「挨拶一つで、こんなにも感じることが違う」──北海道の大型観光レストランが語るインドネシア人材受け入れのリアル【株式会社JEROP様】
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「挨拶一つで、こんなにも感じることが違う」──北海道の大型観光レストランが語るインドネシア人材受け入れのリアル【株式会社JEROP様】

「挨拶一つで、こんなにも感じることが違う」──外国人材を受け入れて初日・2日目で、現場からそんな声が上がったといいます。北海道内の主要観光地で大型観光レストランとお土産店を数店舗経営する株式会社JEROP様は、特定技能をはじめ約10名の外国人材(うちインドネシア人3名)が働く、外国人採用の「先輩企業」です。

今回は同社の人事管理責任者・吹越様に、インドネシア人材の受け入れで現場に起きた変化、ムスリム人材への配慮、そしてこれから受け入れる企業へのアドバイスを、率直に伺いました。(取材日:2026年7月14日/オンライン・約30分/聞き手:ジンザイネシア取締役 西澤)

取材先プロフィール

会社名株式会社JEROP
事業内容観光事業・飲食事業・養蜂事業・PB商品開発・インバウンドプロモーション事業。北海道内の主要観光地(富良野・小樽・昭和新山・阿寒湖温泉)で大型観光レストラン・お土産店を展開。本社は札幌市、台湾に支社(公式サイトより・2026年7月時点)
従業員規模100名以上
外国人材の受け入れ状況特定技能を中心に約10名(インドネシア3名・ミャンマー・台湾籍ほか)。外食の特定技能スタッフは調理・ホールサービスを担当
お話を伺った方人事管理責任者 吹越 貴弘 様(採用・労務・人事・教育を一手に担当)
公式サイトhttps://jerop.jp/

💬 この記事のハイライト(吹越様の言葉から)

  • 挨拶一つで、こんなにも感じることが違う」──受け入れ初日・2日目で現場から声が上がり、接客意識が回復した
  • 「これはこういう意味でやっているんだよ」と理由を明確に伝えれば、日本人とあまり変わらず対応できた
  • 都合のいい労働力ではなく、共に働く仲間。この意識だけは忘れてはいけない」

※本記事は取材時の発言をもとに、意味を変えない範囲で言い回しを整理して掲載しています。内容は取材時点(2026年7月時点)のものです。

北海道の観光の最前線で──会社紹介と受け入れ状況

ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤まずは御社の事業内容と、吹越様のお立場・普段のお仕事を教えていただけますか。
株式会社JEROP 吹越様
株式会社JEROP 吹越様株式会社JEROPと申しまして、北海道内の主要観光地で、大型の観光レストランとお土産店を数店舗経営している会社です。お客様は日本人の方をはじめ、インバウンドの外国のお客様など、幅広くお越しいただいています。私はこの会社の人事管理の責任者として、採用から労務、人事、教育まで、すべてを一手に担っている立場です。
ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤現在は、どのような職種・業務内容で、インドネシア人材を含めて何名くらいの外国人材が働いていらっしゃいますか。
株式会社JEROP 吹越様
吹越様会社全体では100名以上になりますが、特定技能に代表される外国人材でいくと、今は10名近くです。インドネシアの人材は現在3名。ほかにミャンマーのスタッフや、別の在留資格になりますが台湾籍のスタッフもいます。外食の特定技能のスタッフには、調理とホールサービスをメインでやってもらっています。

▶ 外食業での特定技能受け入れの制度・全体像は 外食業×インドネシア人材の完全ガイド、北海道での外国人採用の全体像は 北海道の外国人材受け入れガイド をご覧ください。

「挨拶がとてもいい」──インドネシア人材の特徴

ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤いろいろな国籍の方がいらっしゃる中で、インドネシア人は他の国と比べてどんな性格で、仕事への向き合い方にどんな特徴があると感じられますか。
株式会社JEROP 吹越様
吹越様特定技能の外食では、今インドネシア人とミャンマー人が所属しています。インドネシアの子たちは、まず明るくて、社交的な子が多い。お店でも向こうから挨拶して話しかけてくれたり、周りのスタッフとも普段からかなり明るくやり取りしてくれるのが特徴だと思います。
株式会社JEROP 吹越様
吹越様それから、現場からよく話が出てくるのは、「インドネシアのスタッフは挨拶がとてもいい」ということです。「おはようございます」「ありがとう」もそうですが、「いらっしゃいませ」のときの挨拶も表情がとても豊かで、キラキラしたまなざしと笑顔で挨拶してくれる。みんなそこでとりこになってしまうというか、「挨拶ってこうやってしなきゃダメだよね」というのを日々思い出させてくれるスタッフが多いですね。
ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤私も今年、北海道の受け入れ企業様を何社か訪問させていただいたのですが、確かにみなさん若くて明るくて元気があって、すごく気持ちのいい挨拶をしてくれるというのは、素直に感じました。

▶ インドネシア人材の国民性・仕事観の背景は インドネシア人の国民性と仕事観、採用のメリット・注意点の全体像は インドネシア人採用のメリット・デメリット で解説しています。

「挨拶一つで、こんなにも違う」──初日・2日目で現場から声が上がった

ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤受け入れ前と後で、現場の状況や雰囲気に変わったことはありましたか。良い面も悪い面も含めて、率直に伺えれば。
株式会社JEROP 吹越様
吹越様あまり良くない流れとしては、弊社はインバウンドのお客様が多いものですから、料理をきちんとセットする、提供する、片付ける──というところが、どうしても「作業」メインになってしまう機会がありまして。そうすると、接客の部分が少しおろそかになっていた時期があったんですね。そこで彼らが「挨拶から、こうやらなきゃダメだよね」というのを思い出させてくれたことで、みんなの中で接客意識も高まってきたところがあります。
「挨拶一つで、こんなにも感じることが違うよね──というのを、来てくれて初日、2日目くらいで、現場からもう声が上がってきていました。いい影響がダイレクトに出た瞬間だったと思います」— 株式会社JEROP 吹越様
ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤ある意味ピュアというか、入国前に基本的な教育は受けているものの、「日本で働く」経験自体はゼロの状態で入ってくる。それが良い形で明るさに出た、ということでしょうか。
株式会社JEROP 吹越様
吹越様そうですね。基本的な教育をしていただいているので、「こうしなきゃいけないですよね」「これが当たり前ですよね」という姿勢で、むしろ向こうから来てくれる。そこが我々もハッとさせられるところというか、おろそかになっていたことを、ちょっと突きつけられた部分でもありますね。

「構えていたほど大変ではなかった」──受け入れの実際

ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤本当に率直なところで、インドネシア人材が入ったことで大変だったこと、注意すべきポイント、受け入れてみて分かったことはありますか。
株式会社JEROP 吹越様
吹越様実は、特別に何か注意が必要だと感じたことは、そんなにはなくてですね。弊社は外国人材の受け入れ自体はずいぶん前からやっていまして、通訳の中国語人材や、台湾のスタッフなども受け入れてきました。そういう素地があったこともありますが、言い方は良くないかもしれませんけれど、あまり気を使わなくても、すんなりと入ってきてくれたのは大きかったと思います。
株式会社JEROP 吹越様
吹越様当然、文化の違いはあります。ただ幸い、入ってきてくれた子たちは日本語もかなり堪能でしたので、きちんと話してコミュニケーションを取って、「これはこういう意味でやっているんだよ」と伝えると、ちゃんと理解して汲み取ってくれる。あまり日本人と変わらず対応できたと思います。
ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤私も他の受け入れ企業様にお伝えしているのですが、違うのはあくまで国籍と文化で、「なぜこの指摘をするのか」という理由や目的をセットで伝えると、納得して意識や行動が変わっていく。それが会社の仕組みとしてできているのが素晴らしいと、今のお話を聞いて感じました。

▶ 採用段階で「定着する人材」を見極めるポイントは 面接で分かる定着のサイン で詳しく解説しています。

食事・断食・異動──ムスリム人材への配慮と工夫

ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤国が違えば文化も宗教も違います。日本に住んでいると最初は理解が難しい部分もあったかと思いますが、会社として配慮されたこと、工夫されたことはありますか。
株式会社JEROP 吹越様
吹越様インドネシアの子であれば、ムスリムの子たちもいますので、食事の面と、断食の期間ですね。断食の間は業務的にも体力的にも大丈夫かというところを、コミュニケーションを取りながら見ていく。そこは気を使ったところです。ただ、「我慢しないで何でも言ってね」と口酸っぱく言っても、ちょっと頑張ってしまうところがあるので、なるべくこちらから声がけをするようにしています。
株式会社JEROP 吹越様
吹越様あとは、先ほどの「理由を明確にしてあげる」で言いますと、たとえば「来月からこちらのお店に異動しますよ」という話のとき、「異動するよ」ということだけだと、かなり不安に感じてしまうようなんです。ですから、「こういう理由で、ここからいつまで異動します」「次はまた戻ってきますよ」と、この先の計画までちゃんと示してあげる。やはり異国で暮らす子たちですので、その辺のケアは必要かなと思います。

▶ 飲食店でのムスリム人材の雇用実務は 飲食店のムスリム人材雇用ガイド、礼拝・断食など宗教面の配慮の基本は ムスリム人材への配慮ガイド にまとめています。

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多国籍だから強くなる──メリットと今後の展望

ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤長く外国人材を受け入れてこられた中で、改めて「良かった」と感じるところ、想定していなかったけれど結果的に良かったことはありますか。
株式会社JEROP 吹越様
吹越様この数年で、過去は台湾一国のスタッフの受け入れだったところが、今はインドネシア、ミャンマーと、多国籍な会社になってきました。インバウンド業界で仕事をしている我々にとっては、社内が多国籍になることで日々その環境に慣れることができて、対応にあまり苦労することがない状況になってきている。これはある意味、すごくありがたいところだと思っています。
株式会社JEROP 吹越様
吹越様それから、日本人視点だけではなく、いろいろな国のスタッフの視点で物事を考えられるのもメリットだと思っています。これからこの子たちがもっとリーダーのような存在になってきたら、会社での発言もどんどん増えてくるでしょうし、それを我々のサービスにどんどん生かしていける。そういう意味では、可能性はかなり広がっていくんじゃないかなと思っています。
ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤今「リーダー」というキーワードが出ましたが、外国人材もリーダー的なポジションに就く可能性が十分ある、と会社として考えていらっしゃるのですか。
株式会社JEROP 吹越様
吹越様そうですね。すでにかなり頼りにしているスタッフもいますし、「そろそろリーダーとして指揮する立場を任せてみようか」「試験的に、何人かのチームで動くときにリーダー的に立ち回ってもらおうか」というスタッフも出てきています。個々の能力次第で、ある意味、日本人もインドネシア人も関係なし──というのが我々の会社の特徴でもありますので、この辺はどんどん伸びてきてもらえたらと、逆に思っているところですね。
ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤手前味噌で恐縮ですが、当社ジンザイネシアのサポートについて、良かったと感じていただいた点と、「こういうサポートがあると助かる」という要望を、率直にいただけますか。
株式会社JEROP 吹越様
吹越様インドネシア人材の受け入れは、本当のスタートのスタートから一緒にやってきていただいて、やっと軌道に乗ってきて、日々の細かな対応をしていただけて本当にありがたいと思っています。どうしても社内では言いづらいことも、ジンザイネシアさんの担当者の方にちょっと言えたり、というところもあると思いますし。ここからで言うと、特定技能2号を目指している子たちもいますので、その実現に向けて一緒にタッグを組んで、どうやって成功させていけるか。私もまだ手探りの状態ですので、いろいろフォローをお願いしたいなと思います。
ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤特定技能2号になりたいという人材は本当に多いですし、リーダー登用のお話ともつながりますね。この市場はこれからもっと大きくなると思いますので、私たちもしっかり支援させていただきます。

「都合のいい労働力ではなく、共に働く仲間」──これから受け入れる企業へ

ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤最後に、外国人材受け入れの「先輩企業」として、これから受け入れる企業様へアドバイスをいただけますか。「ここは注意した方がいい」ということでも結構です。
株式会社JEROP 吹越様
吹越様「これだけは必ず」ということで、現場とも話して「絶対に注意しましょう」と言っているのは、「都合のいい労働力じゃないですよ」ということです。ともすると、なんというか「使っている」ように思ってしまう日本人スタッフもいるのですが、そういう意識だと、絶対にうまくいかないと思いますね。
「本当に『共に働く仲間』。この意識だけは忘れてはいけないところだと思いますし、そうやって一緒に接していくと、やっぱりいい答えも返ってくるんじゃないかなと。ここが一番大事かなと思いますね」— 株式会社JEROP 吹越様
ジンザイネシア 西澤
ジンザイネシア 西澤本当に貴重なお言葉です。違うのは国籍だけで、会社と人材がお互いを認め合い、成長し合う環境づくりができている会社様ほど、外国人材がリーダーや戦力に育っている──というのは、私も現場で強く感じるところです。本日は貴重なお時間とお話を、ありがとうございました。

まとめ|JEROP様の事例から学べる3つのこと

  1. 外国人材は「人手」以上の存在になり得る──インドネシア人材の明るい挨拶が、作業に偏っていた現場に接客の基本を思い出させ、受け入れ初日・2日目で現場から声が上がるほどの好影響をもたらした。
  2. 「理由と計画をセットで伝える」が定着の土台──指示や異動は「なぜ・いつまで・その後どうなるか」まで示す。日本語が堪能な人材なら、理由を伝えれば日本人とほぼ変わらないマネジメントができる。
  3. 「共に働く仲間」の意識が成否を分ける──都合のいい労働力と見なす意識では絶対にうまくいかない。仲間として接する会社では、国籍不問のリーダー登用や特定技能2号への挑戦など、次のステージが見えてくる。

取材協力

株式会社JEROP

北海道内の主要観光地で、大型観光レストランとお土産店を数店舗経営。日本人・インバウンドのお客様を幅広く迎える。従業員100名以上。特定技能を中心に約10名の外国人材(インドネシア・ミャンマー・台湾籍ほか)が調理・ホールサービス等で活躍中。国籍を問わない能力主義でのリーダー登用を進めている。

JEROP様のような受け入れを、貴社でも

ジンザイネシアは、インドネシア人材の採用から入社後の定着支援まで一貫して伴走します。
外食業での受け入れをご検討中の方は、まず資料と無料相談をご活用ください。

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西澤 志門

この記事を書いた人

西澤 志門

株式会社ジンザイネシア取締役。特定技能・育成就労の制度実務と、インドネシア人材の採用・教育・定着支援を専門とする。 登録支援機関として介護・外食・宿泊分野を中心に50社以上を支援。 一般社団法人Nocoders Japan協会理事として、AI・DXによる業務改革も推進。 本コラムでは、受入企業が「本当に知りたい」制度の実務と現場のリアルを発信します。


吉田 卓司

この記事を監修した人

吉田 卓司

株式会社ジンザイネシア代表取締役。 2000年にオイシックス・ラ・大地(東証プライム市場・3182)を共同創業し、2007年に五反田電子商事(現GDX)を創業。2012年にシンガポールへ移住し、2015年にはインドネシアでBeautynesiaを創業のうえ現地財閥法人へ売却。 10年以上のインドネシア在住経験と、日本インドネシア国交55周年の大相撲巡業主催(2013年・1万人以上集客)など現地での実績を基盤に、2023年に株式会社ジンザイネシアを創業。 本コラムでは、特定技能・育成就労に関する制度実務とインドネシア人材の採用・教育・定着支援の知見を、登録支援機関の立場から監修します。

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