
介護の実技ロールプレイ面接 進め方ガイド|外国人材の技能を実地で見極める手順と評価シート【2026年版】
結論|介護の外国人材を実技ロールプレイ面接で見極めるなら
口頭質問だけでは「現場で使えるか」は分かりません。移乗・声かけ・記録・緊急時対応を実演させることで、技能・利用者への態度・安全意識・意思疎通を実地で確認できます。本記事のシナリオ5場面・観点×レベルの評価シート・オンライン実施のコツで、現場目線の合否判断ができます。(2026年6月時点)
「面接で志望動機や日本語は確認したのに、入職してみたら移乗が危なっかしい」「利用者さんへの声かけが事務的で、ご家族からクレームが来た」——外国人介護人材の採用で、こうしたミスマッチに悩む施設は少なくありません。原因の多くは、面接が「話を聞くだけ」で終わり、技能や接遇を実地で見ていないことにあります。介護は人の体と尊厳に直接ふれる仕事です。だからこそ、口頭質問に加えて実技ロールプレイ(実際の場面を演じてもらう面接手法)で、現場で本当に通用するかを見極めることが定着率を大きく左右します。本記事では、厚生労働省・出入国在留管理庁の一次情報をふまえ、介護の採用ルートの整理から、ロールプレイの設計・シナリオ例・評価シート・オンライン実施のコツまで、施設の採用担当・現場リーダーの目線で具体的に解説します。(2026年6月時点)
📋 介護の実技ロールプレイ面接 30秒早見表
| なぜ実技が必要か | 口頭では「言えるけれど動けない」人を見抜けない。介護は体・尊厳に直接ふれる仕事 |
| 見る4観点 | ①技能(身体の使い方)②利用者への態度・声かけ ③安全・衛生意識 ④意思疎通(報告・確認) |
| 代表シナリオ | 移乗介助/食事・入浴の声かけ/申し送り(記録)/急変・転倒時の対応/拒否への対応 |
| 日本語の目安 | 特定技能=JLPT N4/JFT-Basic A2相当+介護日本語評価試験。現場ではN3相当があると報告・記録が安定 |
| 実施形式 | 海外採用はオンライン中心。動画・写真・人形/椅子の併用で精度を上げる |
▸ 採用ルート整理/▸ なぜ口頭だけでは不十分か/▸ 設計の4観点/▸ シナリオ5場面/▸ 評価シート/▸ オンライン実施/▸ 日本語レベルと業務/▸ よくある失敗
1. まず整理:介護の外国人採用ルートと面接で見るべき差
実技ロールプレイの設計に入る前に、自社がどのルートで採用するのかを確認しましょう。受け入れる在留資格によって、面接時点で求められる技能・日本語のレベルが大きく異なるからです。介護の外国人採用には、主に次の在留資格があります。(2026年6月時点)
| 在留資格 | 技能・日本語の目安 | 面接で実技を見る意味 |
|---|---|---|
| 特定技能1号(介護) | 介護技能評価試験+介護日本語評価試験に合格。日本語はJLPT N4/JFT-Basic A2相当以上。在留は通算最長5年 | 試験合格=基礎はあるが、実地で安全に動けるか・接遇ができるかは別。ロールプレイで実力を確認 |
| 技能実習(介護) | 入国時 日本語N4相当(2年目はN3相当が要件)。「育成」が前提で未経験から | 経験が浅い前提。伸びしろ・素直さ・学ぶ姿勢をロールプレイで見る |
| EPA(経済連携協定) | インドネシア・フィリピン・ベトナムと国家間協定。母国で基礎を学び、来日後に介護福祉士国家試験を目指す | 学習意欲・国家試験への本気度の確認が中心 |
| 在留資格「介護」 | 介護福祉士の国家資格が必須。在留期間の更新に上限なし・家族帯同も可 | 資格保有者。実技より現場適性・定着意欲・リーダー素養を見る |
| 育成就労(2027年4月施行予定) | 技能実習に代わる新制度。就労開始までに日本語A1相当以上。介護も対象分野 | 「育成」前提のため、技能実習同様未経験者の伸びしろ重視の見方になる見込み |
ポイントは、特定技能や在留資格「介護」は試験・資格を満たしていても、面接で実技を見る価値が高いことです。試験は知識・基礎技能を測るものですが、実際の利用者を前にした声かけの自然さ・身体の使い方・とっさの判断までは保証しません。一方、技能実習・育成就労は「育成」が前提なので、ロールプレイでは完成度より「学ぶ姿勢・素直さ・伸びしろ」を見るのが基本です。自社のルートに合わせて、実技で何を確認したいのかを先に決めておきましょう。各ルートの違いや受け入れの全体像は介護×インドネシア採用ガイドと介護施設の外国人受け入れ方マニュアルで確認できます。育成就労が介護で使えるかは育成就労は介護で使えるかをご覧ください。
⚠️ 訪問系サービスは「対象外」ではありません:従来、特定技能・技能実習の介護は施設系のみでしたが、2025年4月21日から特定技能で訪問介護等の訪問系サービスが解禁されました(運用方針は2025年3月11日閣議決定)。ただし、訪問介護等に従事する特定技能外国人には、介護職員初任者研修課程の修了・原則1年以上の実務経験・訪問系の基本研修受講などの要件があります。訪問系での採用を考えるなら、面接でも一人で利用者宅に入る適性(自律性・判断力・コミュニケーション)をより重く見る必要があります。詳しくは訪問介護の特定技能の要件をご覧ください。
2. なぜ口頭質問だけでは見極められないのか
「移乗のときは何に気をつけますか?」と聞けば、たいていの候補者は「ボディメカニクス(体の使い方の原則)に気をつけます」「声かけをします」と答えます。試験勉強で覚えた「正解の言葉」は言えても、実際に体が動くかは別です。介護で口頭質問だけでは見抜けないことを整理すると、次のようになります。
| 口頭では分からないこと | 実技ロールプレイなら見える |
|---|---|
| 身体の使い方が安全か(自分も利用者も痛めないか) | 足の位置・重心・持ち上げ方を実演で確認できる |
| 声かけが自然で温かいか(事務的でないか) | 表情・トーン・タイミングまで見える |
| 利用者の尊厳を守る態度があるか | 説明してから触れる・羞恥心への配慮が出る |
| とっさの場面で正しく動けるか | 「気分が悪い」と言われた時の初動が見える |
| 分からない時に聞き返せるか(事故防止の核) | 指示への反応・確認の仕方が見える |
介護は、利用者の体と尊厳に直接ふれる仕事です。移乗一つでも、足の位置を誤れば利用者を転倒させ、自分も腰を痛めます。声かけが事務的なら利用者は不安になり、ご家族の信頼も損ないます。これらは「知っている」だけでは防げず、「できる」かどうかが問われます。だからこそ、面接の中に短い実演を入れる——それが実技ロールプレイの狙いです。25問の口頭質問例とあわせて使えば、知識面と実技面の両方から判断できます。質問例は介護施設の外国人面接25質問を、面接全般の進め方は特定技能の面接の進め方をご覧ください。
3. 実技ロールプレイ面接の「4観点」設計
ロールプレイは「やってもらって、なんとなく良さそう」では意味がありません。何を見るかを4つの観点に分け、観点ごとに評価すると、面接官による判断のばらつきを抑えられます。複数人で同じ観点を採点し、点を持ち寄ると判断がより安定します。
| 観点 | 何を見るか | 高評価のサイン |
|---|---|---|
| ①技能(身体の使い方) | 移乗・体位変換などで、安全な姿勢・手順を理解しているか | 足を開いて重心を低くする/てこの原理を使う/無理に持ち上げない |
| ②利用者への態度・声かけ | 尊厳を守り、温かく自然に声をかけられるか | 名前で呼ぶ/これから何をするか説明してから触れる/笑顔・目線を合わせる |
| ③安全・衛生意識 | 転倒・誤嚥・感染を防ぐ基本を意識しているか | ブレーキ・足元を確認/体調変化に気づく/手指衛生にふれる |
| ④意思疎通(報告・確認) | 指示を理解し、分からない時に聞き返し、正しく報告できるか | 分からない時に「もう一度お願いします」と言える/要点を簡潔に報告できる |
この4観点のうち、ルートによって重みづけを変えます。特定技能・在留資格「介護」など即戦力を求めるなら①技能と③安全を重く、技能実習・育成就労など育成前提なら②態度と④意思疎通(=伸びしろ)を重く見るのが基本です。なお、ロールプレイは候補者を緊張させやすいので、最初に「これは練習です。完璧でなくて大丈夫。考え方を見せてください」と伝えると、本来の力が出やすくなります。完璧な所作より、「どう考えて動いたか」を見るのがコツです。
📌 公式情報源:出入国在留管理庁 特定技能/厚生労働省 外国人介護人材の受入れについて
🤝 面接の設計から同席・通訳まで、当社がご支援します
「ロールプレイをやってみたいが、どの場面を・どう評価すればいいか自信がない」——そんな段階のご相談も歓迎です。当社はインドネシア人材に特化し、現地での事前教育から面接の同席・通訳サポート、採用後の定着まで一気通貫でご支援します。介護現場の実態に合わせた評価シート・質問集もご用意しています。
4. そのまま使える 実技ロールプレイ シナリオ5場面
ここからは、面接でそのまま使える代表的なシナリオを5場面紹介します。いずれも現場でよくある典型場面を取り上げています。設備がなくてもできるよう、椅子や面接官自身を「利用者役」に見立てて実演してもらう形にしています。各場面で「指示文」「見るポイント」「良い反応/要注意の反応」を整理しました。
場面① 移乗介助(ベッド→車椅子)
指示文:「この椅子をベッド、隣の椅子を車椅子だと思ってください。利用者さんをベッドから車椅子へ移してもらえますか。私(面接官)が利用者役をします。」
見るポイント:①声かけ(これから移ることを説明したか)②車椅子のブレーキ・足元の確認 ③足を開いて重心を低くする姿勢 ④利用者に近づき、てこの原理を使う ⑤無理に持ち上げようとしない
良い反応:「〇〇さん、車椅子に移りますね」と声をかけ、ブレーキを確認してから、利用者の力を引き出すように介助する/要注意:無言でいきなり腕を引く・自分の腰だけで持ち上げる・ブレーキを確認しない
場面② 食事・入浴の声かけ(接遇)
指示文:「私を利用者だと思って、『〇〇さん、お食事の時間ですよ』と声をかけ、食事をすすめてみてください。」(入浴に置き換えても可)
見るポイント:①名前で呼べるか ②目線を合わせ笑顔があるか ③急かさず、利用者のペースを尊重するか ④敬語・丁寧語が使えるか
良い反応:目線を合わせ「〇〇さん、お食事ができましたよ。ゆっくりで大丈夫です」と温かく声をかける/要注意:事務的・命令口調(「食べて」)/利用者を見ずに作業的に進める
場面③ 申し送り・記録(報告)
指示文:「『〇〇さんは、今朝の食事を半分残しました。少し元気がないようでした』——この内容を、次の担当者に申し送りしてください。」
見るポイント:①要点を正しく理解し伝えられるか ②「いつ・誰が・何が」を簡潔にまとめられるか ③推測と事実を分けて話せるか
良い反応:「〇〇さん、朝食を半分残されました。少し元気がない様子なので、様子を見てください」と簡潔に再現できる/要注意:内容が抜ける・推測を事実のように言う・長すぎて要点が不明
場面④ 急変・転倒時の対応(緊急時)
指示文:「利用者さんが急に『気分が悪い』と言いました。あるいは床に座り込んでいるのを見つけました。あなたはまず何をしますか。やってみてください。」
見るポイント:①まず利用者に声をかけ安全を確保するか ②勝手に動かさず状態を確認するか ③すぐに職員・看護師に報告(応援を呼ぶ)するか ④落ち着いて行動できるか
良い反応:「〇〇さん、大丈夫ですか」と声をかけ、無理に動かさず「すぐに看護師さんを呼びます」と報告する/要注意:一人で抱え上げようとする・報告せず自己判断で対処・パニックになる
場面⑤ 介護拒否への対応(応用)
指示文:「私が利用者で、お風呂を『今日は入りたくない』と断ったとします。あなたはどう対応しますか。」
見るポイント:①無理強いしないか ②理由を尋ね、気持ちに寄り添えるか ③代替案を出せるか ④一人で抱えず相談する姿勢があるか
良い反応:「どうされましたか」と理由を聞き、「では後でもう一度お声がけしますね」と柔軟に対応/要注意:無理に進めようとする・拒否されて固まる・「決まりですから」と押し切る
この5場面を全部やる必要はありません。自社の現場で特に重要な2〜3場面に絞るのが現実的です。施設系なら①移乗・②声かけ・④緊急時、訪問系を想定するなら④緊急時・⑤拒否対応を重点にすると、現場適性が見えやすくなります。聞いてはいけない事項(宗教・支持政党・家族計画など、業務に関係なく差別につながる質問)には触れないよう注意してください。インドネシア人材はムスリム(イスラム教徒)が多いですが、礼拝や食事への配慮は採用後の受け入れ準備として確認するもので、合否の判断材料にしてはいけません。インドネシア人材の特性をふまえた面接はインドネシア人の面接ガイドをご覧ください。
5. 観点×レベルで採点する 評価シート
ロールプレイを「なんとなく良かった」で終わらせないために、4観点をレベル(4段階)で採点する評価シートを使いましょう。各観点を1〜4点で評価し、合計と「要注意サイン(赤信号)の有無」を分けて記録すると、複数候補の比較がしやすくなります。まず、各観点のレベルの目安を定義します。
| 観点 | レベル4(優) | レベル2(可) | レベル1(要注意) |
|---|---|---|---|
| ①技能(身体の使い方) | 安全な姿勢・手順で、利用者の力も引き出せる | 基本はできるが、姿勢や手順に改善余地 | 無理に持ち上げる・危険な動き |
| ②態度・声かけ | 名前で呼び、説明し、温かく自然 | 声かけはあるがやや事務的 | 無言・命令口調・目線を合わせない |
| ③安全・衛生意識 | ブレーキ・足元・体調変化に自分から気づく | 促されれば確認する | 確認を飛ばす・危険に気づかない |
| ④意思疎通(報告・確認) | 要点を簡潔に報告、分からない時に聞き返せる | 伝わるが要点が整理されていない | 分かったふりをする・報告が不正確 |
※ レベル3(良)は4と2の中間。各観点を1〜4点で採点します。
次に、面接でそのまま印刷して使える採点シートです。観点ごとに点を記入し、合計と赤信号の有無を記録します。
| 観点(各4点) | 点数 | 所見メモ欄 |
|---|---|---|
| ①技能(身体の使い方) | /4 | |
| ②態度・声かけ | /4 | |
| ③安全・衛生意識 | /4 | |
| ④意思疎通(報告・確認) | /4 | |
| 合計 | /16 | 赤信号(即見送り要素)の有無: 有 ・ 無 |
※ 目安:13点以上=積極採用/9〜12点=条件付き可(弱点の研修計画を決める)/8点以下=見送り。ただし、利用者を危険にさらす動き・尊厳を損なう態度・報告を怠る姿勢など「赤信号」がある場合は、合計に関わらず見送りを基本とします。育成前提の技能実習・育成就労では②態度と④意思疎通(伸びしろ)を重視し、技能の点が低くても学ぶ姿勢があれば前向きに判断します。
この評価シートと、口頭質問用のチェックシートをまとめた実務ツールは、当社の資料からダウンロードできます。採用後の研修計画づくりにも、面接で見えた弱点をそのまま使えます。スタッフの指導・育成の進め方は外国人介護スタッフの指導・育成を、技能評価試験の中身は介護技能評価試験をご覧ください。
6. オンライン/現地での実施のコツ
海外採用では、インドネシアなど現地の候補者とオンライン面接を行うのが一般的です。画面越しでは移乗のような全身の実技は見にくいため、工夫しないと「来日したら印象が違った」というミスマッチが起きます。オンラインと現地、それぞれの実施のコツを整理します。
| 場面 | オンラインでの工夫 |
|---|---|
| 移乗などの身体技能 | 現地に椅子やクッションを用意してもらい、立って全身が映る位置で実演させる。可能なら事前に実技の動画を提出してもらう |
| 声かけ・接遇 | 面接官を利用者役にして声かけを実演させる。表情・トーンは画面でも十分見える |
| 緊急時・記録 | 口頭シナリオで対応・申し送りを再現させる。設備不要で精度が高い |
| 日本語の確認 | 途中で通訳を外し、簡単な日本語の指示・声かけに直接答えてもらう時間を作る |
| 通信環境 | 回線が悪いと反応速度や表情で判断を誤る。通信環境を事前確認し、不安定なら現地拠点から接続してもらう |
オンラインで最も差が出るのが「実演と動画を使うかどうか」です。言葉だけでは、技能も接遇も「言えるけれど動けない」人を見抜けません。椅子を使った移乗の実演・声かけのロールプレイ・事前提出の動画を組み合わせれば、画面越しでもかなり正確に判断できます。通訳をはさむ場合も、後半に通訳を外す時間を作り、現場で本当に通じる日本語かを確かめるのが鉄則です。当社では現地スタッフが面接に同席し、通訳と人物面の補足を行うため、オンラインでもミスマッチを抑えられます。
7. 日本語レベル(N4/N3)と任せられる業務の対応
ロールプレイの評価は、日本語レベルとあわせて考える必要があります。特定技能1号の介護は、日本語能力試験(JLPT)N4以上または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)A2相当に加えて、介護日本語評価試験の合格が求められます。ただし「資格がある」ことと「現場で困らない」ことは別です。レベルごとに任せられる業務の目安を整理します。(2026年6月時点)
| 日本語レベル | 現場でできることの目安 | サポートの必要度 |
|---|---|---|
| N4相当 | 基本的な指示は理解。簡単な声かけ・身体介助は可。記録・申し送りは支援が必要 | 高(指示は短く・絵カードや見本を併用。記録はチェック体制を) |
| N3相当 | 日常会話・申し送りがかなり安定。利用者・家族との会話、記録も自立に近づく | 中(複雑な医療用語・方言は補足。おおむね自立) |
| N2相当以上 | 記録・電話対応・新人指導まで可。リーダー候補・在留資格「介護」も視野 | 低(日本人職員とほぼ同等の業務) |
採用時点でN4相当でも、入職後の学習支援で着実にN3へ伸びる人は多くいます。面接のロールプレイで「分からない時に聞き返せるか」「学ぶ意欲があるか」が見えれば、現在のレベルより成長を見込めます。逆に、分かったふりをする人は、レベルが高くても現場での報告ミスにつながりやすいので注意が必要です。日本語レベルと業務範囲の詳しい関係は介護人材の日本語レベル(N4・N3)で解説しています。
8. 実技ロールプレイ面接 よくある失敗と対策
最後に、実技ロールプレイを取り入れた施設がつまずきやすい失敗と、その対策をまとめます。やり方を少し変えるだけで、判断の精度が大きく上がります。
| よくある失敗 | 対策 |
|---|---|
| 緊張で実力が出ず、所作だけで落としてしまう | 「完璧でなくて大丈夫。考え方を見せて」と最初に伝え、所作より判断と姿勢を見る |
| 面接官ごとに評価がバラバラになる | 観点×レベルの評価シートを共有し、複数人で同じ基準を採点する |
| 完成度(技能)だけを見て、育成枠なのに落とす | ルートに応じて重みを変える。育成前提なら伸びしろ・素直さを重視 |
| 通訳に頼りきりで、現場で通じる日本語が分からない | 後半に通訳を外す時間を作り、直接のやり取りを確認する |
| 声かけ(接遇)を軽視し、技能だけで判断する | 介護はクレームの多くが接遇起因。態度・声かけを必ず1観点として採点する |
| 業務に関係ない事項(宗教等)を聞いてしまう | 合否は仕事に必要な力のみで判断。配慮事項は採用後の受け入れ準備で確認 |
迷ったときは、「この人に、自分の親の介護を任せられるか」を基準にすると判断しやすくなります。技能が少し足りなくても、利用者を大切にする姿勢があり素直に学べる人は、入職後に必ず伸びます。逆に技能が高くても利用者を急かす・尊厳を軽んじる人は、定着もクレーム対応も難しくなります。そして採用後は、面接で見えた弱点に合わせた受け入れ準備(現場用語の絵カード、ムスリムの礼拝・食事への配慮など)を整えておくと、早期離職を防げます。費用や受け入れの流れは介護の外国人採用の費用・流れ、活用できる助成金は介護の外国人採用の助成金、なぜインドネシア人材かはインドネシア人材のメリット・デメリットをご覧ください。
9. よくある質問(FAQ)
各項目をタップで開閉できます。回答はすべて一次情報(厚生労働省・出入国在留管理庁)に基づいています。(2026年6月時点)
Q. 試験に合格しているのに、面接で実技を見る必要はありますか?
Q. オンライン面接でも移乗のような実技を見られますか?
Q. 介護の訪問系サービスでは外国人材を採用できないのですか?
Q. 特定技能で介護を受け入れる前に、協議会への入会は必要ですか?
Q. 日本語はどのくらいできれば、介護の現場で使えますか?
Q. 技能が少し足りない人は採用しない方がいいですか?
Q. 面接で聞いてはいけないことはありますか?
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公式情報源リスト(ブックマーク推奨)
| 機関・内容 | URL |
|---|---|
| 厚生労働省 介護分野における特定技能外国人の受入れについて | mhlw.go.jp 介護分野 特定技能 |
| 厚生労働省 外国人介護人材の受入れについて | mhlw.go.jp 外国人介護人材 |
| 出入国在留管理庁 特定技能 | moj.go.jp/isa/applications/ssw |
| 国際厚生事業団(JICWELS)外国人介護人材支援 | jicwels.or.jp/fcw |
| 国際交流基金 JFT-Basic(日本語の目安) | jpf.go.jp/jft-basic |
| 日本語能力試験(JLPT)公式 | jlpt.jp |
※ 本記事は2026年6月時点の公開情報に基づきます。制度・要件は更新されるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。本記事で紹介したシナリオ・評価基準は一般的な現場場面に基づく実務上の目安であり、特定の施設の事例ではありません。

この記事を書いた人
西澤 志門株式会社ジンザイネシア取締役。特定技能・育成就労の制度実務と、インドネシア人材の採用・教育・定着支援を専門とする。 登録支援機関として介護・外食・宿泊分野を中心に50社以上を支援。 一般社団法人Nocoders Japan協会理事として、AI・DXによる業務改革も推進。 本コラムでは、受入企業が「本当に知りたい」制度の実務と現場のリアルを発信します。

この記事を監修した人
吉田 卓司株式会社ジンザイネシア代表取締役。 2000年にオイシックス・ラ・大地(東証プライム市場・3182)を共同創業し、2007年に五反田電子商事(現GDX)を創業。2012年にシンガポールへ移住し、2015年にはインドネシアでBeautynesiaを創業のうえ現地財閥法人へ売却。 10年以上のインドネシア在住経験と、日本インドネシア国交55周年の大相撲巡業主催(2013年・1万人以上集客)など現地での実績を基盤に、2023年に株式会社ジンザイネシアを創業。 本コラムでは、特定技能・育成就労に関する制度実務とインドネシア人材の採用・教育・定着支援の知見を、登録支援機関の立場から監修します。
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