特定技能・育成就労 物流倉庫の対象業務|できる仕事・できない仕事を徹底解説
物流倉庫

特定技能・育成就労 物流倉庫の対象業務|できる仕事・できない仕事を徹底解説

結論|3行で理解する

物流倉庫の特定技能・育成就労で任せられるのは倉庫内の入出庫・保管作業(仕分け・ピッキング・梱包・検品・荷役・フォークリフト等)。トラック運転(配送)は対象外です。

あわせて読みたい:制度の全体像(いつから・対象事業者・要件・受け入れの流れ)は物流倉庫×外国人材 受け入れ完全ガイドでまとめています。

「自社の倉庫のどの作業を外国人材に任せられるのか」は、受け入れ可否を判断する最初の関門です。本記事は、物流倉庫分野でできる業務・付随的にできる業務・できない業務の線引きを、国土交通省・出入国在留管理庁の公表情報をもとに整理します。とくに混同しやすい「トラックドライバー(自動車運送業)との違い」「フォークリフトの資格」「事務・清掃だけの専従が不可な理由」まで踏み込みます(2026年6月時点)。

対象業務の全体像(倉庫内作業が対象)

物流倉庫は、2026年1月23日の閣議決定で特定技能・育成就労の対象に追加された新分野です(運用開始は2027年4月予定・所管は国土交通省)。この分野で外国人材に任せられるのは、ひとことで言えば「倉庫の中で行う、入出庫・保管とそれに付随する一連の作業」です。商品をトラックで配送する運転業務とは制度上はっきり区別されている点が、この分野の最重要ポイントになります。

まず全体像を、業務の流れに沿って整理します。倉庫オペレーションは大きく「入庫・保管」と「出庫・出荷」の2系統に分かれ、そこに「流通加工」「荷役・機械操作」が付随します。下の表が、物流倉庫分野で対象となる業務区分の一覧です。

区分主な作業対象
入庫・保管入荷(荷受け)・検品・仕分け・棚入れ・在庫管理○ 対象
出庫・出荷指示に基づくピッキング・検品・梱包・ラベル貼付・出荷準備○ 対象
流通加工値札付け・セット組み・詰め合わせ・簡易な加工○ 対象
荷役・機械操作フォークリフト・電動パレットトラック・ショベルローダー等での運搬補助○ 対象
(資格が前提)
配送(運転)トラックでの集配・配送ルート運転✕ 対象外
(自動車運送業)
単一の付随業務に専従事務作業だけ・清掃だけに常時従事✕ 不可

つまり、倉庫の入口(荷受け)から出口(出荷)まで、商品が倉庫の中を流れていく過程の作業はおおむね任せられます。一方、商品を倉庫の外へトラックで運ぶ「運転」は別分野です。この大枠を押さえたうえで、以下で各業務を具体的に見ていきます。

📌 公式情報源:出入国在留管理庁「特定技能」基本方針・分野別運用方針(2026年6月時点・物流倉庫の対象業務は運用要領で最終確定)

できる仕事①|入庫・保管(荷受け〜棚入れ)

倉庫オペレーションの「入口」にあたる業務です。トラックや海上コンテナで届いた商品を受け取り、数量・品質を確認し、保管場所に納めるまでの一連の流れを担います。

工程具体的な作業
入荷・荷受け到着した荷物の受け取り、納品書との照合、パレットからの荷下ろし補助
検品品番・数量・破損の有無を確認し、端末(ハンディスキャナ)で読み取り・記録
仕分け商品の種類・保管区分・出荷先ごとの仕分け
棚入れ(格納)指定されたロケーション(棚番号)への格納、台車・カゴ車での運搬
在庫管理在庫数の確認・棚卸し補助・在庫データの更新

この一連の作業は、「荷受け → 検品 → 仕分け → 棚入れ → 在庫データ更新」という決まった手順を繰り返すのが基本です。手順が明確で教えやすく、外国人材が早期に戦力化しやすい業務群といえます。とくに検品は、品番と数量を取り違えないことが品質の要であり、端末での読み取りと目視確認を組み合わせることで、言葉に頼りすぎず正確に進められます。

できる仕事②|出庫・出荷(ピッキング〜梱包)

倉庫の「出口」にあたる、出荷に関わる業務です。EC(通販)の拡大でもっとも作業量が増えているのがこの領域で、外国人材の需要が特に高い部分でもあります。

工程具体的な作業
ピッキング出荷指示(端末・リスト)に基づき、棚から対象商品を集める
出荷検品集めた商品の品番・数量・出荷先を再確認(誤出荷の防止)
梱包緩衝材を入れて箱詰め、テープ留め、サイズに応じた資材選定
ラベル貼付送り状・出荷ラベルの貼付、方面別の仕分け
出荷準備出荷レーン・方面別カゴ車への積み込み補助

一般的な出荷現場では、「端末で出荷指示を受け取る → 棚(ロケーション)へ移動して商品をピッキング → 数量・商品を検品 → 梱包してラベルを貼る → 出荷レーンへ運ぶ」という流れを繰り返します。どの工程も、数量・商品・出荷先を取り違えないことが品質の要です。WMS(倉庫管理システム)やハンディ端末、自動搬送機の導入が進んでも、ピッキング・検品・梱包・仕分けといった人の手による作業はなくならず、出荷量の増加でむしろ需要が高まっています。EC物流の人手不足の構造はEC物流の人手不足を外国人材で解決でも解説しています。

できる仕事③|流通加工・荷役・フォークリフト

入出庫・保管に付随する作業も対象です。流通加工と、機械を使った荷役(運搬)が代表例です。

区分具体的な作業
流通加工値札・タグ付け、セット組み、詰め合わせ、ギフト包装、簡易な組立・加工
荷役(人力)台車・カゴ車・ハンドリフトでの運搬、積み替え、デバンニング(コンテナ荷下ろし)補助
フォークリフト等フォークリフト・電動パレットトラック・ショベルローダー等での運搬・荷役(所定の資格が前提

流通加工は、出荷前の商品に手を加える付加価値作業です。たとえばギフトのセット組みや、アパレルの値札付けなどが該当し、丁寧さと正確さが求められるため、外国人材の戦力化が進みやすい工程です。荷役のうちフォークリフト作業は需要が高い一方、日本の技能講習修了などの資格が前提になります。この点は後述する「フォークリフトは資格が前提」で詳しく解説します。

📌 公式情報源:国土交通省(物流政策・倉庫業)(2026年6月時点・対象業務は運用要領で最終確定)

付随的にできる仕事(清掃・連絡など)

外国人材は、日本人従業員が通常あわせて行う関連業務については、付随的に従事することが認められています。倉庫の現場でいえば、次のような作業です。

付随的にできる作業の例ポイント
作業場の清掃・5S作業エリアの整理整頓・清掃。ただし「清掃だけ」に専従はできない
資材の準備・補充梱包資材・伝票・備品の補充など、作業に付随する準備
連絡・報告作業の進捗・在庫差異・不良品の報告・連絡
簡単な記録入力端末・帳票への作業記録(あくまで作業に付随する範囲)

ここで重要なのは、これらはあくまで「メインの倉庫作業に付随して行う」範囲で認められるという点です。つまり、ピッキングや検品といった中心業務を担いながら、その流れで清掃や連絡も行う──これは問題ありません。しかし、清掃や事務だけを切り出して常時担当させる(専従させる)ことはできません。理由は次の「できない仕事」で説明します。

できない仕事(トラック運転・専従の付随業務)

物流倉庫分野で任せられない・任せ方に制限がある業務を整理します。受け入れの可否や在留資格の審査にも関わる重要な線引きです。

① トラックの運転による配送業務:倉庫から店舗・個人宅へ商品を運ぶ配送(運転)は、自動車運送業という別分野の領域で、物流倉庫分野の対象外です。育成就労では自動車運送業そのものが対象分野に含まれていません。「倉庫作業+配送ドライバー」を1人に兼任させたい場合は、この線引きに特に注意が必要です。
② 事務作業だけ・清掃だけの専従:特定技能は「相当程度の知識・経験を要する倉庫内作業」が対象です。倉庫の中心業務を担わず、事務だけ・清掃だけといった単一の付随業務に常時従事させることはできません(付随的に行うのは可)。
③ 小売店舗バックヤードのみの作業:小売店舗の店内・バックヤード内のみで完結する品出し等は、物流倉庫分野ではなく小売・外食等の別の枠組みで整理される見込みです。自社が「倉庫業務を行う事業者」に当たるかとあわせて確認しましょう。
④ 無資格でのフォークリフト運転:フォークリフトの運転は、日本の法令にもとづく技能講習等の修了が必須です。資格のない状態で運転業務に従事させることはできません。

このうち、もっとも問い合わせが多く、かつ誤解されやすいのが①の「トラックドライバーとの違い」です。次の章で詳しく整理します。

⚠️ 「できる/できない」の最終的な線引きは、2026年度中に公表される分野別運用方針・運用要領で確定します。本記事は2026年6月時点の閣議決定・公表情報にもとづく整理であり、自社の具体的な業務範囲は公式情報で必ずご確認ください。

トラックドライバーとの線引き(最重要)

「物流の人手不足だから、外国人ドライバーを雇える」と理解されることがありますが、物流倉庫分野でトラックの配送運転はできません。物流倉庫(倉庫内作業)と自動車運送業(運転)は、制度上まったく別の分野として扱われます。両者の違いを整理します。

観点物流倉庫分野自動車運送業分野
主な業務倉庫内の入出庫・保管・仕分け・ピッキング・梱包・荷役トラック等での集配・配送運転(トラック・バス・タクシー)
特定技能○ 対象(2027年4月〜予定)○ 対象(運転免許等の要件あり)
育成就労○ 対象✕ 対象外
必要な資格フォークリフト等は技能講習(業務による)日本の運転免許(中型・大型・普通等、車両による)

ポイントは2つです。第一に、「倉庫の中の作業」か「公道での運転」かで分野が分かれます。倉庫内でフォークリフトを運転して荷を動かすのは物流倉庫分野ですが、トラックで公道を走って配送するのは自動車運送業分野です。第二に、育成就労では自動車運送業が対象分野に含まれていません。育成就労の対象は、特定技能の分野から「航空」「自動車運送業」を除いたおおむね17分野で、物流倉庫はそこに含まれます(自動車運送業は含まれません)。育成就労の対象分野の全体像は育成就労の対象分野(おおむね17分野)をご覧ください。

実務上は、「入荷した荷をフォークリフトで倉庫内に格納し、出荷時に積み込みレーンまで運ぶ」までが物流倉庫分野、「そこからトラックに載せて配送に出る」のが別分野、というイメージで整理すると分かりやすいです。倉庫と配送を兼業している会社では、外国人材に任せる業務を「倉庫内作業」に設計する必要があります。制度全体の対象業務の整理は特定技能の新分野(物流倉庫・リネンサプライ・資源循環)もあわせてご確認ください。

📌 公式情報源:出入国在留管理庁「分野別運用方針」国土交通省(2026年6月時点)

フォークリフトは資格が前提

倉庫で需要の高いフォークリフト作業は対象業務に含まれますが、従事させるには日本の法令にもとづく技能講習等の修了が別途必須です。母国でフォークリフトを運転していた人材でも、日本の資格を改めて取得する必要があります。

対象必要な資格・教育
最大荷重1t以上のフォークリフトフォークリフト運転技能講習の修了が必要
最大荷重1t未満のフォークリフト特別教育で従事できる場合がある
電動パレットトラック等機種により特別教育で操作できる場合がある(業務設計の選択肢になる)
  • 母国のフォークリフト資格は使えない:日本の技能講習を改めて修了する必要があります
  • 学科は日本語:専門用語が多く、日常会話ができても苦戦することがあるため、講習前の日本語・用語の準備が有効です
  • 資格取得の計画と費用を準備に織り込む:採用時に「フォークリフトを任せたいか」を整理し、必要なら取得スケジュールと費用を受け入れ準備に組み込みます

逆にいえば、フォークリフト資格がない段階でも、ピッキング・検品・梱包・仕分け・流通加工といった人力中心の作業から戦力化し、入職後に資格取得を支援して任せる範囲を広げるという段階設計が現実的です。資格要件・安全教育・面接の実務はフォークリフト作業×外国人材、現場の労災対策は物流倉庫の安全教育・労災対策ガイドで詳しく解説しています。

📌 公式情報源:厚生労働省(育成就労制度の概要・安全衛生)(2026年6月時点)

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対象業務に関わる受け入れ要件

対象業務を任せるうえで、業務設計と直接結びつく受け入れ要件があります。とくに次の3点は、業務の任せ方に影響します。

要件内容と業務への影響
技能評価試験入出庫・保管・ピッキング・検品・梱包・安全衛生などの基礎が問われる見込み。試験内容=任せられる業務の範囲とおおむね対応する。試験は2026年度中に整備見込み
日本語日本語教育の参照枠A2.2相当以上JLPT N4またはJFT-Basic A2以上が目安)。倉庫は安全な指示理解が重視される
在庫管理システムの活用入出庫・在庫管理システム(WMS)等を活用していることが受け入れ要件とされる見込み。完全にアナログな現場はシステム導入から準備
雇用形態直接雇用が基本(派遣形態は不可とされる見込み)。倉庫内作業の指揮命令を自社で行う設計に
協議会への加入受け入れ機関は分野別協議会への加入が必要となる見込み
受入見込数分野全体で3年間に約1万8,300人(特定技能1号 約11,400人+育成就労 約6,900人)が目安
支援体制特定技能1号は生活・職場の支援体制(自社または登録支援機関)が必要

派遣形態は不可とされる見込みのため、倉庫内作業の指揮命令を自社で行う直接雇用の設計が前提です。派遣・直接雇用の比較は倉庫の派遣 vs 直接雇用(特定技能)、受け入れ手続き全体は特定技能「物流倉庫」の受入手続き、協議会加入は物流倉庫分野の特定技能協議会 加入ガイドで詳しく解説しています。支援を外部委託する場合は登録支援機関の選び方もご参照ください。

特定技能と育成就労で対象業務は違う?

物流倉庫は特定技能・育成就労の両方で受け入れられます。任せられる「倉庫内作業」という対象業務の大枠は共通ですが、人材像と任せ方の前提が異なります。

観点特定技能1号育成就労
人材像試験合格済みの即戦力未経験から育成
対象業務倉庫内作業(入出庫・保管・荷役 等)同左(育成を通じて習熟)
日本語N4/JFT-Basic A2相当が目安就労開始までにA1相当以上(その後育成)
在留期間通算5年原則3年
その先2号への移行で長期雇用も視野特定技能1号へ移行

育成就労は未経験から受け入れて育てる制度のため、入職直後は任せられる作業が限られますが、就労を通じて習熟し、最終的に特定技能1号と同等の倉庫内作業を担えるよう育てていきます。育成就労の監理を担うのは監理支援機関で、1人あたり受入機関8者未満・育成就労外国人40人未満などの体制要件があります(特定技能の登録支援機関の50名・10社とは別の数字です)。育成就労で育てて特定技能へつなぐことで長期戦力化できます。制度の使い分けは育成就労と特定技能の違い、長期雇用の道筋は育成就労から特定技能へのキャリアパス設計、育成就労の全体像は育成就労制度の完全ガイド、育成就労×物流倉庫の受入は育成就労×物流倉庫の受入ガイドをご覧ください。

業務の任せ方を段階設計する

対象業務が分かっても、いきなり全工程を任せると品質トラブルや本人の負担につながります。任せやすい工程から段階的に広げるのが、品質を保ちながら早期に戦力化するコツです。

入職〜1か月
定型作業
1〜3か月
検品・在庫
3〜6か月
資格・機械
6か月〜
指導・多能工

← 任せる範囲を段階的に広げる →

時期任せる業務ねらい・ポイント
入職〜1か月①ピッキング・梱包・仕分けなど手順が定型的な作業
②先輩について商品知識・ロケーションを覚える
早く成功体験を積ませ、自信と定着につなげる
1〜3か月③検品・流通加工へ範囲を拡大
④在庫管理・棚卸し補助を任せる
正確さが要る工程へ。やさしい日本語の手順書で支える
3〜6か月⑤フォークリフト技能講習の取得を支援
⑥機械を使った荷役へ拡大
資格取得で任せる範囲と処遇を広げる
6か月〜⑦複数工程を担う多能工へ
⑧新人のOJT指導役を任せる
長期戦力化。等級・賃金を上げて定着を促す
段階設計のコツ:最初から複雑な判断業務を任せて失敗するより、できる範囲を着実に広げる方が、本人の自信と定着につながります。倉庫はロケーション番号・数量・出荷先の取り違えが事故やクレームに直結するため、各工程の品質基準を「やさしい日本語+図解+端末表示」で伝える工夫が効きます。

この段階設計と並行して、安全教育・生活支援・定期面談を整えると、定着率が大きく変わります。受け入れ準備の進め方は育成就労×物流倉庫の12ヶ月準備スケジュール、業態(3PL・冷凍冷蔵・メーカー物流)ごとの違いは業態別に見る物流倉庫×外国人材、倉庫の人手不足の背景は倉庫業の人手不足はなぜ起きる?、費用の目安は物流倉庫の受入費用 完全ガイドをご覧ください。

よくある質問

物流倉庫の特定技能・育成就労で「任せられる業務」について、企業から多い質問をまとめました。各項目をタップ/クリックで回答が開きます(回答は2026年6月時点の公表情報に基づきます。最終的な対象業務は公式の運用要領をご確認ください)。

Q. 物流倉庫の外国人材にトラックの配送運転は任せられますか?
いいえ。トラックでの配送運転は「自動車運送業」という別分野で、物流倉庫分野の対象外です。育成就労では自動車運送業そのものが対象分野に含まれていません。物流倉庫分野で任せられるのは、あくまで倉庫内の入出庫・保管・仕分け・ピッキング・梱包・荷役などの作業です。倉庫内でフォークリフトを運転して荷を動かすのは対象ですが、公道をトラックで配送するのは別分野になります。
Q. 具体的にどんな倉庫作業ができますか?
入荷・検品・仕分け・棚入れ・在庫管理(入庫・保管系)、ピッキング・検品・梱包・ラベル貼付・出荷準備(出庫・出荷系)、値札付け・セット組みなどの流通加工、台車・カゴ車での荷役、フォークリフト等の機械操作(資格が前提)まで、倉庫内の入出庫・保管に関わる一連の作業が対象です。
Q. フォークリフト作業はすぐに任せられますか?
フォークリフト作業は対象業務ですが、日本の法令にもとづく技能講習(最大荷重1t以上は運転技能講習)の修了が必須です。母国の資格は使えず、学科は日本語のため準備が必要です。資格取得までは、ピッキング・検品・梱包・仕分けなど人力中心の作業から戦力化し、入職後に資格取得を支援して任せる範囲を広げるのが現実的です。
Q. 事務作業や清掃だけを担当させることはできますか?
できません。特定技能は「相当程度の知識・経験を要する倉庫内作業」が対象で、事務だけ・清掃だけといった単一の付随業務に専従させることはできません。ただし、ピッキングや検品などの中心業務を担いながら、その流れで清掃・連絡・記録を付随的に行うことは認められています。
Q. 倉庫と配送を兼業しています。倉庫作業+配送ドライバーを1人に兼任させられますか?
物流倉庫分野の在留資格では、配送(運転)業務は任せられません。倉庫内作業に従事させる必要があります。配送ドライバーを外国人材に任せたい場合は「自動車運送業」分野での受け入れを別途検討することになりますが、育成就労では自動車運送業が対象外です。業務設計は、自社のどの作業をどの制度で担うか、専門家に相談して整理するのが安全です。
Q. 特定技能と育成就労で、任せられる業務は違いますか?
対象業務(倉庫内作業)の大枠は共通です。違いは人材像で、特定技能1号は試験合格済みの即戦力、育成就労は未経験から育てる制度です。育成就労は入職直後に任せられる作業が限られますが、就労を通じて習熟し、特定技能1号と同等の倉庫内作業を担えるよう育てていきます。育成就労で育てて特定技能へつなぐ設計が長期戦力化に効果的です。
Q. アナログ運用の倉庫でも受け入れできますか?
物流倉庫分野では、入出庫・在庫管理システム(WMS)等を活用していることが受け入れ要件とされる見込みです。完全にアナログで運用している現場は、まずシステム導入から準備を始める必要があります。最終的な要件は2026年度中に公表される運用要領で確定するため、公式情報をご確認ください。
Q. いつから外国人材を倉庫作業に受け入れられますか?
2026年1月23日の閣議決定で特定技能・育成就労の対象に追加され、運用開始は2027年4月が予定されています。対象業務・試験・要件の詳細は2026年度中に公表される見込みです。試験合格者の確保と在留資格の申請に数か月かかるため、対象業務の整理や制度選択は今から進めておくとスムーズです。

まとめ|「できる仕事・できない仕事」を整理して受け入れ設計を

物流倉庫の特定技能・育成就労で任せられるのは、倉庫内の入出庫・保管に関わる一連の作業(入荷・検品・仕分け・棚入れ・在庫管理・ピッキング・梱包・流通加工・荷役・フォークリフト等)です。一方、トラックの配送運転は自動車運送業という別分野で対象外、事務・清掃だけの専従も不可です。フォークリフトは資格が前提となるため、人力中心の作業から戦力化し、段階的に任せる範囲を広げる設計が現実的です。対象業務・試験・要件の詳細は2026年度中に公表される運用要領で確定します。ジンザイネシアは特定技能・育成就労の両方に対応し、「自社のどの作業を任せられるか」の整理から制度選択・受け入れ体制づくり・インドネシア人材のご紹介・定着まで一貫して伴走します。検討を始めた段階でもお気軽にご相談ください。

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国土交通省(物流政策・倉庫業)所管・倉庫業
厚生労働省「育成就労制度の概要」育成就労の枠組み・安全衛生
国際交流基金 JFT-Basic日本語試験(A2相当)

本記事は2026年6月時点の閣議決定・公表情報にもとづきます。対象業務・試験・要件等は2026年度中に公表予定の運用要領で確定します。最新は公式でご確認ください。

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西澤 志門

この記事を書いた人

西澤 志門

株式会社ジンザイネシア取締役。特定技能・育成就労の制度実務と、インドネシア人材の採用・教育・定着支援を専門とする。 登録支援機関として介護・外食・宿泊分野を中心に50社以上を支援。 一般社団法人Nocoders Japan協会理事として、AI・DXによる業務改革も推進。 本コラムでは、受入企業が「本当に知りたい」制度の実務と現場のリアルを発信します。


吉田 卓司

この記事を監修した人

吉田 卓司

株式会社ジンザイネシア代表取締役。 2000年にオイシックス・ラ・大地(東証プライム市場・3182)を共同創業し、2007年に五反田電子商事(現GDX)を創業。2012年にシンガポールへ移住し、2015年にはインドネシアでBeautynesiaを創業のうえ現地財閥法人へ売却。 10年以上のインドネシア在住経験と、日本インドネシア国交55周年の大相撲巡業主催(2013年・1万人以上集客)など現地での実績を基盤に、2023年に株式会社ジンザイネシアを創業。 本コラムでは、特定技能・育成就労に関する制度実務とインドネシア人材の採用・教育・定着支援の知見を、登録支援機関の立場から監修します。

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