外国人面接の通訳|種類・費用相場・依頼の仕方と失敗しない使い方【2026年版】
採用・インドネシア

外国人面接の通訳|種類・費用相場・依頼の仕方と失敗しない使い方【2026年版】

結論|外国人面接の通訳を選ぶなら

通訳には①人材会社・送り出し機関の通訳 ②専門の通訳会社 ③社内の二言語人材 ④機械翻訳・AI通訳の4種類があり、それぞれ費用も中立性も違います。費用は逐次通訳の半日でおおむね2万〜4万円、1日で3.5万〜6万円、オンラインなら時間単位(1時間4千〜1万5千円目安)で安く抑えられます。最大の落とし穴は「送り出し側の通訳だけに任せて中立性が崩れること」。本記事の比較表・費用の目安表・依頼チェックリストで、失敗しない使い方がわかります。(2026年6月時点・後述の出典参照)

「インドネシア人を面接したいが、こちらが日本語、相手が日本語初級。意思疎通が成立するか不安」「面接の通訳を頼みたいが、誰に・いくらで・どう頼めばいいのか相場がわからない」——外国人材の採用を検討する経営者・人事の方から、よくいただくご相談です。通訳は面接の質と合否判断の精度を左右する重要な投資であり、選び方を誤ると「直訳すぎて人柄が伝わらない」「送り出し側の通訳が候補者に有利な訳をしていた」といった失敗につながります。本記事では、複数の通訳会社の公開料金と一次情報をふまえ、通訳の種類別の比較・費用相場(範囲つき)・依頼の仕方と準備・失敗パターンと対策・インドネシア語の特性を、受け入れ企業の目線で整理します。(2026年6月時点)

📋 外国人面接の通訳 30秒早見表

通訳の種類①人材会社・送り出し機関 ②専門の通訳会社 ③社内の二言語人材 ④機械翻訳・AI通訳
費用の目安逐次・半日 約2万〜4万円/1日 約3.5万〜6万円/オンライン 1時間 約4千〜1.5万円(後述)
面接に向く方式一文ずつ訳す「逐次通訳」が基本。会議の同時通訳は面接には不要・割高
中立性の注意送り出し側の通訳だけに任せない。利益相反(候補者に有利な訳)のリスクがある
機械翻訳の扱い事前の連絡や下見には便利。合否を分ける本面接では人の通訳が原則

なぜ通訳が重要か/▸ 通訳の種類を比較/▸ 逐次か同時か/▸ 費用相場/▸ 依頼の仕方と準備/▸ 失敗パターン/▸ インドネシア語の特性/▸ FAQ

✅ この記事でわかること

  • 通訳4種類(人材会社・専門通訳会社・社内人材・機械翻訳)の費用・中立性・手間の違い
  • 逐次通訳・同時通訳の違いと、面接でどちらを選ぶべきか
  • 種類別・時間別(半日/1日/オンライン)の費用の目安表と、出典つきの相場根拠
  • 通訳に事前共有すべき資料・専門用語リスト・面接の進め方の組み立て
  • 直訳すぎ・主観の混入・専門用語の誤訳・送り出し側のバイアスなど失敗の回避法

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1. なぜ外国人面接で「通訳の選び方」が重要なのか

外国人材の面接、とくに特定技能1号や育成就労(2027年4月施行予定)でこれから日本に来る候補者の面接では、日本語がまだ初級〜中級の段階であることが多くあります。この段階でこちらの質問の意図が正確に伝わり、相手の人柄・本気度が正確に返ってくるかどうかは、通訳の質に大きく左右されます。通訳が「言葉を訳す機械」になってしまうと、せっかくの面接が表面的なやり取りで終わり、合否を誤る原因になります。

通訳選びで企業がつまずきやすいのは、次の3点です。第一に費用の不透明さ。通訳料金は「半日」「1日」「時間単価」「対面/オンライン」で体系が異なり、相場を知らないと高すぎる見積もりにも安すぎる見積もりにも気づけません。第二に中立性。送り出し機関や紹介会社の通訳は便利ですが、候補者を「売りたい」立場でもあるため、訳し方に無意識のバイアスが入る可能性があります。第三に専門性。介護・建設・外食など業種の専門用語を誤訳されると、候補者の実務能力を正しく評価できません。本記事はこの3点を、種類・費用・依頼方法の順に解きほぐしていきます。

📌 公式情報源:在留資格・日本語要件の前提は出入国在留管理庁 特定技能出入国在留管理庁 育成就労を参照。面接全体の進め方はインドネシア人の面接ガイドでも解説しています。

2. 通訳の4つの種類と、それぞれのメリット・注意点

外国人面接で使われる通訳は、大きく4種類に分かれます。費用・中立性・手間のバランスが異なるため、自社の状況(採用人数・予算・社内に二言語人材がいるか)に合わせて選びます。まずは一覧で全体像をつかみましょう。

種類 メリット 注意点 向いている場面
①人材会社・送り出し機関の通訳手配が楽・候補者の背景を理解・追加費用が無料/低額のことが多い候補者を「売りたい」立場のため中立性に注意。訳に有利な脚色が入る可能性候補者と紹介ルートが同じ。中立な確認役を別に置ける場合
②専門の通訳会社中立・高精度・守秘契約あり・業種に強い人を指名できる費用が最も高い・事前の用語共有が必要・手配リードタイムがかかる重要ポジション・複数候補の最終面接・社内に語学人材がいない
③社内の二言語人材業務・社風を理解・追加費用ほぼゼロ・採用後の定着支援にも繋がる通訳の訓練を受けていないと精度が不安定・本人の業務を圧迫同国出身の先輩社員がいる・一次面接や日常会話レベルの確認
④機械翻訳・AI通訳アプリ無料〜低額・即時・事前の連絡や下見に便利専門用語・固有名詞・行間や敬意のニュアンスに弱い。人柄や微妙な本音は読めない事前のスケジュール連絡・簡単な質問・補助的な確認

実務でよくあるのが、①と②(または③)を組み合わせる形です。たとえば一次面接は送り出し機関の通訳で進め、最終面接だけ中立な専門通訳を入れる。あるいは送り出し側の通訳に加えて、社内の二言語人材を「確認役」として同席させ、訳のズレに気づけるようにする——こうすると、費用を抑えつつ中立性も担保できます。AI通訳アプリは合否を分ける本面接の主役にはせず、事前連絡や当日の補助に限定するのが安全です。

💡 中立性を確保する一番簡単な方法

送り出し機関の通訳を使う場合でも、「同じ質問を別の言い回しで聞き直す」「候補者の発言を要約して通訳に確認させる」だけで、脚色や省略にかなり気づけます。可能なら、面接の一部を録画・録音し(必ず本人の同意を得てから)、後から第三者の二言語人材に確認してもらうと、判断の精度が上がります。

3. 逐次通訳と同時通訳の違い(面接はどちらを選ぶ?)

通訳の「方式」も費用と相性に直結します。面接で使われるのはほぼ逐次通訳で、会議向けの同時通訳やウィスパリングは原則不要です。違いを整理します。

方式 やり方 費用感 面接での適性
逐次通訳話者が一文〜数文話し、区切って訳す。交互に進む最も安い。1名で対応可◎ 面接の標準。正確で、表情・間も確認できる
ウィスパリング対象者の横でささやき声で同時に訳すやや高い△ 1対1の面接では通常不要
同時通訳話を聞きながらほぼリアルタイムで訳す。集中力の都合で長時間は2名体制最も高い(半日6万円〜が目安)× 面接には過剰。会議・式典向け

逐次通訳は「話す→訳す」を交互に行うため、実質的にかかる時間は同時通訳の倍近くになります。30分の内容なら通訳込みで1時間程度を見ておくと安全です。一方で、一文ずつ確実に訳されるので誤解が起きにくく、候補者の表情や考え込む間(ま)も観察できるのが面接向きの理由です。同時通訳は会議や講演で価値を発揮しますが、面接に使うと費用が跳ね上がるだけで利点がありません。

📌 方式の補足:逐次通訳は「1名で最大4時間程度」が一般的な目安とされます(株式会社インターグループの解説)。半日を超える長丁場や、複数候補の連続面接では、休憩や交代の段取りを事前に通訳会社へ伝えておきましょう。

4. 通訳の費用相場(種類別・時間別の早見表)

通訳費用は「だいたい」ではなく範囲(下限〜上限)でつかむのが大切です。複数の通訳会社の公開料金から、面接でよく使う「逐次通訳」を中心に、種類・時間別の目安を整理しました。料金は会社・通訳者のレベル・言語・地域で変わるため、最終的には必ず見積もりを取ってください。下記はあくまで2026年6月時点の公開情報をもとにした目安です。

利用形態 対象・拘束時間 費用の目安(範囲) 備考
逐次通訳(半日)約4時間拘束約2万〜4万円面接の基本パターン。通訳者のレベルで上下
逐次通訳(1日)約8時間拘束(昼食含む)約3.5万〜6万円複数候補の連続面接向き。専門分野はさらに上振れ
商談・専門分野の逐次(1日)約8時間拘束約5万〜9万円介護・建設等の専門用語が多い場合
オンライン通訳(時間単位)30分〜1時間単位で予約できる会社も1時間あたり 約4千〜1.5万円交通費・拘束費が不要で最も安い。短時間面接に最適
同時通訳(半日・参考)会議向け(面接には過剰)約6万〜8万円〜面接では基本不要。比較参考として記載
機械翻訳・AI通訳アプリ回数・分数による無料〜月額数千円事前連絡・補助用途。本面接の主役にはしない

対面の派遣通訳は、上記に加えて交通費・遠方なら宿泊費が別途かかります。また「半日の最低拘束時間あり(短くても半日分の料金)」とする会社が多いため、30分〜1時間の短い面接ならオンライン通訳の時間単位プランが圧倒的にコスト効率が良いケースが多くあります。一方、人材会社や送り出し機関の通訳は、紹介サービスに含まれていて追加費用が無料または低額のことも多く、費用面では有利です(中立性は別途確保が必要)。

📊 業界相場ソース(2026年6月時点・公開料金より作成)

※ 上記は英語・一般的な逐次通訳の公開相場。インドネシア語など需要の限られる言語は通訳者数が少なく、英語より上振れする場合があります。料金は会社・通訳者・地域で変動するため、必ず複数社から見積もりを取得してください。

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5. 通訳の依頼の仕方と、面接前に渡すべき準備資料

通訳の精度は「当日の通訳者の腕」より「事前にどれだけ情報を共有したか」で決まる、と言っても過言ではありません。専門用語・自社の事業内容・面接の流れを前もって渡しておくだけで、訳のズレが大きく減ります。依頼から当日までの流れと、渡すべき資料を整理します。

時期 やること ねらい・ポイント
2週間前①通訳会社へ見積もり依頼(言語・日時・対面/オンライン・分野を明記)②方式は逐次と指定インドネシア語など希少言語は早めの確保が安心。複数社で相見積もり
1週間前①会社・仕事内容の資料を共有 ②専門用語リストを渡す ③守秘契約(NDA)を締結通訳が業務を理解していると訳が正確に。候補者情報の守秘も明確化
前日①質問リストを共有 ②面接の流れ・所要時間を伝える ③オンラインなら接続テスト質問の意図を事前共有すると、的を射た訳になる。通信トラブルを防ぐ
当日冒頭①「直訳でなく意味を正確に。要約・脚色はしないで」と依頼 ②録画の同意取得通訳の役割を最初に握る。後で振り返れるよう記録を残す

📝 通訳に必ず渡したい「事前共有4点セット」

  • 会社・仕事内容の概要:どんな職場で、どんな業務をするのか(写真があると理想的)
  • 専門用語リスト:業界特有の言葉・自社の役職名・機器名を日本語+簡単な説明つきで
  • 質問リスト:当日聞く質問と、その意図(「動機の本気度を見たい」など)
  • 面接の流れ・時間配分:何分で何を聞くか。休憩や交代の有無

当日の進め方では、一文を短く区切って話す・一度に複数のことを聞かない・専門用語にはかみ砕いた言い換えを添えるのが鉄則です。通訳は一度に長い話を正確に訳しきれません。「前職での仕事内容と、辞めた理由と、日本で何をしたいか」を一度に聞くのではなく、一つずつ聞きましょう。面接の質問の組み立て方や評価のしかたは特定技能の面接の進め方や、業種別に介護の外国人面接外食の外国人面接宿泊の外国人面接で詳しく解説しています。

6. 通訳でやりがちな失敗パターンと対策

通訳を入れても、使い方を誤ると「面接した気になっただけ」で終わります。現場でよく起きる失敗と、その対策を一覧にしました。

失敗パターン 何が起きるか 対策
直訳すぎる言葉は正しいが、敬意やニュアンスが落ち、人柄や本音が伝わらない冒頭で「意味とニュアンスを正確に」と依頼。文化背景を理解した通訳を選ぶ
通訳の主観が混入「この人は良いと思います」など通訳の意見が訳に混ざり、判断が歪む「訳に意見・要約・脚色は入れないで」と最初に明確化。発言は一人称で訳すよう依頼
専門用語の誤訳業界用語・機器名が誤って訳され、候補者の実務能力を読み違える専門用語リストを事前共有。業種経験のある通訳を指名する
送り出し側の利益相反(バイアス)候補者を採用させたい立場の通訳が、不利な発言を和らげて訳す中立な確認役を別に置く/最終面接は専門通訳に切替/同じ質問を言い換えて再確認
機械翻訳に頼りすぎ合否を分ける本面接でAI通訳に頼り、行間・本音・専門語を取り逃す本面接は人の通訳を原則に。AIは事前連絡・補助用途に限定
通訳に丸投げ面接官が候補者でなく通訳を見て話し、関係が築けない・反応を見逃す視線は候補者へ。通訳は黒衣(くろこ)と位置づけ、本人の表情・間を観察する

とくに見落とされやすいのが「送り出し側の利益相反」です。これは通訳個人が悪いという話ではなく、構造上、候補者を採用してほしい立場の人が訳すと、不利な情報がやわらいで伝わりやすい——という問題です。だからこそ、紹介ルートと通訳の立場が同じ場合は、中立な確認役を別に用意するか、最終面接だけでも独立した通訳に切り替えるのが安全です。送り出し機関の選び方そのものはインドネシアの送り出し機関ガイド、採用全体の流れはインドネシア人材の採用フローでも解説しています。

7. インドネシア語の特性と、面接通訳での配慮

インドネシア語(バハサ・インドネシア)は、文字がアルファベットで文法が比較的シンプルなため学びやすい言語とされますが、面接通訳では知っておきたい特性がいくつかあります。

特性 面接での影響 配慮のしかた
多民族・多言語の国公用語はインドネシア語だが、家庭ではジャワ語など地方語を使う人も多い標準インドネシア語で通訳可能だが、地方出身者には言い回しを平易に
敬語・遠回しな表現直接「できません」と言いにくく、遠回しに断る文化的傾向「はい」が同意とは限らない。具体例で確認し、通訳に意図を訳してもらう
宗教への配慮国民の多くがイスラム教徒だが全員ではない。礼拝・食事の実践度に個人差宗教は「合否」では聞かない。配慮目的のみ、通訳を通じて丁寧に確認
名前・呼び方姓を持たない人もおり、書類と呼称が一致しないことがある冒頭で「何とお呼びすればよいか」を本人に確認すると安心

特に注意したいのが遠回しな表現と「はい」の扱いです。インドネシアでは相手に配慮して直接的な否定を避ける傾向があり、「はい(Ya)」が必ずしも同意・理解を意味しないことがあります。面接では「分かりましたか?」と聞くだけでなく、「では、この作業を自分の言葉で説明してみてください」と返してもらうことで、本当に理解しているかを確認できます。宗教については、面接で「合否のため」に信仰の有無や深さを聞くのは就職差別につながるおそれがあるため避け、採用後の配慮目的でのみ、本人に希望を確認します。インドネシア人材の国民性・宗教の基礎はインドネシア人材のメリット・デメリット、面接全体の質問例はインドネシア人の面接ガイドをご覧ください。

📌 公式情報源:宗教・人口構成は外務省 インドネシア基礎データ。採用選考で配慮すべき事項(公正な採用選考の考え方)は厚生労働省 公正な採用選考を参照。

8. そもそも通訳がどこまで必要か(在留資格と日本語要件)

「通訳をどこまで・いつまで使うか」は、採用する在留資格と候補者の日本語力で変わります。前提を整理しておきましょう。

在留資格 日本語の目安 面接での通訳の必要度
特定技能1号JLPT N4以上、またはJFT-Basic(A2相当)合格が必須基礎会話はできるが、面接の込み入った話は通訳推奨。最後に通訳を外して実演確認も有効
育成就労(2027年4月施行予定)就労開始までにA1相当以上(試験合格 or 認定機関の就労課程100時間以上)入門レベルのため面接は通訳がほぼ必須
技術・人文知識・国際業務(技人国)明確な法定基準はないが、業務上 N2相当が目安になることが多い日本語面接が中心。通訳は補助的に

育成就労の日本語要件は「N5(必須)」と単独で断定されることがありますが、正しくは就労開始までにA1相当以上(JLPT N5・JFT-Basic A1などが目安)です。誤解しないよう注意しましょう。面接の実務では、通訳を入れて意思疎通を担保したうえで、最後に通訳を一度外し、簡単な日本語の指示にどう反応するかを見ると、実際の現場での意思疎通力を見極めやすくなります。日本語力の伸ばし方や支援の体制は介護の外国人材の日本語(N4・N3)、制度全体は特定技能 完全ガイド、受け入れ体制は登録支援機関の選び方インドネシア人材紹介の全体像もあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

各項目をタップで開閉できます。回答は通訳会社の公開料金・一次情報に基づいています(2026年6月時点)。

Q. 外国人面接の通訳費用は、結局いくらが目安ですか?
面接で使う逐次通訳なら、複数の通訳会社の公開料金から、半日(約4時間)でおおむね2万〜4万円、1日(約8時間)で3.5万〜6万円が目安です。介護・建設などの専門用語が多い場合は1日5万〜9万円程度に上振れします。短時間の面接ならオンライン通訳の時間単位プラン(1時間あたり約4千〜1.5万円目安)が最もコスト効率が良くなります。対面は別途交通費がかかり、半日の最低拘束時間を設ける会社が多い点にも注意してください。料金は会社・通訳者・言語で変わるため、必ず複数社から見積もりを取りましょう。(2026年6月時点・公開料金より)
Q. 送り出し機関や人材会社の通訳に任せて大丈夫ですか?
手配が楽で費用も抑えられるため十分に選択肢になりますが、中立性には注意が必要です。候補者を採用してほしい立場の通訳は、構造上、不利な発言をやわらげて訳す可能性があります(通訳個人の問題ではなく利益相反の構造です)。重要な採用や最終面接では、中立な確認役を別に置く、または独立した専門通訳に切り替えると安全です。同じ質問を別の言い回しで聞き直すだけでも、訳の脚色や省略にかなり気づけます。
Q. 面接は逐次通訳と同時通訳のどちらを選べばよいですか?
面接は逐次通訳が基本です。話者が一文ずつ区切って話し、通訳が訳す方式で、誤解が起きにくく、候補者の表情や考え込む間も観察できます。同時通訳は会議や講演向けで費用が最も高く(半日6万〜8万円〜が目安)、1対1の面接には過剰です。逐次は「話す→訳す」を交互に行うため実質の所要時間が倍近くになるので、30分の内容なら通訳込みで1時間程度を見ておくと安心です。
Q. グーグル翻訳などのAI通訳アプリで面接できますか?
事前のスケジュール連絡や、ごく簡単な確認には便利ですが、合否を分ける本面接の主役にはおすすめしません。機械翻訳は業界の専門用語・固有名詞・新しい言葉に弱く、文化的背景や敬意・遠回しな言い回しといった「行間」を読み取れないためです。人柄や本音の機微も訳しきれません。本面接は人の通訳を原則とし、AIは事前連絡や当日の補助用途に限定するのが安全です。
Q. 通訳を頼むとき、事前に何を渡せばよいですか?
「事前共有4点セット」を渡すと精度が大きく上がります。①会社・仕事内容の概要(写真があると理想的)②専門用語リスト(業界用語・役職名・機器名を日本語+簡単な説明つきで)③当日の質問リストと各質問の意図 ④面接の流れ・時間配分です。あわせて守秘契約を結び、候補者情報の取り扱いを明確にしておきましょう。当日の冒頭で「要約や脚色をせず、意味とニュアンスを正確に。発言は一人称で訳してほしい」と役割を握っておくことも重要です。
Q. インドネシア語の通訳を頼むとき、特有の注意点はありますか?
インドネシアは多民族・多言語の国で、家庭では地方語を使う人もいますが、標準インドネシア語で通訳は可能です。文化的に直接的な否定を避ける傾向があり、「はい(Ya)」が必ずしも同意・理解を意味しない点に注意が必要です。「分かりましたか?」だけでなく「自分の言葉で説明してみてください」と返してもらうと理解度を確認できます。宗教は合否のためには聞かず、採用後の配慮目的でのみ本人に希望を確認します。英語より通訳者の数が限られるため、早めの手配がおすすめです。
Q. オンライン面接でも通訳は問題なく使えますか?
問題なく使え、むしろ費用面では有利です。オンライン通訳は交通費や拘束費がかからず、30分〜1時間単位で予約できる会社もあるため、短時間の面接では対面より大きくコストを抑えられます(1時間あたり約4千〜1.5万円が目安)。注意点は通信環境と時差で、前日までに接続テストを行い、現地候補者の通信状況も確認しておきましょう。発言が重ならないよう、一文ずつ区切って話す逐次方式が向いています。
Q. 採用後も通訳は必要ですか?いつまで使いますか?
入社直後の業務説明・安全教育・契約や生活の手続きなど、誤解が重大な結果につながる場面では、当面は通訳を入れるのが安心です。日々の業務では、同国出身の先輩社員や、やさしい日本語・図解・翻訳アプリの併用で少しずつ移行していきます。特定技能1号はN4相当以上の日本語力があるため、配慮しつつ日本語中心に切り替えられます。育成就労は入門レベルからのため、当初はより手厚い言語サポートを前提に体制を組みましょう。

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公式情報源・出典リスト(ブックマーク推奨)

内容 出典
特定技能(在留資格・日本語要件)出入国在留管理庁 特定技能
育成就労(2027年4月施行予定)出入国在留管理庁 育成就労
日本語の目安(JFT-Basic)国際交流基金 JFT-Basic
公正な採用選考の考え方厚生労働省 公正な採用選考
インドネシア 人口・宗教構成外務省 インドネシア基礎データ
通訳料金相場(逐次・同時・オンライン)OCiETe 通訳料金相場
通訳費用の相場・通訳者レベル別インターグループ 通訳費用の相場
通訳の相場(時給換算・半日換算)クラウドワークス 通訳の相場

※ 本記事の費用の目安は2026年6月時点の各社公開料金をもとにした目安です。料金は会社・通訳者のレベル・言語・地域・時期により変動するため、依頼時は必ず複数社から見積もりを取得してください。制度・要件は最新の公式情報でご確認ください。

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西澤 志門

この記事を書いた人

西澤 志門

株式会社ジンザイネシア取締役。特定技能・育成就労の制度実務と、インドネシア人材の採用・教育・定着支援を専門とする。 登録支援機関として介護・外食・宿泊分野を中心に50社以上を支援。 一般社団法人Nocoders Japan協会理事として、AI・DXによる業務改革も推進。 本コラムでは、受入企業が「本当に知りたい」制度の実務と現場のリアルを発信します。


吉田 卓司

この記事を監修した人

吉田 卓司

株式会社ジンザイネシア代表取締役。 2000年にオイシックス・ラ・大地(東証プライム市場・3182)を共同創業し、2007年に五反田電子商事(現GDX)を創業。2012年にシンガポールへ移住し、2015年にはインドネシアでBeautynesiaを創業のうえ現地財閥法人へ売却。 10年以上のインドネシア在住経験と、日本インドネシア国交55周年の大相撲巡業主催(2013年・1万人以上集客)など現地での実績を基盤に、2023年に株式会社ジンザイネシアを創業。 本コラムでは、特定技能・育成就労に関する制度実務とインドネシア人材の採用・教育・定着支援の知見を、登録支援機関の立場から監修します。

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