
【施設向け】北海道の介護で外国人を採用する方法|費用・補助金・受け入れの流れ【2026年版】
結論|北海道の介護人手不足は「自社に合う在留資格ルート」を選べば外国人材で解決できる
北海道の介護施設で人が採れないのは、努力不足ではなく全国を上回る速さで進む高齢化と、若年層の道外流出という構造的な要因によるものです。北海道の65歳以上人口の割合(高齢化率)は2024年10月時点で33.3%と全国平均(29.3%)を大きく上回り(出典:北海道庁)、日本人の求職者だけを待っていても現場の人員は埋まりません。一方で、介護分野は外国人材の在留資格制度が最も整備された分野のひとつです。特定技能・育成就労(2027年4月施行)・在留資格「介護」・EPAという4つのルートから、自社の経営方針・受け入れ体制に合うものを選び、寒冷地・広域という北海道特有の生活支援を設計すれば、施設として安定した採用と定着は十分に実現できます。
この記事でわかること(北海道の介護施設の経営者・施設長・人事の方へ)
- 北海道の介護人手不足の実態(高齢化率・不足見込みを公的データで)
- 介護で外国人材を受け入れる4つの在留資格ルートの違い(早見表)
- 訪問系サービスは2025年4月21日に特定技能で解禁済み(最新の制度動向)
- 介護分野特定技能協議会の加入タイミング(在留申請の「前」が必須)
- 寒冷地・広域ならではの生活支援と、採用の流れ・費用・定着のコツ
※本記事は2026年6月時点の公的情報をもとに整理しています。制度・数値は変動するため、最新は出入国在留管理庁・厚生労働省(介護分野の特定技能)・北海道庁でご確認ください。
目次
北海道の介護人手不足の実態(データで見る)
「外国人材の採用」を検討する前に、まず自社が置かれている状況を公的データで確認しておきましょう。北海道の介護現場の人手不足は、感覚ではなく数字で裏づけられた「構造問題」です。
北海道の高齢化率は2024年10月1日時点で33.3%。全国平均の29.3%を約4ポイント上回り、毎年上昇を続けています(出典:北海道庁 高齢者保健福祉課)。これは、サービスを必要とする高齢者が増え続ける一方で、現場を支える生産年齢人口(特に若年層)が道外へ流出しているという、需要と供給が逆方向に開いていく状態を意味します。
介護人材の不足は全国共通の課題ですが、その規模は深刻です。厚生労働省の第9期介護保険事業計画に基づく推計では、2040年度に必要となる介護職員は約272万人で、2022年度(約215万人)から約57万人の増員が必要とされています。これは1年あたり数万人規模で増やし続けなければならない計算です(出典:厚生労働省。前提の異なる第8期推計では2040年度に約69万人増が必要とされていました)。
北海道はこの全国課題を、より厳しい形で抱えています。道庁が委託した調査研究では、過疎・高齢化が進行する道内地方部では慢性的な福祉・介護人材不足により、福祉サービスの安定的・持続的な提供が危ぶまれていると明記されており、特に若年層の介護人材確保は「社会問題ともいうべき深刻な状況」と表現されています(出典:北海道内地方部の自治体における福祉・介護人材確保のための調査研究事業報告書)。
| 指標 | 数値(時点) |
|---|---|
| 北海道の高齢化率 | 33.3%(2024年10月1日/全国平均29.3%) |
| 全国で必要な介護職員数 | 約272万人(2040年度推計・第9期)=2022年度比 約57万人増 |
| 訪問介護員の有効求人倍率 | 14.14倍(令和5年度・全国/厚労省)=極端な人手不足 |
| 北海道で増える外国人労働者 | 約3万5,439人(2023年・前年比+27.4%/北海道労働局) |
札幌のような都市部でも介護職員の確保は容易ではなく、旭川・帯広・函館・北見・釧路などの地方圏ではさらに厳しさが増します。北海道内では訪問介護事業者の倒産が過去最多水準で報じられるなど、人手不足は経営の存続そのものに直結する段階に入っています。日本人の応募を待ち続ける従来型の採用だけでは、施設運営の継続が難しくなっているのが実情です。
📌 公式情報源:北海道庁 高齢者人口の状況(高齢化率33.3%)/厚労省 第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数
北海道の介護で使える在留資格と受け入れ要件(要点)
制度の詳しい解説は全国版に集約しています。北海道の事業者がまず押さえる要点は次の4つです。
- 使える在留資格は4つ:特定技能(即戦力・最短)/育成就労(2027年4月〜・3年育成)/EPA/在留資格「介護」。制度比較と選び方は介護施設の外国人採用 完全ガイドで詳説しています
- 特定技能・介護の要件=技能評価試験+日本語試験(N4/JFT-Basic A2相当)の合格。訪問系サービスは2025年4月21日に条件付きで解禁済み(訪問介護の特定技能ガイド)=広域・在宅系の多い道内でも活用可能に
- 育成就労(2027年〜)の転籍ルール・技能実習からの移行は育成就労制度 完全ガイド・育成就労×介護ガイドへ
- 協議会は在留申請の「前」に入会必須(2024年6月15日の見直し・入会無料)。手続き・書類は介護協議会の加入手続きガイドへ
寒冷地・広域の生活支援(北海道特有の論点)
北海道で外国人材を採用するうえで、本州の施設にはない最大の論点が「冬の寒さ」と「広い移動距離」への生活支援です。制度上の手続きをクリアしても、ここを軽視すると早期離職につながります。多くは温暖な国の出身で、雪も氷点下も初めてという人材が大半だからです。
| 論点 | 想定される困りごと | 施設側の備え |
|---|---|---|
| 冬の防寒 | 冬服・防寒具・冬靴を持っていない。氷点下の生活が未経験 | 来日前の説明+着任時の防寒具支給・購入同行。雪道の歩き方・転倒防止の指導 |
| 暖房・光熱費 | 灯油・暖房の使い方が分からない。冬の光熱費が想定外に高い | 暖房・除雪の使い方を母語資料で説明。光熱費を見込んだ住居・手当の設計 |
| 通勤・移動 | 地方は公共交通が乏しく、冬は通勤が困難。買い物先も遠い | 職場近くの住居確保・送迎・自転車/車の手配。生活圏を考えた住居選び |
| 食・コミュニティ | ハラル食材店やモスク、同郷コミュニティが地方では遠い | 食材の入手手段・オンライン購入の案内。同郷の先輩や相談相手とのつながり作り |
これらは「コスト」ではなく「定着への投資」です。北海道全域の外国人材の生活設計については北海道で外国人材を採用するための総合ガイドもあわせてご覧ください。寒さや移動の不安に事前に向き合ってくれる施設は、人材から「ここなら働き続けられる」と信頼され、結果として定着率が高まります。
📌 公式情報源:北海道庁 高齢者保健福祉(道内の高齢化・地域偏在の背景)
採用の流れと逆算スケジュール
特定技能(介護)で外国人材を受け入れる場合、入社までに最低でも半年程度を見込んでおくのが現実的です。「人が足りないから来月から」というスピード感では間に合いません。入社希望時期から逆算して動きましょう。
〜入社6か月前
5〜4か月前
4〜2か月前
入社
| 時期 | やること | ねらい・ポイント |
|---|---|---|
| 〜6か月前 | ①在留資格ルートの決定 ②支援を委託する登録支援機関・人材会社の選定 ③受け入れ体制と住居の検討 | 最初の方針が後の全工程を左右する。ここで相談を |
| 5〜4か月前 | ①候補者の紹介・選考 ②オンライン/現地での面接 ③雇用条件の提示・内定 | 人柄・定着意欲を重視。面接の質問設計が成否を分ける |
| 4〜2か月前 | ①協議会への入会申請・入会証明書取得 ②在留資格認定証明書の申請 ③住居・生活準備 | 協議会加入は申請の前。発行に2週間程度かかる |
| 入社時 | ①来日・空港送迎 ②生活オリエンテーション ③防寒・生活立ち上げ支援 ④就労開始 | 最初の1〜2か月の支援密度が定着率を決める |
⏰ 逆算のコツ:協議会の入会証明書(発行に約2週間)と、在留資格認定証明書の審査期間(おおむね1〜3か月)が、スケジュールの「ボトルネック」になります。海外から呼び寄せる場合は渡航・住居準備も加わるため、入社希望日から最低6か月前には着手してください。
面接で何を聞くべきか、評価のポイントは介護の外国人材 面接ガイドで、支援を任せる業者の選び方は登録支援機関の選び方・送り出し機関の選び方で詳しく扱っています。
📌 公式情報源:出入国在留管理庁 特定技能制度(在留申請の手続き)
費用の目安(初期・月額)
外国人材の採用には、日本人採用とは異なる費用がかかります。ただし、これは「コスト」というより長く働いてもらうための投資です。在留期間(特定技能なら最長5年、在留資格「介護」なら無期限)で割って考えると、1か月あたりの実質負担は決して高くありません。以下は業界相場の概算で、人材会社・登録支援機関により幅があります(2026年6月時点)。
| 費用項目 | タイミング | 概算(1人あたり・目安) |
|---|---|---|
| 人材紹介手数料 | 初期 | おおむね20〜60万円(会社・国により幅) |
| 在留資格申請の委託 | 初期 | おおむね12〜20万円 |
| 渡航費・住居初期費用 | 初期 | 渡航5〜15万円+住居初期30〜35万円程度 |
| 支援委託費(管理費) | 月額 | 月1.5〜3万円(業界平均 約2.8万円) |
| 給与・社会保険 | 月額 | 日本人と同等額以上(必須) |
給与は日本人が同じ業務に従事する場合と同等額以上が法律上の要件です。「外国人だから安く雇える」という考え方は通用しませんし、それ自体が早期離職の原因になります。一方で、北海道では外国人採用に使える助成金を活用できる場合があり、初期負担を軽減できることもあります。費用の詳細な内訳は特定技能の費用 リアルな相場・介護の費用と流れで確認してください。
📊 業界相場ソース:人材会社・登録支援機関・行政書士事務所など複数の公開料金(2026年6月時点)。支援委託費の平均値は出入国在留管理庁の支援委託費調査を参照。実際の金額は受け入れ条件・国・地域により変動するため、複数社で見積もりを取って比較することをおすすめします。
定着のコツ|採用後に辞めさせない設計
外国人材の採用で本当に難しいのは「採ること」ではなく「定着させること」です。特に育成就労では条件付きの転籍が可能になるため、「選ばれ続ける施設」になれるかどうかが経営課題になります。北海道の介護施設が押さえるべき定着のポイントを整理します。
| 観点 | 具体策 |
|---|---|
| 日本語・キャリア | 介護福祉士合格までの学習を支援し「ここで資格が取れる・長く働ける」と示す |
| 生活の安心 | 冬の生活・住居・通院・行政手続きの相談に乗れる体制(母語対応含む) |
| 文化・宗教への配慮 | 食事(ハラル等)・お祈り・休暇への理解。職員全体での受け入れ姿勢 |
| 職場の人間関係 | 指導役(メンター)を決め孤立を防ぐ。利用者・家族への事前説明 |
大切なのは「労働力として使う」のではなく「仲間として迎える」姿勢です。寒さも文化の違いも、施設が一緒に向き合ってくれると感じられた人材は、北海道に根を下ろし、利用者からも信頼される戦力に育ちます。インドネシア人材の文化的背景や配慮点は介護現場のムスリム配慮もご参照ください。
北海道の介護施設の外国人材採用、まず無料で相談しませんか
特定技能・育成就労・在留資格「介護」——自社の状況に合うルートの選び方から、協議会加入・寒冷地の生活支援・費用設計まで、北海道の介護現場を理解したうえでご支援します。まずは資料で全体像をつかむか、30分の無料相談でお気軽にご相談ください。
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よくある質問
各項目をタップで開閉できます。回答はすべて2026年6月時点の一次情報に基づいて整理しています。
Q. 北海道の小規模な介護施設でも外国人材を受け入れられますか?
Q. 外国人材に訪問介護をやってもらうことはできますか?
Q. 協議会への加入はいつ行えばよいですか?
Q. 育成就労はいつから始まり、技能実習とどう違いますか?
Q. 5年経つと帰国してしまうのですか? 長く働いてもらう方法は?
Q. 寒さに慣れていない人材が北海道で定着できるか不安です。
Q. 採用開始から入社まで、どのくらいの期間が必要ですか?
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介護の外国人採用 費用と流れ
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特定技能の訪問介護 解禁の詳細
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介護分野特定技能協議会 加入ガイド
申請前加入の手順と必要書類を具体的に。
北海道で外国人材を採用する総合ガイド
業種横断で北海道特有の論点をまとめた記事。
育成就労×介護の解説
2027年施行の新制度を介護目線で整理。
公式情報源リスト(ブックマーク推奨)
| 発行元・内容 | URL |
|---|---|
| 出入国在留管理庁 介護分野(特定技能) | moj.go.jp/isa/policies/ssw/nursingcare.html |
| 厚労省 介護分野における特定技能外国人の受入れ(協議会・訪問系) | mhlw.go.jp/stf/newpage_000117702.html |
| 厚労省 第9期計画に基づく介護職員の必要数 | mhlw.go.jp/stf/newpage_41379.html |
| 北海道庁 高齢者人口の状況(高齢化率) | pref.hokkaido.lg.jp/hf/khf/koureishajinkou.html |
| 出入国在留管理庁 育成就労制度 | moj.go.jp/isa/applications/index_00005.html |
| 北海道労働局(外国人雇用状況・有効求人倍率) | jsite.mhlw.go.jp/hokkaido-roudoukyoku/ |
※本記事は2026年6月時点の公的情報に基づいています。制度・数値・要件は改定されることがあるため、実際の受け入れにあたっては必ず最新の一次情報および専門家の助言をご確認ください。

この記事を書いた人
西澤 志門株式会社ジンザイネシア取締役。特定技能・育成就労の制度実務と、インドネシア人材の採用・教育・定着支援を専門とする。 登録支援機関として介護・外食・宿泊分野を中心に50社以上を支援。 一般社団法人Nocoders Japan協会理事として、AI・DXによる業務改革も推進。 本コラムでは、受入企業が「本当に知りたい」制度の実務と現場のリアルを発信します。

この記事を監修した人
吉田 卓司株式会社ジンザイネシア代表取締役。 2000年にオイシックス・ラ・大地(東証プライム市場・3182)を共同創業し、2007年に五反田電子商事(現GDX)を創業。2012年にシンガポールへ移住し、2015年にはインドネシアでBeautynesiaを創業のうえ現地財閥法人へ売却。 10年以上のインドネシア在住経験と、日本インドネシア国交55周年の大相撲巡業主催(2013年・1万人以上集客)など現地での実績を基盤に、2023年に株式会社ジンザイネシアを創業。 本コラムでは、特定技能・育成就労に関する制度実務とインドネシア人材の採用・教育・定着支援の知見を、登録支援機関の立場から監修します。
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