援機関の選び方
介護施設が確認すべき10項目と費用相場 物流倉庫に強い登録支援機関・監理支援機関の選び方
失敗しない6基準と費用・体制要件 特定技能の定期届出は2026年4月から年1回
対象期間・提出期限5月31日・登録支援機関は代行不可 特定技能制度とは?受け入れ企業の完全ガイド
対象分野・条件・費用・流れの全体像 特定技能の費用はいくら?初期費用・ランニングコスト・業種別相場
委託費を含めた年間総額の内訳 特定技能の転職 完全ガイド
手続き・必要書類と「選ばれる会社」になる方法 外国人材紹介会社の選び方|紹介・派遣・登録支援機関の違い
採用の依頼先と支援の委託先を分けて考える
この記事を書いた人
ジンザイネシア編集部株式会社ジンザイネシアの編集部です。登録支援機関(24登-011066)・有料職業紹介事業(01-ユ-300820)として、インドネシア人材の採用・受け入れ・定着を支援している立場から、特定技能・育成就労の制度と受け入れ実務を、出入国在留管理庁・厚生労働省などの一次情報にもとづいて解説しています。

この記事を監修した人
吉田 卓司株式会社ジンザイネシア代表取締役。 2000年にオイシックス・ラ・大地(東証プライム市場・3182)を共同創業し、2007年に五反田電子商事(現GDX)を創業。2012年にシンガポールへ移住し、2015年にはインドネシアでBeautynesiaを創業のうえ現地財閥法人へ売却。 10年以上のインドネシア在住経験と、日本インドネシア国交55周年の大相撲巡業主催(2013年・1万人以上集客)など現地での実績を基盤に、2023年に株式会社ジンザイネシアを創業。 本コラムでは、特定技能・育成就労に関する制度実務とインドネシア人材の採用・教育・定着支援の知見を、登録支援機関の立場から監修します。
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