物流倉庫の外国人材:在留資格の選び方|特定技能・育成就労・技人国の違いを比較
物流倉庫

物流倉庫の外国人材:在留資格の選び方|特定技能・育成就労・技人国の違いを比較

結論|物流倉庫の外国人受け入れは「即戦力なら特定技能1号・育成からなら育成就労」。技人国は倉庫の現場作業には原則使えない

物流倉庫(入出庫・仕分け・ピッキング・梱包・検品・フォークリフト等)で外国人を受け入れるなら、「いますぐ即戦力で現場に入れたい」なら特定技能1号、「未経験者を育てながら長期で確保したい」なら育成就労が基本の選び方です。一方で「技人国(技術・人文知識・国際業務)」は大卒等の専門職の在留資格で、倉庫内のピッキングや仕分けといった現場作業には原則使えません。物流倉庫は2026年1月23日の閣議決定で特定技能・育成就労の新分野に追加され、実際に外国人を雇えるのは2027年4月以降(試験整備後)です。本記事は受け入れを検討する物流・倉庫・EC・3PL事業者の方に向けて、3つの在留資格の違いと自社に合う選び方を、国土交通省・出入国在留管理庁の一次情報をもとに整理します。

この記事でわかること(倉庫・物流事業者の方へ)

  • 倉庫の現場で外国人を雇える在留資格は何か(特定技能1号・育成就労・技人国の位置づけ)
  • 3つの在留資格の違い(要件・在留期間・できる業務・費用)を一覧で比較
  • なぜ技人国(技人国)は倉庫の単純作業に原則使えないのか(線引きと不許可事例)
  • 物流倉庫分野の対象業務・受入機関の3類型・受入開始の時期(2027年〜)
  • 自社の状況別「どれを選ぶべきか」の判断フローと、受け入れの逆算スケジュール

※本記事は2026年6月時点の公的情報をもとに整理しています。物流倉庫分野は試験・運用要領が整備途上のため、最新は国土交通省出入国在留管理庁でご確認ください。当社は特定の他社を順位づけ・比較するのではなく、読者ご自身が公式情報で正しく判断できるための手順をまとめています。

倉庫の現場で外国人を雇える在留資格は3つ(全体像)

物流倉庫の現場(入出庫・仕分け・ピッキング・梱包・検品・フォークリフト作業など)で外国人を受け入れるとき、実務で検討対象になる在留資格は大きく3つです。「どれでも好きに選べる」わけではなく、業務内容と本人の経歴によって使える資格が決まります。まず、それぞれの位置づけを押さえましょう。

在留資格位置づけ(倉庫での使い方)
特定技能1号(物流倉庫)試験合格者を即戦力として倉庫作業に就かせる。2026年1月追加・受入開始は2027年〜(試験整備後)。倉庫の現場作業の本命ルート
育成就労(物流倉庫)未経験者を育てながら受け入れ。技能実習に代わる新制度で2027年4月施行。物流倉庫も対象分野。原則3年かけて特定技能1号水準へ育成
技人国(技術・人文知識・国際業務)大卒等の専門職の資格。倉庫内のピッキング・仕分け等の現場作業には原則使えない。倉庫の管理部門(システム・貿易事務・通訳等の専門職)でのみ活用余地

⚠️ いちばん多い誤解:「現場作業は技人国でも雇える」は誤り

「外国人の就労ビザ=技人国」という思い込みから、倉庫のピッキングや仕分けを技人国で雇おうとして不許可になるケースが後を絶ちません。技人国は専門知識・技術を要する業務が前提で、単純作業・現場作業は原則対象外です(詳細は後述)。倉庫の現場で人手を確保するなら、特定技能1号か育成就労が正しい入口です。

物流倉庫は2024年以降に検討が進み、2026年1月23日の閣議決定で特定技能・育成就労の新分野(追加された3分野=リネンサプライ・物流倉庫・資源循環)に正式追加されました。所管は国土交通省です。新分野の全体像は特定技能の新分野ガイド、倉庫分野そのものの基礎は物流倉庫の外国人材 受け入れ完全ガイドで解説しています。

特定技能1号・育成就労・技人国を一覧で比較

3つの在留資格を、受け入れ判断で重要な項目ごとに並べました。倉庫の現場作業で実際に使えるのは特定技能1号と育成就労の2つであること、技人国は別の用途であることがひと目でわかります。

比較項目特定技能1号(物流倉庫)育成就労(物流倉庫)技人国
想定する人材即戦力(試験合格者)未経験者を育成大卒等の専門職
倉庫の現場作業○ 可能(本命)○ 可能(育成)× 原則不可
主な要件技能評価試験+日本語(N4/JFT-Basic A2相当)合格就労開始までに日本語A1相当以上(試験合格 or 認定機関の就労課程100時間)大学卒 等、または実務10年以上+業務との関連性
在留期間通算5年(1号)原則3年更新可(上限なし)
家族帯同不可不可
転籍・転職同一分野内で転職可条件付き(同一業務区分・制限期間経過等)同種業務で転職可
派遣での受け入れ不可(直接雇用が原則)不可(直接雇用が原則)可(ただし専門業務であること)
受入開始2027年〜(試験整備後)2027年4月〜現行制度(随時)
支援・管理の委託先登録支援機関監理支援機関なし(自社で雇用管理)

💡 倉庫の現場の人手不足を埋めたいなら、検討は実質「特定技能1号 vs 育成就労」の2択です。技人国は倉庫管理システムの担当や貿易事務・通訳など、専門性のある職種に限った別ルートと考えてください。特定技能と育成就労の関係(育成就労→特定技能のキャリアパス)は育成就労制度の完全ガイドもあわせてご覧ください。

特定技能1号(物流倉庫)|即戦力・試験合格者を現場へ

特定技能1号は、分野ごとの技能評価試験と日本語試験に合格した人を「即戦力」として受け入れる在留資格です。物流倉庫分野では、技能実習からの移行者や試験合格者を、倉庫の現場作業に就かせられます。倉庫の人手をすぐに確保したい事業者にとって、最短ルートになります。

項目内容
日本語要件日本語能力試験 N4以上(または JFT-Basic A2相当)に合格
技能要件物流倉庫分野の特定技能1号技能評価試験に合格(試験は現在調整中・整備後に開始)。育成就労を良好に修了した人は試験免除で移行できる見込み
在留期間・帯同通算5年・家族帯同は不可
雇用形態直接雇用が原則(派遣は不可)。フルタイムでの就労
支援体制義務的支援(10項目)が必要。自社で難しければ登録支援機関に委託
協議会物流倉庫分野の協議会への加入が必要(受入機関の要件)

📝 「2026年から雇える」ではない点に注意

物流倉庫が制度に追加されたのは2026年1月ですが、これは「制度上の追加日」であって「企業が雇える日」ではありません。特定技能1号の技能評価試験が整備されてから(2027年〜)が実際の受け入れ開始です。「2026年から雇える」と早合点しないようご注意ください。手続きの詳細は物流倉庫の特定技能 受け入れ手続きガイド、協議会加入は物流倉庫分野 特定技能協議会の加入ガイドで解説しています。

育成就労(物流倉庫)|未経験を育てて長期確保(2027年4月〜)

育成就労は、技能実習に代わって2027年4月1日に施行される新制度です(公布:令和6年6月21日 法律60号)。「人材確保」と「人材育成」を目的に掲げ、未経験の外国人を原則3年かけて特定技能1号の水準まで育てる仕組みです。物流倉庫も対象分野に含まれます。試験合格者がまだ少ない新分野では、育成就労からスタートし、修了後に特定技能1号へつなぐ流れが現実的です。

項目内容
施行日2027年4月1日(公布:令和6年6月21日 法律60号)
日本語要件就労開始までに日本語A1相当以上(試験合格、または認定日本語教育機関の就労課程を100時間以上受講)。「N5でいい」と単独で書くのは誤り(A1相当が目安として JLPT N5・JFT-Basic A1 等)
在留期間・帯同原則3年・家族帯同は不可
転籍条件付きで本人意向の転籍が可能(同一業務区分内・転籍制限期間〔分野ごと1〜2年〕経過・一定の技能/日本語水準・民間職業紹介を介さない 等)。「自由」「無条件」ではない
監理・支援監理支援機関が監理。常勤2人以上・1人あたり受入機関8者未満/育成就労外国人40人未満・外部監査人の設置(2027年4月施行)
育成就労の試験1年目修了時の習熟確認に育成就労技能評価試験(初級)。2027年4月の制度開始以降に実施予定

⚠️ 監理支援機関と登録支援機関の「人数基準」を混同しない

育成就労の監理支援機関は「1人あたり40人未満・8者未満」、特定技能の登録支援機関は「1人あたり50名・10社」と、別々の基準です(いずれも2027年4月施行の体制要件)。業者の説明でこの2つが混ざっていないか確認しましょう。育成就労の制度全体は育成就労制度の完全ガイド、物流倉庫での活用は物流倉庫の育成就労 活用ガイドで詳しく解説しています。

技人国はなぜ倉庫の現場作業に使えないのか(線引きと不許可事例)

技人国(技術・人文知識・国際業務)は、大学等で学んだ専門知識や技術を活かす「専門職」の在留資格です。システムエンジニア・経理・マーケティング・通訳・翻訳・海外取引などが典型例で、専門知識を必要としない単純作業・現場作業は原則として認められません。出入国在留管理庁のガイドラインでも、工場のライン作業や倉庫内のピッキングといった現業は「該当しない活動」と整理されています。

技人国の要件・線引き内容
学歴・実務要件原則、業務に関連する大学卒(または同等)。学歴がない場合は「技術・人文知識」で実務10年以上、「国際業務」で実務3年以上が目安
業務との関連性学んだ専攻と従事する業務に関連性が必要(無関係な現場作業は不許可)
単純作業原則不可。倉庫内のピッキング・仕分け・梱包・検品・フォークリフト運転等は「該当しない活動」
報酬日本人と同等以上(同一労働同一賃金)。日本人より低い設定は不許可
倉庫で使える例倉庫管理システム(WMS)の開発・運用、貿易事務・通関関連事務、海外取引・通訳など専門職に限る

❌ 不許可になりやすいパターン

  • 大卒外国人を採用したが、実態は倉庫のピッキング・仕分けが中心(業務が単純作業と判断され不許可)
  • 専攻と業務に関連性がない(例:教育系の学位で現場作業)
  • 報酬が日本人より低い(同等以上を満たさない)
  • 「最初の数か月は現場研修」と称して長期に現業へ配置(合理的範囲を超えると不許可リスク)

つまり、倉庫の現場の人手として外国人を確保したいなら、技人国ではなく特定技能1号・育成就労を選ぶのが正解です。

📌 公式情報源:出入国在留管理庁(在留資格・特定技能)出入国在留管理庁トップ(在留資格の解説)(2026年6月時点。技人国の該当・非該当はガイドラインで要確認)

物流倉庫分野の対象業務と受入機関の3類型

特定技能・育成就労で物流倉庫の外国人を受け入れられるのは、「倉庫内作業」です。国土交通省が示す対象業務と、受入機関として認められる3つの類型を押さえましょう。トラックの運転による配送(自動車運送業)は別分野で、物流倉庫分野の対象外です。混同しないよう注意してください。

対象業務(倉庫内作業)内容
入出庫・受渡し・検品入出庫貨物の受渡し・検品
移動・格納貨物の移動、保管庫への格納
ピッキング・仕分け出荷に向けたピッキング・仕分け
流通加工 等梱包・ラベル貼り等の流通加工、付帯作業
フォークリフト操作フォークリフト等の操作(日本の技能講習修了が必要。母国の資格は使えない
対象外トラック運転による配送(自動車運送業=別分野)。育成就労では自動車運送業は対象外

受入機関として認められるのは、国土交通省が示す次の3類型のいずれかです。倉庫業法に基づく登録(倉庫業登録)が基本の前提になります。

類型受入機関として認められる事業者
A類型倉庫業登録を受けた倉庫業者で、倉庫作業を自ら実施する者
B類型倉庫業者が営業に使用している倉庫において、倉庫業者の委託を受けて倉庫作業を実施する者(構内請負等)
C類型一般/特定貨物自動車運送業の許可を受けた者で、占有する倉庫において倉庫作業を実施する者

📝 自社が受入機関の要件を満たすか、最初に確認を

物流倉庫分野は派遣での受け入れができず、直接雇用が原則です。また、受入機関は協議会への加入等の要件があります。自社が3類型のどれに当たるか、倉庫業登録の状況とあわせて早めに確認しましょう。EC・3PLの倉庫での活用例はEC物流の外国人活用ガイド、対象業務の詳細は物流倉庫の外国人材 受け入れ完全ガイドで解説しています。

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自社に合う在留資格の選び方(判断フロー)

物流倉庫の現場で外国人を受け入れる場合、選び方は次のように整理できます。「いますぐ即戦力が必要か」「未経験から育てたいか」「そもそも現場作業か専門職か」で分岐します。

自社の状況・ニーズ向いている在留資格
倉庫の現場ですぐ戦力がほしい/試験合格者を採りたい特定技能1号(物流倉庫)
未経験者を自社で育て、長期に定着させたい育成就労(修了後に特定技能1号へ)
倉庫管理システム・貿易事務・通訳など専門職を採りたい技人国(大卒等・現場作業は不可)
繁忙期だけ短期で増員したい特定技能・育成就労は派遣不可。直接雇用前提で計画を(短期派遣ニーズには不向き)

💡 多くの倉庫事業者にとって現実的なのは「育成就労で未経験から育て、特定技能1号へつなぐ」長期の組み合わせです。新分野で試験合格者がまだ少ないうちは、育成就労を入口にして人材プールを自社で育てるのが定着・確保の両面で有利になります。派遣と直接雇用の比較は物流倉庫の派遣 vs 直接雇用ガイド、業態別の選び方は物流倉庫の業態別 外国人活用ガイドもご参照ください。

費用の目安(初期・月額)

外国人を受け入れる費用は、「採用・在留申請にかかる初期費用」と「入職後に毎月かかる費用」に分かれます。物流倉庫は新分野で固有の手数料が未確定の部分もありますが、近い制度(特定技能・育成就労)の業界相場を目安として示します(いずれも1人あたり・2026年6月時点)。

項目タイミング目安(1人あたり)
在留申請の取次・関連委託初期約12〜20万円程度(書類作成は行政書士へ)
渡航費初期約5〜15万円(海外採用の場合)
住居の初期費用初期約30〜35万円(敷礼・家具家電等。立地で上振れ)
月額 支援委託費(特定技能)毎月月1.5〜4万円(最多2.0〜2.5万円・平均約2.8万円/当社は2.5万円)
月額 監理費(育成就労)毎月月3〜5万円程度(監理支援機関へ)

📊 業界相場ソース:出入国在留管理庁(支援委託費の調査)/厚生労働省・OTIT(監理費)/業界各社の公開料金(2026年6月時点)。物流倉庫固有の額は運用要領・試験の公表後に確定します。費用全体の内訳と回収の考え方は物流倉庫の外国人受け入れ 費用ガイドで詳しく解説しています。

⚠️ 在留手続きの手数料は今後の引き上げ予定にも注意

在留資格の変更・更新の手数料は2025年4月に窓口6,000円/オンライン5,500円へ改定済みで、さらに2026年度以降に3〜4万円規模へ引き上げる方針が示されています(政府方針段階・2026年6月時点。「すでに3〜4万円」ではありません)。長期で雇用するほど更新は繰り返すため、今後の値上げも見込んでおくと安心です。費用は「コスト」ではなく雇用年数で割って考える長期戦力への投資と捉えるのが現実的です。

受け入れの流れ(逆算スケジュール)

物流倉庫の受け入れは、入職希望日から逆算して動くと失敗しません。新分野のため、まず自社が受入機関要件(3類型・倉庫業登録・協議会加入)を満たすかの確認から始めます。とくに協議会加入と在留申請は時間がかかるため、早めの着手が肝心です。

① 制度選定・要件確認

在留資格を選ぶ・3類型/協議会の確認

② 協議会加入・採用

協議会へ入会・人材の選考

③ 在留申請

審査1〜3か月

④ 入職・定着支援

住居・生活立ち上げ・面談

時期やること物流倉庫での要点
①準備在留資格を選ぶ(特定技能か育成就労か)/受入機関要件・倉庫業登録を確認/支援機関を3社比較自社が3類型のどれに当たるか確認/派遣不可・直接雇用前提で計画
②加入・採用物流倉庫分野の協議会へ加入/人材選考・面接フォークリフトは日本の技能講習が必要な点を採用条件に反映
③申請在留資格の申請(書類作成は行政書士へ)/審査1〜3か月入職日から逆算し早めに着手
④入職住居・銀行・役所手続きの同行/OJT・安全教育・定期面談で定着支援倉庫は安全教育が必須。多言語の作業手順・標識を整える

📝 逆算のコツ

協議会加入・在留申請(審査1〜3か月)に加え、海外からの採用なら渡航・住居準備も必要です。入職希望日のおよそ4〜6か月前には在留資格の選定と支援機関選びを始めるのが安全です。物流倉庫は2027年〜の受け入れ開始のため、いまは制度の準備・社内体制づくりの先行期間と位置づけて動くのがおすすめです。準備の段取りは物流倉庫の受け入れ準備スケジュール、安全管理は物流倉庫の外国人 安全管理ガイドもご参照ください。

よくある失敗と回避策

  • 倉庫の現場作業を技人国で雇おうとして不許可→ ピッキング・仕分け等の現場作業は技人国の対象外。特定技能1号・育成就労を選ぶ。
  • 「2026年から雇える」と早合点して計画が崩れる→ 物流倉庫の受け入れ開始は2027年〜(試験整備後)。制度追加年と受入開始年を分けて考える。
  • トラックドライバーも物流倉庫分野で雇えると誤解→ トラック運転(配送)は自動車運送業=別分野で、育成就労の対象外。倉庫内作業に限られる。
  • 派遣で受け入れようとする→ 物流倉庫の特定技能・育成就労は派遣不可・直接雇用が原則。短期増員ニーズには別の手段を。
  • 育成就労の日本語を「N5でいい」と誤解→ 育成就労は就労開始までにA1相当以上。特定技能1号はN4/JFT-Basic A2相当。要件を正確に。
  • 監理支援機関と登録支援機関の人数基準を混同→ 育成就労は1人40人未満・8者未満、特定技能は1人50名・10社。別基準
  • 受入機関の要件(3類型・倉庫業登録・協議会)を確認せず進める→ 最初に自社がどの類型に当たるかを確認する。

よくある質問

各項目をタップで開閉できます。回答は2026年6月時点の公的情報にもとづきます。

Q. 倉庫のピッキングや仕分けを技人国(技人国)で雇えますか?
原則できません。技人国(技術・人文知識・国際業務)は大卒等の専門知識・技術を活かす専門職の在留資格で、倉庫内のピッキング・仕分け・梱包・検品といった単純作業・現場作業は対象外(該当しない活動)です。倉庫の現場の人手を確保するなら、特定技能1号または育成就労を選びます。技人国は倉庫管理システム・貿易事務・通訳など専門職に限って活用余地があります。
Q. 物流倉庫の外国人受け入れは、いつから始められますか?
物流倉庫が特定技能・育成就労の分野に追加されたのは2026年1月23日の閣議決定です。ただし「制度上の追加」と「実際に雇える時期」は別で、技能評価試験の整備後(2027年〜)が実際の受け入れ開始です。育成就労制度は2027年4月1日施行で、育成就労技能評価試験はその制度開始以降に実施予定です。最新は国土交通省・出入国在留管理庁でご確認ください。
Q. 特定技能1号と育成就労、倉庫ではどちらを選ぶべきですか?
即戦力(試験合格者)をすぐ現場に入れたいなら特定技能1号、未経験者を育てて長期に確保したいなら育成就労です。新分野で試験合格者がまだ少ないうちは、育成就労を入口にして自社で人材を育て、修了後に特定技能1号へつなぐ長期の組み合わせが現実的です。どちらも派遣はできず直接雇用が原則です。
Q. トラックドライバーは物流倉庫分野で受け入れられますか?
いいえ。物流倉庫分野の対象は倉庫内作業(入出庫・検品・移動・格納・ピッキング・流通加工・フォークリフト操作等)です。トラックの運転による配送は「自動車運送業」という別分野で、物流倉庫分野の対象ではありません。なお自動車運送業は育成就労の対象分野からは除外されています。混同しないようご注意ください。
Q. 派遣で物流倉庫の外国人を受け入れることはできますか?
物流倉庫分野の特定技能・育成就労は派遣形態での受け入れができず、直接雇用が原則です。繁忙期だけの短期増員といった派遣的なニーズには向きません。受入機関は国土交通省が示す3類型(倉庫業登録の倉庫業者A・その委託先B・貨物自動車運送業の許可者C)のいずれかに当たる必要があります。
Q. 育成就労の日本語要件は「N5」でいいですか?
いいえ。育成就労は就労開始までに日本語A1相当以上(試験合格、または認定日本語教育機関の就労課程を100時間以上受講)が必要です。A1相当の目安としてJLPT N5・JFT-Basic A1等がありますが、「N5でいい」と単独で断定するのは正確ではありません。特定技能1号はN4/JFT-Basic A2相当で、育成就労より高い水準です。
Q. 倉庫でフォークリフトを使わせる場合、母国の資格は使えますか?
使えません。倉庫でフォークリフトを操作させる場合は、日本国内の技能講習(フォークリフト運転技能講習)の修了が必要です。母国で取得した資格はそのままでは使えないため、入職後に日本の講習を受講させる前提で計画してください。

まとめ|倉庫の現場は「特定技能1号・育成就労」、技人国は専門職に限る

物流倉庫で外国人を受け入れるなら、現場作業(入出庫・仕分け・ピッキング・梱包・検品・フォークリフト)に使えるのは特定技能1号と育成就労の2つです。即戦力なら特定技能1号、未経験から育てて長期確保したいなら育成就労を選び、修了後に特定技能1号へつなぐのが現実的です。技人国は倉庫の現場作業には原則使えず、倉庫管理システムや貿易事務・通訳といった専門職に限られます。物流倉庫は2026年1月追加・受入開始は2027年〜のため、いまは制度準備と社内体制づくりの先行期間です。受入機関の3類型・倉庫業登録・協議会加入・派遣不可といった要件を早めに確認し、逆算スケジュールで動きましょう。

当社・株式会社ジンザイネシアも、その選択肢の一つです。インドネシア人材に特化した登録支援機関(登録番号 24登-007405)として、物流倉庫を含む新分野の受け入れ準備のご相談に対応しています。新分野の全体像は特定技能制度の完全ガイド、登録支援機関の選び方は登録支援機関とは?選び方・費用・一覧をご覧ください。比較材料の一つとしてお役立てください。

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内容URL
物流倉庫分野の特定技能・育成就労(対象業務・3類型・試験)国土交通省
倉庫業法(倉庫業登録)国土交通省
特定技能制度(要件・義務的支援10項目)出入国在留管理庁
育成就労制度出入国在留管理庁
育成就労制度の概要(日本語A1相当・転籍要件等)厚生労働省(PDF)
外国人雇用全般厚生労働省

※本記事は2026年6月時点の情報です。物流倉庫分野は試験・運用要領が整備途上のため、制度・要件は随時更新されます。契約・申請前に必ず公式情報をご確認ください。本記事は特定の他社を順位づけ・評価するものではありません。著者・監修:株式会社ジンザイネシア(登録支援機関 24登-007405)。

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西澤 志門

この記事を書いた人

西澤 志門

株式会社ジンザイネシア取締役。特定技能・育成就労の制度実務と、インドネシア人材の採用・教育・定着支援を専門とする。 登録支援機関として介護・外食・宿泊分野を中心に50社以上を支援。 一般社団法人Nocoders Japan協会理事として、AI・DXによる業務改革も推進。 本コラムでは、受入企業が「本当に知りたい」制度の実務と現場のリアルを発信します。


吉田 卓司

この記事を監修した人

吉田 卓司

株式会社ジンザイネシア代表取締役。 2000年にオイシックス・ラ・大地(東証プライム市場・3182)を共同創業し、2007年に五反田電子商事(現GDX)を創業。2012年にシンガポールへ移住し、2015年にはインドネシアでBeautynesiaを創業のうえ現地財閥法人へ売却。 10年以上のインドネシア在住経験と、日本インドネシア国交55周年の大相撲巡業主催(2013年・1万人以上集客)など現地での実績を基盤に、2023年に株式会社ジンザイネシアを創業。 本コラムでは、特定技能・育成就労に関する制度実務とインドネシア人材の採用・教育・定着支援の知見を、登録支援機関の立場から監修します。

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