解体業 × 外国人材 採用ガイド|特定技能・育成就労の対象業務・安全教育・5年キャリアパス【2026年版】
建設

解体業 × 外国人材 採用ガイド|特定技能・育成就労の対象業務・安全教育・5年キャリアパス【2026年版】

結論|解体業で外国人材を採用するなら

解体業は特定技能「建設」分野で外国人材を雇用でき、対象となる試験区分は「建築」区分です。ただし一般の特定技能とは違い、①建設特定技能受入計画の認定(国土交通大臣)②JAC加入 ③CCUS登録 ④月給制という建設特有の上乗せ要件があります。これを満たさないと在留申請ができません。本記事では解体業の経営者・採用担当者の目線で、対象業務・要件・費用・安全教育・5年のキャリアパスまでを一次情報で整理します。(2026年6月時点)

「解体の職人が高齢化して若手が入ってこない」「特定技能で外国人材を採りたいが、建設は手続きが複雑と聞いて二の足を踏んでいる」——解体工事業の経営者・採用担当の方から、よくいただくお悩みです。解体業は人手不足が深刻な一方、建設分野は他業種にない「上乗せ要件」が多く、ここを正確に理解しないまま動くと、採用が決まっても在留申請が通らず時間とお金を無駄にしかねません。本記事では、国土交通省・出入国在留管理庁・JAC(建設技能人材機構)・厚生労働省の一次情報をふまえ、解体業で外国人材を雇用するための制度・要件・費用・安全教育・採用ステップ・5年のキャリアパスを、受け入れ企業の目線でまとめます。(2026年6月時点)

📋 解体業×外国人材 30秒早見表

使える在留資格特定技能「建設」分野(今すぐ可)/育成就労(2027年4月〜・建設も対象)
解体の試験区分「建築」区分(土木/建築/ライフライン・設備の3区分のうち建築)
建設特有の必須要件①受入計画の認定(国交大臣)②JAC加入 ③CCUS登録 ④月給制 ⑤日本人と同等以上の報酬
費用の目安(1人)初期 おおむね40〜100万円+月額(JAC受入負担金1万2,500円〜+支援委託費1.5〜3万円)
準備期間受入計画の認定だけで1.5〜4か月。就労予定日の6か月前から逆算で着手
最重要の論点解体は労災リスクが高い。安全教育(特別教育・職長教育)の整備が定着と無事故を左右

解体は対象か/▸ 上乗せ要件/▸ 費用/▸ 安全教育/▸ 採用ステップ/▸ 5年キャリアパス/▸ FAQ

1. 解体業は外国人材を雇用できる?対象業務と試験区分

結論から言うと、解体業は特定技能「建設」分野で外国人材を雇用できます。建設分野は2022年・2024年の見直しで、従来の細かい職種が「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3つの業務区分に再編されました。それぞれの区分で技能試験(建設分野特定技能1号評価試験)が用意されており、合格した区分の中であれば、関連する複数の作業に従事できます。(2026年6月時点・国土交通省/JAC)

そして解体工事に従事する場合、雇用する外国人材は「建築」区分の試験に合格している必要があります。これはJAC(建設技能人材機構)の公式案内でも明示されています。建設業法では建設工事を29種類に区分しており、解体工事業もその一つです。3つの業務区分は、この29種類の専門作業を網羅するように設計されており、解体は建築区分のなかに位置づけられています。

業務区分 主な内容 解体業との関係
土木土木施設の新設・改築・維持・修繕(とび・土工・コンクリート圧送・トンネル等)土木構造物の取り壊しが中心の場合に関わることがある
建築建築物の新築・増改築・修繕(建築大工・内装・型枠・とび・解体に関わる作業等)★解体業はこの区分。建物の解体工事に従事するならここに合格
ライフライン・設備電気・通信・ガス・上下水道等の設置・改修・修繕(配管・電気通信等)設備撤去に関わる場合がある

採用候補となる人材は、おもに①海外または国内で「建築」区分の技能試験+日本語試験に合格した人②建設関連の技能実習2号を良好に修了した人(試験免除で特定技能へ移行できる場合がある)です。技能実習で「解体」や「とび」などの建設職種を経験した人材は、特定技能の建築区分へスムーズに移行しやすく、解体業の即戦力になりやすい層です。建設分野の制度全体は建設で外国人材を受け入れる方法でも詳しく解説しています。

2. 解体業で外国人材を受け入れる「上乗せ要件」5つ

ここが解体業(建設分野)でつまずきやすい最重要ポイントです。特定技能の一般的な要件(雇用契約・支援体制・分野別協議会への加入など)に加え、建設分野だけに課される「上乗せ要件」があります。一つでも欠けると、在留資格の申請そのものができません。「他業種と同じ感覚で進めたら、申請直前で計画認定が下りていなかった」という事態を避けるため、最初に全体像を押さえましょう。

上乗せ要件 内容 注意点
①建設業許可建設業の許可を受けていること(解体工事業の許可・登録を含む)解体工事は建設業許可(解体工事業)または解体工事業登録が前提
②建設特定技能受入計画の認定国土交通大臣の認定を受けること。在留申請のに必須審査に1.5〜4か月かかる。最大の時間ボトルネック
③JAC加入建設技能人材機構(JAC)への加入(正会員団体経由 or 賛助会員として直接)加入方法で年会費の負担が変わる(後述)
④CCUS登録建設キャリアアップシステム(CCUS)に事業者・技能者の双方が登録就業履歴・技能を業界共通で記録する仕組み
⑤月給制・同等以上の報酬月給制が必須(日給・時給での雇用は不可)。日本人と同等以上の報酬解体は日給月給が多い業界だが、特定技能は月給制が条件

とくに見落とされがちなのが②受入計画の認定⑤月給制です。受入計画の認定は国土交通省の審査が入り、報酬・安全衛生・キャリア形成などの計画を求められます。審査に数か月かかるため、これを後回しにすると採用が決まっても入国できません。また解体業は日給制・日給月給が根強い業界ですが、特定技能では「月給制」が必須です。賃金体系を月給制に整えることが受け入れの前提になります。これは外国人材を不安定な日払いから守り、定着を促すための仕組みでもあります。

⚠️ 建設は派遣ができません:特定技能で派遣が認められるのは農業・漁業のみで、建設(解体を含む)は派遣不可・原則直接雇用です。「派遣で解体の特定技能人材を」という提案を受けたら制度違反のおそれがあります。業者選びの確認ポイントとして覚えておきましょう。

さらに、特定技能の受け入れでは在留申請書類の「作成」を有償で行えるのは行政書士・弁護士に限られます(改正行政書士法・2026年1月1日施行)。登録支援機関は提出(取次)はできても書類作成はできないため、業者選びでは「書類作成は行政書士が担うか」も確認が必要です。支援体制の整え方は登録支援機関の選び方で詳しく解説しています。

📌 公式情報源出入国在留管理庁 特定技能JAC 建設技能人材機構(2026年6月時点)

3. 特定技能と育成就労、解体業はどちらで受け入れる?

解体業で外国人材を受け入れる在留資格は、現時点では特定技能1号が中心です。加えて2027年4月には、技能実習に代わる育成就労制度が施行予定で、建設も対象分野に含まれます。「今すぐ人手が欲しい」のか「未経験から育てたい」のかで、選ぶ制度が変わります。

項目 特定技能1号(建設) 育成就労(建設・2027年4月〜)
位置づけ即戦力(試験合格済み・一定の技能あり)育成前提(未経験〜初級から育てる)
在留期間通算最長5年(1号)原則3年
日本語JLPT N4/JFT-Basic A2相当就労開始までにA1相当以上(JLPT N5・JFT-Basic A1等が目安)
家族帯同不可(1号)不可
建設の上乗せ要件受入計画認定・JAC・CCUS・月給制(現行)同様の枠組みが維持される見込み。受入計画認定・協議会加入が想定(運用要領で要確認)
向く場面今すぐ戦力が欲しい・技能実習修了者の継続雇用じっくり育てて特定技能へつなぎたい

育成就労の建設分野でも、JAC・CCUS・受入計画の認定といった現行の枠組みは維持される見込みで、これまでのノウハウは引き続き有効と考えられます。育成就労の受け入れ企業には原則として分野別協議会への加入が義務づけられる方向ですが、JACに所属する企業は加入義務が免除される方向とされています(運用要領で最新を確認)。(2026年6月時点・国土交通省/出入国在留管理庁の検討段階情報を含む)

「今すぐ解体現場の人手を埋めたい」なら、すでに受け入れ可能な特定技能が現実的です。一方で長期に自社で育てたいなら、2027年以降は育成就労→特定技能というルートも視野に入ります。制度の違いは育成就労・特定技能・技能実習の比較育成就労制度の基礎、対象分野は育成就労の対象17分野で確認できます。なお解体は単純作業に見えても専門性が必要なため、大卒・実務経験が要件の技術・人文知識・国際業務(技人国)とは性質が異なります。

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「受入計画の認定やJAC加入をどう進めればいいか分からない」——そんな段階のご相談も歓迎です。当社はインドネシア人材に特化し、建設・解体の現場特性をふまえた人材紹介から、面接・受入計画・定着支援まで一気通貫でご支援します。まずは業者選びの判断軸を整理しましょう。無料・オンライン可・しつこい営業は一切ありません。

4. 解体業で外国人材を受け入れる費用|初期・月額の内訳

費用は「初期費用(採用・入国まで)」と「月額費用(雇用中)」に分けて考えると整理しやすくなります。建設分野はJACの受入負担金が他業種にない固有のコストです。金額は人材ルートや募集経路で変わるため、ここでは概算(下限〜上限の幅)で示します。実額は契約条件・地域・支援機関で変動するため、見積もりで必ず確認してください。(2026年6月時点)

費用項目 タイミング 概算(1人あたり)
人材紹介手数料初期おおむね20〜60万円(経路・国内/海外で差)
在留資格申請(行政書士費用)初期おおむね12〜20万円
渡航費(海外採用の場合)初期おおむね5〜15万円
住居の初期整備初期おおむね10〜35万円(敷金・家具家電等)
CCUS登録・受入計画の手続き初期登録料・代行費で数千円〜数万円規模
JAC受入負担金月額1人あたり月1万2,500円〜(人材ルートにより異なる場合あり)
支援委託費(登録支援機関)月額月1.5〜3万円(業界平均 約2.8万円)
JAC年会費(直接加入の場合)年額賛助会員 年24万円(正会員団体経由なら団体会費)

初期費用の合計は、住居整備や採用経路によっておおむね40〜100万円規模に収まることが多く、住居や渡航をフルに負担する海外採用では100万円を超える場合もあります。月額はJAC受入負担金(1人月1万2,500円〜)+支援委託費(月1.5〜3万円)が固定的にかかります。これらは「コスト」というより、5年働く人材への投資として、雇用年数で割って考えると判断しやすくなります。費用の実額の考え方は特定技能の費用のリアルもあわせてご覧ください。

📊 業界相場ソース(費用の裏取り)

JAC受入負担金はJAC「年会費と受入負担金」(1号特定技能外国人 月1万2,500円・賛助会員年会費24万円)を一次情報として参照。支援委託費の業界平均(約2万8,386円)は出入国在留管理庁の支援委託費調査に基づきます。人材紹介・渡航・住居は建設・特定技能を扱う複数の人材会社・行政書士事務所の公開料金(2026年6月時点)の中央値帯を採用。JACの負担金は人材ルートや改定で変わるため、契約時に最新額を必ず確認してください。

なお、在留資格の更新・変更手数料は2025年4月に改定され、現在は窓口6,000円・オンライン5,500円です。2026年度以降に3〜4万円規模へ引き上げが予定されています(政府方針段階)。将来の手続きコストも見込んでおくと安心です。(2026年6月時点・出入国在留管理庁)

5. 解体現場の安全教育|外国人材の無事故・定着の土台

解体業は建設業のなかでも労働災害のリスクが特に高い仕事です。高所からの墜落・転落、重機との接触、倒壊や飛来・落下、粉じん・アスベスト(石綿)への暴露など、危険が多岐にわたります。厚生労働省「令和6年の労働災害発生状況」でも建設業の死亡者数は232人と全産業で最多水準が続いています。外国人材を迎えるなら、安全教育の整備は採用と同じくらい重要です。言葉の壁で「危ない!」が伝わらなければ、事故は防げません。(2026年6月時点・厚生労働省)

解体作業に従事するには、労働安全衛生法に基づく特別教育・技能講習が必要な業務が多くあります。日本人と同様、外国人材にも該当する教育・資格が必要です。代表的なものを整理します。

教育・資格 対象となる主な作業 外国人材への配慮
足場の組立て等特別教育足場の組立て・解体・変更に関わる作業図解・実演中心の教材/母語補助があると理解が進む
フルハーネス型墜落制止用器具 特別教育高所での作業(安全帯の使用)着用を「面倒」と感じさせない反復教育が重要
石綿(アスベスト)取扱い特別教育石綿が使われた建物の解体・改修健康被害の重大さを母語で正確に伝える
車両系建設機械 技能講習解体用重機(ブレーカー等)の運転運転は資格保有者に限定。無資格運転は厳禁
職長・安全衛生責任者教育現場をまとめる立場(将来のキャリア)日本語力が伸びた人材の次のステップに

外国人材の安全を守るために、現場で実践したい工夫を整理します。①多言語・絵で伝える:危険箇所の標識、合図、作業手順を絵カードや母語併記で掲示する。②緊急合図の体得:「止まれ」「下がれ」「危ない」を体で覚えるまで反復する。③朝礼・KY活動(危険予知)に参加させる:その日の危険を全員で共有し、当事者意識を育てる。④保護具の着用を文化にする:着用が当たり前の現場づくり。これらは無事故だけでなく、外国人材が「大切にされている」と感じる定着の土台にもなります。

📌 公式情報源厚生労働省 労働安全衛生建設業労働災害防止協会(建災防)(外国人向け安全衛生教材も提供)(2026年6月時点)

6. 採用から入社までのステップ|6か月前から逆算

解体業(建設分野)は、受入計画の認定だけで1.5〜4か月かかるため、「入社させたい日」から逆算して6か月前には着手するのが安全です。下の帯で全体の流れを、続く表で時期ごとの「やること」を確認してください。

← 入社予定日から「約6か月前」を起点に逆算 →

6〜5か月前
準備・体制確認
5〜4か月前
募集・面接・内定
4〜1か月前
受入計画認定・在留申請
入社月
入国・受入れ・安全教育
時期 やること ねらい・ポイント
6〜5か月前①建設業許可の確認 ②CCUS事業者登録 ③JAC加入(団体経由 or 直接)④月給制への賃金体系見直し ⑤支援体制(登録支援機関)の選定上乗せ要件の土台を先に固める。月給制への移行は社内調整に時間がかかる
5〜4か月前①求人要件の整理 ②候補者の選定(建築区分合格者・技能実習修了者)③オンライン面接 ④内定・雇用条件の合意解体は安全意識・体力・意思疎通を重点確認。面接の進め方は関連記事へ
4〜1か月前建設特定技能受入計画の認定申請(国交省)②認定取得後に在留資格申請(行政書士)③CCUS技能者登録最大のボトルネック。計画認定→在留申請の順。前後すると進まない
入社月①入国・住居入居 ②生活オリエンテーション ③安全教育(特別教育・技能講習)④現場デビューいきなり現場に出さない。安全教育を終えてから配置

💡 逆算のコツ:受入計画の認定(1.5〜4か月)と在留申請(1〜2か月)は直列で進むため、合計で半年近くかかると見込みます。海外採用なら渡航準備も加わります。「繁忙期に間に合わせたい」なら、その半年前には体制づくりを始めましょう。

7. 解体業で働く外国人材の5年キャリアパス

外国人材を「人手の穴埋め」ではなく「長期戦力」として迎えるなら、5年後までの道筋を一緒に描くことが定着のカギです。特定技能1号は通算最長5年ですが、建設分野には特定技能2号があり、要件を満たせば在留期間の更新に上限がなく、家族帯同も可能になります。「5年で帰る人」ではなく「長く一緒に現場を支える仲間」として育てる設計が可能です。

年次 本人の到達イメージ 会社が用意すること
1年目安全教育を修了し、補助作業から現場に慣れる特別教育・技能講習の受講機会/生活面の伴走
2〜3年目解体作業を任され、重機・工具の扱いに習熟。日本語も向上車両系建設機械等の資格取得支援/責任ある作業の付与
4〜5年目後輩の指導役・班のまとめ役。職長を目指す職長・安全衛生責任者教育/特定技能2号の準備
5年目以降特定技能2号へ移行。長期就労・家族帯同も視野に2号評価試験・実務経験の要件確認(最新の公式情報で確認)/キャリア面談

特定技能2号は熟練した技能を要する区分で、建設分野でも設定されています。移行には2号の評価試験合格と一定の実務経験(班長等としての経験など)が求められます。要件の詳細は変動しうるため、移行を検討する際は最新の公式情報で確認してください。育成就労(2027年〜)からのキャリアの積み上げ方は育成就労から特定技能へのキャリアパスで詳しく解説しています。(2026年6月時点)

こうした長期の道筋を示せると、外国人材は「ここで頑張れば未来がある」と感じ、定着につながります。なぜインドネシア人材が建設・解体の現場に向くのか、文化的な相性や受け入れの注意点はインドネシア人材のメリット・デメリット、人材紹介の使い方はインドネシア人材紹介の活用ガイドをご覧ください。建設分野全体の最新動向は特定技能の新規分野・最新動向、制度の全体像は特定技能 完全ガイドもあわせてどうぞ。

8. よくある質問(FAQ)

各項目をタップで開閉できます。回答はすべて一次情報(国土交通省・出入国在留管理庁・JAC・厚生労働省)に基づいています。(2026年6月時点)

Q. 解体業は特定技能の対象になりますか?どの試験区分ですか?
はい、解体業は特定技能「建設」分野の対象です。建設分野は「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3区分に再編されており、解体工事に従事する外国人材は「建築」区分の試験に合格している必要があります(JAC公式案内)。技能実習で建設職種を良好に修了した人は、試験免除で特定技能へ移行できる場合があります。
Q. 一般の特定技能と違って、建設だけに必要な手続きはありますか?
あります。建設分野には上乗せ要件として、①国土交通大臣による「建設特定技能受入計画」の認定(在留申請の前に必須)②JAC(建設技能人材機構)への加入 ③CCUS(建設キャリアアップシステム)への事業者・技能者の登録 ④月給制での雇用(日給・時給は不可)⑤日本人と同等以上の報酬——が課されます。受入計画の認定だけで1.5〜4か月かかるため、早めの着手が重要です。
Q. 解体は日給月給が多いのですが、月給制にしないといけませんか?
はい。特定技能(建設)では月給制が必須で、日給制・時給制での雇用は認められません。月給制とは、基本給・毎月固定で支払う手当・割増賃金を月単位で算定して支払う方式です。これは外国人材を不安定な日払いから守り、安定就労・定着を促すための要件です。受け入れの前に、賃金体系を月給制へ整える社内調整が必要になります。
Q. 解体の特定技能人材を派遣で受け入れられますか?
いいえ。特定技能で派遣が認められるのは農業・漁業のみで、建設(解体を含む)は派遣不可・原則直接雇用です。「派遣で解体の特定技能を」という提案を受けた場合は制度違反のおそれがあるため、業者選びの確認ポイントになります。直接雇用・月給制が原則という点を必ず押さえてください。
Q. 受け入れにはどのくらいの費用と期間がかかりますか?
初期費用は人材紹介・在留申請・渡航・住居整備などで、1人あたりおおむね40〜100万円規模(住居・渡航をフル負担する海外採用では超える場合も)。月額はJAC受入負担金(1人月1万2,500円〜)+登録支援機関への支援委託費(月1.5〜3万円・業界平均約2.8万円)が固定的にかかります。期間は、受入計画の認定(1.5〜4か月)と在留申請(1〜2か月)が直列で進むため、入社予定日の6か月前から逆算するのが安全です。金額・要件は変動するため見積もりで最新を確認してください。
Q. 解体は危険な仕事ですが、安全教育はどう進めればいいですか?
解体作業には、足場の組立て等特別教育、フルハーネス型墜落制止用器具の特別教育、石綿(アスベスト)取扱い特別教育、車両系建設機械の技能講習など、労働安全衛生法に基づく教育・資格が必要な業務が多くあります。外国人材には、絵カードや母語併記の標識、緊急合図(止まれ・下がれ・危ない)の反復、朝礼・危険予知活動への参加などで安全を「体で覚えてもらう」ことが大切です。安全教育を終えてから現場に配置し、いきなり危険作業に就かせないことが無事故と定着の土台になります。
Q. 5年が過ぎたらどうなりますか?長く働いてもらえますか?
特定技能1号は通算最長5年ですが、建設分野には特定技能2号があり、2号の評価試験合格と一定の実務経験(班長等の経験など)を満たせば移行できます。2号は在留期間の更新に上限がなく、家族帯同も可能になるため、長期戦力として育てる設計ができます。要件は変動しうるため、移行を検討する際は最新の公式情報で確認してください。
Q. 2027年に始まる育成就労でも、解体業は受け入れられますか?
はい。2027年4月施行予定の育成就労制度でも建設は対象分野に含まれ、解体業も受け入れられる見込みです。育成就労は「育成」が前提のため未経験者を育てる場面に向きます。建設ではJAC・CCUS・受入計画の認定といった現行の枠組みが維持される見込みで、受け入れ企業には原則として協議会への加入が求められる一方、JAC所属企業は加入義務が免除される方向とされています(運用要領で最新を確認)。今すぐ戦力が欲しい場合は、すでに受け入れ可能な特定技能が現実的です。

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公式情報源リスト(ブックマーク推奨)

機関・内容 URL
国土交通省 特定技能制度(建設分野)mlit.go.jp 建設分野 特定技能
JAC 建設技能人材機構jac-skill.or.jp
JAC 年会費と受入負担金jac-skill.or.jp 年会費と受入負担金
出入国在留管理庁 特定技能moj.go.jp/isa/applications/ssw
出入国在留管理庁 育成就労制度moj.go.jp/isa 育成就労
厚生労働省 労働安全衛生mhlw.go.jp 労働安全衛生
建設キャリアアップシステム(CCUS)ccus.jp

※ 本記事は2026年6月時点の公開情報に基づきます。制度・要件・費用・統計は更新されるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。JACの受入負担金・年会費、在留手続の手数料、特定技能2号の要件などは改定されることがあり、申請・契約時に必ず最新の一次情報を確認してください。数値・要件は執筆時点の一次情報を参照しています。

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西澤 志門

この記事を書いた人

西澤 志門

株式会社ジンザイネシア取締役。特定技能・育成就労の制度実務と、インドネシア人材の採用・教育・定着支援を専門とする。 登録支援機関として介護・外食・宿泊分野を中心に50社以上を支援。 一般社団法人Nocoders Japan協会理事として、AI・DXによる業務改革も推進。 本コラムでは、受入企業が「本当に知りたい」制度の実務と現場のリアルを発信します。


吉田 卓司

この記事を監修した人

吉田 卓司

株式会社ジンザイネシア代表取締役。 2000年にオイシックス・ラ・大地(東証プライム市場・3182)を共同創業し、2007年に五反田電子商事(現GDX)を創業。2012年にシンガポールへ移住し、2015年にはインドネシアでBeautynesiaを創業のうえ現地財閥法人へ売却。 10年以上のインドネシア在住経験と、日本インドネシア国交55周年の大相撲巡業主催(2013年・1万人以上集客)など現地での実績を基盤に、2023年に株式会社ジンザイネシアを創業。 本コラムでは、特定技能・育成就労に関する制度実務とインドネシア人材の採用・教育・定着支援の知見を、登録支援機関の立場から監修します。

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